that passion once again

日々の気づき。ディスク・レビューや映画・読書レビューなどなど。スローペースで更新。

ツイン・ピークス The Return 考察 第11章 ワームホール出現!座標解読!オレ、あいつ気に入った!

ずいぶんと楽しい回でした、姐さん。

これは完全にコメディーですわ。

笑いが止まらない。

先週は随分とシリアスに考察しましたが、

今週は、もういいや。

だって、楽しいんだもん。

 

ツイン・ピークス郊外

 キャッチボールしている男兄弟三人。

 取り損ねたボールを追いかけていくと、

 草むらを這ってくるミリアム発見。

 左のおでこがパックリ割れとります。

 ヤバイですな。

 人里離れたトレーラーから、

 いったいどんだけの距離を這ってきたのさ。

 完全にゾンビ状態です。

 トレーラーは爆発したんかな?

 

◆ニュー・ファットトラウト・トレーラーパーク

 誰かから連絡を受けるベッキー

 完全にローラ・ママ状態。

 ア゛ア゛ア゛~~~!!!

 車を貸してと言われ、シェリー到着。 

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 ベッキー、銃を持って暴走開始です。

 それを止めようとボンネットにシェリー。

 ジャッキー・チェン顔負けです。

 しかもアクション映画並みに、

 母親を車から振り落とすベッキー

 転がったよ!

 あんたの母親、転がったよ!

 こんな親子喧嘩、見たことない。

 ベッキー、完全に目がイッてます。

 

 騒ぎを聞きつけカール登場。

 先週は素晴らしいアコースティックを披露。

 インディアンの歌っていうのが乙でした。

 しかもシェリー、普通に立ち上がります。

 膝をすりむいただけみたい。

 ダブルRまで送ってと言われ、

 カール、ステンレスパイプで笛を吹く!

 パイプですか!

 しかも、すぐにワーゲンバスが来た!

 なんだ、このシステム!

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◆ワーゲンバス車内

 ノーマに連絡するシェリー。

 どうしたらいいかわからないと嘆くと、

 ボビーに連絡したら?と言います。

 ボビー?

 しかも、カール、おもむろに無線を出し、

 保安官事務所と連絡を取ります。

 なんだ、このシステム!

 しかも "シェリー・ブリッグス" ときた!

 この二人、結婚してたぁ!

 

◆ティンバーレイク通り1601のアパート

 208号室に押し掛けるベッキー

 出てこい!腰抜け!とドアをバンバン叩き、

 ふざけんな!と銃をぶっ放す。

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 先週、DVについて語ったけど、

 これってどっちがDVなん?

 DV通り越して、殺意しかないじゃん。

 しかも、スティーヴン、

 廊下の向こうで完全に固まってるし。

 そりゃ、ビビるわな。

 

 あまり気づかないかもしれないけど、

 この一連のベッキーのシーン、

 使われている楽曲は「広島の犠牲者に捧げる哀歌」

 第8章のトリニティのやつです。

 ね?

 やっぱ原爆と関係ないでしょ。

 ツイン・ピークス The Return 考察 第8章 

 

ツイン・ピークス保安官事務所

 オペレーターのマギー。

 どうやらベッキー騒ぎの件で、

 次から次へと通報が来ているようです。

 それを見事にさばいております。

 

バックホーン シカモア2240

 FBIチームが「ゾーン」の入口に到着。

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 地名が "シカモア" って、どんだけ?

 案内をするヘイスティングス

 今日は落ち着いているようです。

 フェンスの向こうに黒い男発見。

 今までで一番デブっちい。

 それを見てヘイスティングス、ビビる。

 てことは、

 第9章の号泣会見で言っていた大勢の輩は、

 この真っ黒いおっちゃん達のことかも。

 ゴードンとアルバートに見つかると、

 黒い男、すかさず逃げます。

 

 フェンスをくぐり抜けるゴードン。

 今まであまり気づかなかったけど、

 ゴードン、ズボンの位置が上すぎない?

 もう、完全におじいちゃんじゃん。

 そして、来ましたよ、ワームホール

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 やばい。

 これはもう "ガルガンチュア" だ。

 わからない人は映画「インターステラー」観てね。

 しかし、このワームホール

 傍から見てると何も起きていない。

 ゴードン一人、両腕をフラフラしてるだけ。

 なんかボケちゃった老人のように見える。

 もう、完全におじいちゃんじゃん。

 

 ゴードン視点で見ると、

 ワームホールの出口が見えてきます。

 その先には階段があり、

 そこに三人の真っ黒いおっちゃんが!

 ていうか、一人紙袋持ってる奴がいる!

 なんだお前、伊勢丹帰りか?

 

 ゾーンに行きそうになるゴードン。

 アルバートが引き戻します。

 どうやら二人は事の事実に気づいたようです。

 そして、見つけたのがルースの遺体!

 腕に座標が書いてあります。

 "48551421...."

 それを写真に撮るアルバート

 

 第9章の「ゾーンを探して」のホームページに

 隠しリンクで座標が表示されていました。

 今は既に消されてますけど。

 リンク先に行くとサウスダコタの西部、

 山間の何もない場所を示しています。

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 これね。

 「44°30'44.8"N 103°49'14.6"W」

 https://goo.gl/maps/G6e2nb7mveA2

 気になる人はリンク先に飛んでみて。

 これ、ゾーンの入口のことかなと思いましたが、

 どうも違うみたい。

 結局、なんだったんだろ。

 

 そうこうしているうちに、

 ヘイスティングスに忍び寄る黒いおっちゃん。

 彼の頭を潰します。

 ヘイスティングス、ジ・エンド。

 傷口がニューヨークのサム&トレイシーに似てる。

 潰したんじゃなく、噛み千切ったのかな。

 

◆ダブルRダイナー

 ボビーきた。

 ベッキー、もう終わりにしたいんだけど、

 でも、まだ愛してるんだって。

 どうしたもんじゃろのぉ。

 とりあえずトレーラーから出て、

 スティーヴンと距離を置きなさい、と。

 私たちはあなたを失いたくない。

 今夜は一緒にいましょ。

 チャンチャンってなるところに、

 ん?レッドが来た。

 んでもって、シェリーが乙女に変身。

 すげぇなぁ。

 さっきまでの会話なんだったん?

 

 なにもできないボビーを見ると、

 たぶん、離婚しているからっぽい。

 寂しいのぉ、ボビー。

 で、ウキウキで戻るシェリー。

 ノーマもベッキーも呆れ顔。

 そこに銃声!

 慌てて外に飛び出すボビー。

 なかなかな展開です。

 

 ダブルRダイナーに撃ち込まれた2発の銃弾。

 どうやら少年が間違えて発砲したらしい。

 その親は銃について夫婦喧嘩。

 クラクションがけたたましい。

 しかし、親子揃って迷彩柄の服って、

 どう見ても確信犯っぽい気がするけど...。

 しかも2発撃ってるし。

 マシンガンじゃなくてよかった、みたいな。

 

 すぐさま応援に駆け付けるジェシー保安官補。

 さっきまでビッグ・エドのスタンドにいたら、

 銃声が聞こえたらしい。

 意味がわからない。

 彼、実は不思議な力があるのかな?

 

 クラクションを鳴らし続ける車を

 とりあえず、なだめに行くボビー。

 運転手はおばちゃん。

 怒り狂ってます。

 彼女のおじが夕食に来る。

 久しぶりに彼女はおじに会える。

 なのに遅刻するなんてありえない。

 しかも、彼女は病気だ。

 そうしているうちに

 助手席の彼女が起き上がる。

 緑のゲロ吐きながら。

 ウギャー。

 またゲロだ!

 死体とか裸にモザイクかけるなら、

 ゲロにモザイクかけてくれよ、WOWOW

 しかも、緑ってなんだよ。

 また、ピッコロ大魔王みたいじゃないか!

 こんな状態でおじと夕食できるのかよ!

 救急車呼んだ方がいいんじゃないか!

 もう混沌としすぎて、

 ボビー、開いた口が塞がらないよ。

 

 ◆ツイン・ピークス保安官事務所

 衛星地図で目的地を探すトルーマン保安官。

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 バンクーバー島が見えることから、

 位置的にはワシントン州北部の山間地みたい。

 それを不思議そうに見ているホーク。

 いかにもネットとかパソコンが苦手そうです。

 オレの地図の方がわかりやすいと革の巻物を開きます。

 この地図、

 もとは古いが常に新しく書き換えられるらしい。

 言わば、"生ける地図" だと。

 なんで?

 トルーマン保安官なんて、意味さえ聞かずにスルーです。

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 ホークが続けます。

 かつてブルー・パイン・マウンテンに少佐の基地があった。

 そして、この山は極めて崇高かつ神聖な場所のようです。

 さきほどの衛星地図が指し示した場所が、

 ブルー・パイン・マウンテンだったのかわかりませんが、

 どうやらトルーマン保安官が納得しているようなので、

 行き先は、この "神聖な山" で決まりのようです。

 革に描かれた星々の位置も10月1日を示しているみたい。

 

 地図に記されている "たき火" に注目すると、

 「火ではなく、今でいう "電気" のようなもの」

 と、ホークがとんでもない重要なことを語ります。

 火は文字通りの火ではなくて "電気" だった!

 電気!

 「火よ、我と共に歩め」も

 「電気よ、我と共に歩め」ということになる?

 

 それについてトルーマンは「善か?」と聞きます。

 このタイミングでなぜ "善悪" が気になったんだろう?

 なにか不穏なものを感じたのだろうか。

 ホークは "悪" について説明を始めます。

 肥沃な土地にあるトウモロコシ畑。

 しかし、焼失したのか真っ黒です。

 その意味は「病」「異常」「死」

 それが火と結びつくと "黒い火" になる。

 意味深だなぁ。

 

 そして、エクスペリメント・マーク。

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 これね。

 で、このマークが意味するのは、

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 これ。

 でも、よく見ると触覚が折れ曲がってないんだよね。

 まあ、それを言うと真っ黒でもないんだけどさ。

 ホークはこの意味をよく知っているらしい。

 今後、それが明らかになるといいなぁ。

 

 丸太おばさんから連絡があり、

 探し物を見つけたなら、

 ちゃんと見つけたと連絡しなさいと怒られます。

 すいません、そんな強い言い方じゃないけどね。

 でも、ホークねぇ、

 先週のあの意味不明なポエムを聞かされちゃ、

 報告するにもタイミングがわからないよね。

 でも、電気がなんたらかんたら言ってたけど...。

 んでもって、この先には "火" があるらしい。

 どんな "電気" が待ち構えているんだ?

 

 そこへさらに登場するのがジェシー保安官補。

 お前、もう交通整理を終わらせたのか?

 トルーマン保安官に新しい車を見せたいらしい。

 なんと2000...で話の腰を折られていますが、

 なんだろう、トヨタ 2000GTとでも言いたかったん?

 

バックホーン警察

 ゴードンの右手が震えています。

 旧シリーズでもそういう現象はありましたが、

 いまいち意味がよくわかりません。

 特に旧シリーズの第27章。

 ダブルRダイナーで、

 チェリーパイを食べている婦人の右手が震えます。

 この婦人、登場したのはこれだけです。

 なんだろなぁ。

 

 先ほどのルースの座標を確認する面々。

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 この座標が示す場所は、

 どうやら北にある小さな町...というところで、

 お待ちかねのコーヒーとドーナツが運ばれてくる。

 ああ、もうちょっとだったのに!

 "北の小さな町" が、ツイン・ピークスのことなら、

 アルバートはそう言ってもおかしくないのですが、

 裏切りダイアンが同席していたので、はぐらかしたのか。

 もしくは、ぜんぜん違う場所なのか。

 ちなみに「48.55142-117.965256」で検索すると、

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 この辺りを指し示します。

 座標の後半が擦れているので確かではないですが、

 先ほどのトルーマン保安官が指し示した場所と、

 ほぼ近しいところを現わしているようです。

 ということは「座標」=「聖なる山」になります。

 なんか、核心に近づいてきましたね。

 

 運ばれてきたドーナツ。

 ミスドハニーディップとシュガーレイズド。

 もう、これからはこれで決まりです。

 でもゲロだけは、もう勘弁して欲しいなぁ。

 

 面々は真っ黒いおっちゃんの話に移ります。

 一見、ホームレスのようで、

 ボロ服にヒゲ、ニット帽を被っていたと言います。

 ニット帽?

 さっきヘイスティングスを襲った

 デブっちいおいちゃんは、

 帽子なんて被っていませんでした。

 階段にいたおっちゃん達は、

 揃いも揃ってみんな被ってましたけど。

 だけど、それを見れる人と、

 なんにも見えない人がいるようです。

 

ラッキー7保険

 後半はお待ちかねのクーパー・ダギー!

 ブッシュネルがクーパーを呼び出します。

 待っている間に腕立て伏せって、なに?

 しかも、コーヒーに釣られてクーパー登場!

 もう犬と同等じゃないか!

 パブロフの犬か!

 

 第6章でクーパーが落書きした調査書によると、

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  〇汚職警官が犯罪に絡んでいる

  〇組織犯罪に社内の人間も絡んでいる

  〇ミッチャム兄弟の件は放火じゃなかった

 以上の事がブッシュネルにはわかったらしい。

 少なからず、ここではっきりしたのは、

 第5章で語られたリトルフィールドの放火案件は、

 アンソニーが言うシロではなかった上に、

 ミッチャム兄弟絡みの事件でもあった!

 

 そのミッチャム兄弟から、

 クーパーに会いたいと連絡が入った。

 もちろん、ぶち殺すために。

 でも、ブッシュネルは真逆の判断をします。

 いくら黒い噂があっても、彼らは関係ない。

 しかも、先週、アンソニーが焚き付けた

 支払い拒否の3000万ドルを払うと言います。

 ヤバイ。

 これでアンソニー、面目丸潰れです。

 

◆ミッチャム兄弟の屋敷

 PM2:23に朝食を食べている兄弟。

 マジか、完全に昼過ぎてるけど。

 ブラッドリーは一晩中、

 ダギーを殺す夢を見ていたらしい。

 憎くてたまんねぇと。

 ロドニーにあと3時間待てるか?と聞かれ、

 ギリギリだと答える。

 そうかギリギリ、ガマンできるんだ。

 食欲もないらしい。

 マジで腹が煮えくり返っているようです。

 

◆サイモン・コーヒー店

 5時半の迎えに合わせて、

 クーパーとブッシュネルが下りてくる。

 エントランスにあるコーヒーショップに、

 片腕の男が現れ、こっちに来いと手招きする。

 それに引寄せられるクーパー。

 

オフィスビル前の広場

 迎えに来ている白いリムジン。

 クーパーはでっかい箱を持っています。

 いったいコーヒーショップで何買ってきたん?

 リムジンの運転手は第4章に登場した、

 あのカジノのお抱え運転手。

 赤いドアのことを覚えていたようです。

 

ネバダ砂漠 金鉱の町の遺跡

 華やかなラスベガス・ストリップ。

 道を走っていくと徐々にホテルなどが閑散となり、

 そして、見渡す限りの砂漠地帯となる。

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 今作「The Return」で頻発する、

 このリンチの映像による対比はなんでしょ。

 もう、これが劇場で見れないって!

 どう見てもテレビの範疇超えてるでしょ!

 贅沢だよ!

 

 ゴールドラッシュの夢の跡。

 ゴーストタウンと化した遺跡で、

 クーパーを待ちわびるミッチャム兄弟。

 ブラッドリー、夢の話を続けます。

 夢の中だと先週キャンディに殴られた傷が、

 キレイに跡形もなく消えていると言います。

 確かめると、本当に消えている!

 他にも夢を見たけど思い出せない...。

 てか、夢の跡地で夢の話って!

 

 そうこうしているうちにクーパー到着。

 でっかい箱を持って出てきます。

 その箱を見てブラッドリーが夢を思い出す。

 もし、あの箱の中に例のモノが入っていたら、

 もし万が一にでも入っていたら、

 あれほどぶち殺したいと思っていたが、

 それをしちゃならないと言います。

 箱の中身はなんだ!とロドニー。

 「チェリーパイ」

 んなわけないでしょ。

 箱、あんなにデカいんだよ。

 で、開けてみたら、

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 チェリーパイだよ!

 なんで、こんなに箱がデカいんだよ!

 しかも、美味そうだよ!

 ブラッドリー、夢のお告げに感動です。

 ロドニーは、まだぶち殺したくてウズウズしてます。

 そこへ出てくるのが3000万の小切手。

 ミッチャム兄弟、無邪気に喜びます。

 ありえないくらいに掌を返しました。

 クーパーはまったく理解できていませんが。

 

◆サンティーノ

 接待を受けているクーパー。

 そこに現れる一人の婦人。

 どうやらクーパー帰還の際に、

 ジャックポットの恩恵に与ったおばあちゃんらしい。

 あれは何日前の設定になるのかわからないけど、

 その後、あれよあれよと人生が好転したらしい。

 

 キャンディたちが到着。

 どうして遅れた?と聞かれると、

 道路が渋滞していて、道中が車だらけだったと、

 それにめちゃめちゃ感動している様子。

 あいかわらずの不思議ちゃんぶり。

 

 運ばれてくるチェリーパイ。

 すげえ、うめぇとパイを食うロドニー。

 その真似をしてクーパーも「すげえ、うまい」

 はい、25年ぶりの名セリフ頂きました!

 

久々のドーナツとチェリーパイ。

往年のピーカーには嬉しい内容でしたね。

さっそく、ミスドとケーキ屋に行こうっと。

んでもって、座標の指し示す位置が粗方見えてきました。

もう、あとは聖なる山に行くだけ。

 

気になるのは裏切りダイアンがどこまで裏切るか。

そして、トラックに乗ってどこかに行ったきりの悪クーパー。

先週、軽くで済ましましたが、

ニューヨークでのあの写真、謎だらけです。

悪クーパーがニューヨークに居たのもそうですが、

一緒に写っていたあの坊さんみたいな僧侶は誰?

次回、その辺、なんかはっきりするんかな?

