that passion once again

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ツイン・ピークス The Return 考察 第7章 PART.2 やさぐれダイアン!チョップするジェイニーE!掃きそうじはしっかりやれよっ!

本国で迎えた最終回が物議をかもしております。

多くの人がブチ切れてF※※※連発の大騒然。

ああ、どこまで意味不明なことが起きてるんだろ。

楽しみすぎる!

 

前回、必要以上にローラの日記を掘り下げてしまい、

あまりのボリュームになってしまったのですが、

いやいや、第7章の後半も重要なことだらけ!

どこまでのボリュームになるか全くわかりません。

最後にF※※※と地団太しないためにも、

1話1話、玉ねぎの皮をペリペリ剥がすように

涙を流しながら丹念に掘り下げていこうと思います。

 

◆ゴードン・コールの部屋

 口笛を吹いている上機嫌なゴードン。

 どうやら昨日の夜は最高だったみたい。

 そこにアルバートが報告に来る。

 雨に濡れて肺炎になりかけたらしい。最悪だ。

 ダイアンを説得させるためゴードンが駆り出される。

 

 第3章では、

 ゴードンの部屋に「きのこ雲」と「カフカ」が飾られていましたが、

 今回、新たに「トウモロコシ」が加わりました。

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 ピーカーなら、ああ、ガルモンボジーアでしょと、

 「コーン=痛みや悲しみ」に直結するのではと思いますが、

 ちょいと待ってください。

 それはクリーム・コーンのお話し。

 ここにあるのはトウモロコシそのものです。

 

 実は「トウモロコシ」の起源というのは未だ判明しておらず、

 巷では宇宙からやってきた謎の植物と言われています。

 そんな植物が現在、世界の三本指に入るほど大量に生産され、

 今ではバイオマスエタノールとして、

 次世代クリーン・エネルギーの最有力候補として挙がっています。

 それとツイン・ピークスがどう絡むのかはさっぱりですが、

 この「トウモロコシ」も、なにげにメタファーになってそうです。

 

 ちなみにゴードン・コールが物思いに吹いていた口笛。

 これはイタリア映画「フェリーニのアマルコルド」のテーマ曲。

 だ、そうです。

 僕もなんの曲だろうと気にはなっていたけど、

 ネットってスゴイよなぁ、

 海の向こうで誰かが教えてくれるんだもん。

 これはリンチ教授のオマージュって感じがします。

 こう見えてツイン・ピークスは喜劇なんだゼっ、みたいな?

 

◆ダイアンの家

 ずいぶんとオシャレな所に住んでおります。

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 男を連れ込んで、それなりに今を満喫しているダイアン。

 まあ、やさぐれております。

 サウスダコタに行こうと誘うゴードンとアルバート

 悪クーパーが本当にクーパーなのか微妙だから、

 今まで一番近い存在だったダイアンに、

 彼かどうか判断してもらおうという魂胆のようです。

 なかなか間の抜けたFBIでございますが、

 それがツイン・ピークスです。

 そして、それはダイアンが知ってることにも関係するらしい。

 ダイアンはいろんなことを知っていそうですが...。

 

◆プライベートジェト機

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 上の3枚の写真を見て何か気づかれただろうか。

 一番上の写真が通常の窓が6つ並んでいる状態。

 2枚目は右側2つの窓が意図的に塗りつぶされている。

 3枚目に至っては右側1つと真ん中2つが塗りつぶされている。

 実際はこれだけでなく、いろんな窓が塗りつぶされている。

 映像ではほんの一瞬のシーンなので、

 パッと見た感じでは窓に光が反射しているように見える。

 しかし、光の反射だとしても、3枚目は明らかに意図を感じる。

 海外のサイトでは、第7章の最大の謎と騒がれていましたが、

 これが仕込まれた暗号なのか、

 なにかの信号なのかは、あたしにはさっぱりわかりません!

 巷では「ブラック or ホワイト」って解読できるらしいんだけど、

 黒か白かって聞かれたら「白」でしょ。

 ジェット機も山も白いんだから。

 

 機内でタミーが指紋の件を報告する。

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  〇25年前と2日前のクーパーの指紋

  〇一見、2つは同じに見える

  〇だが指紋のコードマークの位置が左右逆になっている

  〇誰かが同じように見せようとして裏表逆にした、とアルバート

  〇「とても」もひっくり返すと「もてと」とゴードン

 どうやらドッペルゲンガーは鏡写しの存在のようです。

 ていうか、FBIになると、

 指紋にコードマークをつけられるみたいです。

 見た感じ、どれがコードマークなのかもよくわからないけど。

 

 さらにタミーに手を出してごらんとゴードン。

 そして、左の小指から順に

 "私は-とても-とても-うれしい-また-君と-再会-できて-懐かしの-友よ"

 と、第4章のヤンクトン刑務所での悪クーパーとの会話を彷彿させ、

 なぜか一つ一つ指をつまみながら語ります。

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 さらに、左手の太陽丘を "スピリチュアルな山"

 左薬指を "スピリチュアルな指" と諭し、よく考えろと言います。

 

 さてさて、手相の時間でございます。

 前回の第6章でも、レッドが「手」について学んだことあるか?

 と聞いておりましたが、手相なんて生命線ぐらいしか知りません。

 "太陽丘" なんて、さらに なんじゃらほい な感じです。

 

 ギリシャ神話に出てくる太陽の神 "アポロン"。

 そのアポロンが由来となっているのが「太陽丘」。

 手の平の薬指の付け根辺りのことを指します。

 どうやら、ここがこんもりしていると人気者で、

 お金がガポガポ入ってくるそうなのですが、

 自分はどうなの?と見てみたら、見事にぺったんこ!

 ヤバイ、ひたすら摘まみまくって、わざとこんもりさせるかっ!

 

 薬指も創造を司り、太陽丘と同様、アポロンが由来のようです。

 なんか、浮かび上がってきましたよ。

 アポロン。太陽の神。美形で予言を司る。医術や芸術にも特化。

 金の弓矢で地上の人間を疫病で大量虐殺。

 ボクシングの祖ともいわれる。

 英語での呼び名は "アポロ"

 「アポロ計画」のアポロだそうです。

 それがスピリチュアル?霊感を司る?

 インスピレーションの源泉?

 結局、なんにもわかんないや!

 

 アルバートが悪クーパーの写真を取り出します。

 25年間で唯一撮影された写真のようですが、

 羽織っているジャケットが白。

 これって、フィリップ・ジェフリーズやん!

 ていうか、25年の間にたった1枚だけって、どんな!

 リオデジャネイロの郊外に、

 プール付きの大豪邸を持っていたそうだけど、

 今現在はイパネマの女性が所有者らしい。

 ボサノヴァですか!

 

◆スー・シティー、ヤンクトン連邦刑務所

 悪クーパーとダイアンが対面する。

 執拗に「最後に会ったのは、いつ?」と問い質すダイアン。

 どうやらダイアンの家で夜を過ごしたのが最後らしい。

 「あの夜の事は絶対に忘れない」

 なんか恨み節です。

 インランド・エンパイアのニッキーみたい。

 ややもすると、玉を潰されそうな勢いです。

 ところが、悪クーパーは、それがどうした?と平然。

 「あなたは誰?」と問い質し、

 「私を見て」と懇願するダイアン。

 なんかダイアンとクーパーの色恋沙汰を想像しますが、

 なんだろう、違和感を感じます。

 25年前のテレビシリーズのアニーとクーパーの関係、

 さらにウィンダム・アールの妻であるキャロラインとの関係、

 結構、クーパーは赤裸々にボイスレコーダーに語りかけてました。

 ダイアンが実在している今、

 彼女はいったいそれをどんな気持ちで聴いていたのでしょう。

 それともクーパーは語るだけ語って、

 そのテープをダイアンには送っていなかったのでしょうか。

 

 刑務所の駐車場でダイアンがゴードンに打ち明ける。

  〇あれはデイル・クーパーじゃない

  〇年を取った、人が変わったなど見た目の話ではない

  〇彼は心を失くしている

  〇あの夜のことが気になるゴードン

  〇ダイアンは今度二人きりの時に話すと約束する

 どうやら我々の知らない何かがまだまだ隠れていそうです。

 

 牢屋に戻る悪クーパー。

 ストロベリーについて話がある、

 マーフィー所長に伝えろ、と看守を脅します。

 ダイアンに会ったことで、

 悪クーパーは何かを決断したようです。

 

 ◆スパークウッドの先の林道

 トラックの持ち主を待ちわびるアンディー。

 4時30分の約束だが、今はもう5時を過ぎている。

 トラックの持ち主は一向に現れる気配がない。

 アンディー、そりゃ来るわけないよ。

 25年経っても人の好さは変わらないようです。

 

◆小屋のような家

 未だにピックアップトラックが停まっている。

 玄関のドアが半開き。

 不穏な空気が漂っている。

 逃げたか、消えたか、始末されたか...。

 

◆ヤンクトン刑務所、所長室

 マーフィー所長と悪クーパー。

 監視カメラは切られているらしい。

 所長さん、よっぽどストロベリーの件が弱みです。

  〇犬の脚

  〇もとは4本あった

  〇1本は悪クーパーの車から出てきた

  〇残りの3本はある情報と共に消えた

  〇その情報はマーフィー所長が知っている

  〇悪クーパーに危害があると二人の人物がやってくる

  〇その二人はマーフィーにとって都合の悪い人物

  〇ストロベリー、犬の脚、ジョー・マクラスキー

  〇それを聞いて観念するマーフィー所長

  〇悪クーパーの条件提示

    1.安いレンタカーを用意しろ

    2.レイ・モンローも一緒に出せ

    3.グローブボックスに友達を入れろ

    4.事は今夜1時

  〇八方塞のマーフィー所長

  〇ストロベリーは既に死んでいる

 

 はい、

 完全に放置されると思っていた第4章の「犬の脚」は、

 どうやら脱獄用のアイテムだったみたいです。

 動物愛護団体からクレームが来そうですな。

 

 さらに第2章で盗聴されたダーリャとレイの会話、

 「銃を持って州境を超えたらパクられた」というのは、

 どうもリアルな話のようです。

 マジか。

 疑われたダーリャが、なんか可哀そう。

 

 同じ第2章で、悪クーパーが司法省のホームページを検索。

 誰かの居所を探っていましたが、それもレイだった模様。

 と、すると、

 第3章で車をひっくり返して、ゲロ吐いたのも、

 わざとヤンクトン刑務所に入るためだったということ?

 いやいや、あれは普通にゲロでしょ。

 クーパー転送の副作用。

 それが逆に功を奏したのか、

 もしくは全てはもっと大きな力に動かされているのか。

 レイはフィリップ・ジェフリーズともつながっていそうだし、

 偶然では片づけられない何かがありそうです。

 

ラッキー7保険

 アンソニーがクーパーに詰め寄っています。

 裏工作がバレてんじゃないかと冷や冷やの様子。

 そこに刑事が3人やってくる。

  左の刑事:D・フスコ

  右の刑事:T・フスコ

  後ろの刑事:"スマイリー" フスコ

 なんだ?

 フスコ3兄弟か?

 よしこちゃんの弟、トン吉、チン平、カン太、みたいな。

 三つ子じゃなさそうだけどさ。

 そこにクーパーを迎えに来たジェイニーEも登場。

 随分と車の前で待っていたんだけど、

 待ちきれなくて職場まで来ちゃいました。

  〇相変わらずバッジがお気に入りのクーパー

  〇刑事は元ダギーの車の件で来た

  〇「盗まれた」と言うと刑事が反応

 どうやら第5章で、

 元ダギーの車を持ち去ろうとしていたのは、

 窃盗団の手先だったみたい。

 どうりでチンピラなわけだ。

 こんな伏線までThe Returnは回収してくれるのね。

 ちなみに"スマイリー" フスコは、去り際に笑うだけ。

 メモを取るわけでもなく、

 質問をするわけでもない、

 ただ話を聞いて笑うだけの刑事。

 お前、確実に必要ないだろ!

 

 刑事から解放されてビルの外に出るクーパー&ジェイニーE。

 そこへスパイクが拳銃を構えて突っ込んでくる!

 クーパー、難なくスパイクを取り押さえる!

 スパイク、弱ぇ!

 んでもっての、クーパー・チョップ!

 ジェイニーEはスパイクの首を絞める!絞める!絞める!

 それが一番苦しそう。

 そこに唐突に "腕" が現れる。

 「手をもぎ取れ!手を引きちぎれ!」

 意味がわからない。

 逆に "腕" に言われたことによって、

 クーパーはスパイクの手を放したようにも見える。

 解き放たれ逃げていくスパイク。

 

 しかし、このクーパーの防衛本能はなんでしょ?

 25年前のテレビシリーズでも、

 オードリー奪還のため、片目のジャックに乗り込んだ時、

 背後からのナイフ攻撃をバシッと片手で止めたクーパー。

 もともと反射神経はよかったみたいですが、

 それも事前に鏡で確認していたのと、

 相手が女性だったということも影響していそう。

 それが故にホテルでふいにジョシーに撃たれた時も、

 ロッジでウィンダム・アールにナイフで刺された時も、

 クーパーはなにも防衛することができなかった。

 

 今回、スパイクはなぜ拳銃で襲ってきたのか。

 前回第6章でロレインを襲った時、

 スパイクはアイスピックでめった刺しにしていた。

 白い封筒が届けられた時も標的をアイスピックで突き刺した。

 そう、スパイクは必殺仕事人で言うと「飾り職人の秀」!

 飛び道具より、相手の急所を一突きすることに優れているのだ。

 それが前回、何かのはずみでアイスピックが曲がってしまった!

 しかも、キレイに90度!コの字型に!

 スパイクの運の悪さもあるが、

 その時から既に、

 見えない何かにクーパーが守られていたとも言える。

 だから、スパイクは慣れない拳銃で暗殺を謀るしかなく、

 レインマン状態のクーパーでも咄嗟に防衛できたのではないだろうか。

 

 白昼での暗殺未遂事件。

 警察やマスコミが殺到しオフィスビル前は騒然となっている。

 ジェイニーEは警察の事情聴取に、

 「わたしも殴ったり蹴ったりしました!」と言ってますが、

 いやいや、あなた首絞めてましたよ、首!

 あの場で一番、殺意を剥き出しにしてたじゃないか!

 殴ったり蹴ったりなんて、そんなカワイイもんじゃないよ!

 

 逃げるスパイクがぶつかっていったという親子。

 女の子が一言、非常に重要なことを言います。

 「変なニオイがした」

 これは確実に "焦げたオイルの臭い" です。

 ということは、スパイクはブラック・ロッジの住人、

 もしくは "ボブ" が憑依した暗殺者である可能性が高い。

 現状、"ボブ" は悪クーパーと一心同体になっているので、

 一時的に "ボブ" がスパイクに乗り移ったとは考えにくい。

 となると、スパイク=ブラック・ロッジの住人 ということになる。

 これは困りました。

 先ほど、"腕" はスパイクの手を引きちぎれと叫んでいた。

 果たして、同じブラック・ロッジの住人同士で、

 そんな共食いをするのだろうか?

 さらにスパイクに依頼を送ったのはラスベガスのMr.トッド。

 そのMr.トッドも、誰かから指令を受けているのだが、

 その相手がブラック・ロッジとつながっている誰かということになる。

 でないと、Mr.トッドがスパイクに依頼を出せない。

 

 では、なぜ元ダギー・ジョーンズは、

 ここまでブラック・ロッジの誰かから命を狙われているのか?

