that passion once again

日々の気づき。ディスク・レビューや映画・読書レビューなどなど。スローペースで更新。

007 JUSTICE 徳永英明 (1990)

"なんのために生まれたんだろう?"

自分探しの旅に出たことがある人なら、

一度は疑問に思ったことがあるであろう鉄板フレーズ。

海を眺めながら、街を眺めながら、星を眺めながら、

心に疑問を抱き続ける "どうしてここにいるんだろう?"

 

"生まれてこなければよかった"と思ったこともあった。

自分を産んだ母親を憎んだこともあった。

そんな思春期の苦しみを緩和してくれたのが徳永英明だった。

まだ中坊だったから、何かを失うという意味はわからなかったけど、

「JUSTICE」の歌詞にある

"傷つくことが 勇気と出会うなら"

"迷い歩いて 地図を辿れば 何かに出会うだろう"

というフレーズが明日を生きていくための勇気だった。

迷ってもいいんだという希望を与えてくれた。

 

この曲は、当時の彼にとっても重要な曲だったと思う。

振り絞るように声を張り上げるその姿は、

ジョン・レノンのプライマルスクリーム(原初療法)のような、

一種の心理療法的な側面もあったと思うのです。

そして、それを聴く僕らも追体験ができるという希有な曲。

26年も経った今でも、彼の叫びは僕の心を癒してくれる。

JUSTICE

JUSTICE

 

 

006 REALIZE 徳永英明 (1989)

「輝きながら…」で彼を知り、

「最後の言い訳」ですっかりファンになった。

夜のヒットスタジオ』での泣きながらの熱唱が、

中坊の僕の心をつかんで離さなかった。

 

当時、まだCDラジカセを持っていなかった僕は、

レンタルショップでこのCDを借りて、

妹の友達の家でカセットテープにダビングをしてもらった。

今思えば随分と図々しい輩だったと思うけど、

それしかこのアルバムを聴く方法がなかったのだから、

それはもう必死の思いだった。

妹への恥も、たいして仲良くもない友達に頭を下げることも、

徳永英明を聴くためには我慢してやり遂げなければならなかった。

 

「君の青」「MYSELF -風になりたい-」など、

後の徳永英明を形作る名曲がびっしり詰め込まれている。

当時、付き合っていた女の子から、突然サヨナラを言われて、

失恋の苦い思い出が蘇る「僕の時計」が甘酸っぱい。

REALIZE

REALIZE

 

 

005 LINDBERGⅣ LINDBERG (1991)

LINDBERG=今すぐKiss Meというイメージが、

今でもかなり色濃く続いているが、

ヒット曲はそれだけではないのはファンは周知の通り。

特に4枚目のオリジナル・アルバムである本作は、

ミリオンセラーの大ヒット、

バンドのエネルギーが爆発した大傑作。

3ヶ月連続リリースのシングルや、

シングルカットでヒットとなった「BELIEVE IN LOVE」

収録曲数も全15曲と、当時の勢いを如実に現している。

 

アルバムは10曲入りで3000円というのが、

高校生の僕にはセオリーだと思っていたんだけど、

このアルバムは15曲も入っていて、

しかもデジパック仕様で、おまけのポスター付き、

それでお値段据え置きの3000円。

なんてスゲーんだと、高校生の僕は胸を躍らせた。

さらにレコードショップのポイントがたまっていて、

2500円もサービスしてもらえたものだから、

そのコストパフォーマンスは破格だった。

 

ちょうど思春期を迎え、自分探しの旅に出た僕には、

「Dream On 抱きしめて」や「LOOKING FOR A RAINBOW」は

自分を鼓舞するための一種のアドレナリン増強剤だった。

LINDBERG IV

LINDBERG IV

 

 

004 静香 工藤静香 (1988)

初めて購入したCDが永井真理子なら、

初めて購入したカセットテープは工藤静香だった。

このアルバムで中島みゆきという存在も初めて知った。

「FU-JI-TSU」や「証拠をみせて」など、

今でもライブで歌われているというからスゴイ。

僕的には「さよならの逆説」「裸足のライオン」がマスト。

静香

静香

 