ツイン・ピークス The Return 考察 第10章 愛のバラード。そして、ラスベガスの思惑。

1.ルース・ダヴェンポート殺人事件

 前回の第9章でルース・ダヴェンポート殺人事件の全貌がついに明かされました。サウスダコタ州バックホーンで起きた猟奇殺人事件は、不可思議な空間「ゾーン」によってもたらされた奇怪な事件だということ。そして、そこにはツイン・ピークスの住人でありアメリカ空軍の軍人であるガーランド・ブリッグス少佐が、何かしらの理由で事件に巻き込まれていました。

 ブリッグス少佐は1952年から1969年まで実際に行われていた "ブルーブック計画" に参加していた経歴を持ち、1989年にはホワイト・ロッジ失踪事件を起こしています。さらに同年に起きたツイン・ピークス郊外にある政府施設の火災事故で死亡。それは今から25年前のことになります。

 FBIの捜査動向から、ブリッグス少佐と "青いバラ事件" が密接な関係にあることも判明し始めています。アメリカが極秘裏に進めていたUFO研究と、クーパー捜査官をはじめ数名のFBI捜査官が関与していると思われる "青いバラ事件" が、いったいどこまで関連性のある事象なのかは不明ですが、いずれにしても超常現象の類である可能性が高いです。

 その事件の元凶となったのが地元ハイスクールの校長であるウィリアム・ヘイスティングス。彼は被害者ルース・ダヴェンポートと不倫関係にあり、事件現場であるアローヘッドのアパートから彼の指紋が発見されたことによりバックホーン警察に拘留されました。ヘイスティングスは "異次元空間" について熱心な研究を行っており、その成果を自身のホームページで公開していました。そして、その研究の末、彼は異次元空間への扉を開き、そこでブリッグス少佐と出会ったことを告白したのです。

 奇妙なことは、ヘイスティングス周辺の人々が次々と殺害されていることです。事の真相についてバックホーン警察やFBIはまだ気づいていませんが、ヘイスティングスの妻フィリス、ヘイスティングスの秘書ベティは、いずれも悪クーパー(クーパーのドッペルゲンガー)によって殺害されています。その理由はヘイスティングスがブリッグス少佐から依頼されて手に入れたという "座標" が関係していました。そして、今現在、その "座標" を知っているのは、ヘイスティングス本人と悪クーパーと行動を共にしていたレイ・モンローの二人だけという状況になっています。さらにレイ・モンローは、25年以上前から失踪したままのFBI捜査官フィリップ・ジェフリーズと関係していたのです。

  このような経緯から新シリーズ第1章で提示されたバックホーンでの殺人事件の謎は「ゾーン」と「座標」というキーワードに集約されました。それとツイン・ピークスとの関連性はまだ明らかにされていませんが、時同じくして、ブリッグス少佐の息子であるボビー保安官補も「ジャック・ラビット・パレス」という奇怪なメッセージを受け取っています。そして、そのメッセージから察すると、今から2日後である10月1日に、何かしらの現象が起きるのではないかとされています。

 

2.女性のトラブル

 今回の第10章で期待されていた「ゾーン」や「座標」の行方、もしくは「ジャック・ラビット・パレス」の続きについて、物語はいっさい触れることがありませんでした。その代わりに提示されたのは、それぞれの愛のカタチ、そして、女性が巻き込まれたトラブルについてでした。「ブルー・ベルベット」や「マルホランド・ドライブ」「インランド・エンパイア」で描いてきたリンチの十八番とも言える女性のトラブル。まずはそれについて、今回描かれた3人の女性に焦点を当ててみます。

 

 ①ミリアム・サリヴァン

 第6章で少年をピックアップトラックでひき逃げしたリチャード・ホーン。その現場でリチャードと目を合わせてしまったミリアム。二人はもともと知り合いだったらしく、不審な行動を起こすミリアムに感づいたリチャードが、彼女の家まで押しかけてきます。

 第6章でダブルRダイナーのウェイトレスであるハイジが「ミリアムは貧しい暮らしをしている」と同僚のシェリーに語っていましたが、それを裏付けるように彼女はどこかの農場の一角を借りてトレーラー暮らしをしています。母親の分のコーヒーをダブルRダイナーでテイクアウトしていたので、母親と二人で暮らしているようにも思えますが、一人で暮らしているようにも見えます。いずれにしても簡素なキッチンとベッドしかないトレーラー暮らしは、ミリアムが低所得者であることを物語っています。それでもトレーラーの周りを柵で囲い、花を植え、クリスマスや天使の置物などを飾りつけているところを見ると、貧しい中でも生活に華を添えようとしている姿が垣間見えます。

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 そんな彼女がトルーマン保安官に事故のことを通報したと知ると、リチャードは彼女に襲い掛かります。そして、キッチンのガス栓を開けると近場にあるロウソクに火をつけます。床に倒れているミリアムの頭部には血溜りができていますが、微かに息はしているようです。彼女の息の根をあえて止めず、ガス漏れによる爆発を画策し、リチャードは証拠を隠滅しようとしています。

 たまたま事故を見かけてしまい、悪いことを悪いと声を上げただけで、ひどい暴力に遭い、簡素ながらも平安に満ちた世界を破壊されてしまったミリアム。彼女が第10話で描かれたトラブルの第一被害者でした。

 

 レベッカ・"ベッキー"・バーネット

 次に描かれるのがベッキー。彼女はダブルRダイナーのウェイトレスであるシェリーの娘です。第5章では夫スティーヴンのために、シェリーからお金を借りていました。今回、この若い夫婦がニュー・ファットトラウト・トレーラーパークの住人だったことが判明。ミリアムに続きトレーラー暮らしの姿が描かれています。

 そこでのトラブルは夫からのDVです。会話から読み取れるのは、夫スティーヴンにちゃんと働いて欲しい、もしくは家を片づけて欲しい、そのようなことを言ったら逆ギレをされた感じが見受けられます。今の夫婦の稼ぎではトレーラー暮らしの家賃もまともに払えていないようです。ただ、DVと言っても、実際にスティーヴンは赤いマグカップを窓に投げつけただけで、ベッキーに手を上げようとはしていますが、その素振りだけで終わっています。そして、ベッキーも怯えてはいますが、手を上げようとして実際には何もできないスティーヴンをどこか軽んじているようにも見えます。

 ベッキーに向かって「お前がやったことは全部わかってる」とスティーヴンは言っていますが、それが何についてなのかは明らかになっていません。前回の登場時では、コカインを吸っている夫を止めさせようとしている節がありましたが、もしかしたら、そのコカインを全部捨ててしまったとか、そういう類のことかもしれません。いずれにしても、トレーラー暮らしを余儀なくされ、薬物に手を出し、最低賃金で働くしかない若い夫婦には、あまり明るい未来があるようには見えません。

 

 ③シルビア・ホーン

 ミリアムとベッキーはトレーラー暮らしでしたが、その対比になりそうなのがベンジャミン・ホーンの妻シルビアです。彼女は守衛が常駐している豪邸に住んでいます。そこに現れたのはリチャード・ホーン。彼はシルビアのことを "おばあちゃん" と呼んでいます。一緒にいたジョニーを "パパ" とは呼んでいないことから、ほぼ彼はオードリー・ホーンの息子ではないかと思われます。その真偽はまだ定かではないですが、このシーンによって、ほぼ確定したと言えるのではないでしょうか。そうすると気になるのが、母親オードリーの現在ですが、今のところ明かされているのは、25年前の銀行爆破事件に巻き込まれた際、一命を取り留めたオードリーは病院の集中治療室に運ばれたということ。そして、その集中治療室から、なぜか悪クーパーが出てきた姿が目撃されているということだけです。

 話をシルビアに戻しますが、彼女の悲劇は、お金や豪邸があるにも関わらず、実の孫にババア呼ばわりされながら首を絞められ、さらには金庫にあったお金や宝石類を強盗まがいに全て奪われてしまったことです。リチャードがお金をせびりに来たことは今まで何度もあったようで、暴力沙汰を起こすのも日常茶飯事のようです。シルビアはそんなリチャードを厄介払いしようとしますが、抵抗しても無駄だと観念し金庫の番号を教えてしまいます。

 このことも十分に悲劇なのですが、さらにシルビアが哀しいのは、ベンジャミン・ホーンに電話でリチャードの報告をした時の事です。お金を奪われたから、その分のお金を寄こしなさいとベンに詰め寄ります。弁護士を通してでもお金は払ってもらうとまで言い切ります。もともと旧シリーズでもベンやオードリーとの関係は冷えた状態で、知的障害者のジョニーの面倒に頭を抱えていたシルビア。彼女の結婚生活は見た目の華やかさとは違い、苦悩に満ちているものだと言えます。

 

 デイヴィッド・リンチの特徴は、トラブルに見舞われた女性の哀しさを描きながら、その内面に渦巻いている怒りや復讐心、そして、孤独までも同時に描き出していることです。その最たる主人公がローラ・パーマーであり、それを描きたいがためにリンチは、誰もが知っていたローラ・パーマーの最期の7日間を敢えて映像化しました。抗いきれない力に屈しながらも、どこかで光を求めている。その姿にリンチは刹那を見いだし今まで作品にしてきました。「マルホランド・ドライブ」然り、「インランド・エンパイア」然り、いずれも独特のユーモアを交えながら描いています。そんな中で、物語も折り返し地点を迎えたこの「The Return」で、なぜトラブルの挿話をこのタイミングで入れてきたのか。それは、このトラブルと対比になっている "愛" のコントラストを出すためではないかと思われます。

 

3.それぞれの愛のカタチ

 片やトラブルに見舞われ涙を流している世界があれば、片や愛に満ち溢れ人生を謳歌している世界もある。今まで登場してきた "腕" や "巨人" などの不確かな存在は鳴りを潜め、前回の第9章や今回の第10章は現実世界のドラマが描かれています。それは六道輪廻の世界で言うなら「人間道」の世界。そして、今回の第10章のテーマである "愛" が、六道輪廻のさらに大枠の輪になる十二因縁の一つであることから、不確かな存在を描く必要がないということではないかと思います。この「六道輪廻」や「十二因縁」については、また然るべきエピソードの時に存分に語ることができればと思いますが、どういうことか今すぐ知りたいという方は、ツイン・ピークス解読者で仏教研究家である内藤さんのホームページに行ってみてください。「ツイン・ピークス考察」で検索すればすぐに辿り着くのではないかと思います。

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※六道輪廻と十二因縁の図

(六分割の円の頂上に描かれている "天道" には、衝撃の第8章で見たようなあの景色が描かれています。それについて詳しく語りたいことがたくさんあるのですが、お前はヘイスティングスかと言われそうなので、もう少しガマンします)

 

 少しだけお話をしますと、第8章の考察で、僕は「The Return」はデイル・クーパーの巡礼の物語であると結論付けました。実際に何を巡礼するのかと言うと、この六道輪廻と十二因縁をクーパーが体験していく物語であるという意味です。それはダンテの「神曲」のようであり、チョーサーの「カンタベリー物語」のようでもあるのです。全18話からなる新シリーズのエピソードは、リンチ&フロストによって周到に計算された構造をしており、六道と呼ばれる6つの世界を3エピソードずつ披露しているのではないかと推測していたのです。そして、今回のエピソードで "愛" が披露されたことにより、その推測はかなり確実性のあるものではないかと思い始めています。

 

 ①クーパー&ジェイニーE

 第3章でロッジから現実に戻ってきたクーパーは「無明」の状態だったと言えます。そして、エピソードを重ね、この第10章で「愛」の一つ手前である「受」まで辿り着きました。もちろんリンチやフロストのことですから、単純にこの要素だけをテーマにしているわけではなく、本当にいろんな要素をミックスしながら「The Return」の世界を構築しています。なので一面性だけで結論できない複雑さを伴ってくるのですが、それは逆説的に言うと、それぞれいろいろな解釈ができる自由さも併せ持っています。それがいつもながらのリンチ作品の醍醐味だと言えます。

 十二因縁から離れた解釈をすると、今回のクーパー&ジェイニーEの結びつきは、村上春樹氏の大ベストセラー作品「1Q84」になぞらえることもできます。"レシヴァ" と "パシヴァ"。与える者と受け取る者。そんな対比に置き換えることもできるのです。それはいずれにしても肉体的なつながりだけではなく、精神的にもつながる体験をしていることが重要です。

 さらにオーガズムに達するというのは、人間の精神に解放や安らぎを与えると言われています。クーパーが経験したであろうオーガズムへの到達は、その表情を見れば火を見るよりも明らかです。古くからのツイン・ピークスのファンからすると、あのクーパー捜査官が...と少なからずショックを受ける方もいるかもしれませんが、"レシヴァ" と "パシヴァ" の精神的つながり、十二因縁を巡礼していくクーパーにとっては、通らなくてはならない "人の業" なのです。そして、クーパーは精神的に解放されました。

 ただ、映像的な話をすると、ここ日本では非常に残念な処理がされています。大人の事情というものがグローバルな時代にあっても根強くありますので、致し方ないことなのかもしれませんが...。しかし、一つ言いたいのは、その行為はルネッサンスの時代、ミケランジェロシスティーナ礼拝堂に描き切ったこの世界の成り立ちに対して、法王が腰布を描かせた行為と同じではないかと思います。残念なことではありますが、それも時代なのかもしれません。

 

 ②ジャコビー&ネイディーン

 相も変わらず超資本主義社会をネットで凶弾しているジャコビー先生。それを観ているネイディーン。どうやら第5章で感化された結果、彼女は自身のカーテンショップの店先に "金のシャベル" を飾っています。お店の名前は「静かに動く、静かなカーテン」。ネイディーンの夢は既に成し遂げられています。自身が思い描いていた生活を手に入れ、それなりの満足を得ているはずのネイディーンですが、なぜ、ジャコビー先生にここまで感化されてしまったのでしょうか。 

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 それも "レシヴァ" と "パシヴァ" に当てはめることができます。"与える者" ジャコビー先生は、いかに資本社会が我々の生活を蝕んでいるか、今回では病気を例に、病院から製薬会社、果ては葬儀屋まで話を存分に盛っていますが、それを聞いた "受け取る者" ネイディーンがハッと光明を得ています。まるで初めて世の中の仕組みに気づいたと言わんばかりです。この精神的な気づきも、ある時、人と人とを結びつけます。"愛" から連想する恋愛であったり家族愛であったりとは違いますが、偶像崇拝に近い、これも少しねじれた "愛" のカタチと言えそうです。

 

 ③アルバート&コンスタンス

 前回の第9章で、アルバートの辛辣な意見に臆することなく意見を言い返していたコンスタンス。その彼女の返し技にアルバートはニヤリとしていました。一方、コンスタンスは少佐の死体を目視しただけで年齢を言い当てたアルバート鑑識眼に、妙な関心というか、感動のようなものを味わっていました。

 第10章で、この "鑑識組" の二人がディナーを楽しんでいる姿が描かれています。たぶん、第9章でブリッグス少佐のさらなる鑑識を共同で行った際、お互いの博識や経験に、今までにない"共感"を味わったのではないかと思います。それをゴードンとタミーが陰から覗いて楽しんでいるのですが、いずれにしても "共感" から生まれる "愛" について描いています。そもそもアルバートが結婚しているのかどうかは、今まで描かれたことがないのでわかりませんが、コンスタンスには子供がいることがわかっています。彼女がシングルマザーなのかどうかもはっきりしませんが、いずれにしても、この二人が今後どんな関係に発展していくかは物語が進まないとわかりません。

 

 先ほどのベッキー&スティーヴン、ベン&シルビアも、もともとはこのような "共感" からロマンスが育まれ、ある時はクーパー&ジェイニーEのような至高な経験を共にしていたはずです。ほんの1時間のドラマの中で、ここまで "愛" の成り立ちについて描き切れるのも、デイヴィッド・リンチがもともとシュールレアリスムに傾倒していた芸術家であるからこそと言えます。

 

4.ミッチャム兄弟

 第5章で初登場したミッチャム兄弟とキャンディ含む3人のキャバレーガール。第10章では、これでもかとばかりにミッチャム兄弟にダギー・ジョーンズ(クーパー / ミスター・ジャックポット)をけしかけます。その経緯と周辺人物を整理する前に、まずは謎の三人娘について少し考察したいと思います。

 

 ①三美神が意味するもの

 キャンディ、マンディ、サンディと呼ばれているらしい三人娘。キャンディはセリフがあるのでわかりますが、他の二人はどっちがマンディで、どっちがサンディなのか、いまいちわかりません。いつもピンクのキャバレーガールな恰好をし、立ち位置は決まって真ん中がキャンディです。第5章で当時カジノの支配人であったバーンズが、ジャックポットを理由にロドニーから制裁を受けている時も、三人はどこ吹く風で場をやり過ごしていました。

 三人の立ち位置を見てみると、両サイドの二人は普通に正面を向いているのに対して、キャンディはいつも背中をこちらに見せようとしています。絵画が好きな人は、女性三人がこの立ち位置で並ぶ構図にピンと来る方もいると思いますが、ギリシャ神話などに登場する三人の女神、"三美神" の構図にこれがぴったり合うのです。中でも、ボッティチェリの作品「春(プリマヴェーラ)」が一番有名であり、この構図が意味するものがわかりやすいのではないかと思います。

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 誰でも美術の教科書などで一度は目にしたことがあると思いますが、この絵の左側で手を取り合い踊っているのが三美神です。それぞれに意味があり、三人の女神の左端が「愛欲」、中央の女神が「純潔」、右端の女神が「愛」を現わしています。「愛欲」と「純潔」は相反するものであり、それを取りまとめているのが「愛」であるという解釈になります。この三美神をキャンディたちに照らし合わせると、左端の娘が「愛欲」、キャンディが「純潔」、右端の娘は「愛」ということになります。

 少々こじつけ感があるかもしれませんが、僕の妄想をそのまま続けるなら、キャンディは「純潔」の象徴ということになります。同じ意味で「貞節」「純心」「無垢」とかなりの拡大解釈をすることもできます。それを踏まえた上で、第10章のミッチャム兄弟の動きを見ていくことにします。

 

 ②怒り狂うミッチャム兄弟

 物語の順を追って見ていくと、まず導入はハエを追うキャンディから始まります。普通に見ていると、いつものリンチ特有のシュールなシーンのような気もしますが、ここにもメタファーが隠されています。ハエ は、"邪魔なもの" という意味と、「蝿の王」に象徴されるように "悪魔的なもの" という意味も含まれています。そのハエをキャンディは真っ赤なスカーフで叩き落とそうとしているのです。

 赤くて四角いモノで思い浮かぶのは "悪クーパー" です。リンチは直接的ではなく、かなり遠まわしにヒントを散りばめています。それを読み解く(妄想ともいう)とするなら、キャンディはミッチャム兄弟に降りかかる悪クーパーからの邪悪なものを感知して、それを払いのけようとしている。そんなシチュエーションであるということが読み取れます(脳内補完されます)。しかし、赤いスカーフはキャンディの手を離れ、結果、邪魔なハエを叩き落とすことはできず、ビデオのリモコンでロドニーの左頬を殴打するという結末に至ります。かなりの深読みですので、もっとシンプルにこのシーンを解釈するなら、キャンディの無邪気さを描いたシーンとも言えます。

 純心なキャンディはロドニーを傷つけたことにひどくショックを受けています。ロドニーはそんなキャンディを慰めていますが、どうにも泣きじゃくって取り合ってもらえません。そんな中、テレビから意外なニュースがミッチャム兄弟のもとに飛び込んできます。殺しの標的にしていたスパイクが逮捕され、先日のミスター・ジャックポットであるクーパーがどこの誰であるかを知ることになるのです。そこでキャンディは「あんなことをしたら、もう愛してくれないでしょ」と泣き続けます。単純に殴ってしまったからそう言ったとも思えますし、深読みするなら、邪悪なものを払いのけることができなかったから、そう言ったようにも見えます。

 その後、シルバー・マスタング・カジノにラッキー7保険のアンソニーが訪ねてきます。ミッチャム兄弟たちが「信用ならない保険屋」とボヤいているところを見ると、以前、何かしらの取引がご破算になったようです。彼らはキャンディを迎えに行かせますが、彼女はアンソニーと何かの話をしていてなかなか帰ってこない。しびれを切らしてすぐに戻させ、なんの話をしていたか問い質すと「逆転層」についての話をしていたと言います。逆転層の時は遠くの音が聞こえたり、電波伝播に異常が出たり、蜃気楼が見えたりするようです。どうにも理解できないミッチャム兄弟。アンソニーは先日のホテル火災の保険金支払いをダギー・ジョーンズが差し止めていると言います。敵はダギー・ジョーンズだと念を押すのです。穿った深読みをすると、アンソニーに逆転層の話をしているキャンディは、あなたの嘘を見抜いているという解釈ができそうです。