 ジーン&ジェイクに命を狙われ、

 二人を差し向けたロレインはブエノスアイレスに連絡をした。

 そして、そのロレインは、スパイクに殺された。

 悪クーパーは、自らを「ダギー・ジョーンズ」と名乗り、

 元ダギーは「緑の指輪」を左薬指(スピリチュアルな指!)に嵌め、

 消滅する寸前、彼の左腕は完全に痺れて動かなかった。

 見えそうで見えない、この謎。

 ヤバイ、どんどん深みにハマっていきます。

 

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 さらに警察は拳銃に固着した皮膚を採取します。

 これはスパイクの手の平の皮膚、というか肉片。

 まるで「ブルーベルベット」で、

 野原に落ちていた片耳を拾うジェフリーのようです。

 これでブラック・ロッジ絡みの証拠が警察に渡りました。

 その分析結果が気になるところです。

 

◆グレート・ノーザン・ホテル

 ベンジャミン・ホーンとビバリーが謎の音を探っている。

 その音は、何かに共鳴しているような感じ。

 先週から聞こえていたが、今日になって大きくなったらしい。

 二人して音の場所を探ろうとするが、よくはわからない。

 ビバリー、今日届いた315号室の鍵をホーンに渡す。

 懐かしく鍵を見つめるホーン。

 どうやら20年前に全室カードキーに変えたらしい。

 25年前を思い出すホーン。

  〇315号室はクーパー捜査官が撃たれた部屋

  〇彼はFBIだった

  〇ある事件の捜査のためにホテルに泊まっていた

  〇ローラ・パーマーの事件だった

 ローラのことを聞かれると、

 ふいに25年前の黒歴史を思い出したらしいホーン氏、

 長い話なんだと唐突に話を終わらせます。

 ホーンとビバリー

 どうも親密な空気が流れています。

 それを自ら押し殺しているベンジャミン・ホーン。

 謎の音は続き、

 どうやら壁の奥から響いてきているようです。

 

ビバリーの家

 16832番地にあるビバリーの家。

  お手伝いさん:マージ

  ビバリーの夫:トム

 家に帰るビバリー

 夫のトムは車椅子に乗り、酸素吸入の状態。

 ひたすらにテレビを見ています。

 帰りが遅かったビバリーを疑うトム。

 その疑いにヒステリックになるビバリー

 ベンジャミン・ホーンにその気があるのが確定です。

 なければ、そんなにムキにならないでしょう。

 

◆BANG BANG BAR

 店員がひたすら床の掃きそうじをしています。

 スゴイです。

 なんで延々と人が掃除している姿を見てなきゃいけないんだろ。

 しかも、ちょいちょいゴミが残ってるし。

 もっとしっかり掃けよ!

 

 そこに電話がかかってきます。

 電話に出るジャン・ミシェル。

 相手が誰だかわかりませんが、どうやら売春の請負相手。

  〇この間の件は上手く行ったのか

  〇二人と言ったのに一人しか来なかった

  〇名前を教えろ

  〇来た小娘を調べたら15才だった

  〇それも高学歴な学校の生徒だ

  〇お前の店はヤバイんじゃないか

  〇俺は娼婦を頼んだんだ

  〇57年だか、ルノーだか、知ったことじゃない

  〇一人しか来なかったんだから一人分しか払わん

 完全に妄想ですが、電話の向こうはこんな感じなのかな。

 

◆ヤンクトン連邦刑務所

 27番の牢屋から出てくる悪クーパー。

 レイと共に刑務所から解放される。

 それを苦々しく見送るマーフィー所長。

 FBIのゴードンから監視を頼まれていたのに、

 この状況はかなりヤバそうです。

 

◆ダブルRダイナー 

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 上の2枚の写真を見比べて欲しい。

 ①と②の写真の間に、

 男が「なあ?ビリーを見なかったか?」と慌ててやってくる。

 その一瞬でダイナーの客たちが入れ替わっているのだ。

 しかも、①ではテーブル席にいたハイジが、

 ②になると一瞬にしてカウンター内にいる。

 

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 ③と④では手前の男性客三人組以外は、総入れ替えだ。

 これも海外のサイトで第7章の謎!と騒がれたワンシーン。

 特に手前の三人組だけまったく変わらないのが

 なにか意味がありそう、ということらしい。

 続けてエンドクレジットを見ていると、

 手前の三人組にシェリーはメニューを渡しているが、

 特に何を注文するわけでもなく、コーヒーを飲むだけ。

 んん...、ホントか?

 

 仮に編集ミスだとしても、

 ほんの数秒のシーンのために

 わざわざお客さんの配置まで変えるだろうか?

 これは完全に次元のゆがみ、

 もしくはパラレルの切り替わり点としか思えない。

 「マルホランド・ドライブ」の "シレンシオ" みたいな感じ。

 そのきっかけは "ビリー" だろう。

 ビリーはどこに行ったんだ?

 

というわけで、なんとも濃すぎる第7章!

いろんな情報と謎がありすぎて、たまらなく面白い!

次回は放送時、全世界が騒然となった伝説の第8章!

ああ、明日の21:00が待ちきれない!

ツイン・ピークス The Return 考察 第7章 PART.1 失われたローラ・パーマーの日記を徹底解読!次元のゆがみがハンパないっ!

往年のファンなら失禁間違いなし、

テンション上がりまくりだった第7章!

ローラ・パーマー事件が劇中で語られ、

25年前のロッジ脱出後のクーパーが語られ、

ベンジャミン・ホーンはやっぱりスケベだった!

誰もが待ちわびたツイン・ピークスのその後。

語りたいことがいっぱいありまっセ、姐さん。

ありすぎて前半と後半で語りつくしまっセ!

 

◆森の中

 車を盗まれた!と騒ぐジェリー・ホーン。

 見る限り、車なんてとても入ってこれなさそうな森の奥。

 どうやら昨夜、ジャコビーのネット放送を見ながら、

 "AK47" を吸いすぎてしまったようです。

 

ツイン・ピークス保安官事務所

 ホーク副所長がトイレのドアから見つけたのは、

 破かれたローラ・パーマーの日記だった。

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  〇見つかった日記は3ページ

  〇1枚にはアニーからのクーパーについての伝言

  〇もう1枚にはボブの正体に気づいたことが書かれている

  〇日記は4枚なくなっていた

  〇あと1枚はまだ見つかっていない

 フランクは事件について記憶を思い起こす。

 クーパーは、ローラ事件の捜査のために来たのだから、

 殺されたローラがクーパーを知るわけがないのではないか。

 ホークは言う。「"夢で見た" と書いてある」

  〇25年前、ロッジから脱出したクーパーとアニー

  〇ハリーとヘイワード先生がグレートノーザンホテルに運んだ

  〇その後すぐクーパーは町を出てしまった

  〇その日クーパーを見たのはハリーとヘイワード先生だけ

 ロッジから出てきたクーパーは善い奴じゃない、とホーク。

 25年前に突然 姿を消したクーパーに不信を感じるフランク。

 当時のクーパーの足跡を追いかけ始めます。

 

さてさて、

のっけからローラ・パーマーの日記です!

ヤバイ、ローラの日記が出てくるとテンション上がるじゃん!

というわけで、

ここで徹底的にローラの日記の解読に挑戦したいと思います。

 

往年のピーカーにはまったくもって説明不要だと思いますが、

ローラ・パーマーの日記は2種類あります。

 A.事件後、ローラの部屋から見つかった日記

 B.ハロルド・スミスがローラから預かった日記

Aの日記には「貸金庫の鍵」「コカイン」「Jの頭文字」が。

Bには「ボブ」についての記載が多い。

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これは懐かしのAの日記。全てはこの序章から始まった。

ページを見ても、今回発見されたページとは罫線が違う。

 

今回、ホークが見つけた日記の断片はBの方。

実際にBの日記そのものを見つけたのもホークだった。

その時はハロルド・スミスが日記をビリビリに破き、

4ページどころか、

ハロルドの部屋中がローラの日記の破片だらけだった。

ツイン・ピークス 第14章

 

さらに4ページなくなったうちの3ページが見つかり、

残りの1ページは、まだ見つかっていないと言うが、

既に25年前にその1ページは見つかっている。

 

25年前、ローラの親友ドナ・ヘイワードが、

クーパーにトレモンド婦人を紹介しようとした時だった。

宅配サービスで度々訪れていた婦人宅を共に訪れると、

まったく別人のおばちゃんが出てくる。

これがまた"婦人"とは程遠い、

大阪のおばちゃんみたいだから、おったまげてしまう。

相手がドナだと知ると、大阪のおばちゃん、

ハロルドが自殺した日、

ドナ宛ての手紙がポストに入っていたことを教えてくれます。

受け取ったその手紙に入っていたのがローラの日記だった。

 

2月22日

ゆうべ、奇妙な夢を見た。

私は小さな男と老人とともに赤い部屋にいる。

私はボブの正体を老人に告げようとする。

でも声が変でうまく話せない。

私は老人に近づいて彼に秘密を打ち明けた。

ボブを止めないと。

ボブが恐れるのはただ一人の男。

彼の名はマイク。

あの老人がそうなのか?

夢の男の人は聞こえたかしら。

彼なら信じてくれる。

 

2月23日

今夜、私は死ぬ。

そうすればボブから逃れられる。

あいつを引き離せる。

ボブは私を欲しがってる。

死が私の逃げ道。

ツイン・ピークス 第16章

 

そして、実際に2月23日にローラは殺害され、

翌2月24日の午前11時30分に、

クーパーがツイン・ピークスに到着するのだった。

 

今回、発見された日記には下記の記載があった。

 

【A】

昨日の夜 見た夢に、それは出てきた。

私の名前はアニー、

デイルとローラ(私???!!!)と一緒にいるの。

善いデイルはロッジにいて、

そこから出られない。

あなたの日記にそう書いておいて。

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【B】

午前1時30分

私は今まともに息ができないくらい泣いている

あれはボブじゃないってことがはっきりと分かったから

 

両方とも映画「FIRE WALK WITH ME」で描かれたシーンだ。

 

【A】については、

トレモンド婦人からもらった扉の絵の世界に迷い込み、

ローラのドッペルゲンガーが生まれ、

「緑の指輪」がローラに引き渡されるシークエンスのこと。

ベッドにアニーが現れ日記と同じセリフをつぶやく。

 

【B】のボブが父リーランドだと分かったのは、

ローラが殺害される前日の夜のこと。

窓から忍び込んできたボブの正体に迫るローラは、

ボブが父親だったことを目の当たりにする。

このシーンは、ローラを徹底的に打ちのめし、

正体がバレたリーランドはローラ殺害に及んでしまう。

 

このように、

日記の内容が何を伝えようとしているのかはわかる。

だが、ローラがハロルド・スミスに日記を預けたタイミングは、

驚くことに、上の事柄が起きる前の段階なのだ。

 

ローラがハロルドに日記を預けたきっかけは、

ある日、日記が破られていたことに気づいたからだった。

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ボブが破いたと悟ったローラは、

日記を書くことを勧めたハロルドに、その日記を預けることにする。

あなたが書けと言ったから、こんなことになってしまったんだと言わんばかりに。

そして「もうここに来ることはない」と言い残し、ハロルドのもとを去った。

ローラを呼び止めようと玄関ドアまで追いかけるハロルドの手には、

しっかりと「ローラの日記」が握りしめられていた。

 

仮にそのあと、実はちょいちょいハロルドのもとに通い、

ローラが日記をつけ続けていたとしても、

殺害された2月23日のローラは精神状態が非常に不安定で、

とても、あんなポエティックな日記を書ける状態ではなかった。

 

では、なぜ日記が存在するのだろうか。

身も蓋もないことを言えば、脚本の段階で時系列を誤った。

今みたいに事細かに設定を考えない時代で、

気まぐれなリンチ教授のことでもある。

瞑想で思いついたことに、そんな細かい事をグタグタ言うな!と

ゴードンのようにこっぴどく怒鳴られそうですが、

しかし、ここまでズレていると、

設定ミスと言うよりは、たぶん確信犯である。

 

映画「FIRE WALK WITH ME」で、

ハロルドに日記を渡すタイミングが、

23日の夜、ボビーやジェイムスに会う前なら充分に整合性は取れる。

こんなことは、アッパラパーな僕でさえ気がつくんだから、

リンチ教授が気がつかないわけがない。

ということは、こんな可能性があるのではないだろうか。

「ローラの日記自体が既に次元を超越している」

まるでニューヨークのガラスの箱のように、

わたし達が生きている3次元とは別の次元とつながっているのだと。

 

そうだとすれば、

トイレのドアの隙間にも紛れ込むことができるし、

トレモンド婦人のポストに届けることもできる。

 

破かれた日記の内容は2つに分けることができる。

 1.ローラが見た夢の話

 2.ボブについて

 

2のボブについては、

ローラがいかにボブに虐げられ、

そして逃れようとしているかの苦悩が書き記されている。

 

問題は1の方である。

1について書かれていることは、夢の中と言えども、

現実に出合ったことがない人達とのやりとりだ。

しかも、時間の観念がてんでバラバラで、

タイムスリップしているというよりも、

時間の階層が幾重にも折り重なっている印象を受ける。

まるで「インランド・エンパイア」のように。

 

それはThe Returnの第2章で片腕の男マイクが、

テレビシリーズの最終回では小人が言っていた、

「これは未来か。それとも過去か」というセリフとリンクする。

ユング的に言うなら「集合的無意識」と呼ばれる領域、

人間の意識のとても深い階層でクーパーとローラは出会い、

このようなやり取りをしているように見えるのだ。

それを「あちらの世界」と呼んでいいのか、

はたまた「人間の無意識の観念」と呼んでいいのかはわからない。

いずれにしても時間を超越した場所で二人は出合っている。

映画「君の名は」みたいに。

 

もう、これは本当に個人的な仮説で、

かなりの妄想なのですが、

あえて結論を出すとするなら、

「ローラは自らの観念を日記に記すことができた」

そんな風に定義できるのではないかと思うのです。

そうするとパズルのピースが上手く嵌め込めるのです。

 

はい、

十分、わかっております。

こんなことを言い始めたら、いくらでも日記が造り出せますよね。

はい。

たぶん、造り出されてるんです、ローラの日記は。

ですが、観念を日記に記すためには、

ローラは「集合的無意識」にまで降りていかなければならない。

その引鉄がコカインであり "恐怖" であり "夢" であった。

 

そして、ローラの日記は、いつでも物語の起爆剤になっている。

ローラの日記がボブの存在をあぶり出し、

事件解決の目印になっている。

それはローラの観念がツイン・ピークスのターニング・ポイントであり、

人間の普遍的かつ先天的な、心的エネルギーの根源になっているから。

ヤバイ。

自分でもなにを書いているのかわからなくなってきた。

 

いずれにしても第1章で丸太おばさんから投げかけられた謎は、

ローラの日記の発見で、無事、回収されたことになりそう。

それによってフランクとホークは、

今のところThe Returnの登場人物たちの中では、

いち早く悪クーパーの存在に気づいた。

彼が今どこで何をしているかなんて、

フランクとホークには知る由もないんだけれど、

物語は大きなポイントを迎えたのです。

 

ではでは、ここから再び第7章の続きです。

 

ツイン・ピークス保安官事務所

 ハリーに電話をするフランク。

 どうやらハリーの容態はあまり芳しくないようです。

 

◆どこかの小屋のような家

 リチャードが乗っていたピックアップトラックが庭にある。

 事故を知り、アンディーが職務質問にやってきた。

 持ち主の男は何かに怯えているようで、

 ここでは話せない、あとにしてくれ、とアンディーに懇願。

 優しいアンディーは、

 スパークウッドの先の林道で2時間後に落ち合うことにする。 

 

ツイン・ピークス保安官事務所

 ヘイワード先生に連絡を取るフランク。

   〇ヘイワード先生はスカイプが使える

   〇この前もミューラーさんの奥方の湿疹を診察した

   〇ハンドルネームは「ミドルベリードク」

   〇25年前のあの朝、クーパーの様子は奇妙だった

   〇クーパーを病院に連れて行った

   〇ヘイワード先生が回診をしている間に検査を受けさせた

   〇検査の1時間後、集中治療室からこっそりクーパーが出てきた

   〇パジャマだったクーパーは、その時服も着替えていた

   〇振り返った彼は、やはり奇妙な顔だった

   〇呼びかけても何も言わず立ち去って行った

   〇当時、その集中治療室にはオードリー・ホーンがいた

   〇銀行の爆破事件の後、オードリーは昏睡状態だった

 どうやら、オードリーは生きていたようです。

 

バックホーン警察

 国防総省のシンディ・ノックス大尉がやってくる。

 胴体だけの遺体を確認する。

   〇頭部がない状態

   〇遺体の年齢は40代後半

   〇死亡推定日時は5日から6日以内

   〇指紋は確かにこの遺体から採取した

 それを確認するとシンディはデイヴィス大佐に連絡を取る。

 25年の間に16回も指紋のヒットがあったが、

 いずれも手掛かりになるものはなかった。

 しかし、今回は遺体が出てきた。

 その報告を聞きデイヴィス大佐はFBIに連絡をしようとする。

 シンディは「頭部がない」「遺体は40代後半」であることを報告。

 ここ数日で死んでいるのなら、

 ブリッグス少佐は70代になっているという。

 その時、シンディの背後から全身真っ黒な男が歩いてくる。

 気配に気づくシンディだが、特に用はなさそう。

 真っ黒な男も、何事もなく通り過ぎていく。

 

 さて、また次元のゆがみです。

 前回、第6章でルース・ダヴェンポートと共に発見された、

 首のない死体の身元はブリッグス少佐だったことが判明。

 少佐の胃からは元ダギー・ジョーンズの結婚指輪が出てきました。

 そして、生きていれば少佐は70代らしいですが、

 目の前にある死体は40代後半。

 どうやら、25年前、基地の火事で死亡したままの状態らしい。

 しかし、遺体の死亡推定日時はこの一週間以内のことだという。

 

 ブリッグス少佐は、もともとアメリカ空軍の軍人であり、

 宇宙人やUFOを調査する「ブルーブック計画」にも参加していた。

 そして、彼は2日間も行方をくらまし、

 その間にホワイト・ロッジに行っていたという経緯もある。

 あと忘れてはならない。

 こう見えて、ボビーの父親である。

 そんな謎だらけのブリッグス少佐の遺体。

 もう次元の彼方で冷凍保存されていたとか、

 次元の狭間から運ばれてきたとか、

 ホワイトロッジに行くと年を取らないとか、

 妄想が膨らんで、どれが現実かわからなくなってきた!