 

003 AMAZING STORY 姫乃樹リカ (1989)

とにかく聴くと切なくなるアルバムです。

中2でひきこもりのような鬱状態になり、

誰とも口を利きたくない時期がありました。

その頃にカセットプレイヤーから常に流れていたのがこのアルバム。

学校をふけて遠出した時も、イヤになって家出をした時も、

どこに行くのもこのアルバムが僕のお供でした。

エヴァンゲリオンで例えるなら、シンジのS-DATの中身が、

僕の場合、姫乃樹リカの「AMAZING STORY」だったわけです。

 

アイドルのアルバムとは思えないほど、

今聴いても遜色のないクオリティーです。

特に「HERE WE GO! -片想いからはじめよう-」は突出の出来。

伸びのある透き通った歌声が十二分に発揮されています。

 

他にも「EMPTY HEART」「碧いプラネット」の極上バラード。

 「時間を止めて」「不思議な彼」では本人が作詞をしている。

もう少しデビューが早ければとか、遅ければという声もあるが、

"姫乃樹リカ"といういかにもアイドルらしい名前とルックス、

その内に秘めたアーティスティックな部分のギャップ、

それがなければ成り立たないのがこのアルバムの魅力だと思う。

80年代最後のアイドルが最後に放った極上の名盤ではないだろうか。

AMAZING STORY

AMAZING STORY

 

 

002 Reminiscence -Singles vol.1- 姫乃樹リカ (1988)

知る人だけが知る、マニアックなアイドルだと思う。

当時、中学2年くらいの僕が、

なぜこんなマニアックな彼女を知ったのか、

今ではぜんぜん思い出せないけど、

たぶん入り浸っていたレンタルショップやレコードショップ、

そんなところでふと目にしたことがきっかけだと思う。

当時はまだCDを買うこともできなくて、

このアルバムはカセットテープで購入した。

 

曲の前にモノローグが入るという架空のラジオ番組のような構成。

シングル曲だけを集めたベスト的な内容。

アイドルが廃れ始めていた時代と言えども、

これもかなりマニアックな作品作りになっている。

当時のディレクターのホームページに、

ビートルズのようにアルバムとシングルを分けた」と語られているけど、

なるほど、歌に対する姿勢はかなりの本気モードだった。

姫乃樹リカ西邑理香

http://www.thebeatlemania.com/rika.html

 「硝子のキッス」「ときめいて」「もっとHurry Up!」

この辺りが代表曲的な扱いを受けているけど、

僕的には「ハートの翼」や「そよ風のささやき」が好き。

レミニッセンス

レミニッセンス

 

 

001 CATCH BALL 永井真理子 (1990)

僕にとって大切な1枚。

初めて購入したCDです。

欲しくてたまらなかったCDラジカセをやっと手にして、

意気揚々と街のCDショップでセレクトした僕の記念盤。

当時、まだ中学3年生だった。

CDを買うとケースをしまうビニールの袋やCDマットがもらえて、

これは大切に扱わなきゃいけないんだと子供心に思った。

 

ヒット曲「ミラクル・ガール

佐野元春提供の「White Communication -新しい絆-」

陣内大蔵提供の「好奇心」に辛島美登里提供の「今、君が涙を見せた...」

今思うとファンハウス・ファミリー勢揃いの強力プッシュ。

「23才」「キャッチ・ボール」も名曲としてファンに愛されている。

もう忘れてしまったけど、どこかのディスクレビューで、

"これは名盤です"と評論家先生が寄稿していたのを見かけたこともある。

個人的には「Way Out」と「レインボウ」が好きすぎて、

今でも永井真理子ベストを作る時には必ず入れる曲だったりします。

 

「23才」「ありがとうを言わせて…」が本人作詞曲。

特に「ありがとうを言わせて...」は亡き父への想いを綴った1曲。

こういうパーソナルな部分をさらけ出す作家性が、

後のセルフプロデュースへの足掛かりになったのではないだうか。

Catch Ball

Catch Ball