 ジャックポット損害に保険金の差し止め。屋敷に戻るミッチャム兄弟ですが、ダギー・ジョーンズへの怒りが一向に収まらない。明日にでもさっそくアポイントを取り、即刻ぶち殺すと息巻いています。その間、マンディとサンディはお酒を作ったりしているのですが、キャンディだけは背中を向けて会話を聞かないようにしているみたいに見えます。

 カジノでの会話でキャンディのことを「わかってる。彼女は行くところがないんだ」とミッチャム兄弟は言っていました。その背景にどんな物語や設定があるかはまだわかりませんが、キャンディを不思議ちゃんと取るか、彼らを守ろうとする女神と取るか、いろいろと妄想が膨らみます。

 

 ③ダンカン・トッドの思惑

 スパイク逮捕の知らせはダンカン・トッドのもとにも届きます。そこでダンカンはラッキー7保険のアンソニーをオフィスに呼び出します。そして、明らかになるのがミッチャム兄弟とダンカンは敵対関係にあるということでした。ホテル火災の保険金を却下するとダンカンが判断していることから、どうもその情報をアンソニーがリークしたように見受けられます。そこから見えてくる力関係は、アンソニーからするとミッチャム兄弟を裏切ってでもダンカンに従わずにはいられない何かがありそうです。それについては、もう少し物語が進まないと全貌が見えてこないようです。

 

5.ゴードン・コールの幻覚

 ホテルでの一幕。なにやら紙に落書きをしているゴードンですが、鹿のような生き物を外界から伸びてきた手が捕まえようとしています。

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 一見すると鹿のようであって、鹿ではないようにも見えます。宮崎駿監督の「もののけ姫」に出てくるシシ神のモデルと噂されているシフゾウにも見えます。シシ神は "死と再生" の象徴、転じて "自然" の象徴とされていますが、シフゾウや鹿にはそういう意味はありません。どちらも食用にされる肉であるだけです。これの意味するところが物語にどう絡んでくるのかはわかりませんが、たぶん、何か神聖なものを奪い取ろうとするものが外の世界から忍び寄っている。もしくは新たな生贄が外の世界から狙われている。そんな意味合いでしょうか。

 さらに不思議なのは、この絵を描き終えた後、ゴードンがローラ・パーマーの幻を見ていることです。これはちょっと現段階では、まったく意味がわかりません。ニューヨークのガラス・ボックスと共に悪クーパーの姿が映っていたのも、ものすごく意味深です。

 次回、第11章でこの辺の謎が少しは明らかになるのか、そして、ゾーンや座標、ジャック・ラビット・パレスはどうなるのか。残り半分をきった新シリーズ、一時も見逃せません。

ツイン・ピークス The Return 考察 第9章 PART.2 号泣校長、しらっと異次元の扉をうっかり開ける!

なにげにテンコ盛りな第9章。

土曜日の放送までにはアップしたいと思ってましたが、

さらっと流すには、あまりにも重要なことだらけで、

結局、間に合わせることができませんでした。

んん、残念。

とりあえず、さくっと行きましょう。

後半戦のスタートです。

 

バックホーン警察の廊下

 デイヴ刑事。

 ブリッグス少佐の死体のいきさつを説明する。

  〇ビルとルースは不倫関係にあった

  〇少佐の胴体はルースの頭部と発見された

  〇バックホーン警察はビルを拘留

  〇自宅でビルの妻フィリスが殺害される

  〇警察は夫婦の弁護士ジョージを拘留

  〇その翌日、ビルの秘書が車の爆発で死亡

 そこまで聞いたアルバート

 たまらなく「シーズン2はどうなる?」と、

 うんざり気味で話を切ります。

 

 はい、さらっと伏線が回収されました。

 第2章でベンツをガレージにしまっていたジャック。

 3人前のスパゲティを食べていた、あの男です。

 彼は、その後 "顎もみもみ殺し" の餌食になります。

 同じ章のダーリャ殺害時に、悪クーパーは

 「ジャックに仕掛けをさせた」と言っていました。

 ということは、

 あのベンツは "ビルの秘書の車" だったようです。

 そして、レイが "座標" を手に入れた後、

 ジャックが仕掛けた車の爆発で死亡した。

 

 ビルの妻フィリスと不倫関係にあった弁護士ジョージ。

 フィリスは悪クーパーに殺害されましたが、

 その時に「これはジョージの銃だ」と言われて撃たれます。

 警察はまんまとそこに乗っかりジョージを拘留。

 ちょいと気になるのが、

 今現在、バックホーン警察の檻には、

 ビルとジョージがいるってことなのかな?と。

 だとすると、少なからず顔を合わせてそうなので、

 なんか、お互いに気まずそうな感じがします...。

 

バックホーン警察の死体安置所

 ブリッグス少佐の死体と対面するFBIの面々。

  〇ルースはビルの研究に協力していた

  〇それを基にビルはブログを開設していた

  〇そのテーマは「異次元空間」について

  〇約1週間前、ビルはそのブログを閉鎖した

  〇その最後の書き込みは

   「今日、我々はついに、

    いわゆる "ゾーン" に入り、

    そこで少佐に会った」

  〇少佐の死体を目視するアルバート

  〇見ただけで40代の体だと判断する

 その場を離れるゴードンとアルバート

 現状整理を始めます。

  〇ブリッグス少佐なら現在72歳

  〇ツイン・ピークス郊外の政府施設の火災

  〇そこで少佐が亡くなったのが25年前

  〇死体とほぼ同じ年齢

 ゴードンが自らの考えをまとめます。

  〇25年前、クーパーは少佐と知り合った

  〇そして、懇意にしていた

  〇今、この界隈にクーパーがいる

  〇しかも刑務所から逃げ出した状態

 場に戻るゴードンとアルバート

 鑑識員のコンスタンスが、

 少佐の胃から発見された結婚指輪を見せる。

 ダギーの結婚指輪だと伝えるが、

 ゴードンもアルバートも軽くスルーする。

 

 いやいや、そこスルーしちゃうのか。

 まあ、確かにダギーって誰?ですわな。

 

 さて、異次元空間についてブログを書いていたビル。

 ゾーンのことを "いわゆる" と表現しています。

 試しに「ゾーン」で検索をかけてみると、

 日本のガールズ・ロック・バンドと出ます。

 ああ、邪魔だなぁ。

 君との、夏の終わりや、将来の夢なんて、

 今はどうでもいいんじゃい!

 検索の二次候補が、

 スポーツ選手などが極限の集中状態に入ること。

 なんか、っぽいよね。

 リンチ風に言えば "いわゆる" 瞑想?

 そっちの世界ってことですか?

 大きな魚、つかまえちゃいますか?

 "ZONE" の意味は、地域・地区、帯状に巻くなど。

 そこに行くことがビルの目的だったみたい。

 そして、そこで少佐に会ったらしい。

 んん...。

 "いわゆる" という意味がピンとこない。

 まあ、この件については、後でまた語ります。

 

◆どこかの森

 ジェリー・ホーン。右足を見つめている。

 「私は、お前の足じゃない!」と右足。

 まったくもって意味がわかりません。

 どこかに行けっ!と、

 自分の右足を投げ捨てようとしますが、

 案の定、すっ転びます。

 これは大麻でイッちゃってるというより、

 ご老人の認知症に近いような気がします。

 ジェリー、完全に森の徘徊老人です。

 

 ちなみに、また "右" です。

 なにがって?

 フスコ兄弟の壊れたテールランプが "右" 。

 スパイクのケガした手が "右" 。

 ジェリーの動かない足が "右" 。

 偶然かなぁ、どうなのかなぁ。

 

ツイン・ピークス保安官事務所

 会議室でお昼ご飯を食べているチャド。

 戻ってくるトルーマン、ホーク、ボビー。

 出て行けとあしらわれてチャドが退室。

 トルーマンは金属の棒の開け方を探る。

 しかし、皆目見当がつかない。

 ボビーが開け方を親父に教わったと言います。

 外じゃないと開けられないらしい。

 一同は外に出ます。

 

 だったら、

 チャド追い出さなくてもよかったんじゃ...。

 

 外に出ると、さっそく金属の棒を開ける。

 開け方は、棒を地面に叩きつけて衝撃を与え、

 反響音からカチッと何かがはまり込んだら、

 すぐさま、また地面に叩きつけて衝撃を与える。

 

 ボビー、

 これってホンマ、外じゃなきゃダメだったん?

 さっきの会議室の床じゃ、柔らかすぎたん?

 だったら、廊下の床とかさぁ...。

 外って言うから、

 てっきり光とか関係あるのかと思ったやん。

 なんなん、その原始的な開け方。

 

 金属の棒の中から2枚のメモが出てきました。

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 1枚目には、

 「ジャック・ラビット・パレスから

  253ヤード東へ進め

  ジャック・ラビット・パレスを去る前に

  その地の土をポケットに入れろ」

 日付が二つ「10月1日」と「10月2日」

 時間は2:53

 どうやら10月1日は、今から2日後らしい。

 

 トルーマンもホークも、

 ジャック・ラビット・パレスがどこなのか知らない。

 そこで、またもやボビーです。

 どうやらジャック・ラビット・パレスは、

 ボビーが小さい頃に住んでいた空軍基地の近く、

 少佐といろいろ空想をした場所のことらしい。

 

 トルーマン達は2日後にそこに向かうことにする。

 そこでもう1枚のメモに気づく。

 記号の羅列の中に「COOPER / COOPER」とある。

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 2人のクーパーと、ホークがミスリードする。

 

 さて1枚目のメモは、2日後にみんなで行くらしいので、

 その時に何かわかるでしょう、と。

 気になるのは、

 ツイン・ピークスを現わす二つの山、

 その上に太陽と月が描かれていることと、

 月の下にエクスペリメント・マークがあること。

 まあ、それも2日後に何かわかるでしょう、たぶん。

 

 どちらかと言うと、2枚目のメモが気になります。

 ホークは「クーパーが2人」と、

 なんか、よくわからんミスリードをしていますが、

 それがマジなら、

 第2章で "腕" が叫んでいたセリフ、

 「253。何度も何度も繰り返す。ボブ、ボブ、ボブ」は、

 ボブが3人いることを現わしているのでしょうか?

 ありえないですよね。

 いや、リンチなら、ありえるのか?

 まあ、とにかく、往年のピーカーなら、

 このメモがどこから出てきたものかは周知の事実。

 そうです、旧シリーズの第9話、

 少佐がクーパーへのメッセージだと言って、

 銀河系の外から傍受した電波を見せたものです。

 

 事の経緯をおさらいしていきましょう。

 旧シリーズの第9話まで遡ります。時は1989年。

 ◆ダブルRダイナー

  カウンターでコーヒーブレイクしている少佐。

  そこへ丸太おばさんがやってきます。

  少佐と丸太おばさん、

  実はここで初のご対面。

  マーガレットは丸太から話があると言います。

  「メッセージを伝えなさい」

  そう言われて、心当たりがある少佐。

 ◆グレート・ノーザン・ホテル 315号室

  部屋のベッドでダイアンに報告をしているクーパー。

   〇ウィンダム・アールが精神病院から失踪

   〇オードリー・ホーンも行方不明

   〇だが心配をよそにクーパーは告白をする

   〇オードリーの笑顔が頭から離れない

  その時、ドアがノックされる。

  クーパーのもとを訪れる少佐。

   〇クーパーにメッセージがある

   〇少佐の任務は機密で話すことができない

   〇だが、話せる範囲で説明をする

   〇任務の一つにモニター業務がある

   〇対象は銀河系の外

   〇いろんな電波を拾い解読する

   〇大半は無意味な記号の羅列

   〇金曜日の未明、クーパーが撃たれた時間

   〇無意味な記号の羅列の中に言葉が現れる

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   〇「フクロウは見かけと違う」

   〇なぜ、それを自分に?とクーパー

   〇記号の羅列の中に現れる

    「COOPER / COOPER / COOPER」

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 さらに旧シリーズの第8話に遡ります。

 何者かに突然撃たれたクーパーが床に倒れます。

 助けを待っている間、意識が遠のいていくと、

 そこに "巨人" が現れます。

 ちなみに "巨人" の初登場が、この時になります。

 巨人は3つのヒントをクーパーに与えます。

  ①笑う袋の中に男がいる

  ②フクロウは見かけと違う

  ③薬品なしで男は指さす

 そう言ってクーパーの左小指から指輪を抜きます。

 

 少佐が持ってきた記号の中の言葉は、

 巨人がクーパーに提示したヒントの一つでした。

 そして、新シリーズの第9章に戻りますが、

 2枚目のメモに綴られている "COOPER" の文字は、

 この時の書類を切り抜いたものになります。

 よく見ると三度目の "COOPER" が半分で切れています。

 当然、ホークもトルーマンも、

 もともと "COOPER" が三回出ていることは知りません。

 なので、クーパーが二人?と思うのも仕方がないですが、

 "COO" まで見えているんだから、

 せめて、もうちょい踏み込んでもいいんじゃないかなと。

 期待しすぎかなぁ。

 

 さらに妄想ですが。

 前半、プライベートジェット機内で、

 悪クーパー脱獄の知らせを聞いたゴードンが、

 「クーパーがパァーッと逃げた」と言いました。

 吹き替えの妙ではありますが、

 英語だと「Cooper flew the coop!」と言っています。

 ここでの "coop" は「檻」という意味です。

 妄想ですよ。

 2枚目のメモが "COO" で途切れているのは、

 "coop" の "p" が抜けているということで、

 2人のクーパーが檻を抜けたと言いたいんじゃないかと。

 悪クーパーはヤンクトン刑務所の檻から、

 善クーパーは時間差がありますがロッジの檻から。

 はい、妄想でした。

 ただ今回の第9章、こんなサブリミナルというか、

 前後で妙に関係がありそうな小ネタが多いです。

 そういうところを探して妄想するのも楽しみの一つです。

 

 さらに、今までは映画「FIRE WALK WITH ME」が、

 「The Return」のベースになってるというか、

 設定や小ネタがちょいちょい物語に絡んできてました。

 ですが、ここに来て旧シリーズまで絡んできました。

 ただ、デイヴィッド・リンチが監督した回に限ります。

 以下、リンチが監督した回になります。

  ★ツイン・ピークス インターナショナル版

  ★ツイン・ピークス 序章

  ★ツイン・ピークス 第2話

  ★ツイン・ピークス 第8話

  ★ツイン・ピークス 第9話

  ★ツイン・ピークス 第14話

  ★ツイン・ピークス 第29話

 こうやってリストにしてみると、

 リンチの代表作みたいな言われ方をしている

 この「ツイン・ピークス」ですが、

 テレビシリーズとしては "5話" しか監督してません。

 全体の6分の1です。

 そのほかの話は、マーク・フロスト、

 そして、影武者ロバート・エンゲルスの創作になります。

 フロストもエンゲルスも絡んでいない、

 ホント、どうでもいい回も中にはあります。

 今回の少佐絡みなどで旧シリーズに興味を持たれたら、

 全編見るのも、もちろんありですが、

 かいつまんで上記の5話、

 そして、序章と映画と未公開集をチェックすれば、

 ほぼ「The Return」を120%楽しめます。

 

バックホーン警察

 外でタバコを吸っているダイアン。

 ゴードンとタミーが出てきます。

 アルバートが解剖をしている間、

 とりあえず一緒にいることにしたようです。

 それにしても、なんという滞空時間でしょう。

 この気まずそうな場、というか、

 何を話すでもなく時が過ぎていく感覚、

 この三人の関係を端的に、

 そして映像的に表現しています。

 もう、リンチならでは!って感じがヤバイ。

 ゴードンとダイアンのやり取りを、

 横目で白々と見ているタミーがたまらないです。

 

サウスダコタ警察・取調室

 泣いているビル・ヘイスティングス

 一緒の檻にいるジョージから、

 フィリスが殺されたことでも聞いたのでしょうか?

 タミーが取り調べを始めます。

  〇FBIの登場に益々恐れるビル

  〇ビルは43歳

  〇ブログ「ゾーンを探して」

  〇2週間前、別世界であるものと遭遇した

  〇それは事実であり現実だった

  〇別世界への興味はかなり前から

  〇そのために山ほどの資料を読んだ

  〇別世界の中で少佐に会った

  〇ルースは隠された記録を見つけるのが得意

  〇しかるべき時刻にしかるべき場所へ行くと

   異次元空間に入れることがわかり

   さらにしかるべき人物に会える

  〇少佐は隠れていた

  〇本人は「冬眠だ」と言っていた

  〇他の連中に見つからないよう

   別の場所へ行くための "座標" が必要

  〇"座標" を軍のデータベースで見つけた

  〇"座標" はルースの手に書いてある

  〇先週の木曜日

  〇少佐に "座標" を届けに行った

  〇奴らがやってきて床に押し付けられた

  〇妻の名前を聞かれ "フィリス" と答えた

  〇6名の顔写真から少佐を指し示すビル

  〇署名をし "9月20日" とサインする

  〇"座標" を少佐に渡すと宙に浮いた

  〇「クーパー、クーパー」

  〇そして、少佐の頭が消えた

  〇その姿は美しかった

  〇その時、ルースが死んだ

  〇ビルは悲しくてルースを抱きしめた

  〇そして、目を覚ますと自分の家にいた

  〇ルースを殺したのは少佐ではない

  〇その場所には大勢がいた

 

 さて、ウィリアム "ビル" ヘイスティングス

 泣きながら、とんでもないことを告白しました。

 これをどうやって整理しましょう...。

 

 【ビルの告白①:別世界へのアクセス】

 もともとビルは別世界への興味があった。

 そのために調べた資料をホームページで公開、

 ブログも書いていたようです。

 

 もう既にあちこちでリンクが貼られていますが、

 ビルのホームページ「ゾーンを探して」は実在します。 このホームページ、ヤバすぎます。

 あっちこっちに「The Return」のサントラのリンク。

 もう、買え買え、うるさいです。

 あ...。

 心の声が...。

 もとい、

 ビルの集めた資料があまりにもヤバすぎます。

 英語が得意じゃないので、

 何が書いてあるのかさっぱりわかりませんが、

 単語だけ見ていっても、

 これはツイン・ピークスの世界の根幹ではないかと。

 いや "世界" そのものを語っているように思えます。

 理解できるものを軽くリストアップしても、

  〇パラレル・ワールド

  〇電気

  〇世界の果て

  〇タイム・トラベル

  〇オーロラの原理

  〇ダークマター

  〇宇宙望遠鏡

  〇ヒュー・エヴェレット3世

  〇コペンハーゲン解釈

  〇太陽の核融合とジェット現象

  〇木星の赤い目

  〇ビッグバンとブラックホール

  〇オールトの雲

  〇バミューダ・トライアングル

  〇ワームホール

  〇パラドックス

 ああ、きりがない!

 とにかく膨大な量です。

 さらにSF作家ロバート・A・ハインラインまで!