 

そんなこんなで、かなりのボリュームになってしまったので、

第7章の後半はPART.2に続きます!

ツイン・ピークス The Return 考察 第6章 実在していたダイアン!そして、世界は喪失感に苛まれている

ふぅ。

やっとWOWOW放送に追いつきました。

今後はタイムリーに更新していければ、いいなぁ...。

 

本国アメリカでは残すところあと17章と18章のみ。

しかも2話連続で放送するみたいなので、

今週末、怒涛のフィナーレが海の向こうで迎えられます。

どうなるんだろうなぁ。ドキドキです。

まあ、ここ日本では、

まだまだこれから3ヶ月は毎週楽しめますので、

1話1話、存分に味わいながら、

リンチ・ワールドを咀嚼したいと思います。

 

ラッキー7保険

 オフィスビルの前。辺りはすっかり日が暮れている。

 未だに銅像の前に佇んでいるクーパー。

 警官が見かねて家まで送ることに。

 しかし、このクーパー。

 「レインマン」のダスティン・ホフマンみたいだよなぁ...。

 

◆ダギー・ジョーンズの家

 警官が家まで送ってくれました。

 クーパーは警察バッジが気になるようです。

 この辺もレインマンみたい...。

 

 ジェイニーEの得意料理はサンドウィッチの模様。

 食べ終えたクーパーは、サニージムを寝かしつけに2階へ。

 おやすみと、サニージムが手を叩くと照明が点く。

 それが不思議でクーパーも手を叩く。

 手のたたき合い。

 微笑ましい親子のふれ合いです。

 そこにジェイニーEの怒声が!

 下に降りるクーパー、首根っこをつかまれる!

 首根っこ!

 ヤバイ、悪さした猫みたいじゃないか。

 

 クーパー帰宅時に玄関先に落ちていた封筒。

 中身はダギーとジェイドがフライデーされた写真。

 ジェイニーEは、このゲス・ダギーにカンカンです。

 奴らに連絡をしてさっさと5万ドルを返せと言ったのに、

 いったいなんでこんな写真がうちに届くのよ!

 クーパーには、さっぱりです。

 そこへ借金取りから電話がかかってくる。

 電話に出るのはジェイニーE。

 5万ドルの借金なんて今知ったとばかりに、

 臆すことなく借金取りとのアポイントを取り付けます。

 電話を切ると、なぜか得意げなジェイニーE。

 これは、またまた「マルホランド・ドライブ」です。

 リタが被った事故を調べるため、

 公衆電話で随分と下手な演技で事を聞き出すベティと一緒。

 違いはジェイニーEの方が演技がうまい!

 

◆信号機が赤に変わる

 とうとう危険信号に明かりがつきました。

 微かに電気の音が聞こえます。

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◆ダギー・ジョーンズの家

 片腕の男が赤い部屋で気を探っている。

 ダイニングにいるクーパーのもとに現れる。

 「目覚めろ。死ぬな。」と、

 なにやら念のような気のようなものを

 一生懸命クーパーに送っております。

 

 ブッシュネル社長から渡された事件資料。

  〇強盗 ラスベガスのホテル

  〇不放棄協約

  〇死亡リスト

 そんな書類たちの上に現れる光の粒。

 鉛筆で光をなぞっていくクーパー。

 ただ、なぞるだけではなく

 時に梯子のような階段のようなものも書きます。

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 それが何を意味するのか、さっぱりわかりませんが、

 なんだろう、クーパーがどことなく悲しげです。

 

◆マックス・フォン・バー

 雨の中、車を走らせているアルバート

 スピーカーホン越しのゴードン。

 電話の向こうで女性からボルドーワインを受け取る。

 ゴードン・コール、お盛んです。

 そんな中、どしゃ降りの中を歩くアルバート

 「雨に唄えば」なんてクソだ!と吐き捨てます。

 あいかわらず口が悪いです。

 バーの奥。

 カウンターに座る銀髪の女性。

 アルバートが声をかけます。「ダイアン」

 振り向いたのは、なんとローラ・ダーン

 ていうか、

 なに、ダイアンって実在してたん?

 この25年間、ダイアン = ボイスレコーダーだと、

 何も疑わずに生きてきましたが、違うのね。

 マジか。

 ひっくり返ったよ。

 今まで、なんで電話とかで連絡しなかったん?

 なんでボイスレコーダーだったん?

 そもそも、アルバートはなんでダイアンの居場所を知ってるの?

 アルバート!あんた、ダイアンのなんなのさっ!

 

◆製材所の倉庫

 リチャードとレッドとその取り巻き。

 レッドは第2章のBANG BANG BARで、

 シェリーに色目を使っておりました。

 後ろに構える黒人の取り巻き、

 顔は穏やかですが、

 持っているマシンガンが物騒すぎます。

 

 レッドが語るには、

   〇すごい効くコカイン

   〇欲しければメリーアンの所に行け

   〇「手」について学んだことはあるか?

   〇ツイン・ピークスが気に入った

   〇カナダから上物を持ち込める

   〇肝臓に問題を抱えている

   〇「王様と私」って映画を知っているか?

   〇気に入ったんだろ?

   〇やりすぎるな

   〇お前をまだ信用していない

   〇よく監視しておくから肝に銘じろ

 またまた、おっかない人が出てきました。

 先ほどの片腕の男のように、

 波動というか気功というか、そんな類を扱うようです。

 そして、今回2作目のミュージカル映画王様と私」。

 「雨に唄えば」と「王様と私

 ミュージカル以外の共通項が見つかりません。

 

 レッドは10セント硬貨を宙に弾く。

 コインはいつまでも宙を回転し、

 そして、リチャードの口へ。

 わけわかんないと思っていたら、

 コインは普通にレッドの手の内に戻ってくる。

 「表はオレの勝ち。裏はお前の負け」

 なんだろう、このジャイアン的思考回路は...。

 どう転んでもリチャードの負けは確定のようです。

 レッド、圧倒的。

 

◆ニュー・ファット・トラウト・トレイラーパーク

 映画「FIRE WALK WITH ME」で、

 絶対に9時まで起こすな!とイキってたカールも、

 今では朝早くに町に繰り出すようになったようです。

 しかも、"ニュー" って看板に書いてある。

 トレイラーパークの場所を移し替えたようです。

 

 カールと相乗りするミッキー。

 リンダの郵便物を取りに行きたいらしい。

 おおっ、きた、リンダ!

 第1章で巨人が言っていた「リチャードとリンダ」

 投げかけられた謎が少しずつ解けていきます。

 しかし、まだリンダの姿は出てきません。

 カールとミッキーの会話から、

  〇リンダの調子はだいぶ良くなってる

  〇政府の機関が電動車椅子を支給してくれた

  〇戦争はクソだなと、ボヤくカール

  〇政府は大したことをしてくれない

  〇車椅子をもらうのに半年かかった

  〇政府はクソだなと、ボヤくカール

 どうやらリンダは車椅子の生活を余儀なくされている。

 そして、その原因は "戦争" らしい。

 

◆ダブルRダイナー

 ハイジが地味に復活。

 相変わらずククククククッと笑ってます。

 保育園に努めているミリアム・サリヴァン

 チェリーパイを2皿たいらげている。

 普通に食べすぎでしょ。

 お金がないのにチップをはずむ。

 よくわからない。

 ただ、ハイジとミリアム。

 体型が近いせいか親子のようにも見えますが、

 普通にお客とウェイトレスのようです。

 

◆公園

 ベンチでダブルRダイナーのコーヒーを飲んでいるカール。

 少年と母親が目の前を追いかけっこしていく。

 微笑ましい親子のふれ合いです。

 

◆トラック

 レッドにコケにされたリチャードが、

 腹いせにトップギアでトラックを走らせている。

 目の前、信号もないのに止まっている車の列。

 邪魔くせぇと反対車線から追い越すと、

 目の前に追いかけっこをしていた少年が飛び出してくる。

 少年を轢き殺し、そのまま突っ走るリチャード。

 ふとダブルRダイナー帰りのミリアムと目が合う。

 

 目の前で我が子を失う母親。

 少年は勝手に飛び出したわけではなく、

 優しいトラックの運ちゃんがゆずってくれたから、

 追いかけっこの続きで母親の手を離れただけだった。

 ちょっとした善意が、

 なぜ最悪の事態を招いてしまったのだろう。

 

 母親の悲鳴を聞き、駆けつけるカール。

 少年から魂が抜け、天に召されていくのを目撃する。

 どうやらカールにも不思議な力があるようです。

 トレーラーパークの "6" の電信柱が見えます。

 頭上の変圧器から、微かに電気の音が聞こえます。

 誰かがどこかで悪さをしているのでしょうか。

 

◆ラスベガスのオフィス

 仕事をしているトッド。

 ラップトップの画面に真っ赤なスクエアが表示される。

 どうやらそれは何かの合図のようです。

 金庫から白い紙封筒を取り出すトッド。

 

◆ランチョ・ロッサ地所

 爆破した元ダギーの車のナンバープレートが、

 向かいの家の屋根まで吹っ飛んでいる。

 警官が屋根に上ってナンバーを確認する。

  D デヴィッド

  U ユニオン

  G ジョー

  E エドワード

  L リンカーン

  V ビクター

 屋根の足音に怯え119と叫ぶヤク中の母親。

 爆破で無残になった元ダギーの車がレッカーされる。

 

◆モーテル

 スパイク がサイコロの出目をメモしている。

 手帳にびっしり細かく数字を羅列しています。

 トッドが取り出した白い紙封筒が部屋に届けられる。

 中には、ロレインと元ダギー・ジョーンズの写真。

 アイスピックで写真を一突きするスパイク。

 

ラッキー7保険

 クリーニングが済んだのか、

 身体にフィットした黒いスーツで出社してくるクーパー。

 既にコーヒーを飲んでいる。

 さっそくブッシュネル社長に呼び出される。

 アンソニーはそれが気になってしょうがない。

 事件資料をチェックするブッシュネル。

 「ガラス損失通知」の書類でふと手が止まる。

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 「損害査定人報告書」になると何かに気づく。

 「不放棄協約」と「ガラス損失通知」を見比べる。

 「損害査定人報告書」も確認すると完全に理解したようで、

 クーパーに礼を言うまでになる。

 なんで?

 アンソニーの名前が書いてあるから?

 まあ、窮地を脱したなら、とりあえず良しですか。

 若き日のボクサーって、今後、何かつながりがあるのかなぁ。

 

◆グイネヴィアとマーリンの角の公園

 ジェイニーE、鬼のように貧乏ゆすりしています。

 現金を受け取りに来たトミー&ジミー。

 元ダギーが抱えていた借金は、

  〇フットボール賭博に使った

  〇負けた2万ドルと3週間分の利息で5万2千ドル

  〇元ダギーはギャンブル好き

 さあ払えと迫るトミー&ジミーに、

 いつものごとく雄弁とまくしたてるジェイニーE!

 半額の2万5千ドルを渡し圧勝。

 強い...。

 

◆どこかのオフィス

 ロレインが元ダギー暗殺を電話で確認している。

 車は爆破したが、死体は3つ。

 そこへスパイクがアイスピックを構えて乱入!

 無残に刺し殺されるロレイン。

 それを目撃した女性スタッフまでが毒牙にかかる。

 しかし、アイスピックの先が折れ曲がってしまう。

 かなりショックを受けているスパイク。

 

◆どこかの森の奥

 トラックについた血を拭き落とすリチャード。

 

ツイン・ピークス保安官事務所

 ホーク副所長、トイレでコインを落とす。

 転がったバッファロー・ニッケルを拾い、はたと気づく。

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 トイレのドアを見ると、

 メーカープレートに "ネズ・パース加工" とある。

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 インディアンに導かれ、

 ドアの右上、スチール板の端がめくれていることに気づく。

 板を剥がし、隙間に手を伸ばすと紙切れが落ちていた。

 丸太おばさん、ホークは探し物を見つけ出しました。

 ていうか、チャドがうざい。

 

 チャドとジェシーに書類仕事を指示しているフランク保安官。

 フランクの奥さんドリーが怒鳴り込んでくる。

 それを見て、ああはなりたくないと茶化すチャド。

 マギーが呆れて言い返す。

 「息子さんが自殺した話、聞いてない?」

 さらにチャドが茶化す。

 「知ってるよ。兵隊さんやるの、つらかったって...」

 チャド...。

 クソ野郎加減がハンパないです。

 そして、宙を見つめているジェシー

 お前は意味が分からない。何を想像しているんだ。

 

◆BANG BANG BAR

 バンドの演奏 "TARIFA" by Sharon Van Etten

 

てなわけで、ダイアンが出てきました。

未公開集「TWIN PEAKS : The Missing Pieces」で、

クーパーがダイアンと会話しているシーンがあったので、

なんとなく実在してるっぽい感じはありましたが、

それでもダイアン=ボイスレコーダーな私は、

出たっ!と素直に喜べない感じではあります。

 

そして、会話の中だけですがリンダが登場。

車椅子と戦争、なんか穏やかではなさそうな感じです。

戦争つながりでフランク保安官の息子も、

兵隊が辛くて自殺してしまっているらしい。

これは湾岸戦争を指しているのか、

はたまたイラク戦争を指しているのか。

たぶん、後者のような気がします。

 

トレイラーパークの管理人カールも登場。

こう見るとテレビ・シリーズより、

映画「FIRE WALK WITH ME」の方がかなり重要です。

もともと、とてつもない大作になってしまった本編を、

ギュギュギュッと凝縮したのが公開版なので、

ここぞとばかりに蔵出し状態なのかもしれません。

 

しかし、リチャード。

胸くそ悪い感じですなぁ。

 

あとスパイク!あんた、超怖ぇよ!

ジェイニーEといい勝負だよ!

ツイン・ピークス The Return 考察 第5章 動き始めた現実世界。さあ、ロックしようぜ!

第1章から第4章までは、

クーパーが現実世界に帰ってくる顛末が語られ、

映像としても観念的なアプローチが多く、

クーパー以外のドラマも断片的でした。

そう、4時間かけて、やっと序章が終わったような感じです。

リンチ教授、スゴすぎです。

映画「FIRE WALK WITH ME」でやりきれなかった、

ツイン・ピークス愛をここぞとばかりに吐き出してます。

ヤバいぜ、姐さん。

まだ全体の約4分の1しか進んでないけど、

デイヴィッド・リンチの集大成感がハンパないです。

 

ネバダ州、ラスベガス市、ランチョ・ロッサ地所

 元ダギーの暗殺を謀るジーン&ジェイクが依頼主に連絡。

 予定ではこの暗殺は昨日終わっているはずだった。

 BluntedBeatzの「I Am (Old School Hip Hop Beat)」が、

 大音量で流れているどこかのオフィス。

        ※この音楽がまたカッコいいんだ

 元ダギー暗殺の依頼主:ロレイン

 「殺される...」と慄いている。

 BLACKBERRYのモバイル端末で「ARGENT 2」に連絡する。

 裸電球がぶら下がるどこかの薄汚い部屋。

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 木のお皿に載ったブラック・ボックスが点滅する。

 

 オープニングからフルスロットルです。

 第3章で出てきたジーン&ジェイクが、

 依頼人にまさかの進捗報告!

 マルホランド・ドライブの殺し屋のように、

 思わせぶりな、ちょい役キャラで終わると思っていたので、

 なに?ちゃんと報告するのかっ!とビックリです。

 お金と時間をたっぷり与えると、

 リンチ教授は、ここまで丁寧に物語を語るみたいです。

 それを決断したSHOWTIMEに大感謝ですな!

 

バックホーン警察

 ルース・ダヴェンポートの頭部と一緒に発見された、

 身元不明の胴体をガッツリと解剖している。

 被害者は数日間、食事をしていなかった。

 からっぽの胃から出てきたのは「結婚指輪」

 そこには「ダギーへ 愛を込めて ジェイニーE」と

 刻印がされていた。

 意味がわからないでいるデイブ警部とハリソン警視。

 

 ここでもダギー・ジョーンズです。

 そもそも悪クーパーがダギーを名乗っているのも謎ですが、

 クーパーがなぜダギーに転送されてしまったのかも謎です。

 さらに元ダギー・ジョーンズの左薬指には、

 テレサ・バンクスから綿々と受け継がれてきた

 あの「緑色の指輪」が嵌められていました。

 これらのことから浮かび上がってくるのは、

 元ダギー・ジョーンズは「結婚指輪」と「緑色の指輪」を

 どこかのタイミングで交換したということです。

  A.意識的に誰かと交換した

  B.無意識のうちに、いつの間にか変わっていた

  C.もともと結婚指輪は嵌めていなかった

 上記のどれに当てはまるのかは、さっぱりわかりませんが、

 胃から発見された指輪が、後々に絡んでくることは確実。

 しかも、現在、クーパーは指輪をしてないし、

 ジェイニーEはちゃんと結婚指輪をしている!

 ヤバイ、これがバレたら、またジェイニーEの怒声が!

 

サウスダコタ州、ヤンクトン連邦刑務所

 牢屋の中の悪クーパー。

 どうやら未来予知の能力まで持っているようです。

 「ここで食事が運ばれてくる」と呟くと、

 ちゃんと看守が食事を運んできます。

 どこまで最強なんだろ、この人は...。

 手を洗い、鏡を見つめる悪クーパー。

 ドッペルゲンガー誕生の瞬間がフラッシュバック。

 鏡の中の悪クーパーの口元にボブが浮かび上がる。

 「今も俺と一緒か。いいぞ」

 自分の中にボブを確認し、ほくそ笑む。

 

◆ベンドのシボレー販売店

 面接に来ているスティーヴン。

 経営しているのはマイク・"スネーク"・ネルソン!

 ボビーは巡査で、マイクは車屋の経営者か。

 25年の月日ってスゴイなぁ。

 

 第2章でシェリーがママ友たちに、

 「ウチの娘、変な男に引っかかっちゃって」と

 ボヤいていたウワサの変な男、スティーヴンが登場。

 面接後に部屋に呼ばれたもんだから、

 「ヤベェ、一発合格じゃん、オレ。才能あんじゃね」

 ぐらいで椅子にどっかりと座り込みますが、

 「お前は何様のつもりだ!」とマイクに秒殺されます。

 こっちからしたら、お前も何様だよっ!とマイクに言いたいですが、

 まあ、経営者ですから、ボビーよりは大人になったんでしょう。

 「もっと人を敬え」と説教しておりますが、

 いやいや、自分を棚に上げてはいけないのではないでしょうかねぇ。

 若気の至りとは怖いものです。

 

ツイン・ピークス保安官事務所

 フランクがハリーに電話をしています。

 「検査結果はいつ出る?」

 どうやら、ちょいちょい連絡を取り合っているようです。

 

 そこに フランクの奥さん:ドリー が登場。

 第1章に出てきた

 アローヘッドのアパートに住んでいたマージョリーのような

 またまた強烈なおばさんの登場です。

   〇ドワイトが下痢

   〇週末に双子が来る

   〇パイプが水漏れしたまんま

   〇床が水浸しで黒カビだらけになってしまう

   〇バケツの見張りなんかしたくない

   〇お気に入りの絨毯が欲しい

   〇その代わりに大きなバケツを買うなんてイヤ

   〇パパの車の調子が悪い

   〇頼んだ点検はいつしてくれるんだ

   〇したならしたと連絡をしろ

   〇そのためにパパを送ろうとずっと家に居た

   〇もう役立たず!

 こんな内容を1分半の間に全部まくしたてます!

 すさまじいです。

 怖いです。

 

◆ダギー・ジョーンズの家

 サニージムと共に家を出てくるクーパーとジェイニーE。

 前章でネクタイは巻けないと言っていたジェイニーEですが、

 さらっとクーパーのネクタイを巻いています。

 まったく、女という生き物は、よくわからない存在だ。

   〇例のお金は隠した

   〇総額42万5000ドルもあった

   〇あそこなら見つからない

   〇会社から、あの連中に連絡をして

   〇借金5万ドルを返せば全てがキレイになる

   〇サニージムを見て涙するダギーはおかしい

   〇お酒とギャンブルはやめて

 まだまだ断片的ですが、

 元ダギー・ジョーンズの姿が徐々に見えてきました。

 

 しかし、「あそこなら見つからない」と言うジェイニーE。

 「マルホランド・ドライブ」で、

 リタが持っていた大金を帽子の箱に隠して、

 「あそこなら見つからない」と、

 得意げに言っていたベティと被ります。

 

ネバダ州、ラスベガス市、ランチョ・ロッサ地所

 空き家の前に停まっている元ダギーの車。

 それを確認に来るジーン&ジェイク。

 そのあと、今度は黒塗りのスポーツカーが来て、

 同じように元ダギーの車を確認していく。

 車のナンバーには「NEVADA   DUGE  LV」とある。

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ラッキー7保険

 元ダギーが務めていた会社に到着するクーパー。

 保険会社が入っているオフィスビル前の広場に銅像がある。

 銃を構えた男の銅像

 真似をして、空に向かって銃を構えるクーパー。

 

 この銅像が何を意味しているのか。

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 アメリカのツイッターとかでは、

 ほぼほぼ、これは映画「戦場のメリークリスマス」時の、

 デヴィッド・ボウイの姿ではないかと噂されているみたいです。

 軍服姿や帽子が、確かにそれっぽい。

 リンチ教授からボウイへのオマージュだとしたら、素敵な話です。

 

 どうしたものかとエレベーター前でオロオロしているクーパー。

 コーヒーの買い出し帰りの同僚フィルがやってくる。

 コーヒーの匂いにつられて、フィルについていくクーパー。

 前章で、

 コーヒーを飲んだ途端にぶわっと吐き出していたクーパーですが、

 今回は「すげぇ美味い」とばかりにゴクゴク飲んでいます。

 ということは、ですよ。

 ジェイニーEが煎れたコーヒーは、めっちゃマズかったと。

 だから、あんな、なんとも言えない表情をしていたと。

 ヤバいよ、ジェイニーE。

 あんなにルンルンで朝食を作ってたのに、

 マズくちゃ、台無しだよ。

 

 ラッキー7保険の元ダギーの周りはこんな人たち

   〇ブッシュネル ----- ラッキー7保険の社長

   〇アンソニー ----- ラッキー7保険ナンバーワン調査員

   〇ダレン ----- ロンダと不倫中

   〇ロンダ ----- 美女 ダレンとの不倫に飽きている

   〇フィル ----- コーヒー買い出し係 世話役

   〇フランク ----- 緑茶ラテをえらい気に入る

 

 アンソニーの会話から直近の元ダギーの動きが見えます。

 「ベンダーズビルから戻ったのか」

 「髪型 変えたな」

 「お前のフォローはしておいた。デカい貸しだ」

 「痩せたな」

 「酒を飲みながらサウナに入ったな」

 

 会議が始まりアンソニーが結果を報告します。

   〇今週の新規請求は16件

   〇先週の2件は承認され支払い決定

   〇ビーカー案件とリトルフィールド案件

   〇リトルフィールド案件は放火ではなかった

   〇調査結果はシロ

   〇合法である

 その報告をするアンソニーの顔に緑色の光が点滅する。

 それはクーパーにしか見えない。

 そして「嘘をついている」とアンソニーに喧嘩を売ります。

 ヤベェよ。会議の雰囲気が最悪です。

 だけど、アンソニー、あんた真っ黒な感じがまんま出てるよ。

 

 会議後に社長室に呼びだされるクーパー。

 社長室にはボクサーのポスターが貼られている。

 どうやらブッシュネルは若い頃、ボクサーだったらしい。

 2日間、無断欠勤していたクーパーに、

 大量の事件資料を渡し、明日までに仕上げろと突きつける。

 

 コーヒーの利尿作用でトイレを我慢しているクーパー。

 ロンダが女子トイレに案内する。

 「今ならキスしてもいいわよ」とクーパーを誘うロンダ。

 元ダギー・ジョーンズと何か関係があったのでしょうか。

 

◆シルバー・マスタング・カジノ

 カジノの経営者ミッチャム兄弟がやってくる。

  ミッチャム兄弟の兄:ブラッドリー

  ミッチャム兄弟の弟:ロドニー

 支配人バーンズをボコボコにしてクビにする。

 おっかない人たちです。

 「マルホランド・ドライブ」でのカスティリアーニ兄弟ですな。

 彼らは自ら手を出したりはしませんでしたが...。

 まあ、エスプレッソも極上でないとクビになるでしょう。

 

ネバダ州、ラスベガス市、ランチョ・ロッサ地所

 空き家の向かいに住んでいる少年。

 元ダギーの車に仕掛けられた爆弾がどうしても気になる。

 見に行くと、さっきの黒いスポーツカーがやってくる。

 チンピラらしき奴らが3人降りてきて、

 元ダギーの車を持ち去ろうとエンジンをかける。

 車が大爆発。チンピラ3人は焼け焦げてしまう。

 少年は慌てて家に戻り、炎上する車を窓から眺めている。

 火に魅力を感じていそうな恍惚な表情を浮かべている。

 寝ていた母親がのっそりと起き上がる。

 

◆洗車場

 車を洗車に出しているジェイド。

 クーパーが落としていった

 グレート・ノーザン・ホテルのカギが出てくる。

 ホテルに届けようとカギをポストに入れる。

 これでクーパー生存が、

 どこかのタイミングでツイン・ピークスに明らかになるはず。

 

◆ダブルRダイナー

 ノーマ・ジェニングスが登場!

 すげぇ、変わらない美しさ!ヤバすぎる。

 ちょい厚化粧が気になるけど、25年経ってこれは奇跡だ!

 そして、シェリーの娘:ベッキーも登場。

 ダブルRダイナーにパンを届ける仕事をしてるみたい。

 スティーヴンのためにお金の無心をします。

 完全にハマってます。

 72ドルをもらって「メシをおごるよ」とスティーヴン。

 アホんだら!てめぇの金じゃねぇだろ!

 スティーブンのダメさ加減に、マジ、ぶち切れます。

 コカインをキメて、走り去る二人。

 The Paris Sistersの「I Love How You Love Me」

 ラジオから流れる歌が素晴らしすぎます。

    私はあなたが好き

    私はあなたが好き

    好き

    好き

    好き

 ああ、ベッキー

 世界が素晴らしく素敵なところに見えてそうだけど、

 それは幻なんだ、現実じゃないんだよ。

 

ラッキー7保険

 家への帰り方がわからないクーパー。

 銅像の前で立ち呆けています。

 

ツイン・ピークス保安官事務所

 ホークとアンディーが資料を探している。

 先住民に関する資料は見つからない。

 

◆ジャコビーの小屋

 夜7時になりジャコビーのネット放送が始まる。

 放送内では "ドクター・アンプ" と名乗っているみたい。

 第1章で出てきた山小屋は、

 てっきりツイン・ピークスのどこかだと思ってましたが、

 ホワイトテイル・ピークから放送中!ということは、

 どうやらジャコビーは隣のモンタナ州に移り住んだ模様。

 もしくは居所がバレないように、

 わざと隣の州を大々的に言っているのだろうか。

 

 「ここはアメリカのヒンドゥークシュ山脈の頂き!」

 意味が分かりません。

 ヒンドゥークシュ山脈は、

 パキスタンアフガニスタンの国境にある山脈です。

 自由を叫ぶタリバンだらけの地だとか...。

 

 世界はクソだらけで、

 オレたちはクソにまみれて毒されている。

 だから、クソから這い出て自由になろう。

 その為には金色のシャベルが必要だ。

 29ドル99セントで手に入る!(約3,270円 ※送料別)

 さあ、シャベルを手に取り、自由になろう!

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 こんなアホみたいな放送を楽しんで観ているのが、

 大麻を吸っているジェリーと、

 うっとりしているネイディーン!

 完全に金のシャベルを買う気満々です。

 25年前、自殺未遂で一命を取り留めた際に、

 ジャコビーの助言でハイスクールに入学した経緯もあり、

 彼の言うことは無条件で受け入れてしまいそうです。

 

バージニア州、アーリントン、国防総省ペンタゴン

  国防総省上官:コーネル・デイヴィス

  デイヴィスの部下:サンディー

 ガーランド・ブリッグス少佐の指紋がまたヒットした。

 この25年の間に、これで16回目だという。

 今まで手がかりは何もなかったが、

 仮に今度こそ、何かの手かがりになるなら、

 FBIに連絡をしなければいけないという。

 

 第4章のバックホーン警察で、

 身元不明の胴体の指紋が一致したが、

 軍の規制がかかっていて

 身元がまったくわからないというエピソードがあった。

 

 と、なるとだ、

 ルース・ダヴェンポートと共に発見された死体は、

 ガーランド・ブリッグス少佐の死体ということになる!

 であるなら、ブリッグス少佐の胃から、

 ダギー・ジョーンズの結婚指輪まで出てきたことになる。

 なんなんだ、これは!

 今まであまり絡みのなかったバックホーンのエピソードが、

 ブリッグス少佐ひとつで、一気にツイン・ピークス絡みに!

 しかも、ダギーまで絡んできた!

 

◆BANG BANG BAR

 バンドの演奏 "SNAKE EYES" by Trouble

 Troubleは、リンチ教授の息子ライリーのバンド。

 もう「ロスト・ハイウェイ」まんまな感じがヤバすぎです。

 

 リチャード・ホーンが禁煙席でタバコを吸っている。

 注意しにくる店主に反抗的な態度。

 そこに「オレに任せろ」と出てきたのはチャド!

 ツイン・ピークス保安官事務所の巡査で、

 丸太おばさんをからかった、あのチャド!