 しかも、数か月前までは "座標" までが、

 隠しリンクに書いてあったというんだから、もう激ヤバ。

 まあ、今はもう消されてますけど...。

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 ちなみに、リンクされていた座標は、

 「44°30'44.8"N 103°49'14.6"W」

 Googleマップで調べてみると、サウスダコタ州の外れ、

 山間の何もない地点を指し示します。

 熱心なピーカーが、実際にそこまで行っちゃったみたいで、

 そんなこともあってか、消されたっぽいです。

 そこにはコンビニエンス・ストアが?

 ああ、これだけあれば分厚い本でも書けそうな勢いです。

 ていうか、誰か日本版作って!

 

 いずれにしても、

 ビルは膨大な資料をひも解き、

 "ゾーン" へのアクセス方法を見つけ出したようです。

 これって、ほぼウィンダム・アール並みです。

 そして、このホームページに書かれていることは、

 たぶん "ロッジ" とか "腕" とかの解体新書になりそうです。

 ああ、英語が分かればなぁ...。

 

 【ビルの告白②:ブリッグス少佐】

 しかるべき人物とは、この人だ!と、

 冬眠していた少佐を叩き起こしたビル&ルース。

 ...。

 ...。

 ...。

 ねぇ?

 事の元凶って、もしかして、この二人なんじゃ...。

 なんか、そんな気しません?

 無邪気すぎて、逆に罪です。

 少佐も、起きてしまったならしょうがない、

 安全な場所に行かなければいけないので、

 "座標" の調査をビル&ルースに依頼します。

 んでもって、二人は軍のホームページをハッキング。

 泣きながら、さらっとエライことをFBIにコクってます。

 あまりの自爆ぶりに、タミーも軽くスルーです...。

 見つけた "座標" を少佐に渡したら、

 どうやらワサワサと大勢の輩が現れて、

 結局、少佐は見つかり、首ちょんぱ。

 25年前の政府施設の火災との絡みはおあずけです。

 

 なんか、スゴいですよね。

 しかも宙に浮いて頭が消えた少佐を

 "美しかった" と言っています。

 これは第8章の劇場で浮いていた "巨人" みたいな感じ?

 もしくはそれ以上?

 頭がないんでしょ?

 もうぜんぜんイメージが湧きません。

 

 少佐が言い残した「クーパー、クーパー」というセリフ。

 これも意味深です。

 たぶん、悪クーパーが絡んでいそうな感じがしますが、

 でも、悪クーパーは "座標" を探しています。

 だとすると、その場にいることはできないはず。

 少佐は善クーパーに助けでも求めたのでしょうか?

 というか、もし "ゾーン" がロッジ系の場所なら、

 どこかしらで少佐とクーパーって出会わなかったのかな?

 お互いに25年も経っているんだし...。

 

 【ビルの告白③:先週の木曜日の行動】

 頼まれた "座標" を少佐に渡したのは先週の木曜日。

 時系列が曖昧なので微妙ですが、

 たぶん、第1章でデイヴ刑事の取調べを受けた際、

 学校のミーティングがあったので、

 帰りが遅くなったと答えた木曜日と、

 同じ日ではないかと思われます。

 

 第1章を振り返ってみましょう。

 ミーティングの内容について質問をするデイブ刑事。

 ビルは答えます。

  〇会議の内容はカリキュラムについて

  〇会議は隔月で行っている

  〇会議は9時半ごろに終わった

  〇遅くなったのでみんなでピザを頼んだ

  〇家に帰ったのは10時15分から20分

  〇21:30から22:20までの間を疑うデイヴ

  〇ビルは忘れていたと補足する

  〇あの夜、秘書のベティを家まで送った

  〇ベティの車は故障していた

 徐々にボロが出始めますが、

 どうも語っていることは事実のような感じがします。

 それが実際に木曜日の夜のことではないにしてもです。

 

 ビルの秘書は、実際に車が故障していて、

 実は、その修理を請け負ったのが "ジャック" だった。

 はい、妄想です。

 でも、シーズン2のように車が爆発した。

 なんか、うまく話がつながりそうですが、

 実際にこれが真実なのかは全然わかりません。

 

 ここまでの情報をもとに、

 仮に木曜日のビルの行動を追ってみるとします。

  ~21:30 ピザを食べながらミーティングが終わる

  21:30~ ルースと落ち合い "ゾーン" に向かう

  22:00頃 少佐に "座標" を渡す

  22:05頃 奴らが現れ床に押し付けられる

  22:10頃 少佐が宙に浮き頭が消える

  22:15頃 ルースが殺される

  22:20頃 気づいたら家に居た

 適当に5分刻みにしてみましたが、

 なんとなく、それっぽい感じに見えます。

 ここまでの経験をしていながら、

 第1章では何が起きてるのかわからない風のビル、

 なかなかの役者です。

 

 ちなみに第2章では、面会に来たフィリスに、

 「夢でルースの部屋にいた」と告白します。

 お互いにゲス扱いして終わりましたが、

 今思うと、

 妻の名前を教えてしまったことに危険を感じ、

 それを伝えようとしていたのかもしれません。

 

 【ビルの告白④:9月20日】

 タミーが差し出した6人の男の写真。

 この中で少佐は誰?と問われ、ビルは4番を指します。

 もちろんブリッグス少佐に間違いありません。

 証拠のため、丸で囲み、サインと日付を入れます。

 そこにビルが書いた日付は、

 一見すると「9月20日」に見えます。

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 先ほど、

 トルーマン保安官は10月1日は二日後と言っていました。

 ツイン・ピークスバックホーンが同時進行なら、

 このシーンの日付は「9月29日」のはずです。

 なぜ、ビルはそれを「20日」と書いたのか?

 しかし、よくよく見てみると、

 20のゼロの先を奇妙に伸ばしていて、

 ムリくり「9」と解釈できないわけでもありません。

 なんか意味深です。

 

 締めは「バハマに行きたかったぁ~!」です。

 開いた口が塞がらない状態。

 トロピカルカクテルでも、

 スキューバーダイビングでも、

 なんでも構いませんが、

 でも、なんか急にバハマが出てきた感じがします。

 

 かなりの深読みではありますが、

 これも「9.11」関連のネタではないかと思っています。

 まことしやかに噂されているのが、

 オサマ・ビン・ラディンバハマで生きているという話。

 ネットで検索すると、わんさか出てきますが、

 これも第5章と同じように、サブリミナルで、

 9.11の陰謀論を視聴者に摺り込むための隠し味ではないかと。

 "世界" は、今見えているものだけが全てではないと。

 

 それにしてもビル・ヘイスティングスの号泣会見。

 考察どころが満載で、もう、頭がヘロヘロです。

 

◆グレート・ノーザン・ホテル

 相変わらず「謎の音」を探るベンとビバリー

 プラトニックなようです。

 

◆BANG BANG BAR

 バンドの演奏 "HUMAN" by Hudson Mohawke

 ボックス席にエラとクロエ。

 エラは脇の下がやけに痒いらしい。

  〇ゼブラが戻った

  〇ハイで仕事に行ったらクビになった

  〇通りの向かいの店でバーガーを売ってる

  〇あのペンギン見た?

 特に意味があるとは思えないこのシーン。

 本当にそうなのかな?

 とりあえず、

 エラは言葉通りにハンバーガーは売ってなさそう。

 どう見ても、ハイで売春したらクビになって、

 他のところに鞍替えしたっていう意味にしか聞こえない。

 

 なんとなくですけど、

 第7章のロードハウスで、

 ルノーが電話で話していた女の子、

 それがエラとクロエなんじゃないかと勘繰っています。

 ペンギンはルノーのこと?みたいな。

 それが物語に関わってくるのかはわからないけど...。

 

 ちなみに保安官事務所でルーシーが食べていたのは、

 ハンバーガー。

 とことんサブリミナルな回です。

 

 二曲目のバンドの演奏

 "A VIOLET YET FLAMMABLE WORLD" by Au Revoir Simone

ツイン・ピークス The Return 考察 第9章 PART.1 青いバラ再び!青ざめるMr.トッド!フスコ三兄弟は青臭いニヤケ顔が止まらないっ!

二週間ぶりの「The Return」です。

とにかく第8章が強烈すぎて、

三週間前の第7章なんて、

遥か彼方に吹っ飛んでしまいました。

 

なので、第7章を簡単におさらいです。

 

〇失われたローラの日記が発見される

〇25年前に救出されたクーパーは偽物の疑い

〇保安官たちは25年前のクーパーの行動を調べる

ここまでがツイン・ピークス保安官事務所の動き

 

国防総省ノックス大尉がブリッグス少佐の遺体と対面

ブリッグス少佐の死体は国防総省のもとへ

 

サウスダコタ刑務所で悪クーパーとダイアンが対面

〇マーフィー所長を脅して刑務所からバックれる悪クーパー

〇レイが悪クーパーを撃ち殺す(第8章)

FBIもクーパーに疑いをかけ始めるが確信がない

悪クーパーは周りから裏切られまくってる

 

〇クーパーのもとにフスコ兄弟がやってくる

〇スパイクの暗殺をクーパーチョップで撃退

ラスベガスはスパイク事件で大狂乱

 

そうでした。

クーパーチョップの回でした。

もう忘れてたよ、ジェイニーEが首絞めてたの。

てなわけで、その続きの第9章です。

1956年から現代に戻ってきましたよ、姐さん。

 

◆農家への道

 歩いてくる悪クーパー。

 どうやら "赤いバンダナ" が目印みたいです。

 

◆プライベートジェット機

 国防総省のデイヴィス大佐から連絡がくる。

 話を聞くゴードンはデイヴィスに対して、

 随分と失礼な物言いだと言っています。

 たぶんですが、

 "バックホーン" が

 "ファック・ゴードン" に聞こえたのでしょう。

 

◆農家

 悪クーパーを "相棒" と呼ぶシャンタルの夫:ハッチ。

 農家から出てくるシャンタル。

 血まみれ悪クーパーにビックリ。

 キズを見せなと言われ、左脇腹を見せる悪クーパー。

 ピッピー。

 はい、ストップです。

 ちょいと第8章に戻りましょう。

 「まぬけ」と、レイが放った2発の銃弾。

 それを受けた悪クーパーが倒れます。

 さて、銃弾はどこに当たっているでしょうか。

 正解は "みぞおち" と "右脇腹" です。

 その "みぞおち" の傷から例のボブ玉が出てきました。

 "左脇腹" にはいっさい傷がついていません。

 第9章に戻ります。

 シャンタルに見せている傷は確かに "左脇腹" です。

 さっそく劇場後の次元崩壊でしょうか?

 でも、この傷、

 往年のピーカーなら見覚えがありませんか?

 そうです、旧シリーズの第7話ラスト、

 クーパーが撃たれた位置、その鏡写しの箇所です。

 もっと言えば、その時にクーパーが撃たれたのも、

 "みぞおち" と "右脇腹" という奇妙な一致を見せています。

 さらに新シリーズの第7章に戻りましょう。

 FBIチームは悪クーパーの指紋を調べています。

 鑑識眼が鋭いアルバートは左右逆になっていると気づきます。

 このことからドッペルゲンガーは、

 鏡写しの存在だということがわかりました。

 ということは、悪クーパーがシャンタルに見せた傷は、

 25年前のダニと一緒に撃ち抜かれた傷ということになります。

 (よく理解できない人は旧シリーズの第8話を参照です)

 ただ、疑問が残るんですよね。

 なぜに今さら、

 そんな傷をここで見せなきゃいけないのでしょうか。

 しかも、肝心な "みぞおち" の傷はキレイに消えています。

 真っ黒おっちゃん達のなせる業なのか、

 もしくは単なる編集ミスなのか。

 まあ、深読みした方が楽しいので、

 傷を見せな、と言われたから古傷を見せた、

 そんな解釈で行こうと思います。 

 

◆プライベートジェット機

 行き先変更をダイアンに告げるゴードン。

 クーパーが知っていたある男、

 彼に関わる古い事件について確認に行くという。

 ダイアンはすぐに理解します。

 「青いバラ事件」

 そこへサウスダコタ刑務所長から連絡が来ます。

 クーパー脱獄をゴードンに知らせます。

 

 第3章の次元の果てでのこと。

 Naidoが感電して無限空間に放り出された後、

 ブリッグス少佐の顔が現れ、一言つぶやきます。

 「青いバラ

 どうやらブリッグス少佐と「青いバラ」は、

 かなり密接な関係にあるようです。

 

 さらに映画「FIRE WALK WITH ME」で、

 しかめ面のリルが胸に差していた青いバラ

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 リルの解説をするデズモンド捜査官ですが、

 "青いバラ" については説明できないと言っています。

 そして、"青いバラ" を探しに出かけたデズモンドは、

 トレモンド婦人が住んでいたトレーラーの下に、

 "翡翠の指輪" を発見し、そのまま忽然と姿を消します。

 

 映画「FIRE WALK WITH ME」公開当時、

 "青いバラ" は "存在しないもの" と解釈されていました。

 21世紀の今ではバイオテクノロジーの進化で、

 "青いバラ" を作り出すことに成功しています。

 しかも、開発したのは日本の研究者です。

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 遺伝子操作によって、

 "存在しないもの" が "存在する" ようになったのです。

 それとブリッグス少佐がどう絡むのか。

 伏線回収が今から待ち遠しいですなぁ。

 

◆農家

 デコったガラケーでメールを打つ悪クーパー。

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 「ディナーの席での会話は弾む」

 女子高生並に文字を打つのが早いです。

 んでもって、誰かに電話をかける。

 相手は Mr.トッド!

 ダギー暗殺の確認をとり、

 さっさと済ませろと電話を切る悪クーパー。

 ハッチにはマーフィー所長を殺せと指示、

 そのあとはラスベガスでダブルヘッダーだそうです。

 ダギーとMr.トッドってことでしょうか。

 それだけ言い残して悪クーパーはどこかに行きます。

 

 さて、ダギー暗殺の黒幕は悪クーパーでした。

 トッドさん、もうジ・エンドです。

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 そういえば、トッドさんのラップトップに表示された赤いスクエア。

 今回のオープニングの

 "赤いバンダナ" となにか共通の意味があるのだろうか?

 まあ、いっか。

 とりあえず、第6章でスパイクに暗殺指示を出したのは、

 悪クーパーで確定しました。

 標的は "クーパー" と ”ロレイン" です。

 では、第2章でMr.トッドが採用したのは誰でしょう。

 "ロレイン" でしょうか?

 

 同じ第2章で、悪クーパーはロッジには戻らないと言いました。

 あらかじめロッジに戻されることを知っていた悪クーパーは、

 転送を阻止しようと企み、ダギー暗殺を指示します。

 それはロッジ帰還の日までに済まさなければ意味がなく、

 もたついたジーン&ジェイクは見事に失敗。

 その報告を聞いたロレインは、

 期日をとっくに過ぎていることに恐れ戦いていました。

 

 第3章のゲロまみれの中で、

 ロッジ行きのダギーを確認した悪クーパーは、

 転送が完了したことを悟ります。

 この流れで見ると、

 Mr.トッドが採用した相手が

 ロレインである可能性は十分にありますが、

 どうしても腑に落ちない点があります。

 なぜ第6章でロレインは、依頼主のトッドではなく、

 ブエノスアイレスブラックボックスに連絡をしたのか?

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 その相手はフィリップ・ジェフリーズである可能性が高い。

 フィリップが悪クーパーの味方なのか敵なのか、

 今のところ、なかなか判然としていませんが、

 どうも裏切ってるオーラがプンプン臭います。

 レイの裏切りも然り。

 であれば、暗殺失敗に恐れ慄き、

 ロレインがフィリップに助けを求めたという見方もできます。

 だとすると、

 悪クーパーの計画は、

 フィリップによって、かなり阻止されてると言えそうです。

 そこで出てきたのが、フィリップの息がかかっていない、

 真打 "ハッチ&シャンタル" ということでしょうか。

 

◆ラスベガス市警

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 フスコ三兄弟!

 ブッシュネル社長にダギーについて聞いています。

  〇ダギー・ジョーンズの勤務年数は12年

  〇以前、交通事故を経験している

  〇事故後にラッキー7保険で勤め始めた

  〇時々、いわゆる後遺症らしきものが出るらしい

  〇詳細はジェイニーEが知っている

 去り際にブッシュネルはフスコ兄弟に訴える。

 車が爆発し、殺されかけたクーパーは、

 何かの事件に巻き込まれたのではないか?と。

 しかし、なんだ、それ?と言わんばかりのフスコ兄弟。

 そんな態度に怒りを覚えるブッシュネル、

 あやうくボクサーパンチを繰り出そうとしますが、

 こらえて、その場を去っていく。

 

 フスコ次男が調べたところによると、

 ダギー・ジョーンズの経歴は、

 1997年以前がキレイに白紙らしい。

 免許証、パスポート、社会保障番号、学歴、納税記録。

 極めつけは出生証明書まで存在しないらしい。

 フスコ兄弟、"証人保護" の可能性があるとして、

 司法省の誰かに調査を頼むことにするみたいです。

 しかし、1997年に何があったのか?

 今のところ、ヒントがなさすぎて、さっぱりです。

 

 今まで経験のない事に戸惑うフスコ三兄弟。

 なにか考えているようで、あんまり考えてなさそう。

  〇フスコ長男、テールランプの修理を思い出す

  〇239ドルもかけて修理は終わった

  〇ペンチを持ったオーストラリア人を思い出して笑う

 どうやらオーストラリア人を逮捕する際、

 彼がペンチを持って暴れ、テールランプが壊れたっぽい。

 フスコ三男は、それがどうにも可笑しかった様子。

 

 クーパーを調べるため、

 飲んでいたコーヒーカップを押収するフスコ長男。

 ちょうど現れた巡査部長に指紋とDNAの鑑定を依頼する。

 同時に拳銃に固着していた掌紋がスパイクであることが判明。

 モーテルに隠れていると知り逮捕に向かおうとするが、

 その前にクーパーの指紋とDNAを調べるらしい。

 第7章で、テレビのインタビューに答えていた女の子が、

 スパイクのことを「変なニオイがした」と言っていたので、

 てっきりロッジ系の人物だと思いましたが、

 どうも普通の犯罪者っぽいです。

 あの時、"腕" も現場に現れたので、

 そのニオイのことを指していたのでしょうか。

 しかし、掌紋が一致した!と騒いでいましたが、

 あの背丈で、あの風貌ですよ。

 現場での聞き込みで、ある程度は絞れそうですが...。

 

 待合室で待たされるクーパー&ジェイニーE。

 クーパーは掲げられているアメリカ国旗を見つめる。

 そこを赤いハイヒールの女性が横切っていく。

 ヒールに目を奪われるクーパー。

 その先にコンセントがある。

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 ひたすらにコンセントを見つめるクーパー。

 何かを思い出し始めているのでしょうか。

 

 指紋とDNAの鑑定が終わったのか、

 とりあえずフスコ兄弟が駐車場に出てくる。

 車のテールランプを確認する。

 右のテールランプ、右にキズが残ってる、

 とにかく "右" を気にしている。

 これって何かのサブリミナルなのかなぁ...。

 

◆モーテル

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 スパイクが電話をしています。

  〇JT.の携帯につながらない

  〇暗殺は惜しくも失敗

  〇ケガをしたので休暇を取る

 鏡の自分を見つめながらバーボンをあおる。

 さて、まずは "J.T." ですね。

 たぶん、"D.T." の間違いではないかと。

 ダンカン・トッド。

 スパイクの中では "デー" が "ジェー" になってる?

 発音、ぜんぜん違うけど...。

 会話もちょいとおかしいです。

 "暗殺は惜しくも失敗" って、ちょっと待てい!

 あんた、首絞められてたよね?

 ガンガンに "首" 絞められてたよね?

 それを "惜しい" とは、また見栄を張ったもんです。

 

 モーテルに到着するフスコ兄弟。

 身支度を済ませ部屋を後にするスパイク。

 あっさりと捕まります。

 観念するの、はやっ!

 しかも、フスコ三男のスマイリー!

 お前だけ銃口の先が下だぞ。

 構えてるだけで撃つ気ないだろ!

 どんだけ仕事する気がないんだ!

 

ツイン・ピークス保安官事務所

 アンディ&ルーシー夫妻が、

 椅子の色でもめています。

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 ここでも仕事への意欲がゼロです。

 マジ、どうでもいい。

 ていうか、アンディ、

 そんなことよりトラックの持ち主はどうした?

 普通、もう一回、確認ぐらい行くだろっ。

 

◆ホーン家

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 ドアが開きジョニーが渡り廊下を走る。

 手前の階段を使わず、

 どうやってか下に降りてきて、

 (たぶん、二階から飛び降りたっぽい)

 スノコルミーの滝の写真に向かって全力疾走!

 がっつり頭をぶつけて倒れました。

 

◆ブリッグス家

 ボビー、トルーマン保安官、ホークが訪ねてくる。

  ボビーの母:ベティ

 25年前、クーパーが訪ねてきた時の様子を語りだす。

  〇少佐が亡くなる前日にクーパーが訪ねてきた

  〇少佐はクーパーが帰るとすぐにベティを呼んだ

  〇ボビー、ホーク、トルーマン

  〇いつの日か、この3人が訪ねてくる

  〇訪ねてきたら渡してほしいものがある

  〇赤い椅子

  〇仕掛けを動かすと背もたれの縁が開く

  〇中から鉄の細い棒が出てくる

  〇少佐がいかにボビーを信じていたかを語る

  〇トルーマンに鉄の棒を渡す

 ブリッグス少佐は全てを見通していたようです。

 最愛の息子を信じて。

 

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 先ほどのアンディ&ルーシーに続き、

 またもや赤い椅子が出てきました。

 何かの対比になっているのか、

 それともループというか、

 繰り返しのサブリミナルを現わしているのか。

 もしくは、先ほどのルーシーのように、

 この赤い椅子も、

 ベティからガーランドへの贈り物、

 そんな椅子だったのでしょうか。

 

バックホーン警察の待合室

 FBIチームがバックホーンに到着。

 さっそくノックス大尉、デイヴ刑事と合流。

 ダイアンはやさぐれて喫煙禁止、お構いなし。

 呆れて退場する一同。

 人がいなくなるとスマホを確認する。

 「ディナーの席での会話は弾む」

 そのメールに思いを馳せるダイアン。

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 キラキラとデコったガラケーで、

 ショートメールを打っていた悪クーパー。

 送り先はダイアンでした。

 ただ、差出人が "Unknown" なので、

 ダイアンが悪クーパーと理解しているのか、

 微妙な所ではあります。

 

 この「ディナーの席 ...うんぬん」というメール、

 ダイアンが悪クーパーをどう思っているかで、

 印象がぜんぜん違う、

 ダブルミーニングになっている感じがします。

 

 メールの意味:A

 仮に悪クーパーからだと理解してなかった場合、

 「ディナーの席での会話は弾む」というのは、

 第7章での面会時に話をしていた

 最後に会った "あの夜" のことを指していそうです。

 なぜダイアンの番号を知っているのかは、

 第2章で普通にFBIのホームページを閲覧していたので、

 悪クーパーが手に入れることは容易いと思われます。

 この場合、"あの夜" の出来事が重要で、

 会話などこれっぽっちも弾んでいなかった事への嫌味、

 もしくは "あの夜" の話題が今も続いているという警告、

 そういう意味に読み取れます。

 ダイアンは文面を理解して、

 初めて悪クーパーからのメールだと気づくという流れです。

 

 メールの意味:B

 もう一つの可能性はダイアンと悪クーパーが共犯だった場合。

 今回の第9章の前半、

 国防総省からゴードンに電話がかかってきた時、

 ノックス大尉の名前が挙がると、

 眠っていたダイアンがふと目を覚ましました。

 そのあと、バックホーンに行くと決まり、

 ダイアンは誰かに連絡をしようとしますが、

 スマホが通信不能だとわかり苛立ちを隠せません。

 この時の連絡先が悪クーパーだとしたなら、

 第7章での面会時も全て演技、

 別の部屋でモニターされていることを前提に、

 ゴードン達に知られてもいい情報を、

 悪クーパーともっともらしく話していたことになります。

 その場合、

 「ディナーの席での会話は弾む」というのは、

 聖書に登場する "最後の晩餐" 、

 その会話が弾んでいるという意味に読み取れます。

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 レオナルド・ダ・ヴィンチで有名な最後の晩餐、

 ここで描かれているのは "裏切り者は誰だ?" という話です。

 ここまでの悪クーパーの経緯を見ると、

 ダーリャから始まり、

 フィリップ・ジェフリーズ、

 マーフィー刑務所長にレイ、

 スパイクやMr.トッドもその気はありませんが、

 悪クーパーからしたら裏切り者かもしれません。

 とにかく誰が裏切っているのか、

 こいつら、全員なんじゃないか?

 そんな猜疑心から、

 悪クーパーはダイアンにメールを送った。

 深読みのしすぎかもしれませんが、

 いずれにしてもダイアンの行動が不審です。

 

 さらに話はズレますが、

 第5章で悪クーパー電話早打ちの際に

 一言「ウシが月を飛び越えた」と呟きました。

 ツイン・ピークス解読者の内藤さんが言っていたように、

 これはマザーグース

 「ヘイ ディドル ディドル」の一節ではないかと僕も思います。

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 内藤さんはさらにおなじみの曼荼羅話で、

 ダブルミーニングだろうと深読みしておりますが、

 僕的には上の絵を見てわかるように、

 牛があそこまで飛び跳ねるほどの狂騒的な世界、

 それを言いたかったんじゃないかと。

 はい、話が脱線しました。

 

そんなこんなで、ここまでで第9章の半分まできました。

このあともブリッグス少佐関連の話題が目白押しです。

その考察にさらに時間がかかりそうなので、

とりあえず前半のここまで!

続きはPART.2でたっぷり語ります!

ああ!早くスキューバーダイビングがしたいなぁ!

ツイン・ピークス The Return 考察 前半 (第1章~第8章) まとめ解説 謎だらけのデイル・クーパー物語

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本国アメリカでの放送時と同じく、

ここ日本でも第8章のあとにインターバルをとっています。

たまたま宮里藍だったのか、

それともリンチ&フロストからの指定なのか、

そこんところはアナウンスがないのでわかりませんが、

たぶん後者ではないかと思われます。

 

第8章で「劇場」が出てきたということは、

生粋のリンチ・ファンの方でしたらお解りのように、

物語が折り返し地点、転換点を迎えたことを示しています。

もしくは舞台となっている次元がこれから崩壊する、

その起爆装置の役目をしているとも言えます。

イレイザーヘッド然り、マルホランド・ドライブ然り、

"劇場"後の物語転換・次元崩壊といったら凄まじいです。

登場人物の名前は平気で変わるし、

メタファーすぎて訳がわからない舞台が普通に出てきます。

リンチ一人の作品なら、

とんでもないカオスがこれから待ち受けていそうですが、

そこはマーク・フロスト!

たぶん、リンチの暴走を少しは調整してくれるはずです。

一緒になって「ヒヤッホー!」とフロストまで暴走したら、

考察してる自分がアホらしくなって頭カチ割ると思います。

というか、そんなもの本人たちでさえ、もう訳がわからなくて、

そのまま世界がブッ壊れて木っ端微塵になるでしょう。

 

フロストの安全運転のおかげかどうかはわかりませんが、

第1章から第8章までのストーリーは比較的わかりやすく、

各章もキレイに30分ごと、もしくは前半後半という形で、

それぞれのテーマが描かれていました。

 

んなわけで、第1章から順を追って、

そのテーマを大まかに確認してみようかと思います。

 

【第1章】

前半 サム&トレイシー殺人事件

後半 ルース・ダヴェンポート殺人事件

 

【第2章】

前半 ドッペルゲンガー

後半 クーパーの脱出

 

【第3章】

前半 クーパーの帰還

後半 ダギー・ジョーンズ

 

【第4章】

前半 ツイン・ピークス保安官事務所の人たち

後半 FBI捜査官たち

 

【第5章】

前半 ツイン・ピークスの人たち

後半 ダギー・ジョーンズ周辺の人たち

 

【第6章】

前半 親子

後半 伏線回収

 

【第7章】

前半 ローラ・パーマー殺人事件

後半 ダイアンとクーパー

 

【第8章】

前半 エクスペリメントとボブ

後半 森の男

 

ざっとこんな感じで物語が流れてきています。

ね、リンチ作品にしては、結構まともでしょ?

インランド・エンパイア」なんか、

始まってものの10分で訳がわからなくなりますからね。

ウサギだもん。

それに比べたら8時間経っても、

それなりにちゃんと時系列順に進んでいるんだから、

マーク・フロストの運転技術は並大抵ではないです。

 

では、次に登場人物をおさらいしていこうと思います。

 

◆デイル・クーパーFBI特別捜査官

 旧作でブラック・ロッジに閉じ込められて終わる。

 The Returnで現実に戻ってくるが、

 ダギー・ジョーンズと入れ替わってしまう。

 身体を上手く動かすことができず、

 言葉も理解できない、赤子のような無垢な存在。

 

◆クーパーのドッペルゲンガー

 旧作でウィンダム・アールの亡骸を利用して創られた。

 クーパーの代わりに現実に戻ってきてからは、

 すぐにツイン・ピークスを離れ、

 数年後にはリオデジャネイロに大豪邸を建てる。

 「ダギー・ジョーンズ」「クーパー」を名乗っている。

 とてつもなく強い。悪クーパー。

 

まずはカイル・マクラクランが演じる、この2人が物語の主軸。

結局はクーパーひとりの事を物語っています。

善と悪、陰と陽、天使と悪魔。太陽と月。

よくよく見てると、善クーパーは昼間のシーンが多く、

悪クーパーは夜のシーンが多い、これも対比になってそうです。

ドッペルゲンガーのもとがウィンダム・アールというのもミソです。

FBI最高の頭脳を持ち、その欲望も果てしないアール、

さらにボブというオマケまでついてくるのだから最強です。

ドラゴン・ボールでいう"トリプル・フュージョン"みたいな。

 

そんなクーパーの目的が物語のベクトルになります。

 〇善クーパー ブラック・ロッジからの脱出

 〇悪クーパー "座標" を手に入れる

善クーパーのロッジ脱出は第3章でクライマックスを迎え、

そこからダギー・ジョーンズとしての物語が始まります。

悪クーパーは今のところ"座標"が欲しいことしかわかりません。

 

旧シリーズは "誰がローラ・パーマーを殺したのか?" という、

ミステリアスで強烈な物語のベクトルがありました。

第17話以降はブラック・ロッジの謎にシフトを転換し、

フリーメイソンなどの都市伝説ネタを散りばめて自爆。

 

旧シリーズと新シリーズを比べた時、

この物語のベクトルの強さが格段に違うことに気づきます。

そもそもの質が違うので、一概には比べられませんが、

「ローラ殺しの犯人探し」という劇薬には、

「クーパーの現実回帰」という漢方では敵わないような気がします。

本国アメリカでの視聴率が思ったほど振るわなかったのも、

たぶん、みんなが劇薬を求めた結果だったのではないかと。

 

ただ、ライトユーザーにはそうであったとしても、

僕のようなリンチ中毒者にとっては、

純度100%の新シリーズの方が何百倍も価値があります。

ぶっ飛び具合がレッドのコカイン並みで、

リチャード曰く「スゲエ!フゥッ!」って感じなのです。

 

ではでは、新シリーズがクーパーの物語とわかったところで、

他の登場人物も見ていくことにしましょう。

 

まずは、FBIチーム。

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 ◆ゴードン・コールFBI副部長

   補聴器を両耳につけている。美人が大好き。

 ◆アルバート・ローゼンフィールドFBI捜査官

   口が悪い。シニカル。ゴードンのパシリ。

 ◆タミー・プレストンFBI捜査官

   頭脳明晰。ゴードンのお気に入り。車酔い。

 ◆ダイアン・エヴァンス

   クーパー捜査官の元秘書。やさぐれている。

とりあえず今のところ、

このチームは悪クーパーに疑問を抱いているだけの状態。

今後、物語に深く関わってくるのかは不明。

 

続いてロッジ系の人物(物体)たち。

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 ◆"腕"

   旧シリーズの「別の場所から来た小さな男」が進化。

   シカモアの木のてっぺんに脳がついている。

   常に放電している。

 ◆フィリップ・ジェラード

   片腕の男。旧シリーズでは靴の行商人。

   何かとクーパーを助けようと動いているが成果はない。

   新シリーズでの "マイク" の表記も今のところない。

 ◆巨人 "???????"

   旧シリーズでは "The Giant" と呼ばれていたが、

   新シリーズでは今のところ名前が伏せられている。

   新旧問わず、クーパーに啓示を与える存在。

 ◆ボブ

   旧シリーズでは実体があったが、

   新シリーズではボブ玉の姿でしか現れていない。

   悪の象徴。

 ◆ローラ・パーマー

   映画「FIRE WALK WITH ME」の主人公。

   肉体は滅びても、ロッジ内では年を重ねている。

   またもや意味深にクーパーに耳打ちをする。

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 ◆内道 "Naido"

   両目が塞がれている女性。

   クーパー転送時に電力レバーを下げた際、

   感電して無限空間に放り出されてしまう。

 ◆アメリカン・ガール

   旧シリーズのロネット・ポラスキーと同人物。

   クーパー転送時に「早く」と急かした。

   その時、ドアをノックしていたのは彼女のママ。

ロッジの住人の特徴は逆さ言葉を喋ること。

さらに "腕" や片腕の男がいる赤い部屋はカラーだが、

巨人がいる部屋はいつもモノクロ。

次元が違うのだろうか?

 

ロッジの住人なのか、イマイチわからない人たち。

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 ◆エクスペリメント

   体毛や顔がない宇宙人のような存在。

   ピッコロ大魔王とフリーザを足したような感じ。

   ボブ玉やトビガエルを吐き出し地球に送り込んだ。

 ◆森の男 "Woodsman"

   1956年のニューメキシコに出現。

   左手だけで人の頭部を握り潰す怪力の持ち主。

   どうやら "火" が欲しいらしい。

 ◆全身真っ黒な男たち

   クレジットに表記がないのでわからないが、

   人に危害を加える存在ではなさそう。

   コンビニエンス・ストアに屯している。

 ◆ガーランド・ブリッグス少佐

   ルース・ダヴェンポートの頭部と共に、

   首なしの死体として発見される。

   死体の年齢は25年前から変わっていない。

   ボビーによると25年前、

   どこかの基地で起きた火事で死亡した。

   第3章では次元空間に顔だけ現れ、

   「青いバラ」と言い残す。

エクスペリメントや "森の男" がロッジのビギニングなのか、

それともロッジとはまったく次元が違う存在なのかは、

第8章の時点では明かされていない。

ブリッグス少佐については、

旧シリーズでホワイト・ロッジに行ってるが、

新シリーズでの役回りはまだ不明のままになっている。

 

お次はツイン・ピークスの住人たち。

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 ◆フランク・トルーマン保安官

   旧シリーズでクーパーの相棒だったハリーのお兄さん。

   病気で入院中のハリーに変わって代理所長を務める。

 ◆トミー・"ホーク"・ヒル副所長

   インディアンが祖先。

   旧シリーズではブックハウス・ボーイズの一員。

   丸太おばさんとシンパシーを持つ。   

 ◆アンディ・ブレナン保安官補

   旧シリーズでの無精子症を克服(?)して、

   ルーシーと結婚、ウォリーという息子をもつ。

 ◆ルーシー・モラン

   保安官事務所の事務員。

   旧シリーズでは、

   アンディとリチャードの間で妊娠騒ぎを起こす。

   息子のウォリーはリチャードのように口が達者。

   その様子にフランクは呆れていましたが...。

 ◆ボビー・ブリッグス保安官補

   旧シリーズではローラのボーイ・フレンド。

   事件以降はシェリーとほぼ同棲状態。

   レオを通じてコカインの取引に手を染め、

   一時、ホーン産業の社員にもなっているが、

   今は保安官補として過去の経験を活かしている?

 ◆チャド・ブロックスフォード保安官補

   いちいち癇に障ることを言うウザイ奴。

   リチャード・ホーンと裏で取引をしている。

ツイン・ピークス保安官事務所の面子はハリーを除いて継続。

コーヒーとドーナツは今も健在のようだが、

旧シリーズほどの訴求力はない。

 

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 ◆ベンジャミン・ホーン

   グレート・ノーザン・ホテルの経営者。

   ツイン・ピークスの名士。

   旧シリーズの最終回では暖炉に頭をぶつけて、

   その生死が定かではなかったが、

   どうやら普通に生きている。

 ◆ジェリー・ホーン

   ベンジャミンの弟。

   水耕栽培大麻の吸いすぎで、

   第7章では森のどこにいるのかわからなくなった。

 ◆オードリー・ホーン

   旧シリーズの最終回で、

   銀行爆発に巻き込まれ死亡したかと思われていたが、

   第7章で奇跡的に助かりICUに運ばれていたことが判明。

   本人の姿はまだ登場していない。

 ◆リチャード・ホーン

   その家系は第8章の時点では明らかになっていない。

   クレジットされている "ホーン" の名から、

   ベンジャミン、ジェリー、オードリーの

   誰かしらとつながりがあると思われる。

   サイコな性格で、無軌道な印象。

   レッドとコカインの取引をしている。

   第6章ではピックアップトラックで子供を轢き殺した。

ホーン家が現状、どこまでの資本力を維持しているのかは不明。

旧シリーズではツイン・ピークスのどす黒い裏の顔という、

ある意味、ベンジャミン・ホーンが言葉通りの裏ボスだった。

新シリーズでどこまで物語にのさばるのかはわからないが、

今のところ、まだ同窓会の域を脱していない。

 

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  ◆シェリ

   ダブルRダイナーのウェイトレス。

   旧シリーズではレオ・ジョンソンの妻。

   新シリーズのクレジットでは、

   名前から "ジョンソン" が消えている。

 ◆レベッカ (ベッキー) バーネット

   シェリーの娘。スティーヴンの妻。

   ダブルRダイナーにパンを届けている。

   スティーヴン同様、コカインの常用者。

 ◆スティーヴン・バーネット

   ベッキーの夫。無職。

   コカインの常用者で怠け者。

   そのダメさ加減が、

   どこまで物語のスパイスになるかは未知数。

新シリーズのふれこみとして、

シェリーの娘、ベッキーが第二のローラになると、

まことしやかに言われていましたが、

第8章までではそんな兆しはゼロ。

次回からの後半戦で悲劇が待っているのだろうか。

 

 ◆マーガレット・ランターマン "丸太おばさん"

   ツイン・ピークスの顔、丸太おばさん。

   ダグラスモミの丸太を抱えている。

   超自然的な力を有し、

   新たな不吉な動きを感知する。

 ◆ローレンス・ジャコビー

   旧シリーズではハワイアンな精神科医

   新シリーズでは金のシャベルをネット通販し、

   世界の腐敗をネット放送で糾弾している。

   ツイン・ピークスを象徴する二つの山、

   ブルー・パイン・マウンテンとホワイト・テール。

   ジャコビーはそのホワイト・テールに住んでいる。   

 ◆レッド

   新シリーズの新キャラ。

   コカインの売人で、どうやらワシントン州

   たぶんシアトルからツイン・ピークスにやってきた。

   その動向はまだ不明。

 ◆カール・ロッド

   ニュー・ファットトラウト・トレイラーパークの管理人。

   "6" の電信柱や人の魂などを見ることができる。

   不思議な力の持ち主。

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以上が第8章までのツイン・ピークスの主な面々。

他にも、ローラの母セーラや片目のネイディーンなど、

ほんのワンシーンだけ登場している懐かしの人たちもいますが、

今のところ物語に深く関わっていないので割愛します。

 

続いて、ダギー・ジョーンズ絡みのラスベガスの人たち。

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 ◆ジェイニーE・ジョーンズ

   ダギーの妻。恐妻。

   今のところ新シリーズで一番存在感を出している。

   しかし、入れ替わったクーパーを全く疑わない。

   ジェイニーEだけでなく、ラスベガスの人たちは、

   みんな揃ってクーパーをダギーだと思っている。

 ◆サニージム・ジョーンズ

   ダギーの息子。おとなしい。

   学校に行く時の暗い顔は、

   何かイヤなことでもあるのだろうか?