 チャドはリチャードとグルで、

 タバコを受け取る振りをして取引の金を受け取る。

 えらいこっちゃです。

 映画「FIRE WALK WITH ME」で、

 デズモンド捜査官をコケにしたら鼻をつままれ、

 ボビーに麻薬と偽り下剤を渡して撃たれてしまった、

 あのディア・メドウの町の憎ったらしいクリフ保安官補のようです。

 チャドかぁ。

 チャドなのかぁ。

 

 隣のボックス席の女子4人組の一人、

 シャーロットが火を貸してとリチャードに近寄る。

 オレと一発ヤろうぜとシャーロットを離さない。

 そんなリチャード、完全にサイコです。

 

 第1章のオープニングで、

 巨人が「リチャードとリンダ」と言っていましたが、

 その一人が、ほぼこのリチャードで確定でしょう。

 今後のキーパーソンの登場です。

 サイコで無軌道な感じが、悪の象徴にまで発展するのか?

 

フィラデルフィア、FBI本部

 タミーがクーパーのことを調べている。

 指紋を照合しているが、何かがおかしい。

 よく見ると指の肉が削ぎ落とされている?

 

サウスダコタ州、ヤンクトン連邦刑務所

 悪クーパーに電話を与える。

 「誰にかけようか」

 「ミスター・ストロベリーにするか」

 「でも、彼は電話に出ない」

 ミスター・ストロベリーと聞いて、

 なぜ、それを知っていると言わんばかりのマーフィー所長。

 電話に出ないということは、

 ミスター・ストロベリーは既に死亡しているようです。

 その事とマーフィー所長とは、いったいどんな関係があるのでしょう。

 

 さらにプッシュホンをピポパポ・ピポパポ早打ちする悪クーパー。

 何かのコードを打ち込むと、

 警備が緊急警報を発報し、モニターには料理番組が映りだす。

 「牛が月を跳び越えた」

 一言つぶやき、受話器を置くと警報も収まります。

 第2章でヤンクトン刑務所のことは全てハッキングしていたので、

 脱獄、もしくは刑務所内をとことん混乱させるのも時間の問題。

 

◆アルゼンチン、ブエノスアイレス

 オープニングに出てきたブラック・ボックス。

 二度点滅すると小さな屑になってしまう。

 それよりも、ブエノスアイレス

 前章に引き続き、またもやフィリップです!

 ということは、

 AGENT 2 = フィリップ?

 

ラッキー7保険

 暗くなっても銅像の前に立ち呆けているクーパー。

 警備員が早く帰れと促します。

 エンドクレジットで流れる

 哀愁を帯びたスウィングがたまらなく素敵すぎます。

 アンジェロ・バダラメンティ、衰え知らずです。

 

はぁ...。

第5章もおなかいっぱい状態です。

進展てんこ盛り、そして、音楽もサイコー。

こうして毎週毎週リンチの最新作が観れるなんて、

やばい、こんな幸福なことってあっていいのかなぁ。

 

今回の章でちょっと気になったのは、

リンチ教授は "9.11" 以降のアメリカを、

実はこのThe Returnで描こうとしているのではないか、ということ。

なんで、そう思えたかというと、

 ①ダギーの職場が保険会社

 ②ジャコビーが語ったヒンドゥークシュ山脈

 ③ペンタゴン

 ④ニューヨークの舞台設定

特に誰もが目を疑ったのがニューヨークでしょう。

第1章で、なんでツイン・ピークスでニューヨーク?と、

脳天からハンマーを落とされた衝撃も、

リンチ教授が9.11の謎に挑んでいるからと思えば、

妙に納得してしまいます。

 

ワールドトレードセンタービルに支払われた膨大な額の保険金、

今回のアンソニーのリトルフィールド案件の裏工作、

9.11にまつわる陰謀説をも描き出そうとしていそうな、

そんなニュアンスが見え隠れしないでしょうか。

ツイン・ピークス The Return 考察 第4章 祝ナオミ・ワッツ登場!ネクタイは自分で締めろッ!

どれだけの人が見ているか知りませんが、

あらすじを起こしていくのが面倒になりましたので、

この回から、重要そうな部分の抜粋で行きます。

 

◆シルバー・マスタング・カジノ

 ジャックポットを出し続けるクーパー

 アライド・ケミカルのビル・シェイカーと出会う

 連れでいるのはキャンディー

 「危ない場所でお散歩か?」というセリフから、

 元ダギー・ジョーンズは、この界隈では要注意人物、

 もしくは悪さをしている人物のような感じ。

 前回の暗殺計画ともつながるのでしょうか?

 そもそもアライド・ケミカルってなんなのさ。

 

 家への帰り方がわからないクーパーに、

 「ランスロット・コート」

 「赤いドアの家」

 「マーリンズ・マーケットのそば」

 と、いろいろ情報をくれるビル・シェイカー

 食べているホットドックが美味そうです。

 

 カジノの支配人:バーンズ

 バーンズの部下:ウォリック

 支配人の部屋にはカジノのオーナーのポスター?

 ジャックポットを連続30回も出したクーパー

 カジノもそうそう容易く手を引かなさそうな感じです

 

◆ダギー・ジョーンズの家

 ランスロット・コート 25140番地

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 マジで真っ赤な玄関ドアです

 フクロウが鳴きながら飛んでいくのが意味深

 で、出てきましたナオミ・ワッツ

 元ダギーの奥さん、ジェイニーE!

 いきなりクーパーに平手打ち!パシーン!

 元ダギーは3日も連絡せず、会社を無断欠勤していたらしい

 空き家でそんなにジェイドとやりまくっていたのか、元ダギー!

 

 ダギーの息子はサニージム 今日が誕生日

 ジャックポットで稼いだお金にびっくりのジェイニーE

 借金が返せるとホッとしています

 どんだけの借金があったか知りませんが、

 部屋中のバースデー・バルーンを見る限り、

 慎ましい生活を強いられているようでもなさそうです

 バースデーケーキはチョコレートだし

 

◆FBI連邦捜査局 本部

 ゴードンを案内する男:ビル・ケネディ

 ケネディの奥さん:マーサ

 ポールとの件は収まり、彼は今、北極にいる

 意味がわかりません。

 北極?

 そんなところでいったい何をしてるんでしょ

 

 デニースを待つゴードン

 隣の椅子には花束が置いてあります

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 真っ赤なバラの中に1輪の白ゆり っぽい

 んん...

 意味があるような、ないような

 

 そして、こちらも久々の登場 おかまFBI捜査官:デニス

 プレストン捜査官にやきもちを焼いています

 そんなデニースも、

 今では連邦捜査局の首席補佐官に出世しています

 

ツイン・ピークス保安官事務所

 暖房のサーモスタットについて電話しているルーシー

 相手はトルーマン保安官のよう

 川で釣りをしていると思っていたら

 本人が目の前に現れ、気絶してしまいます

 どうやら携帯電話がイマイチよくわかっていないルーシー

 でも、受付にあるコピー機はCanonの最新型の複合機

 それは操作できるのに携帯は理解できないようです

 

 そして、現れたトルーマン保安官

 みんなが知っているハリーは病気で入院中

 その間、お兄さんのフランクが代理ボスのようです

 

 保安官事務所の奥には監視のための精密機械がビッシリ

 スタッフも大所帯

 21世紀のツイン・ピークスでは

 DV 酔っ払い2件 酩酊運転 ぐらいは静かな方らしい

 高校生のデニス・クレイグが学校でドラッグを過剰摂取

 あっちこっちに監視カメラも設置されているようです

 

 現状のツイン・ピークス保安官事務所はこんなスタッフ構成

  〇フランク・トルーマン保安官 ----- ハリーのお兄さん

  〇ホーク副所長 ----- インディアンが祖先

  〇アンディー ----- ルーシーと結婚、デニスの担当

  〇ルーシー ----- 受付係

  〇ボビー ----- 麻薬捜査係

  〇チャド ----- 飲酒運転取締、丸太おばさんを茶化す

  〇ジェシー ----- 今のところ呼出係

  〇マギー ----- 監視システムのオペレーター

  〇他、私服姿のスタッフが3人

 

 サラッとあのボビーが巡査になっています。

 唐突にローラの写真を見ただけで涙する様子だと、

 白髪が目立っても、心はウブなままのようです

 25年後も、やっぱ頼りがいがないのね

 

 ボビーが言うには、

 ブリッグス少佐が基地の火事で亡くなる前日に

 クーパーが訪ねてきて話をしていたという

 それ以降、クーパーはツイン・ピークスから姿を消した

 ということは、

 25年前にボブが乗り移ったクーパー = ダギーは

 事をブリッグス少佐から始めたらしい

 その真意が明らかになるのは、たぶん、随分先

 ていうか、明らかになるのかなぁ

 

 アンディーとルーシーの息子 ウォリーが登場

 マーロン・ブランドと一緒の誕生日なので、

 恰好が若き日のマーロン・ブランド乱暴者」そのまんま

 革ジャンに Wally と刺繍しているのがカワイイ

 バイカーみたいなので、

 今後、ジェームズなどと絡む展開が来るのだろうか?

 

◆ダギー・ジョーンズの家

 クーパーのもとに片腕の男が現れる

 「お前は騙された」と金色の玉を見せる

 どうやら今回の転送は、誰かの策略らしい

 そして「もう一人は死ぬ」と必死に訴えるが、

 当のクーパーはオシッコがしたくて、それどころじゃない!

 なんてこったい「夢の住人さん」

 言い得て妙だなぁ

 

 トイレから出てくるクーパー

 鏡に映る自分を見つめています

 このシーン、なんかさりげなく重要な気がします

 「ロスト・ハイウェイ」でも

 主人公フレッドの人格が入れ替わるタイミングが

 鏡に映る自分を見た時でした

 このシーンで、実はクーパーは自分を取り戻し、

 これ以降、ダギーを演じているのかも...

 なぁんて、そんな深読み、当たりますかねぇ

 

 サニージムとのご対面で、

 お決まりの親指を立てるポーズが!

 クーパー、嬉しそう

 んでもって、登場しましたよ、熱々のコーヒー

 一口、口に含むと、ブワッと吹き出します

 こりゃ、美味い!というよりは、

 うげ、ガチ苦いっ!て感じです。

 ジェイニーEに叱られて

 「はーい」と返事をするクーパー

 その表情は「コーヒーだよ♪」と喜んでいるのか

 「苦すぎて飲めないよ...」と訴えているのか

 どっちとも取れる表情がグッド!

 

バックホーン警察

 ルース・ダヴェンポートの死体の指紋がとうとう一致

 でも、軍がアクセス規制している

 いったい、誰の指紋なんだ?

 

サウスダコタ州ヤンクトン連邦刑務所

 ゴードン、アルバート、タミーが刑務所に向かう

 サウスダコタ州ということで

 アシュモア山は近くにないのか?とゴードン

 第2章でダギーがサウスダコタ州を検索していた時

 ヤンクトン刑務所は州の東南側にあったので、

 州の西南にあるアシュモア山とは真逆の位置になる

 アルバートが写真でごまかしているが、

 このアシュモア山も何かのヒントになるのだろうか

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 写真を見て「石の顔が並んでいる」とゴードン

 この彫刻に登場するアメリカ大統領は、

 左からワシントン、ジェファーソン、ルーズベルトリンカーン

 この4者にかぎったことではないけど、

 原住民インディアンを排除しようとしていた人たちでもある

 そして、このアシュモア山はインディアンたちの聖地であり

 それをアメリカが力づくで奪ったという歴史もある

  ツイン・ピークス保安官事務所のホーク副所長のルーツも

 インディアンという共通項も一緒に考えると、

 次のような図式は考えられないだろうか

 

  【善】       【悪】

 インディアン  ← アメリカ ※国を奪った

 アシュモア山  ← アメリカ ※インディアンの聖地を奪った

 石の顔(彫刻) ← アメリカ ※自然の破壊・権力の誇示

 ホーク副所長  ← ブラックロッジ ※神聖な力で拮抗

 

 これをさらに拡大解釈すると、

  【善】       【悪】

 クーパー捜査官  ← ダギー・ジョーンズ

 ホワイトロッジ  ← ブラックロッジ

 ローラ・パーマー ← ボブ

 片腕の男     ← 腕

 

 と、こんな構図も見えてくる。

 ほんのワンシーンから、随分と話を広げているけど、

 ツイン・ピークスの「善悪の対立」というテーマが

 少なからず見えてくる小ネタみたいな感じです。

 

 ヤンクトン連邦刑務所にたどり着くゴードンたち。

 案内をするマーフィー所長とホリスター

 ダギーの乗っていた車から押収されたのは、

  〇嘔吐物 ※ラボで成分を解析中

  〇1kgはありそうなコカイン

  〇マシンガン

  〇犬の足

 なぜ、こんなものが出てくる?と怪訝なゴードン

 犬の足?

 ウサギの足ならお守りのような気もしますが、

 犬って、なに?

 確かにチーズとクラッカー状態です。

 

 そして、ダギーとの対面です。

 親指を立てるダギー。

 この瞬間、

 ダギーは25年前にボブに乗り移られたクーパーであり、

 彼はクーパーのように振舞うことができることが確定。

 そして、彼はドッペルゲンガーでもある。

 

 ブラックロッジの住人であるダギーは、

 会話の節々が変です。

 「とても」を「もてと」と言ったり

 針の壊れたレコードのように

 同じことを何度も繰り返し話をします。

 

 ダギーが語る内容は、

  〇潜入捜査をしていた

  〇フィリップ・ジェフリーズと組んでいた

  〇ゴードンに報告したいことがあった

  〇メッセージを残した

  〇フィリップに安全だと伝えるためのメッセージ

  〇今まで家を出たことはない

 怪訝なゴードンは、

 ダギーを泳がせるために電話を掛けさせろと指示

 

 刑務所の外に出るゴードンとアルバート

 アルバートは隠し事をゴードンに告白する

  〇何年も前にフィリップから連絡があった

  〇クーパーがまずいことになっている

  〇至急に情報を渡す必要があった

  〇コロンビアの男の名前を伝えた

  〇1週間後、その男は死んだ

 

 さてさて、ここでもフィリップ・ジェフリーズです

 「ローラ・パーマー最期の7日間」では、

 ほんのちょい役だったデヴィッド・ボウイ

 当時は観客を混乱させるために、

 リンチがわざと謎を深めただけだと思ってましたが、

 実はかなり重要なエピソードだったようです。

 

 ここで新ツイン・ピークス再開に合わせて

 2014年に発売されたブルーレイBOXに特典収録された

 「ローラ・パーマー最期の7日間」の未公開映像から

 フィリップが実際、あの短いシーンで

 何を訴えたかったのかを改めて振り返ってみようと思う

 

ブエノスアイレスのホテル

  ホテルのロビーにフィリップが訪れる

  ミス・ジュディが泊まっているかを確認すると、

  彼女からのメッセージを受け取る

  彼女は若い女性だった

  部屋に案内されるフィリップ

◆電信柱

  テレサ・バンクスが住んでいたトレーラーハウスの電柱

  電線から小人の鳴き声が聞こえてくる

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◆集会所

  小人「クロムは我々のイメージを映し出す」

  集会場に集まっている面子は

   〇別の場所から来た小さな男 (小人)

   〇キラー・ボブ

   〇トレモンド夫人

   〇トレモンド夫人の孫

   〇赤いスーツの鼻が尖った顔面が白い男

   〇杖を持った黒人

   〇電気装置を操る髭の長い男 茶ひげ

   〇電気装置を操る髭の長い男 黒ひげ

  小人「電気。澄んだ空気。我々を産み落とした。

     上下しながら交わりあう、2つの世界の間を」

  黒人「動物の営み」

  小人「ガルモンボジーア。

     フォーマイカのテーブル。色はグリーン」

  ボブ「オレの中には勢いのある激情が存在する」

  トレモンド夫人の孫「(ボブを指さし)犠牲者だ」

  小人「この指輪で汝らは結ばれる。火よ我と共に歩め」

◆赤い部屋に指輪、そして、ローラ・パーマの影が浮かぶ

フィラデルフィア FBI本部

  フィリップが現れる、事の顛末を語り始める

   〇ジュディの話は禁止

   〇クーパーを指さし「ここに誰がいると思う?」

   〇ジュディは確信してる

   〇2年間のうちに奴らの集会に参加した

   〇コンビニエンスストアの上だった

   〇オレたちは夢の中で生きている

   〇シアトルのジュディの店で何かを見つけた

   〇奴らがそこにいた

   〇何時間もそこに座って奴らをつけていった

   〇指輪 指輪 と繰り返す

   〇部屋の照明が点滅する

   〇5月?2月?1989年?