   クーパーはそれを見て涙を流していた。

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 ◆ブッシュネル・ミューラー

   ラッキー7保険の社長。

   若い頃はボクサーだったみたい。

 ◆アンソニー・シンクレア

   ラッキー7保険の敏腕調査員。

   どうも裏で保険詐欺を働いている様子。

 ◆ジェイド

   第6章でダギーとの密会をフライデーされる。

   娼婦ではなくお抱えの愛人のようである。

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 ◆ブラッドリー・ミッチャム

   ミッチャム兄弟の兄。凄みを効かせる怖い人。

   ジャックポットでボロ勝ちしたクーパーを追う。

 ◆ロドニー・ミッチャム

   ミッチャム兄弟の弟。暴力に走る怖い人。

   兄貴の言うことに従順な感じがする。

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 ◆ダンカン・トッド

   ラスベガスの、とあるオフィスで働いている。

   誰かからの指令を受けてダギー暗殺を謀る。

 ◆アイク・"ザ・スパイク"・スタッドラー

   アイスピックで標的を刺しまくる小人の殺し屋。

   ダンカンから指令を受けてロレインを暗殺。

   その際に武器のアイスピックが折れ曲がってしまい、

   ダギー暗殺を拳銃で挑むが失敗する。

   ひたすら2個のサイコロの出目を記録している。

 ◆ロレイン

   ダギー暗殺をジーン&ジェイクに依頼するが、

   その計画は失敗してしまい、スパイクに殺される。

   暗殺の依頼主はフィリップ・ジェフリーズのようであるが、

   その真相は明かされていない。

 ◆ヤク中の母親

   ダギーが入れ替わった空き家の向かいに住んでいる。

   ひたすら「119」と叫んでいる。

 ◆ダギー・ジョーンズ

   ラッキー7保険の調査員。クーパーと入れ替わる。

   入れ替わる前は左腕が完全に痺れて動かず、

   左薬指には "緑色の指輪" を嵌めていた。

   入れ替わった後は、赤い部屋に飛ばされ、

   何者かに小さな金色の玉に変えられてしまう。

初登場時から暗殺の標的にされているダギー。

その真意は第8章までの間では、まだ明らかにされていない。

クーパーと入れ替わり、赤い部屋に飛ばされた際にも、

片腕の男は「お前は誰かに作られた存在だ」と言っている。

誰かがクーパーが悪クーパーと入れ替わらないために、

ダギー・ジョーンズを拵えたような印象を受けるが、

その真相も、当然、まだ明らかにされてはいない。

 

そして、サウスダコタの面々。

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 ◆ルース・ダヴェンポート

   図書館の職員。

   アローヘッドの自宅のアパートで、

   首だけの死体として発見される。

 ◆ウィリアム・ヘイスティングス

   学校の校長先生。愛称はビル。

   ルースのアパートで指紋が発見され、

   殺人容疑でバックホーン警察に拘留されている。

   夢の中でルースの部屋にいたと訴える。

 ◆フィリス・ヘイスティングス

   ビルの妻。弁護士のジョージと不倫している。

   悪クーパーに射殺される。

 ◆デイヴ・マックレイ刑事

   ルース殺しを担当するバックホーン警察の刑事。

   ビルとは旧知の仲で釣り仲間。

 ◆ドン・ハリソン刑事

   デイヴと共にルース殺し事件を担当する。

 ◆コンスタンス・タルボット

   バックホーン警察の鑑識員。

 ◆ドワイト・マーフィー刑務所長

   ヤンクトン刑務所の所長。

   ストロベリー殺人に絡んでいる。

   犬の脚とジョー・マクラスキーが弱み。

ツイン・ピークスバックホーンが、

今後、どのようなつながりを見せるのかはまったく想像できない。

いずれも架空の町の名前であるということ、

なぜかブリッグス少佐の首なし死体が発見されたこと、

この2点以外は、今のところ共通項が見つからない。

 

そして、悪クーパーつながりの人たち。

これもサウスダコタ近辺だと思われる。

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 ◆レイ・モンロー

   小屋で悪クーパーに呼び出され共に行動する。

   ビル・ヘイスティングスの秘書から、

   "座標" を聞き出すことが仕事。

   裏でフィリップ・ジェフリーズとつながっている。

 ◆ダーリャ

   レイと一緒に小屋で悪クーパーに呼び出された。

   悪クーパーにレイの不審な動きを問い詰められ、

   モーテルで射殺される。

 ◆ジャック

   レイに呼び出され途中から合流。

   メルセデス・ベンツの車に何か仕掛けを施した後、

   アゴもみもみで殺される。

   実際に殺されたのかどうかは不明。

 ◆シャンタル・ハッチェンズ

   モーテルの7号室に潜んでいた悪クーパーの娼婦。

   ハッチという夫がいる。

第1章で悪クーパーが訪れた森の奥の家の存在が、

未だに謎のまま放置され続けている。

たぶんこの辺りは悪クーパーのさらなる目的が判明しないと、

登場した意味が理解できないのかもしれない。

 

最後にニューヨーク。

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 ◆サム・コルヴィ

   ガラスの箱を監視するアルバイトをしている。

   上記の箱に現れたエクスペリメントに殺される。

 ◆トレイシー

   サムのガールフレンド。

   同じようにエクスペリメントに殺される。

以上が大まかな登場人物たち。

ここに登場した人物だけで59名もいます!

なんか、スゴイ規模ですな。

 

舞台もツイン・ピークスに留まらず、

バックホーン、ニューヨークと拡大。

これが最終回に向かって収束するのか?

いや、そこはリンチのこと、

あまり期待はしない方がいいだろう...。

 

今後、解明されるかどうかわからないが、

前半で提起された謎を羅列していく。

 〇430

 〇リチャードとリンダ

 〇二羽の鳥と一石

 〇エクスペリメントはなぜサム達を襲ったのか?

 〇誰がルース・ダヴェンポートを殺したのか?

 〇ビルの車のトランクから発見された肉片は?

 〇ダンカン・トッドは誰から依頼されているのか?

 〇ローラ・パーマーの顔パッカーンの意味は?

 〇ジャックが仕掛けた車の行方

 〇カードに書かれたマークの意味

 〇フィリップ・ジェフリーズの存在

 〇253

 〇"Naido"がいた部屋の存在

 〇ダギー・ジョーンズの存在

 〇ダギーが嵌めていた "緑の指輪"

 〇119と叫ぶヤク中の母親のその後

 〇ジョージタウンの妻殺し事件

 〇クーパーの覚醒はいつ?

 〇アルバートが語ったコロンビアの男の情報

 〇ブリッグス少佐の遺体から出てきた結婚指輪

 〇リトルフィールド案件の放火の真相

 〇ブリッグス少佐の頭部の行方

 〇ルース・ダヴェンポートの胴体の行方

 〇リチャードとチャドの関係

 〇牛が月を跳び越えた

 〇フィリッブとブエノスアイレスの関係

 〇クーパーが記した報告書の意味

 〇レッドの目的

 〇トレイラーパークのカールの不思議な力

 〇スパイクの存在

 〇リチャードのひき逃げ事件の行方

 〇フランク保安官の息子の自殺

 〇オードリーが運ばれたICUから出てきた悪クーパー

 〇年齢が合わないブリッグス少佐の遺体

 〇プライベートジェット機の窓

 〇クーパーの指紋

 〇スピリチュアルな山

 〇スピリチュアルな指

 〇リオデジャネイロの大豪邸

 〇ダイアンとクーパーの最期の夜

 〇ピックアップトラックの持ち主の行方

 〇ストロベリーとジョー・マクラスキー

 〇スパイクの "焦げたオイルの臭い"

 〇拳銃に固着していたスパイクの肉片

 〇グレート・ノーザン・ホテルの異音

 〇ビリーを探す男

 〇パラレルしたダブルRダイナーの客たち

 〇全身真っ黒な男たちの存在

 〇レイとフィリップの関係

 〇コンビニエンス・ストアの存在

 〇エクスペリメントの存在

 〇ボブ玉の存在

 〇宮殿の存在

 〇巨人と婦人の存在

 〇ローラ玉の存在

 〇"森の男" の存在

 〇トビガエルを飲み込んだ少女のその後

...

...

...

ヤバイですな、残り10話でこんなにある謎が解明されるのか?

たぶん、普通に放置されて終わりでしょ。

でも、せめて大きめの謎ぐらいは明らかにして欲しいですよね。

来週から再び始まるシリーズが待ちきれないっ!

ツイン・ピークス The Return 考察 第8章 ボブ誕生?トリニティ?こんなものわかるかっ!

スゴすぎた。

わけがわからなさすぎ!

だけど猛烈に魅力的。

そして、とてつもなくリンチ的!

こんなの、わかったフリしようものなら、

リンチ・フリークから袋叩きに遭いますな。

青二才がイキってんじゃねぇぞ、と。

よっしゃ、物は試しじゃないの。

無謀な解読に挑んでみましょう、姐さん。

しっかし、この21世紀に、よくもまあ、

こんな前衛的なものをテレビで放送したもんだ。

SHOWTIME、スゴすぎ。偉い!

ていうか、第8章だけでも映画館で観たいぜよ!

劇場で鑑賞してこそ真価が発揮されるぜよ!

もう、こんなのツイン・ピークスじゃないぜよ!

テレビドラマの範疇、とっくに超えてるぜよ!

 

◆ベージュのレンタカーの車内

 運転しているレイ・モンロー。助手席に悪クーパー。

  〇マーフィーが用意した車には3つの追跡装置

  〇「C」「FIRE」「D・X」

  〇前を走るトラックのナンバー「DEGWW 8」に転送

  〇レイは普通に銃刀法違反で捕まったらしい

  〇二人の行先は "農場" (ファーム)

  〇そこは安全だという

  〇レイは何かの組織、もしくは集団から "座標" を盗んだ

  〇悪クーパーが欲しい "座標" はレイが全て記憶している

  〇それは全て "数字"

  〇その "座標" はとても価値がある

  〇その "座標" は大金になるらしい

 第2章のダーリャ殺害時にも思いましたが、

 どうもレイとダーリャは、

 悪クーパーを普通にクーパーと呼んでいます。

 第1章で出てきた小屋の主人オーティスは、

 悪クーパーのことを "ミスターC" と呼んでいました。

 どうでもいい疑問かもしれませんが、

 彼らはクーパーが、

 もともとFBIだったということを知っているのでしょうか?

 

◆どこかの野原

 小便がしたいと車を止めるレイ。外に出ていく。

 グローブボックスから拳銃を取り出す悪クーパー。

 さて、前回、脱獄の条件提示で、

 マーフィー所長に「友達を入れておけ」と言ってましたが、

 それはどうやら拳銃だったようです。

 

 拳銃でレイを脅す悪クーパー。

 「報酬の50万ドルは諦めろ」

 しかし、レイも隠し持っていた拳銃を構える。

 引鉄を引く悪クーパー、しかし、拳銃は空砲。

 「引っかかったな」と悪クーパーを撃つレイ。

 2発の銃弾を腹に受けて悪クーパーが倒れる。

 ん?

 これって、レイとマーフィー所長はグルですか?

 "友達" って空砲のこと?

 

 ちょいと仮説を立ててみます。

 悪クーパーをおびき寄せるため、

 レイはわざとヤンクトン刑務所に捕まった、フリをした。

 第2章で盗聴されたレイとダーリャの会話の中で、

 「銃を持って州境を越えたらパクられた」と言ってましたが、

 サウスダコタ州はアメリカの中でも銃規制が甘い州らしいので、

 とてもレイが話していたことが本当だとは思えない。

 さらにプリペイド携帯だから大丈夫とも話していましたが、

 どうやらプリペイドの方が盗聴しやすいそうです。

 だとすると、レイは悪クーパーに聞かれるのを前提に、

 ダーリャと会話をしていたような節があります。

 それを真に受けていたダーリャが、なんかかわいそうですが...。

 

 となると、レイとマーフィー所長が、

 どうも裏でつながっていそうな気がしてきます。

 悪クーパーは拳銃を車に入れとけと言いましたが、

 レイは普通に懐に隠し持っていた。

 普通に捕まって、普通に脱獄するのに、

 この流れってやっぱおかしいよね。

 てことは、

 "座標" について、マーフィー所長も一枚噛んでいるのか?

 んん...。

 なんか違和感を感じるんだよなぁ。

 みんな役者すぎるような気がする。 

 

 本編に戻ります。

 悪クーパーにとどめを刺そうとレイが拳銃を構えると、

 野原の向こうから6人の全身真っ黒い男たちが現れる。

 彼らは実体を持たず、稲光の中で存在する。

 6人のうち3人はレイの周りを威嚇するように踊り、

 残り3人は悪クーパーの手当て(?)を始める。

 腹の傷を広げ、その血を顔に塗りたくる。

 傷はどんどん広がる。

 そして、広がった傷から黒い物体が姿を現わす。

 臓器のようなその物体の中にボブの姿がある。

 それを見たレイは、あまりの恐ろしさに逃げ出す。

 稲光と煙幕と共に黒い男たちも姿を消す。

 

 はい。

 集団でやってきましたよ、真っ黒なおっちゃん達が。

 第2章、ビル・ヘイスティングスの牢屋に現れ、

 顔だけ宙に消えていった全身真っ黒なおっちゃん。

 第7章、シンディ大尉が電話をしている廊下を

 ただただ通り過ぎていった真っ黒なおっちゃん。

 意味深に単独行動を起こしているのかと思いきや、

 ワサワサ出てきましたよ。ワサワサ。

 そして、悪クーパーを助けてるのか、

 それとも子供のように砂場で戯れているのか、

 とにかく「わーい、わーい」とワサワサしてます。

 それは、ボブがおびき寄せたのか?

 それとも未知なる力が働いているのか?

 そもそも、このおっちゃん達はなんのメタファーなん?

 ただ現れるだけで、あまり悪意を感じないんだけど。

 

◆ベージュのレンタカーの車内

 フィリップ・ジェフリーズに留守電を入れるレイ。

 「ヤツは死んだと思う」

 「でもヤツの仲間が現れたんで確信は持てない」

 「クーパの中に 何かいた」

 「それが今回の件の鍵になるかも」

 「行き先は言ってある」

 「追いかけてきたら そこで捕らえる」

 これもさっぱりわからない。

 フィリップはいったい何を企んでいるんだろう。

 ていうか、どのタイミングで、

 フィリップは悪クーパー抹殺の依頼をレイにしたんだろう。

 しかも、50万ドルをちらつかせて。

 さらに "今回の件" の鍵って、なに?

 "座標" のことか?

 それとも我々が知らない何かか?

 ヤバイ、めっちゃ気になるやん!

 

◆BANG BANG BAR

 バンドの演奏 "SHE'S GONE AWAY" by Nine Inch Nails

 トレント・レズナーデイヴィッド・リンチの間柄は、

 リンチ・ファンには今さら説明するまでもないと思いますが、

 知らない人は、まあ、ググってみてください。

 「ロスト・ハイウェイ」と「Came Back Haunted」

 ちなみにナインインチのMV「Came Back Haunted」には、

 進化した"腕" のようなものが出てきます。

 イレイザーヘッドの赤ん坊みたいなもの、とも言えますけど。

 しかし、

 普段、海外のテレビに出演したというか、

 メディアに露出したという話をあまり聞かないナインインチを、

 こんなメインストリームの注目度100%の作品に出演させたというのは、

 なんか余計にリンチ最後の集大成感がバリバリあるような気がします。

 なんだろう、

 本当にこのThe Returnでリンチの映像作品が見納めなのかもしれない。

 リンチ先生の最後の作品なら、俺も一肌脱ぎますよっ!とばかりに、

 トレントが出演を快諾したような感じがスゴイするのよね。

 だとしたら、マジで毎週毎週が永久保存版ですな!

 ちなみに、この "SHE'S GONE AWAY" は、

 ツイン・ピークス用に書き下ろした新曲らしいです。

 作品とリンクしている歌詞も要チェックですよ。

 て、絶対秘密主義で貫かれた制作現場、

 トレントは脚本を読まずに曲を書いたみたいですけど...。

 

◆どこかの野原

 彼女はどこかに消えた、彼女はどこかに去って行った

 そんな歌が終わると同時に悪クーパーが復活する。

 もう不死身やん...。

 

ニューメキシコ州ホワイトサンズ

 1945年7月16日 午前5時29分45秒

 初の核実験「トリニティ実験」が行われる。

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 TNT換算で約19キロトン。

 それは1トン爆弾2万個分のエネルギーに匹敵し、

 マグニチュード6(熊本地震)と同等のエネルギーがあり、

 約6000発の雷と同等の電磁力エネルギーを発する。

 それらが一瞬にして爆発。

 瞬く間にキノコ雲が大きくなる。

 そのコアに向かってカメラはどんどん近づいていく。

 大量の放射能によって細胞がことごとく破壊され、

 猛烈な衝撃波が塵となった細胞を宙に舞わす。

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 太陽の表面温度の約170倍もある炎が全てを焼きつくし、

 さらにコアまで潜り込んでいくと、

 あちらこちらで核分裂が起こり、中性子が飛び回り、

 超臨界から放出されたエネルギーが爆発を何度も起こしている。

 さらにカメラはグラウンド・ゼロに向かっていく。

 

◆コンビニエンス・ストア

 グラウンド・ゼロの先にコンビニエンス・ストアがある。

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 見えない何かがコンビニを出入りし、

 不穏な煙幕が店内から溢れ出す。

 店内の電気が何度もショートする。

 熱量の増加に伴い勢いを増していく煙幕だが、

 ふと霧が晴れるように消える。

 そして、全身真っ黒な男達が6~7人、

 コンビニの中を行ったり来たりしていくと電気量が増えていく。

 その電気量が沸点まで高まると時空がゆがみ始める。

 さらに電気量は増し、次元そのものが崩壊し始める。

 

◆次元の狭間

 邪悪なるもの "エクスペリメント"。

 口から煙のようなゼリー層を吐き出す。

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 そのゼリー層の中には卵のようなものが多数あり、

 そこに一際大きな臓器のような塊が紛れている。

 その臓器の塊にはボブの姿がある。

 ボブの塊と卵がゼリー層から抜けてどこかに放出される。

 

グラウンド・ゼロ

 ウラニウム原子が核分裂を起こし続け、

 素粒子素粒子の衝突が超臨界を作りだし、

 そのエネルギーが生み出した炎が全てを焼き尽くす。

 その中心から液体状の塊が浮かび上がってくる。

 それは質量とエネルギーが極限まで凝縮された塊。

 カメラはその塊の中に潜り込んでいく。

 エネルギーの内部はあらゆる次元を包括しており、

 その中心に迫るカメラは次元の彼方まで飛ばされていく。

 その果てには "集合的無意識" の海が広がっていた。

 

 てな具合で、なんかスゴすぎて頭がクラクラします。

 まるでNHKスペシャルでも見ているような気分です。

 いったい誰が、ツイン・ピークスの続編で、

 核爆弾が描かれることを想像できたでしょうか?

 ゴードンの部屋に飾られていた「きのこ雲」の写真も、

 暗にこれを示唆していたみたいです。

 もう、リンチの発想なのか、

 はたまたマーク・フロストの発想なのか、

 その辺はよくわかりませんが、

 まあ、とにかくスゴイ流れです。

 

 さらにムードを盛り上げていたのが使用されていた楽曲。

 クシシュトフ・ペンデレツキの「広島の犠牲者に捧げる哀歌」

 その前衛的な音楽がリンチ映像と相まって、

 さらに破壊と恐怖を観るものに突き付けてきます。

 

 ただ、僕も調べてみてわかったのですが、

 ペンデレツキという人は、どうも原爆の悲惨さをイメージして

 この楽曲を作ったわけではないようです。

 もともとは無題で、広島の "ひ" の字もなかった。

 それがどうしてこのタイトルになったかというと、

 松下眞一という人がペンデレツキに、

 「広島の原爆っぽいから、このタイトルにしなよ」と助言し、

 ペンデレツキも「ああ、いいね」と、

 あっさりその提案を受けたようなんですね、Wikipediaによると。

 被爆国に住む僕ら日本人は、

 原爆=広島・長崎、それをリンチがテーマにした、

 と、妙な親近感を沸かせてしまいがちですが、

 この映像、

 リンチも決して原爆の脅威を狙って映像化したわけではなく、

 時空や次元が歪むほどの衝撃=核爆弾、

 そこに原爆と実はなんの関係もない音楽を当てはめた。

 そこにこそリンチの意図があるような気がします。

 

 さらにグラウンド・ゼロの先にコンビニがあるっていうのも、

 なんか、もんのすごくシュールですよね。

 爆心地の先にコンビニだよ?

 しかも真っ黒なおっちゃん達が、またワサワサしてるし。

 焼け焦げちゃったから真っ黒なのかな?

 ブリキのロボットみたいに、あっちこっち動き回ってるし、

 窓の向こうにはクリーム・コーンの缶詰めが積みあがってるし、

 もう、ヤバいよ、現実に帰りたいよ!

 

 映画「FIRE WALK WITH ME」で、

 ロッジの住人たちのミーティングが開かれていたのは、

 コンビニエンスストアの上だった。

 フィリップ・ジェフリーズはそう叫んでいました。

 そして、続けてこうも言っています。

 「オレたちは夢の中で生きてる!」

 そのコンビニがこの場所だとすると、

 これは "夢の世界" = "無意識を顕在化させた世界"

 そんな風に解釈することもできそうです。  

 

 さらに"エクスペリメント"ですよ。

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 第1章のガラスの箱に出てきたのは紛れもなくコイツです。

 しかも、よく見ると、なによ、

 ピッコロ大魔王みたいに、

 頭に触覚というか角みたいなものがあるじゃない。

 これは第2章で悪クーパーが出したカードのマークそのものじゃん。

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 さらにピッコロみたいに口からタマゴを吐き出すって、

 もう、どこまでドラゴン・ボールやねん!

 挙句の果てには "ボブ" まで産まれてるし、マジか!

 25年前、ただの大道具さんが撮影中に、

 ヤバイヤバイ映っちゃう!って、

 慌ててベッドの陰に隠れただけの存在が、

 今では悪の権化から生み出された、

 悪の象徴になっちゃってるよ。スゲエなぁ。

 

 まあ、冷やかしはこの辺までにして、

 このシークエンスを大マジメに考えてみると、

 多くの人が感じているように、

  ★人類初の核実験

     ↓

  ★その衝撃により何かの扉が開いた

     ↓

  ★悪の世界から "ボブ" が生まれる

     ↓

  ★44年後、ローラを殺す

     ↓

  ★さらに28年後、悪クーパーと悪さする

 と、まあ、こんな流れに見えます。

 

 なんか、おかしくないですか?

 

 「人類最大の悪=核爆弾の開発」

 破壊力という点では、この定義が成り立つように見えますが、

 それにしても "ボブ" の存在が、あまりにも突飛です。

 そもそも、ここにいる "ボブ" は僕たちが知っている彼ではない。

 "腕" が進化を遂げたように、"ボブ" も進化したのだろうか?

 仮にそうだとしても1989年の44年前に、

 "ボブ" があの姿だったというのは、どういうことなのだろう。

 謎がさらなる謎を引寄せ、もう謎の雪だるま状態です。

 

◆"集合的無意識"の海

 限りなく広がる"集合的無意識"の海。

 アカシックレコードの大海原。

 その先に "顕在意識" の島が見えてくる。

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 "顕在意識" の島の突端には "内なる宮殿" がある。

 これが "誰" の顕在意識なのかは、わからない。

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◆内なる宮殿

 壁にくり貫かれている窓から建物内に入る。

 まだら模様の絨毯が敷かれた部屋には、

 梵鐘のような発電機らしきものと、

 スタンドライトにパーティーション、

 壁やソファには葉のデザインが施されている。

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 ソファではスパンコールのドレスを纏った婦人が、

 蓄音機から流れる音楽に身を委ねている。

  ドレス婦人:セニョリータ・ディードー

 唐突に警報が鳴り響く。

 梵鐘の裏から姿を現わす巨人(???????)。

 ディードー嬢と顔を見合わせる。

 先ほどのくり貫かれた窓の先を訝しげに眺めている。

 梵鐘のスイッチを切ると警報が鳴りやむ。

 再び、梵鐘の裏へと姿を消す巨人(???????)。

 

 さて何からいきましょうか...。

 

  〇まだら模様の絨毯

   この部屋の絨毯は、

   第1章のオープニング、

   巨人とクーパーが話していた部屋の絨毯と一緒

 

  〇蓄音機

   この部屋の蓄音機は、

   第1章のオープニングで、

   奇妙な音を奏でていた蓄音機と一緒

 

  〇ソファ

   この部屋のソファは、

   第1章のオープニングのソファと同じ、

   葉の模様をあしらっている

 

  〇スタンドライト

   この部屋のライトは、

   第1章のクーパーの左横にあったライトと同じ

 

  〇梵鐘のような発電機 もしくは警報機

   姿形は、第3章に出てきたブリキの箱の上、

   Naidoがレバーを下ろした発電機と一緒。

   しかし、第3章の梵鐘には、

   てっぺんにヒューズというかプラグというか、

   放電クランプのようなものはついていない

 

 そんな感じで、ほぼこの部屋、もしくはこの建物は、

 第1章のオープニングと同じ場所だと言える。

 第3章のNaidoがいた部屋とも、床の絨毯の柄は一緒で、

 さらに蓄音機から流れていた曲 "SLOW 30'S ROOM" が、

 Naidoの部屋にも微かに聞こえていた。

 すぐにドアのノックにかき消されてしまうけど...。

 どこまでの関連性があるのか現時点ではわからないけど、

 クーパーが「ここはどこだ?」と聞いていたので、

 Naidoがいた部屋は、

 第1章の部屋とはパラレルになっていそうな感じがする。

 

 さらに今回登場したセニョリータ。

 名前をカタカナにするのが難しいけど、

 ダイド、ディド、ディードーと表記できる。

 真っ先に思いつくのはダイド、

 10年ほど前にエミネム絡みで、

 ちょい人気だったイギリスの女性歌手の名前。

 "騒ぐ" や "ふざける" という意味がある。

 でも、そこはリンチ。

 もしくは都市伝説大好きマーク・フロストのこと、

 そんな単純なものではないと思う。

 だとすると、ディードーじゃないだろうか。

 古代都市国家 "カルタゴ" を建国した女王の名前である。

 カルタゴは、現在のチュニジアの首都近辺に、

 紀元前9世紀頃に栄えた都市であり、

 オペラ「トロイアの人々」や、

 ローマ最大の敵ハンニバルの軍勢で有名な都市国家

 そして、ローマによって跡形もなく滅ぼされた都市でもある。

 実は "民族滅亡" というテーマは、

 この「The Return」の裏テーマとして、

 かなり重要なポイントではないかと思っています。

  〇インディアンとアメリカの関係

  〇カルタゴとローマの関係

  〇グローバリズムイスラエル

  〇冷戦とキューバ

 善悪の二項対立という構造、

 そして"恐怖"というテーマ。

 ヤバイ、また話を広げすぎてしまっているので、

 もうこれ以上はやめよう。

 

◆時をつかさどる劇場

 大海原のような まだら模様の絨毯が敷き詰められている。

 ステージ上にはスクリーンと梵鐘型の発電機。

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 劇場のステージに上がる巨人(???????)。

 左手を掲げるとスクリーンに映像が映し出される。

  〇トリニティ実験

  〇コンビニエンスストアと黒い男達

  〇エクスペリメントとゼリー層

  〇ボブの塊

 映像はボブの塊で一時停止する。

 ステージ奥に移動する巨人(???????)、宙に浮かぶ

 そこへディードー嬢がライトに照らされて登場。

 巨人(???????)は、金色の煙幕を吹き出し始める。

 スクリーンのボブが消え、宇宙が映し出される。

 ステージに上がり、その様子を見守るディードー嬢。

 巨人(???????)から噴き出る金色の光の粒が、

 徐々に子宮のような形を描いていく。

 そこから金色に輝く玉が生み出される。

 それを受け取るディードー嬢。

 金色に輝く玉に浮かび上がるローラ・パーマー。

 ディードー嬢、愛おしそうにキスをすると宙に手放す。

 上部に設けられた振り子時計のモニュメント。

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 金色に輝く玉が、ホルン状の筒に吸い込まれていく。

 スクリーンに映し出される地球。

 筒の先から放出された金色に輝く玉が、

 スクリーンの向こう側へ突き抜け、地球へと落ちていく。

 それを見守るディードー嬢。

 

 さてさて、いっちばん、わけわかんないシーンです。

 とりあえず、この劇場、

 マルホランドドライブの "クラブ・シレンシオ" と同じ場所です。

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 「楽団はいません。これは全て録音です!」ではないけど、

 横から奇妙な男が出てきてもおかしくない状態です。

 さらにローラ・パーマー!

 もう、なんやねん!

 赤ん坊の姿でもなければ、熟女の姿でもない、

 みんなが知ってるローラの笑顔が浮かび上がるって、

 もう、ここまで来るとウルトラマンじゃない?

 さっきの警報も怪獣出現の警報みたいだし、

 スクリーンに映し出されるのも怪獣の様子確認みたいだし、

 ローラ玉を地球に送るのも、

 まるでM78星雲からの贈り物みたいだよ。

 普通に見てると、ボブ VS ローラ みたいに見えるけど、

 あまりにも階級が違いすぎるシングルマッチだよね。

 その結果はみんなが知ってるし。

 

 巨人が吹き出した金色の煙幕は "子宮" の形をしていました。

 となると、このシークエンスは排卵を表現している?

 だとすると、同じ排卵をしたエクスペリメントは男性側?

 これってイレイザーヘッドのオープニング?

 ボブ玉とローラ玉が交わるということは、結局、なに?

 最高に訳が分からなさすぎます!

 

 しかし、こう捉えると、どうでしょう。 

  〇ボブ玉=脅威、悪意、暴力=男性的

  〇ローラ玉=警鐘、愛、献身=女性的

 なんか、いいとこまで来たような感じがします。

 旧作でもローラの立ち位置は上記類のようなものでした。

 映画「FIRE WALK WITH ME」では、

 献身的というよりは、逆にボブに抗う姿が描かれていましたが、

 それはローラ視点で物語が語られていたからだと思われます。

 

 今回の第8章のここまでのストーリーも、

  〇悪クーパーが撃たれたよ!

  〇そのお腹からエイリアンみたいにボブ玉が出てきた!

  〇みんな、ボブ玉 知らないでしょ? 説明するよ

  〇実はトリニティ実験ってのがあってさ

  〇電気仕掛けのコンビニがオープンしてね

  〇ピッコロ大魔王 エクスペリメントが産んだんだよ

 こうやって書いてみると、

 ここまでのストーリーって、素直に一直線のような気がしてきた。

 となると、このボブ玉と旧作のキラー・ボブは別物、

 完全にパラレルということになりそうです。

 

 そして、ローラ玉は、

 みんな気をつけて、ボブ玉が生まれたよ!

 と、警告をするために地球に送り込まれた。

 ボブと戦うためではなく、

 ボブの存在を知らせるための言わば "Jアラート" みたいな役割。

 ボブ玉、飛んできたよ!避難、避難!みたいな。

 そして、事実、旧作では、

 ローラの日記などでボブの存在が浮き彫りにされた。

 でも、その姿をみんなに教えたのはローラではなく、

 ローラの母、サラ・パーマーだったけどね...。

 

ニューメキシコ砂漠

 時は巡り、1956年8月5日。

 砂漠に落ちている卵が孵化する。

 中から生まれてきたのはトビガエル。

 何かに向かって這っていきます。

 

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 エクスペリメントが吐き出した卵が孵化しました。

 11年後に...。

 なんで孵化するのに、そんなに時間がかかるの?

 さらにカエルの背中に羽根が生えていて、

 前足は虫のように節が何か所もあります。

 キモイ。

 

 ネットで、ちょっと面白いのを拾ったので貼ります。

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 「The Flying Frogs」

 どうやら女性をターゲットに纏わりつく生き物。

 インディアンと何か関係があるようです。

 水・陸・空、どこにでも行ける超ハイブリッドな存在。

 どうせマーク・フロストが考えた架空のものだろ?と、

 高を括っていたんですが、どうも違うみたい...。

 

 ちなみにトーテムポールに描かれる「カエル」の象徴は、

 伝達者・仲介人・春・新しい人生、だそうです。

 

◆倉庫があるガソリンスタンド

 一組のカップルが、何かのイベントから帰ってくる。

 少女が道に落ちている1セントを拾う。

 表が上、幸運が来る徴。

 少年は少女の幸運を願う。

 

◆どこかの平原

 空から降りてくる男の影。

 仲間も姿を現わす。

 

 そして、日が暮れる。

 道を走ってくる一台の車。

 前方に停車している車の周りに人だかりの影。

 男が一人道に現れ、走ってきた車を制止する。

 車に乗っている老夫婦は訝しむ。

 全身真っ黒な "森の男" がタバコを差し向け、

 「火、あるか?」と繰り返す。

 いつの間にか車の周りに他の男達が群がっている。

 恐怖に怯え、そこから逃げ出す老夫婦。

 

 さてさて、なんですか?

 "森の男" ?

 しかも、空から降りてきました。

 シュワッ!って感じで...。

 エンドクレジットには "Woodsman" とあったので、

 森の住人、きこり、という意味があるみたいです。

 唐突に「火、あるか?」って、ないわ!

 

◆少女の家への帰り道

 少女を家まで送っていく少年。

  〇少年は町の方に住んでいる

  〇家は学校のそば

  〇少年はメアリーを送っていくと思っていた

  〇少年とメアリーの関係は終わったらしい

  〇少女にキスを求める少年

  〇はにかみながらキスを受け入れる

  〇また、と家に帰る少女

  〇その表情は幸せそう

 

◆KPJKラジオ

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 ラジオ局から流れるThe Plattersの"MY PRAYER"。

 時は22:16。

 その放送を聴きながら整備士が仕事をしている。

 ダイナーのメイドがテーブルを拭いている。

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 先ほどの少女がベッドで物思いにふけっている。

 "森の男" が単身でラジオ局にやってくる。

 受付女性に「火、あるか?」と聞きながら、

 左手で彼女の頭を握りつぶす。

 ブースに乗り込んでいく "森の男"。

 DJの頭を鷲掴みにし、放送マイクを奪う。

 「これが水だ。そして、これが井戸。

 すべて飲み干し降りてゆけ。この馬は白目で、中は闇」

 その文言を繰り返し繰り返し語る。

 それを聞いたメイドや整備士が倒れる。

 

 なんでしょう。

 急に村上春樹の小説を読んでいるような気分になってきました。

 まあ、"井戸" ってワードだけですけどね。

 でも、さりげなくリンチと村上氏は似ていると思ってます。

 どちらも "あちらの世界" を描こうとしているし、

 どちらも そこそこインテリだし、

 そこそこ訳のわかんないキャラも出てくるし。

 まあ、それについては、また後々に語るとします。

 

 "森の男" のセリフをそのまま解釈するなら、

   "欲望" という名の水を好きなだけ飲め、

   だが井戸は枯れることがない。

   井戸の底で欲望に溺れてしまえ。

   "自由" という名の馬は息絶えた。

   お前は欲望の闇から逃げられない。

 こんな感じのニュアンスになる。

 普通すぎるけど。

 

 しかし、"森の男" は誰に向かってこれを語ったのだろう?

 んでもって、なぜ頭を潰さなければいけなかったのか?

 

◆少女の部屋

 "森の男" の放送を聴き、訝しむ少女。

 眠気に襲われベッドに横になる。

 道の向こうからトビガエルが這ってくる。

 部屋の窓から少女のもとへ忍び込む。

 そして、眠る少女の口から体内に這い込んでいく。

 

 ヤバい。

 エクスペリメントから産まれたトビガエルが、

 無垢な少女の中に入ってしまいました。

 しかも、トビガエル、

 はなっからこの少女を狙っていたようです。

 そのための11年だったのか?

 少女が大きくなるのをただただ砂漠で待っていたのか?

 なんだろう。

 エクスペリメント、お前、何を仕掛けようとしてるん?

 

◆KPJKラジオ

 繰り返し文言を言い続ける "森の男"。

 DJの頭を握り潰し、放送を終える。

 ラジオ局を後にし、闇へと消えていく。

 

 最後にきましたリンチ・ブラック!

 もう、おなかいっぱい!

 

というわけで、伝説の第8章。

The Returnの重要な折り返し地点になること間違いなしです。

特に劇場の存在がヤバイです。

マルホランド・ドライブインランド・エンパイア

いずれも劇場が "世界" の切替わり点でした。

 

しかも、The Return 、

旧作の続編でも、映画の続編でもないことが、

ボブ玉とローラ玉ではっきりしました。

これは、たぶんクーパーの神曲編ではないかと。

クーパーのカンタベリー物語みたいな。

巡礼の旅はまだまだ続く!