  そして、フィリップは忽然と消える

ブエノスアイレスのホテル

  電気がショートしたかのように壁が焦げている

  フィリップが叫んでいる

  ホテルのボーイが驚きのあまり粗相をしてしまう

  ボーイ「サンタマリア行くな

      あの男か?お前があの男?」

 

 映画本編では、この時、デスモンド捜査官も消えてしまう

 なかなか観てると脳みそが溶けてしまうシーンの連続です。

 だけど、本編ではブエノスアイレスの部分がバッサリとカット

 その他の内容はオーバーダブしながらあっという間に終わってしまう

 

 ここで気になるのは、

 クーパーを指さして「ここに誰がいると思う?」というシーン

 今となっては、既にドッペルゲンガーだと思っていそうな

 そんなシーンになってるじゃないですか

 ヤバイ、時空がつながっちゃったよ!

 

 これだけではフィリップの正体なんて、ぜんぜんわからないけど、

 ニュースによれば、

 生前のデヴィッド・ボウイにもThe Returnへの出演依頼があったそうで、

 なんとも惜しい気持ちになります。

 かなり重要なキャラクターになりそうなフィリップ・ジェフリーズ

 今後の絡みに期待が止まりません

ツイン・ピークス The Return 考察 第3章 原点回帰?リンチ節が炸裂!ゲロにまみれてハローと叫べ!

とてつもない回になりました第3章

ただ、もうあらすじを書くのも疲れたゼよ、姐さん。

次回からは簡易バージョンで行こうと思います。

 

【あらすじ】

◆次元の狭間

  次元を落ちていくクーパー

  紫の煙のようなものに吸い込まれていく

◆次元の果て

  コンクリート造の頑強な建物に落ちてくるクーパー

  目の前には海が広がっている 他に何もない

  バルコニーの窓から部屋内へ

  リビングには目のない女がソファで暖炉にあたっている

  クーパー、何かを女に話しかける

  女はクーパーの手を取りソファに座らせる

  目がないため手でまさぐり、何かを語ろうとするが声が出ない

  唐突にドアがノックされる

  女は静かにとゼスチャー

  クーパーは部屋の壁にある"15"と表記された機械が気になる

  機械に近づくクーパー

  電圧が強いのか機械に近づくことができない

  女が必死に機械に近づくなと制止する

  ドアを叩く音が激しくなる

  ノックされるドアとは別の扉を開ける女

  扉の先には梯子がある

  梯子を上りハッチを開ける

  そこは次元に浮かぶ小さなブリキの箱

  箱には煙突のような突起物が備えられている

  女は何かを説明するが、クーパーには理解できない

  女は煙突についているレバーを下ろす

  辺りの明かりが消える

  女は電気に痺れて箱の外に放り出される

  なすすべもないクーパー

  すると次元空間にブリッグス少佐の顔が現れる

  ブリッグス少佐「青いバラ

  梯子を下りていくクーパー

  リビングに戻ると別の女がソファにいる

  壁の機械に"3"と書かれたプレートが貼られている

  女の腕時計が "午後2:53" になる

  壁の機械にあるコンセントの差込口

  ジジジジと微弱な電気の音

◆山間のハイウェイ

  車を運転しているダギー・ジョーンズ

  気分が悪い

  車の時計は"2:53"を指している

  シガーソケットから電気の音

◆次元の果て

  機械に近づくクーパー

  電気が走る

  再びドアが激しくノックされる

  女「急いだ方がいい。私のママが来る」

  機械に吸い込まれていくクーパー

  靴を忘れていく

◆山間のハイウェイ

  眩暈がするダギー 車が横転する

  吐き気を覚える 目の前に赤いカーテン

◆RANCHO ROSA estatea

◆空き家

  別のダギー・ジョーンズと黒人の女ジェイドがいる

  左腕が痺れている

  ダギーの左手薬指に"指輪"が嵌められている

  気分が悪いダギー リビングで嘔吐

  嘔吐と共にダギーの姿が消える

◆山間のハイウェイ

  車中のダギー 堪えきれずに嘔吐

  目の前の赤いカーテンに別ダギーの姿が

◆レッド・ルーム(赤い部屋)

  片腕の男が椅子に座る別ダギーを見下ろしている

  「何者かがある目的のためにこれを拵えた」

  別ダギーの左手がみるみる萎み、

  一瞬にして身体が黒い煙になってしまう

  煙は黒い塊となり、小さな金色の玉に変わる

  大理石のテーブルに指輪を置く片腕の男

◆空き家

  部屋のコンセントからクーパーが転送されてくる

  ジェイドが家を出ようと促すがクーパーは呆けている

  車のキーを探るとクーパーのポケットから

  グレート・ノーザン・ホテル 315号室のカギ

  車の運転が無理と見てジェイドがクーパーを送っていく

◆シカモア通り

  男二人組ジーンとジェイクがダギー暗殺を謀っている

  しかし、難なくクーパーはそれを逃れる

◆空き家

  別ダギーが家に居ると思い車に爆弾を仕掛けるジーン

  向かいの家の子供がそれを眺めている

  ドラッグ中毒の母親は119と叫び、錠剤をウィスキーで飲み込む

◆山間のハイウェイ

  事故を起こしたダギーの車にパトカーが到着

  嘔吐物の匂いに警官が倒れる

ツイン・ピークス保安官事務所

  ホークとアンディー、ルーシーが失くし物を探している

  ウサギのチョコを盗み食いしたと告白するルーシー

◆森の奥のログハウス

  大量のショベルを金色に塗装しているジャコビー

◆Silver Mustang Casino

  カジノで助けを呼べとクーパーを追い出すジェイド

  出て行けと言われ、

  ローラに「あなたは出て行ける」と言われた事を思い出す

  クーパーを置いて走り去るジェイド

  促されるままコインに両替するクーパー

  大当たりした男性客が「ハロー」と叫ぶのを眺める

  スロットの上部に赤い部屋がぼんやりと浮かぶ

  そのスロットで真似をして「ハロー」と叫ぶクーパー

  メガ・ジャックポットが出る

  スロット上部に次々と浮かぶ赤い部屋

  次々とジャックポットを出すクーパー

◆FBI フィラデルフィア支部

   ゴードン・コール、アルバート、タミー他5名が

  ジョージタウンの妻殺しの案件について会議している

  真犯人のヒントは

   〇ブロンド美女の写真

   〇ペンチ

   〇ブロンドと赤毛の二人の美女の写真

   〇子供の写真

   〇ライフル

   〇ピーナッツが詰まったビン

  「下院議員も大変なんだな」とゴードン

  続いてタミーがニューヨークの事件を報告する

  ニューヨークの建物の持ち主も、

  現場で何が起きているのかもわからない状態

  ガラスの箱を撮影していたカメラに

  ほんの一瞬だけ "邪悪なもの" が映り込んでいた

  その報告をしている最中にクーパーから電話がかかってくる

  サウスダコタのブラックヒルズで翌朝9:00に面会することになる

◆BANG BANG BAR

  バンドの演奏 "MISSISSIPPI" by The Cactus Blossoms

 

というわけで、クーパーが25年ぶりに現世に帰ってきました。

電気を通って。

この世とブラック・ロッジは、

12本のシカモアの木のサークルから簡単に入れますが、

出るとなるといろいろ大変なようです。

「ローラ・パーマー最期の7日間」でも所々で電気がバシバシしてましたが、

どうやらこの世とあっちの世界は、リンチの中では電気が通り道なようです。

 

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そして、来ました、このチープなブリキの箱!

この21世紀に、ここまで手作り感満載な映像ってないでしょ。

しかも意味不明!ヤバイよね。

インランド・エンパイアでは「なんでお前が!」と

いろいろなところでリンチ・ファンから噛み付かれていた裕木奈江

"Naido" とかいう訳わかんない役で再登場。

15Aなのか、15Vなのか、15Wなのかよくわかりませんが、

それじゃ危険よ!と、わざわざクーパーのために電力を下げてくれます。

で、ビリビリして放り出されちゃった。

健気な いい娘じゃないか...

 

電気を通るというのは、そこにあまり意味がなく、

そもそも電荷の転送力が優れていることに着目したリンチが、

お決まりのユニークな発想でこしらえた物語の結果に思えます。

ただ、どうも転送は上手く行ったけど、クーパーの様子がおかしい。

片腕の男が言っていたように、誰かが何かを企んでいるようです。

 

そして、ゲロゲロです。

もらいゲロの王者である僕は見ることができません。

小学校の時から、もうクラスメートがゲロッたら次は僕みたいな、

今でも駅のホームとか道端とか、ゲロみたら逃げる、息を止める、

そんな人生を歩んでいる僕に、ですよ、

あそこまでの派手なゲロゲロは無理すぎます。

女性の裸といい、ゲロといい、もうやりたい放題です、リンチ教授。

頼む、もうちょいオブラートに包んでくれ!と思うんだけど、

そうするとリンチじゃなくなっちゃうような気もするし、

もう、なんでこんな変態おじさんを好きになっちゃったんだろう。

 

そんなリンチ教授が演じる耳が遠いゴードン・コールもカムバック!

部屋には原爆のキノコ雲に、フランツ・カフカの肖像。

もう意味深すぎて、ゼッタイ、これってあとあと絡んでくるよねって感じ。

ジョージタウンの妻殺しも絡んでくるのかどうかはわからないけど、

ブロンド美女とライフルとピーナッツのビンが真犯人のヒント?

推理するにも情報がなさすぎて、さっぱりだよ!

 

前回、腕が言っていた「253。何度も何度も繰り返す」というセリフは、

今回のクーパー転送の時間を告げていたのか、

どうなのかは定かではないですけど、

あそこまで "2:53" を強調していたのには意味がありそうです。

 

ルーシーがつまみ食いしたウサギのチョコ。

ウサギと聞いて、インランド・エンパイアを思い浮かべたけど、

まあ、たぶん全然関係ない、ホント、ルーシーの気まぐれで終わりそう。

 

とりあえず、クーパー、お帰り!

ツイン・ピークス The Return 考察 第2章 ドッペルゲンガーが暗躍する世界に跪け

ツイン・ピークスの牧歌的な雰囲気を期待し

ドーナツとコーヒーを用意して

テレビの前にスタンバっていたピーカーたちを

ことごとく脳天から打ち砕いた第1章。

そのあまりにも都会的なストーリーと

21世紀型のウルトラ・バイオレンスに、

わたしは新たな快感を覚えてしまいましたゼ、姐さん。

 

というわけで、さらなる謎がメガ盛り状態で届けられる第2章。

当然の如く、ネタバレもメガ盛りなので、その辺ヨロシクです。

 

【あらすじ】

バックホーン警察

  留置所にフィリスが訪れてくる

  ビルはルースの部屋に行っていないと訴える

  しかし、夢の中で行ったんだと打ち明ける

  フィリスはビルの浮気を責める

  ビルもフィリスと弁護士のジョージの浮気を責める

  終身刑になる夫を嘲笑い立ち去るフィリス

  立ち合いに来た弁護士ジョー

  フィリスは全てバレていたと吐き捨てて立ち去る

  絶望に打ちひしがれるビル

  その隣に佇む全身真っ黒な男 宙に消えていく

◆ウィリアム・ヘイスティングスの家

  家に帰るフィリス

  ダギー・ジョーンズが待ち伏せている

  「上出来だ。人間の本性を剥き出しにしている」

  ジョージの銃でフィリスの頭部を撃ち抜く

  フィリスの右目に銃弾の穴が開く

ネバダ州 ラスベガス

  どこかのオフィス

  ダンカン・トッドがロジャーを呼び出す

  ロジャーに20,000ドルを渡し「採用だと伝えろ」

  ロジャーはトッドがなぜ "あの男" の言いなりになるのか尋ねる

  トッド「君の人生には入れるなよ。ああいう男を」

◆どこかの踏切

  BNSF鉄道が走りすぎていく

◆モーテルのレストラン

  テーブルにダギー、レイ、ダーリャ、ジャックの4人

  ジャックが3人前のスパゲティを食べている

  レイはフライドポテト、ダーリャはサラダ、

  ダギーはコーンを食べている

  レイ「ダギー、あさってが心配らしいな」

  ダギー「何も心配はない。オレは情報が欲しい」

  レイ「彼女はヘイスティングスの秘書。情報は全て握っている」

ツイン・ピークスの森

  森の中を捜索しているホークに丸太おばさんから電話

  マーガレット「星々は巡る。あとで家に寄って」

  ブラック・ロッジへの入り口にたどり着くホーク

  赤いカーテンが見え隠れする

 ◆レッド・ルーム(赤い部屋)

  クーパーと片腕の男

  片腕の男「これは未来か。それとも過去か」

  「誰かがここに居る」と言い残し片腕の男が消える

  ローラ・パーマーが現れる

  ローラ「あなたは もう行っていい」

  ローラ「わたしの腕はときどき後ろに曲がるの」

  ローラ「わたしは死んだ。でも生きている」

  顔面をマスクのように外すローラ、その奥は光輝いている

  何かをクーパーにささやくローラ

  何者かがローラを上に連れ去っていく

  物凄い雄叫びと共にローラが消滅

  風が吹き、赤いカーテンが消えていく

  カーテンの向こうに際限なく広がる縞模様の床

  そこに白馬が一頭佇んでいる

  闇の果てに消えていく

  片腕の男が戻る

  片腕の男「これは未来か。それとも過去か」

  赤いカーテンの向こうにクーパーを案内する

  別の部屋

  シカモアの木のてっぺんに臓器が付いた異形のもの

  放電している

  片腕の男「あれは腕が進化したものだ」

  腕「覚えているか。お前のドッペルゲンガーを」

  25年前、ドッペルゲンガーに捕まるクーパー

  腕「まず彼が戻らねばならない。そうすればお前が出られる」

◆どこかのガレージ

  ジャックがガレージにベンツを閉まっている

  シャッターのカギと車のキーをダギーに渡す

  ジャックの顎を揉み上げるダギー

◆どこかの森に雷鳴が轟く

◆モーテル 6号室

  電話をしているダーリャ、ダギーが帰ってきて慌てて切る

  誰に電話をしていたと問われジャックと話していたと嘘をつく

  ダギー「今日の午後 レイと会うはずだったが現れなかった」

  ベッドでダーリャを抱き寄せるダギー

  ダギー「ジャックは2時間前に死んだ」

  ダーリャとレイの会話を録音したボイスレコーダーを聴かせる

  レイ「銃を持って州境を超えたらパクられてサウスダコタの連邦刑務所にいる」

  ダーリャ「クーパーはどうすんの?」

  レイ「ジェフリーズから また電話があった。明日の夜、近くに居たら殺せ」

  逃げ出そうとするダーリャを捕まえ殴るダギー

  誰に雇われた?と問われるが、ダーリャは知らない

  ダギー「ゲームは始まった」

  ダギーを殺すと50万ドル山分けだったことを告白するダーリャ

  明日、ダギーはブラック・ロッジに戻される予定だったが

  あと一つの計画のために戻るつもりはないと告げる

  ヘイスティングスの秘書からの情報を求めるダギー

  "座標" を教えろと詰め寄るが、ダーリャは知らない

  ダギーは1枚のカードを取り出しダーリャに見せる

  スペードのAに 黒丸に角が生えた絵柄、カードにはキズがついている

  しかし、ダーリャは知らない

  ダーリャを殴り、45口径で頭を撃ち抜くダギー

  アタッシュケースから通信機を取り出す

  フィリップ・ジェフリーズと通信する

  ジェフリーズ「ニューヨークで会いたかったが、まだバックホーンか」

  ダギー「そっちはまだ行方不明か?」

  ジェフリーズ「ガーランド・ブリックス少佐に会ったんだろ?」

  ダギー「なんで知っている」

  ジェフリーズ「お前が明日戻るなら、またボブと共にいよう」

  ダギー「お前は誰だ?」

  通信が切れる

  司法省 FBIのホームページにアクセスする

  エージェントIDに「kdhgw...」と打ち込む

  サウスダコタ州の地図が表示される

  ヤンクトン連邦刑務所に誰かがいることが示される

  検索窓に「sdl04pcsecprot」と打ち込む

  レベル4のセキュリティーシステムが作動する

  ヤンクトン連邦刑務所のシステムにアクセスする

  連邦刑務所の情報をダウンロードするダギー

◆モーテル 7号室

  シャンタルを呼び出すダギー

  6号室の片づけを頼む

  シャンタルと亭主ハッチに2~3日後にある場所へ行くよう指示

  ベッドにシャンタルを呼び寄せ、股をまさぐる

◆レッド・ルーム(赤い部屋)

  腕「253。何度も何度も繰り返す」

  ボブ、ボブと繰り返し、さあ行けと促す腕

  赤いカーテンの向こうに行くクーパー

  先に行こうとするがカーテンには電気が走り開かない

  もとの部屋に戻ると腕の姿はない

  さらに違う部屋に行くとリーランド・パーマーがいる

  リーランド「ローラを探せ」

  他の部屋へ行くクーパー

  蓄音機から聞こえた "何かがこすれる音" が部屋に響く

  縞模様の床が乖離していく

  別の部屋に片腕の男と腕

  片腕の男「なにかがおかしい」

  腕「我がドッペルゲンガー

  クーパー、さらに奥まで進み赤いカーテンを開く

  その先には山間のハイウェイが広がっている

  ダギーが運転している車がこちらに向かってくる

  ビーナスの像が腕に変わる

  咆哮を上げる腕 縞模様の床が崩れる

  腕「存在しない!」

◆ニューヨーク ガラス張りの箱がある倉庫

  ガラスの箱に落ちるクーパー

  ガラスを擦り抜け、箱の中に浮かび上がる

  ちょうどその頃、

  サムとトレイシーはいなくなった警備員を探している

  ガラスの箱が幾重もの次元に重なり合う

  さらに別次元へと落ちていくクーパー

◆リーランド・パーマーの家

  リビングでテレビを見ているローラの母 サラ

  テレビではライオンが水牛を襲っている

◆BANG BANG BAR

  バンドの演奏 "SHADOW" by Chromatics

  ボックス席で友達とテキーラを一気飲みするシェリ

  ジェームズがフレディーを連れてやってくる

  シェリー「うちの娘ベッキー 変な男にひっかかっちゃって」

  レネー「スティーヴン 人気者じゃない」

  ハナ「娘の人生よ」

  レネーを見つめるジェームズ

  バーにやってきた男がシェリーを見つめる

 

さてさて、かなりのツイン・ピークスらしい展開になってきました。

浮気した者同士の罵り合いから始まり、

とうとうクーパーのその後が説明され、

赤い部屋を縦横無尽に歩き回った今回。

クーパーそっくりの長髪男ダギー・ジョーンズは

25年前に生み出されたクーパーのドッペルゲンガーだったことが判明!

この25年間、お前はいったいどんだけの悪事をしてたんだってくらい

非情っぷりと最強っぷりを見せています。

哀れな校長先生ビルも、ダギーの罠にハマった様子です。

でも一番ショッキングだったのは、

進化した腕でも、クーパーのしゃくれた顎でもなく、

ローラとシェリーの熟女っぷり!

ヤベェよ、幻が消えていくよぉ...

その方面の趣味がある人には堪らないのかもしれないけど、

時間って、なんて残酷なんだ!姐さん!

 

前回はリンチらしからぬスタイリッシュな映像のオンパレードでしたが、

この第2章では端々にリンチ・テイストが満載。

進化した腕は、もうまんま「イレイザーヘッド」だし、

わけのわかんない真っ黒なおっさんまで現れる。

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これが後々にどう絡んでくるのかはわからないけど、

こういう不吉な存在って、今までのリンチ映画にも出てたよね。

「ローラ・パーマー最期の7日間」のトレーラーハウスに現れたおばちゃん。

ロスト・ハイウェイ」のミステリーマン(趣向は違うけど)

マルホランド・ドライブ」でダンをショック死させたホームレス。

マルホではブルーボックスに絡む重要な存在でもあった。

絶望に打ちひしがれたビルのもとに現れたこのおっさん。

意味があるのかないのか、この放置プレイがたまらなくリンチです。

 

マルホのショック死したダンと言えば、

ダン役だったパトリック・フィッシュラーがツイン・ピークスにも登場!

何かに怯えていたダン同様に、何かに怯えているトッドさん。

この怯え具合、いいなぁ。

誰に逆らえず、誰を雇ったのか、今後の展開が気になります。

 

謎と言えば、悪クーパーことダギーが出したカード

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さっぱり意味がわかりません。

スペードのエースは、トランプの中で最高ランクのカードであり、

死のカードという意味もあるらしいけど、

黒丸に角って、いったいなんなのさ、悪魔?デビル?鬼?

幼稚な発想しか出てこないよ、考察も何もあったもんじゃないよ。

角なのかどうかもわからないし、耳?足?触覚?

ピッコロ大魔王的な?

しかも、カードにキズがついているのが、また意味深だし、

これも今後、謎の伏線が回収されるのでしょうか。

 

このカードを差し出したシーンの会話から、

前回の悪クーパー初登場時の小屋にいたキャラたちは、

どうやらブラック・ロッジ系の人たちのように思えてくる。

ダギーをクーパーと呼び、

なんとフィリップ・ジェフリーズともつながっている。

悪クーパー暗殺を企む、その背後に誰がいるのか。

そして、悪クーパーもジェフリーズとつながっていた。

ブラック・ロッジには戻らないと言い放った計画とは一体?

そもそも「FIRE WALK WITH ME」でさえ謎の存在だった

デイヴィッド・ボウイ演じるジェフリーズ。

コンビニエンスストアの上に潜入し、ジュディを探す彼。

ニューヨークのガラスの箱に現れたのは彼だったのか?

それとも、あれはジェフリーズでもないのか。

謎は深まるばかり!

ツイン・ピークス The Return 考察 第1章 すべてのピーカー達の想像を覆す展開に歓喜の叫び!

ついにWOWOWで始まった「ツイン・ピークス The Return」

伝説のテレビ・シリーズから25年ぶり!

デイヴィッド・リンチの映像作品としても、

前作「インランド・エンパイア」から10年ぶり!

にわかリンチ・ファンとして、

これほど嬉しい作品は他にありませんゼ、姐さん。

(にわかじゃないモノホンの人は喜びすぎて失禁が止まらないはず)

 

というわけで、にわかファンだからこそできる

この無謀な「考察論」というものを展開してみようかと思います。

SNSはやらないので、もしかしたら

巷ではああだこうだ意見交換がなされているかもしれませんが、

そんなものは知る由もありません。

好き放題、思うがままに、ただひたすらに書き連ねていきます。

まあ、こんなブログをどれだけの人が見るか知りませんが、

ネタバレが嫌な方は、どうぞ華麗にスルーでお願いいたします。

ガッツリなネタバレと、独りよがりな考察論、スタートです!

 

【あらすじ】

◆レッド・ルーム(赤い部屋)

  ローラ・パーマー「25年後に また お目にかかる」

◆ブラック・ロッジ?

  巨人?「蓄音機からの音、今それは我々の家に...」

  クーパー「そうだ」とそれを認める

  巨人?「忘れるな 430. リチャードとリンダ 2羽の鳥と1石」

  クーパーが消える

◆森の奥のログハウス

  ジャコビーのもとに大量のシャベルが配達される

◆ニューヨーク ガラス張りの箱がある倉庫

  サムにコーヒーを届けるトレイシー

 ◆グレート・ノーザン・ホテル

  ベンジャミン・ホーンとビバリー スカンクのクレーム処理

  「ハウスマンさんに2泊分の返金はするが1週間分は無理」

  「夫人とニューヨークからの友人にスパを堪能してもらう」

  ジェリーが登場

  アムステルダム水耕栽培した大麻AK47

ツイン・ピークス保安官事務所

  ルーシーがソリティアをやりながらペン立てにメモを貼っている

  保険外交員がトルーマン保安官を訪ねてくる

  「一人は病気で、もう一人は釣りに行っている」

◆森の奥の小屋

  ダギー・ジョーンズとオーティス

  部屋には車イスに乗った小人のような男

  そして、ソファに座って拳銃を構えている巨人のような男

  奥からビュエラが出てくる レイとダーリャを呼びに行く

  レイとダーリャ、出ていく時に車イスの男に紙切れを渡す

  オーティス「ミスターC、ミスターC」と連呼する

◆ニューヨーク ガラス張りの箱がある倉庫

  再びサムにコーヒーを届けるトレイシー

  警備員の姿がないので、トレイシーを中に招き入れる

  サムは学費のためにここでアルバイトをしている

  どこかの匿名の大富豪がここの持ち主

  サムの仕事はガラスの箱に何かが現れるのを待つこと

  サムの前任者は何かを見たらしい

  サムとトレイシー、コトを始める

  それに引寄せられるようにガラスの箱に何者かが現れる

  体格は小さく、頭部が奇形、小さな乳房が見える

  ガラスを突き破りサムとトレイシーを無残なまでに噛み殺す

サウスダコタ州 バックホー

◆アローヘッド通り1349番地にあるアパート 

  218号室に住むマージョリーと愛犬のアームストロング

  もう3日も留守にしている隣人のルース・ダヴェンポート

  ルースが住む216号室からひどい異臭

  119に連絡をするマージョリー、アパートの住所を忘れる

  警官二人が到着、216号室にはカギが掛かっている

  管理人のバーニーは留守

  バーニーの弟の居場所を聞くため、メンテナンス係のハンクのもとへ

  ハンクは警官たちをハーヴィーと勘違いする

  バーニーの弟チップのことを聞かれ動揺するハンク

  チップは電話を持っていない

  ルースの鉢植えの水やりを頼まれていたマージョリーがカギを差し出す

  警官二人、216号室の部屋の中へ

  ベッドに横たわる「左目がくり貫かれた死体」を発見する

  その頃、ハンクはハーヴィーにサツを寄こしたなと文句の電話

  ブツは全部ここにあるが自分とチップのものだと言い張るハンク

  ハーヴィーに電話を切られる

  鑑識が216号室に到着

  コンスタンスが現場を検証しているところにデイヴが到着する

  ベッドのシーツをめくると死体は頭部と胴体が別々になっていた

  胴体の全身に体毛があり、どうやら男性のようである

ツイン・ピークスの丸太小屋

  マーガレット(丸太おばさん)からホーク副所長に電話

  丸太からのメッセージ

  ・何かがなくなった

  ・それはクーパー捜査官に関したもの

  ・それを見つける上でホークの祖先(ルーツ)が関わってくる

バックホーン警察

  216号室で発見された死体の頭部はルース・ダヴェンポート

  胴体の身元は不明、指紋の照合結果も出なかった

  部屋に残っていた指紋を照合するとビル・ヘイスティングスのものだった

  ビルはコンスタンスの子供が通う学校の校長だった

◆ウィリアム・ヘイスティングスの家

  デイヴ・マックレイがビルを逮捕しに訪れる

  今夜はモーガン夫妻が食事に来る予定だった

  妻のフィリスに弁護士のジョージを呼ぶよう頼むビル

ツイン・ピークス保安官事務所

  奥から資料の箱を2つ抱えてくるホーク副所長

  ルーシーとアンディーを呼ぶ

  ホーク「クーパー捜査官に関したものが無くなった」

  ルーシー「いなくなったのはクーパー捜査官」

  ルーシー「ウォリーが生まれる前だし あの子は今 24歳よ」

  アンディー「誕生日はマーロン・ブランドと同じ」

バックホーン警察

  州警察のドン・ハリソンが到着する

  デイヴとビルは高校以来の友人で釣り仲間

  ビルの取り調べが始まる

  「ルース・ダヴェンポートは図書館の職員」

  「彼女に最後に会ったのは2ヶ月ほど前」

  「どこに住んでいるのか知らない」

  「平日の昼は学校にいた」

  「水曜は放課後に帰宅」

  「木曜は学校でミーティング」

  「金曜は妻と外食」

  「今日(土曜)はずっと家にいた」

  「木曜のミーティングは9時半頃まで、ピザを注文した」

  「木曜の夜は秘書のベティを家まで送った」

  留置所に入れられるビル

◆ウィリアム・ヘイスティングスの家

  ドン・ハリソンとデイヴが捜査に訪れる

  ビルの車(ボルボ)を調べる

  トランクを開けると、そこには釣り道具が

  道具箱を避けると、その下に肉片が落ちていた

◆ブラック・ロッジ?

  蓄音機からの音に耳を澄ましている巨人?

 

てなわけで、想像を絶する第一話はこんな感じ。

ツイン・ピークスの25年後を描くというニュースを最初見た時は、

喜びと同時に、大丈夫か?という不安が大きく、

結果、やらなきゃよかった的なことに成りかねないのではないかと

そんな風に思っていたのです。出演者みんな年を取っていることですし...

 

で、蓋を開けてみたら、やっぱりリンチだった!

オープニングのローラの25年のくだりから始まり、

クーパーと巨人?(巨人と断言できないのはエンドクレジットにGiantの表記がないから)

ジャコビー登場までは、ああ、紛れもなくツイン・ピークスの続編と思いましたが、

そこから、いきなりニューヨーク!

なにこれ?

ツイン・ピークスなのにニューヨーク?

完全に混乱したところに、ガラス張りの装置をただただ眺めているインテリジェント。

 ヤベェ、カッコよすぎる。

空間デザインも、家具の配置も、グランデサイズのコーヒーも、

意味不明なガラスの箱が、なによりも最新のリンチ・テイストに溢れている。

だけど、こんな都会的なフィルムをリンチ映画で観たことないんだけど。

スゲェと思いながら、リンチ映画という部分に違和感も感じる。

しかも、ツイン・ピークスだよ。

なに、結局、今時のドラマ路線で行くってことなの?

それって、ツイン・ピークスを語る意味があるの?

だったら、リンチじゃなくてもいいじゃん。

そんな思いに囚われていると、あのベンジャミン・ホーン登場。

ジェリーも相変わらずのぶっ飛び具合で、やっぱりツイン・ピークス

そして、我らがルーシーの登場!おばちゃん だぁ!

受付の後ろにある写真立てを見るとアンディーと子供の姿が。

保険外交員への対応も相変わらずです。そう、なにも変わってない。

いいじゃない、ツイン・ピークスが戻ってきたよ。

そう感慨に耽っていると、真っ暗な道をライトだけが照らし出す。

車から降りる見慣れぬ男。

なんの予備知識もなく観た人は、これってクーパーなん?と

ちょいプチパニックを起こすこと請け合いです。

しかも、めっちゃ強い。

きましたよ、この意味不明な感じ。

さらに再びのニューヨーク。

コーヒーを一口飲んだだけで、もうコトを始めてしまいます。

そして性欲に魅かれるようにガラスの箱に現れた "邪悪なもの"

この辺のエロスと暴力性もリンチ・テイストに溢れています。

 

ここでその "邪悪なもの" について考察。

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性欲に魅かれ、そして、残虐なまでにカップルを噛み殺す。

その行為は欲望のままに動くボブや

ガルモンボジーアを食らう小人のような印象も受けますが、

フクロウやクリーム・コーンのそれとは遥かに違う暴力性を孕んでいます。

暴力が直接的というか、もうメタファーもなにもあったもんじゃない、

贅肉をそぎ落とし、極限までシンプルにした姿が、邪悪なもの。

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魔人ブーの悪の部分だけを具現化したような、あの姿に近い。

第1章だけでは、まだまだ謎な存在ですが、

重要なファクターであることは間違いなさそうです。

 

場面はバックホーンに移り、新たな殺人事件が発生します。

アローヘッドのアパートでの、

マージョリーを中心とした警官とのとぼけたやり取りが、

リンチファンとして、たまらずニンマリするシーンでしょう。

カギ一本をめぐって、まあ、人物が出てくる出てくる。

この後、ストーリーに絡んでくるのか、

それとも、ただただ、このシーンを盛り上げるだけの人物なのか。

どっちでもいいですが、個人的にはチップ が気になる。

このご時世に電話を持たないって、どんな奴なんだろ?

 

そんなこんなですが、第1章の印象としては、

これってツイン・ピークスなの?っていうのが一番の印象。

クーパーも、ローラも最初に出てきただけだし、

ボブは?アニーは?そもそもクーパーのその後が全然わかんない。

しかも、映像のテイストが最新ドラマのようにクリアで鮮明。

今までのリンチ映像と思えるのが、

冒頭とラストのモノクロな蓄音機という。

どうも期待していた流れを完全に覆されたパターンになっています。

この裏切られ感、やっぱりリンチなのねって感じです。

それは混沌の第2章へと続きます!

永井真理子デビュー30周年記念オールタイムベスト 「THE STARTING POINT」

最新デジタルリマスタリング&高品質CDで蘇るガール・ポップの最高峰!

 

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1987年7月22日、シングル「Oh,ムーンライト」でデビューした永井真理子は、今年2017年でデビュー30周年を迎えます。元気がトレードマークだった「HEART BEAT」時代、数々のヒット曲を生み出した「MIRACLE GIRL」時代、セルフプロデュースでバンドサウンドにこだわった「HYSTERIC GLAMOUR」時代、そして、自主レーベルでオーガニックなサウンドプロダクションを展開した「ORGANIC」時代と、レーベルの枠を超えて4つの時代を4枚のディスクに収録。

さらに最新のデジタルリマスタリング、そして2013年発売の復刻盤も好評だったBlu-spec CD2によってダイナミックなサウンド再生を実現。ガール・ポップのエポックメイキングな楽曲たちが全70曲のフルボリュームで今蘇ります!

 

disc 1 -HEART BEAT-

1.ときめくハート・ビート (1st AL「上機嫌」収録)

2.One Step Closer (1st AL「上機嫌」収録)

3.Donnani (1st AL「上機嫌」収録)

4.Good Luckが目にしみる (1st AL「上機嫌」収録)

5.親友 (2nd AL「元気予報」収録)

6.SO BAD (2nd AL「元気予報」収録)

7.3D NIGHTへおいで (2nd AL「元気予報」収録)

8.いつもセレナーデ (2nd AL「元気予報」収録)

9.20才のスピード (3rd AL「Tobikkiri」収録)

10.コンタクトレンズ・スコープ (3rd AL「Tobikkiri」収録)

11.Why Why Why (3rd AL「Tobikkiri」収録)

12.Dear My Friend (3rd AL「Tobikkiri」収録)

13.Step Step Step (1st BEST「大好き」収録)

14.Brand-New Way (1st BEST「大好き」収録)

15.少年 (1st BEST「大好き」収録)

16.Mariko (1st BEST「大好き」収録)

17.TIME-Song For GUNHED- (4th AL「Miracle Girl」収録)

18.プリティ・ロックンロール (4th AL「Miracle Girl」収録)

19.50/50 (Fifty Fifty) (4th AL「Miracle Girl」収録)

20.Keep On "Keeping On" (4th AL「Miracle Girl」収録)

 

disc 2 -MIRACLE GIRL-

1.23才 (5th AL「Catch Ball」収録)

2.Way Out (5th AL「Catch Ball」収録)

3.キャッチ・ボール (5th AL「Catch Ball」収録)

4.レインボウ (5th AL「Catch Ball」収録)

5.自分についた嘘 (2nd BEST「Pocket」収録)

6.ミラクル・ガール (2nd BEST「Pocket」収録)

7.悲しまないで (2nd BEST「Pocket」収録)

8.Ready Steady Go! (2nd BEST「Pocket」収録)

9.Keep On Running (6th AL「WASHING」収録)

10.ワイルドで行こう (6th AL「WASHING」収録)

11.私の中の勇気 (6th AL「WASHING」収録)

12.ピンクの魚よ (6th AL「WASHING」収録)

13.泣きたい日もある (3rd BEST「yasashikunaritai」収録)

14.ZUTTO (3rd BEST「yasashikunaritai」収録)

15.やさしくなりたい (3rd BEST「yasashikunaritai」収録)

16.今、君が涙を見せた (3rd BEST「yasashikunaritai」収録)

17.YOU AND I (16th SG「YOU AND I」収録)

18.いつも いつでも (16th SG「YOU AND I」収録)

 

disc 3 -HYSTERIC GLAMOUR-

1.大きなキリンになって (7th AL「OPEN ZOO」収録)

2.GONG! (7th AL「OPEN ZOO」収録)

3.卒業してもサヨナラしても遠くでも (7th AL「OPEN ZOO」収録)

4.La-La-La (7th AL「OPEN ZOO」収録)

5.We are OK! (21st SG「We are OK!」収録)

6.ルーシータクシー (21st SG「We are OK!」収録)

7.Katcho Bee-Bee-Boo (8th AL「Love Eater」収録)

8.夜空にのびをして (8th AL「Love Eater」収録)

9.DUNK! DUNK! (Remix Version) (8th AL「Love Eater」収録)

10.タンバリンをたたこう (8th AL「Love Eater」収録)

11.my sweet days (4th BEST「Birth to the Future」収録)

12.おいでよSmile World (9th AL「KISS ME KISS ME」収録)

13.暖かい雪 (9th AL「KISS ME KISS ME」収録)

14.飛べないBig Bird (9th AL「KISS ME KISS ME」収録)

15.DON'T GIVE UP HEART (9th AL「KISS ME KISS ME」収録)

 

disc 4 -ORGANIC MUSIC-

1.うた (10th AL「You're...」収録)

2.海と貝殻 (10th AL「You'rer...」収録)

3.boy (Album Version) (10th AL「You're...」収録)

4.私を探しにゆこう (Album Version) (10th AL「You're...」収録)

5.遠くから見つめている (11th AL「ちいさなとびら」収録)

6.12月の空へ (11th AL「ちいさなとびら」収録)

7.おしゃれ☆レジスタンス (12th AL「そんな場所へ」収録)

8.Angel Smile (12th AL「そんな場所へ」収録)

9.やさしい空気 (13th AL「AIR」収録)

10.ふたつの心 (13th AL「AIR」収録)

11.Tobujikandesu (13th AL「AIR」収録)

12.私を救う薬 (13th AL「AIR」収録)

13.Paper Plane (14th AL「Sunny Side up」収録)

14.ミエナイアシタ (14th AL「Sunny Side up」収録)

15.story (14th AL「Sunny Side up」収録)

16.small history of love (14th AL「Sunny Side up」収録)

17.あいのうた (9th BEST「My foot steps」収録)

 

 

なぁんてね。

今年の7月にこんなベストアルバムが発売されたらいいなぁ。

ナガマリ!30周年だぞ!待ってるぞぉぉぉ!

ガンズ・アンド・ローゼズを伝説と呼ぶな!怒涛のロック魂が炸裂した日本公演、ガンズは死んじゃいなかった!

ここ一週間、音楽ニュースを賑わしていたガンズの日本公演。

来日決定時は、行くつもりなどこれっぽっちもサラサラなくて、

(スラッシュとダフが戻ったって変わんねえだろと思ってた)

ベテランバンドが食いぶちつなぐためのドサ周りに、

1万円以上も出す意味ないだろ、ぐらいで構えておりました。

しかしですね、神戸と横浜の追加公演にベビメタの前座と聞いたら、

これは行かなきゃヤバすぎるだろと思い、ちゃっかり行きました、横浜公演。

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気持ち半分はベビメタだったんです。

だって、そうじゃない?

ブクブク太ったオッチャンなんかよりさ、

キャワいいJKと神バンドの方が見る価値あると思うじゃん、普通。

まわりの席を見てもガンズTシャツとベビメタTシャツが半々な感じだし、

ねぇ?

・・・・・・はい、それは完全に間違っておりました。

結論から言うと、ベビメタはガンズの足元にも及ばない、

今思うと、これは学園祭か?ぐらいのレベルでした。

音は大きかったけどね、なんかそれだけって感じ。

 

メイトたちの中には、オープニングアクト

これはガンズとベビメタの対バンだ!

なんて、ほざいてる輩がいましたが、

どのへたれ口がそんなバカげたことをイキってんだと。

でもね、正直言います、

僕もライブ3曲目の「Chinese Democracy」までは、

そんな気持ちでいたんです。

久々にライブに来たけど、結局、こんなもんか、と。

 

ニュースなどで時間通りにライブが始まることは知っていたし、

スラッシュもインタビューで「オレらもいい大人になったのさ」

なんて、らしからぬことを言ってた通りに、

30分強のベビメタ学園祭が終わり、

延々とディープパープルを聴きながら待つこと約30分、

19時40分頃からガンズのライブがスタート。

ここからして、昔のガンズ、というより昔のアクセルじゃないよね。

そもそも20時前にライブが始まるんだよ?

まあ、びっくりです。

その昔、2時間とか3時間とか、平気で待たされていたのに...

前座が終わって、トイレに行って、ビールとおつまみ買って、

席でディープパープル聴きながら、ちょうど飲み終わった頃にライブが始まる。

なんなん?このフィット感!これガンズのライブなん?みたいな。

 

事前のセットリストで「It's So Easy」から始まることも知っていたし、

続いて「Mr.Brownstone」に流れるのも知っていた。

舞台が暗転し、ルーニートゥーンのオープニングが高らかに鳴り響く。

そして、あのギターのイントロが鳴りだして、スラッシュ、ドーン!

次いでダフ、ドーン!

観客たち、ワーッ!!!と大賑わい。

そして、ステージに駆け出してくるアクセル!

なぜか、そこでクスクスと失笑の嵐。

まあね。

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しょうがないよ。

いつまでも20代や30代のルックスは保てないさ。

ベビメタの音がやけにデカすぎたせいで、ガンズの音が小さく聞こえる。

でも、これくらいの方が気持ちいいなぐらいの大きさ。

ドテッドテッと熊みたいにステージを走り回るアクセルより、

シュッとしてるダフの方が、なんかカッコいいなぁと遠巻きに見ていました。

 

定番の冒頭2曲は、あまりにも定番すぎて、

これが1993年の東京ドーム以来の、

24年ぶりのガンズの音だっていうことにぜんぜん気づかなかったのです。

 

衝撃は3曲目の「Chinese Democracy」のイントロでした。

ドゥドゥドゥドゥ・ドゥドゥドゥドゥというダフのベースに合わせて、

デーデン・デ・デ・デーデン!

ん?

デーデン・デ・デ・デーデン!

これは...

デーデン・デ・デ・デーデン!

デデデ・デーデン・デデデ・デーデン!アイドンリーマーター♪

紛れもない、これスラッシュのギターじゃん!

開眼!ってやつです。

ヤバい、スラッシュが帰ってきた!

これって、夢にまで見ていたガンズ新曲の本当の姿じゃないの!

もう、そこからは歓喜の嵐です。

 

なんでしょう、この24年間、ずっと待ち焦がれていたというか、

2001年のサマソニ以来、ずっと持ち続けていた煮え切らない何かが、

ここでいっぺんに吹き飛んで、

その芯から変わらない硬い憧れがおもむろに顔を上げた感じがして、

ギターのリフがかき鳴らされる度に涙ぐむ自分がいるのです。

「ありがとう。スラッシュ、帰ってきてくれて、ありがとう!」

なんか、よくわからん感謝の念が溢れてきます。

 

続く「Welcome to the Jungle」も、

「Double Talkin' Jive」も、ダフのベースのカッコよさも手伝って、

とにかく歓喜歓喜歓喜!音がカッコよすぎるのです。

「Better」も10年前の幕張で見た景色とはまったく違う、

これこそがガンズの新曲なんだと思えるステージで、

もう悪いけど「チャイニーズ・デモクラシー」全曲、

この面子で作りなおしてくれないかなぁ、と思うぐらい。

さらに「Estranged」「Live and Let Die」から

「Rocket Queen」で前半のピークを迎えます。

「You Could Be Mine」については、

これはマット・ソーラムありきの曲だったんだなぁという感じで、

フランク・フェラーの技巧的なドラムでは、

あのドライブ感が出てこなかったのが残念でした。

そして、これまた24年ぶりのダフの「Attitude」!

公演によっては「New Rose」との日替わり曲ですが、

どちらかと言ったら文句なしで「Attitude」でしょう。

ベースにプリンスのシンボルをプリントしていたのは、

やっぱりリスペクトって意味なのかなぁ、と。

そういう先人たちへの敬意をちゃんと現しているのも、

ガンズらしさの一つというか、もう何から何までなんだよな。

 

「This I Love」のディジー・リード。

今回、オリジナル・メンバー復活と騒がれて、

陰に隠れているディジーなんだけど、

僕個人はディジーって、

逃げ出したイジーよりずっとオリジナル・メンバーだと思うのよ。

'91年の「ユーズ・ユア・イリュージョン」から加入しているし、

それこそ「November Rain」や「Estranged」など、

ガンズの音楽性の幅を大きく広げた立役者だと僕はずっと思っている。

「チャイニーズ・デモクラシー」も、言うなれば、

アクセルとディジーによるピアノロックの集大成ではないかと。

だから、ディジーはもっと陽の目を見てもいいと思うんだけど、

なんかいつも後ろの方に隠れてコソコソしてるんだよね。

そういうキャラなのかもしれないけどさ。ディジー、たまには前に出てきなよ。

 

あ、ついでじゃないけど、アクセルのボーカル。

見た目にごまかされやすいけど、93年頃のイリュージョン・ツアーより、

今の方がずっと声が出ているのがスゴイ!

ディジーの演奏のみで歌っていると、さらに際立っていました。

 

「Civil War」のスラッシュのツインギター

「Coma」で見せたバンドのグルーヴ、

「Sweet Child O' Mine」のシンガロング、

日替わり曲コーナー、横浜は「Used to Love Her」に「My Michelle」

「November Rain」から「Knockin' on Heaven's Door」

そして、締めの「Nightrain」

 

ちょっと思ったのは、スラッシュ、

もうくわえタバコしながらギター弾くのはやめたのねって。

そんなん想いながら、アンコールはどれくらい待たされるのかなと、

トイレ行っても、まだ余るかなぁ、なんて思ってたら、

ものの5分くらいで、アンコールがスタート!

このストレスフリーって、いったいなんなんだろ?

「Sorry」「Patience」が心地よく進み、

もうずっとこのまま聴いてたい症候群に入ったところで、

「Paradise City」のクライマックス。

 

今から10年前、

チャイニーズ・デモクラシー・ツアーの幕張公演では、

あまりにもつまらなくて、最後部に寝っ転がり、

ガラケーでゲームしながらライブを見ていたけど、

もう、あの頃とは比べものにならないくらい、今のガンズはサイコーです。

それを物語っていたのは、スマホで撮影している人がほとんどいなかったこと。

DVD「アペタイト・フォー・デモクラシー」を見ると、

まあ、動物園のパンダでも見ているように、

誰も彼もがスマホをアクセルに向けて、演奏なんてどうでもよさそう。

それが今回は演奏に身を委ねることができたというか、

音の洪水の中で、これ以上ない幸福感を味わえたというか、

それがスラッシュとダフの奇跡の復活によるところが大きかった。

やはりスラッシュはスラッシュ、ダフはダフなんだと。

ツェッペリンでいうボンゾ、ローゼズでいうマニ、

ポールとジョンが揃わないとビートルズにならないのと同じような、

どれだけ演奏が上手くても、オリジナルには敵わない、

オリジナルのハートというか、心意気というか、魂というか、

そういうものは、やはりオリジナルにしか出せないんだと痛感しました。

ああ、次はいつだろ。

「The Seeker」とか新曲とか、ポッと配信で出たりとかしないかなぁ。

 

久々に熱い気持ちを取り戻すことができたガンズのライブ。

Thanx! Guns n Fackin' Roses!