ツイン・ピークス The Return 考察 第7章 PART.2 やさぐれダイアン!チョップするジェイニーE!掃きそうじはしっかりやれよっ!

本国で迎えた最終回が物議をかもしております。

多くの人がブチ切れてF※※※連発の大騒然。

ああ、どこまで意味不明なことが起きてるんだろ。

楽しみすぎる!

 

前回、必要以上にローラの日記を掘り下げてしまい、

あまりのボリュームになってしまったのですが、

いやいや、第7章の後半も重要なことだらけ!

どこまでのボリュームになるか全くわかりません。

最後にF※※※と地団太しないためにも、

1話1話、玉ねぎの皮をペリペリ剥がすように

涙を流しながら丹念に掘り下げていこうと思います。

 

◆ゴードン・コールの部屋

 口笛を吹いている上機嫌なゴードン。

 どうやら昨日の夜は最高だったみたい。

 そこにアルバートが報告に来る。

 雨に濡れて肺炎になりかけたらしい。最悪だ。

 ダイアンを説得させるためゴードンが駆り出される。

 

 第3章では、

 ゴードンの部屋に「きのこ雲」と「カフカ」が飾られていましたが、

 今回、新たに「トウモロコシ」が加わりました。

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 ピーカーなら、ああ、ガルモンボジーアでしょと、

 「コーン=痛みや悲しみ」に直結するのではと思いますが、

 ちょいと待ってください。

 それはクリーム・コーンのお話し。

 ここにあるのはトウモロコシそのものです。

 

 実は「トウモロコシ」の起源というのは未だ判明しておらず、

 巷では宇宙からやってきた謎の植物と言われています。

 そんな植物が現在、世界の三本指に入るほど大量に生産され、

 今ではバイオマスエタノールとして、

 次世代クリーン・エネルギーの最有力候補として挙がっています。

 それとツイン・ピークスがどう絡むのかはさっぱりですが、

 この「トウモロコシ」も、なにげにメタファーになってそうです。

 

 ちなみにゴードン・コールが物思いに吹いていた口笛。

 これはイタリア映画「フェリーニのアマルコルド」のテーマ曲。

 だ、そうです。

 僕もなんの曲だろうと気にはなっていたけど、

 ネットってスゴイよなぁ、

 海の向こうで誰かが教えてくれるんだもん。

 これはリンチ教授のオマージュって感じがします。

 こう見えてツイン・ピークスは喜劇なんだゼっ、みたいな?

 

◆ダイアンの家

 ずいぶんとオシャレな所に住んでおります。

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 男を連れ込んで、それなりに今を満喫しているダイアン。

 まあ、やさぐれております。

 サウスダコタに行こうと誘うゴードンとアルバート

 悪クーパーが本当にクーパーなのか微妙だから、

 今まで一番近い存在だったダイアンに、

 彼かどうか判断してもらおうという魂胆のようです。

 なかなか間の抜けたFBIでございますが、

 それがツイン・ピークスです。

 そして、それはダイアンが知ってることにも関係するらしい。

 ダイアンはいろんなことを知っていそうですが...。

 

◆プライベートジェト機

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 上の3枚の写真を見て何か気づかれただろうか。

 一番上の写真が通常の窓が6つ並んでいる状態。

 2枚目は右側2つの窓が意図的に塗りつぶされている。

 3枚目に至っては右側1つと真ん中2つが塗りつぶされている。

 実際はこれだけでなく、いろんな窓が塗りつぶされている。

 映像ではほんの一瞬のシーンなので、

 パッと見た感じでは窓に光が反射しているように見える。

 しかし、光の反射だとしても、3枚目は明らかに意図を感じる。

 海外のサイトでは、第7章の最大の謎と騒がれていましたが、

 これが仕込まれた暗号なのか、

 なにかの信号なのかは、あたしにはさっぱりわかりません!

 巷では「ブラック or ホワイト」って解読できるらしいんだけど、

 黒か白かって聞かれたら「白」でしょ。

 ジェット機も山も白いんだから。

 

 機内でタミーが指紋の件を報告する。

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  〇25年前と2日前のクーパーの指紋

  〇一見、2つは同じに見える

  〇だが指紋のコードマークの位置が左右逆になっている

  〇誰かが同じように見せようとして裏表逆にした、とアルバート

  〇「とても」もひっくり返すと「もてと」とゴードン

 どうやらドッペルゲンガーは鏡写しの存在のようです。

 ていうか、FBIになると、

 指紋にコードマークをつけられるみたいです。

 見た感じ、どれがコードマークなのかもよくわからないけど。

 

 さらにタミーに手を出してごらんとゴードン。

 そして、左の小指から順に

 "私は-とても-とても-うれしい-また-君と-再会-できて-懐かしの-友よ"

 と、第4章のヤンクトン刑務所での悪クーパーとの会話を彷彿させ、

 なぜか一つ一つ指をつまみながら語ります。

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 さらに、左手の太陽丘を "スピリチュアルな山"

 左薬指を "スピリチュアルな指" と諭し、よく考えろと言います。

 

 さてさて、手相の時間でございます。

 前回の第6章でも、レッドが「手」について学んだことあるか?

 と聞いておりましたが、手相なんて生命線ぐらいしか知りません。

 "太陽丘" なんて、さらに なんじゃらほい な感じです。

 

 ギリシャ神話に出てくる太陽の神 "アポロン"。

 そのアポロンが由来となっているのが「太陽丘」。

 手の平の薬指の付け根辺りのことを指します。

 どうやら、ここがこんもりしていると人気者で、

 お金がガポガポ入ってくるそうなのですが、

 自分はどうなの?と見てみたら、見事にぺったんこ!

 ヤバイ、ひたすら摘まみまくって、わざとこんもりさせるかっ!

 

 薬指も創造を司り、太陽丘と同様、アポロンが由来のようです。

 なんか、浮かび上がってきましたよ。

 アポロン。太陽の神。美形で予言を司る。医術や芸術にも特化。

 金の弓矢で地上の人間を疫病で大量虐殺。

 ボクシングの祖ともいわれる。

 英語での呼び名は "アポロ"

 「アポロ計画」のアポロだそうです。

 それがスピリチュアル?霊感を司る?

 インスピレーションの源泉?

 結局、なんにもわかんないや!

 

 アルバートが悪クーパーの写真を取り出します。

 25年間で唯一撮影された写真のようですが、

 羽織っているジャケットが白。

 これって、フィリップ・ジェフリーズやん!

 ていうか、25年の間にたった1枚だけって、どんな!

 リオデジャネイロの郊外に、

 プール付きの大豪邸を持っていたそうだけど、

 今現在はイパネマの女性が所有者らしい。

 ボサノヴァですか!

 

◆スー・シティー、ヤンクトン連邦刑務所

 悪クーパーとダイアンが対面する。

 執拗に「最後に会ったのは、いつ?」と問い質すダイアン。

 どうやらダイアンの家で夜を過ごしたのが最後らしい。

 「あの夜の事は絶対に忘れない」

 なんか恨み節です。

 インランド・エンパイアのニッキーみたい。

 ややもすると、玉を潰されそうな勢いです。

 ところが、悪クーパーは、それがどうした?と平然。

 「あなたは誰?」と問い質し、

 「私を見て」と懇願するダイアン。

 なんかダイアンとクーパーの色恋沙汰を想像しますが、

 なんだろう、違和感を感じます。

 25年前のテレビシリーズのアニーとクーパーの関係、

 さらにウィンダム・アールの妻であるキャロラインとの関係、

 結構、クーパーは赤裸々にボイスレコーダーに語りかけてました。

 ダイアンが実在している今、

 彼女はいったいそれをどんな気持ちで聴いていたのでしょう。

 それともクーパーは語るだけ語って、

 そのテープをダイアンには送っていなかったのでしょうか。

 

 刑務所の駐車場でダイアンがゴードンに打ち明ける。

  〇あれはデイル・クーパーじゃない

  〇年を取った、人が変わったなど見た目の話ではない

  〇彼は心を失くしている

  〇あの夜のことが気になるゴードン

  〇ダイアンは今度二人きりの時に話すと約束する

 どうやら我々の知らない何かがまだまだ隠れていそうです。

 

 牢屋に戻る悪クーパー。

 ストロベリーについて話がある、

 マーフィー所長に伝えろ、と看守を脅します。

 ダイアンに会ったことで、

 悪クーパーは何かを決断したようです。

 

 ◆スパークウッドの先の林道

 トラックの持ち主を待ちわびるアンディー。

 4時30分の約束だが、今はもう5時を過ぎている。

 トラックの持ち主は一向に現れる気配がない。

 アンディー、そりゃ来るわけないよ。

 25年経っても人の好さは変わらないようです。

 

◆小屋のような家

 未だにピックアップトラックが停まっている。

 玄関のドアが半開き。

 不穏な空気が漂っている。

 逃げたか、消えたか、始末されたか...。

 

◆ヤンクトン刑務所、所長室

 マーフィー所長と悪クーパー。

 監視カメラは切られているらしい。

 所長さん、よっぽどストロベリーの件が弱みです。

  〇犬の脚

  〇もとは4本あった

  〇1本は悪クーパーの車から出てきた

  〇残りの3本はある情報と共に消えた

  〇その情報はマーフィー所長が知っている

  〇悪クーパーに危害があると二人の人物がやってくる

  〇その二人はマーフィーにとって都合の悪い人物

  〇ストロベリー、犬の脚、ジョー・マクラスキー

  〇それを聞いて観念するマーフィー所長

  〇悪クーパーの条件提示

    1.安いレンタカーを用意しろ

    2.レイ・モンローも一緒に出せ

    3.グローブボックスに友達を入れろ

    4.事は今夜1時

  〇八方塞のマーフィー所長

  〇ストロベリーは既に死んでいる

 

 はい、

 完全に放置されると思っていた第4章の「犬の脚」は、

 どうやら脱獄用のアイテムだったみたいです。

 動物愛護団体からクレームが来そうですな。

 

 さらに第2章で盗聴されたダーリャとレイの会話、

 「銃を持って州境を超えたらパクられた」というのは、

 どうもリアルな話のようです。

 マジか。

 疑われたダーリャが、なんか可哀そう。

 

 同じ第2章で、悪クーパーが司法省のホームページを検索。

 誰かの居所を探っていましたが、それもレイだった模様。

 と、すると、

 第3章で車をひっくり返して、ゲロ吐いたのも、

 わざとヤンクトン刑務所に入るためだったということ?

 いやいや、あれは普通にゲロでしょ。

 クーパー転送の副作用。

 それが逆に功を奏したのか、

 もしくは全てはもっと大きな力に動かされているのか。

 レイはフィリップ・ジェフリーズともつながっていそうだし、

 偶然では片づけられない何かがありそうです。

 

ラッキー7保険

 アンソニーがクーパーに詰め寄っています。

 裏工作がバレてんじゃないかと冷や冷やの様子。

 そこに刑事が3人やってくる。

  左の刑事:D・フスコ

  右の刑事:T・フスコ

  後ろの刑事:"スマイリー" フスコ

 なんだ?

 フスコ3兄弟か?

 よしこちゃんの弟、トン吉、チン平、カン太、みたいな。

 三つ子じゃなさそうだけどさ。

 そこにクーパーを迎えに来たジェイニーEも登場。

 随分と車の前で待っていたんだけど、

 待ちきれなくて職場まで来ちゃいました。

  〇相変わらずバッジがお気に入りのクーパー

  〇刑事は元ダギーの車の件で来た

  〇「盗まれた」と言うと刑事が反応

 どうやら第5章で、

 元ダギーの車を持ち去ろうとしていたのは、

 窃盗団の手先だったみたい。

 どうりでチンピラなわけだ。

 こんな伏線までThe Returnは回収してくれるのね。

 ちなみに"スマイリー" フスコは、去り際に笑うだけ。

 メモを取るわけでもなく、

 質問をするわけでもない、

 ただ話を聞いて笑うだけの刑事。

 お前、確実に必要ないだろ!

 

 刑事から解放されてビルの外に出るクーパー&ジェイニーE。

 そこへスパイクが拳銃を構えて突っ込んでくる!

 クーパー、難なくスパイクを取り押さえる!

 スパイク、弱ぇ!

 んでもっての、クーパー・チョップ!

 ジェイニーEはスパイクの首を絞める!絞める!絞める!

 それが一番苦しそう。

 そこに唐突に "腕" が現れる。

 「手をもぎ取れ!手を引きちぎれ!」

 意味がわからない。

 逆に "腕" に言われたことによって、

 クーパーはスパイクの手を放したようにも見える。

 解き放たれ逃げていくスパイク。

 

 しかし、このクーパーの防衛本能はなんでしょ?

 25年前のテレビシリーズでも、

 オードリー奪還のため、片目のジャックに乗り込んだ時、

 背後からのナイフ攻撃をバシッと片手で止めたクーパー。

 もともと反射神経はよかったみたいですが、

 それも事前に鏡で確認していたのと、

 相手が女性だったということも影響していそう。

 それが故にホテルでふいにジョシーに撃たれた時も、

 ロッジでウィンダム・アールにナイフで刺された時も、

 クーパーはなにも防衛することができなかった。

 

 今回、スパイクはなぜ拳銃で襲ってきたのか。

 前回第6章でロレインを襲った時、

 スパイクはアイスピックでめった刺しにしていた。

 白い封筒が届けられた時も標的をアイスピックで突き刺した。

 そう、スパイクは必殺仕事人で言うと「飾り職人の秀」!

 飛び道具より、相手の急所を一突きすることに優れているのだ。

 それが前回、何かのはずみでアイスピックが曲がってしまった!

 しかも、キレイに90度!コの字型に!

 スパイクの運の悪さもあるが、

 その時から既に、

 見えない何かにクーパーが守られていたとも言える。

 だから、スパイクは慣れない拳銃で暗殺を謀るしかなく、

 レインマン状態のクーパーでも咄嗟に防衛できたのではないだろうか。

 

 白昼での暗殺未遂事件。

 警察やマスコミが殺到しオフィスビル前は騒然となっている。

 ジェイニーEは警察の事情聴取に、

 「わたしも殴ったり蹴ったりしました!」と言ってますが、

 いやいや、あなた首絞めてましたよ、首!

 あの場で一番、殺意を剥き出しにしてたじゃないか!

 殴ったり蹴ったりなんて、そんなカワイイもんじゃないよ!

 

 逃げるスパイクがぶつかっていったという親子。

 女の子が一言、非常に重要なことを言います。

 「変なニオイがした」

 これは確実に "焦げたオイルの臭い" です。

 ということは、スパイクはブラック・ロッジの住人、

 もしくは "ボブ" が憑依した暗殺者である可能性が高い。

 現状、"ボブ" は悪クーパーと一心同体になっているので、

 一時的に "ボブ" がスパイクに乗り移ったとは考えにくい。

 となると、スパイク=ブラック・ロッジの住人 ということになる。

 これは困りました。

 先ほど、"腕" はスパイクの手を引きちぎれと叫んでいた。

 果たして、同じブラック・ロッジの住人同士で、

 そんな共食いをするのだろうか?

 さらにスパイクに依頼を送ったのはラスベガスのMr.トッド。

 そのMr.トッドも、誰かから指令を受けているのだが、

 その相手がブラック・ロッジとつながっている誰かということになる。

 でないと、Mr.トッドがスパイクに依頼を出せない。

 

 では、なぜ元ダギー・ジョーンズは、

 ここまでブラック・ロッジの誰かから命を狙われているのか?

 ジーン&ジェイクに命を狙われ、

 二人を差し向けたロレインはブエノスアイレスに連絡をした。

 そして、そのロレインは、スパイクに殺された。

 悪クーパーは、自らを「ダギー・ジョーンズ」と名乗り、

 元ダギーは「緑の指輪」を左薬指(スピリチュアルな指!)に嵌め、

 消滅する寸前、彼の左腕は完全に痺れて動かなかった。

 見えそうで見えない、この謎。

 ヤバイ、どんどん深みにハマっていきます。

 

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 さらに警察は拳銃に固着した皮膚を採取します。

 これはスパイクの手の平の皮膚、というか肉片。

 まるで「ブルーベルベット」で、

 野原に落ちていた片耳を拾うジェフリーのようです。

 これでブラック・ロッジ絡みの証拠が警察に渡りました。

 その分析結果が気になるところです。

 

◆グレート・ノーザン・ホテル

 ベンジャミン・ホーンとビバリーが謎の音を探っている。

 その音は、何かに共鳴しているような感じ。

 先週から聞こえていたが、今日になって大きくなったらしい。

 二人して音の場所を探ろうとするが、よくはわからない。

 ビバリー、今日届いた315号室の鍵をホーンに渡す。

 懐かしく鍵を見つめるホーン。

 どうやら20年前に全室カードキーに変えたらしい。

 25年前を思い出すホーン。

  〇315号室はクーパー捜査官が撃たれた部屋

  〇彼はFBIだった

  〇ある事件の捜査のためにホテルに泊まっていた

  〇ローラ・パーマーの事件だった

 ローラのことを聞かれると、

 ふいに25年前の黒歴史を思い出したらしいホーン氏、

 長い話なんだと唐突に話を終わらせます。

 ホーンとビバリー

 どうも親密な空気が流れています。

 それを自ら押し殺しているベンジャミン・ホーン。

 謎の音は続き、

 どうやら壁の奥から響いてきているようです。

 

ビバリーの家

 16832番地にあるビバリーの家。

  お手伝いさん:マージ

  ビバリーの夫:トム

 家に帰るビバリー

 夫のトムは車椅子に乗り、酸素吸入の状態。

 ひたすらにテレビを見ています。

 帰りが遅かったビバリーを疑うトム。

 その疑いにヒステリックになるビバリー

 ベンジャミン・ホーンにその気があるのが確定です。

 なければ、そんなにムキにならないでしょう。

 

◆BANG BANG BAR

 店員がひたすら床の掃きそうじをしています。

 スゴイです。

 なんで延々と人が掃除している姿を見てなきゃいけないんだろ。

 しかも、ちょいちょいゴミが残ってるし。

 もっとしっかり掃けよ!

 

 そこに電話がかかってきます。

 電話に出るジャン・ミシェル。

 相手が誰だかわかりませんが、どうやら売春の請負相手。

  〇この間の件は上手く行ったのか

  〇二人と言ったのに一人しか来なかった

  〇名前を教えろ

  〇来た小娘を調べたら15才だった

  〇それも高学歴な学校の生徒だ

  〇お前の店はヤバイんじゃないか

  〇俺は娼婦を頼んだんだ

  〇57年だか、ルノーだか、知ったことじゃない

  〇一人しか来なかったんだから一人分しか払わん

 完全に妄想ですが、電話の向こうはこんな感じなのかな。

 

◆ヤンクトン連邦刑務所

 27番の牢屋から出てくる悪クーパー。

 レイと共に刑務所から解放される。

 それを苦々しく見送るマーフィー所長。

 FBIのゴードンから監視を頼まれていたのに、

 この状況はかなりヤバそうです。

 

◆ダブルRダイナー 

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 上の2枚の写真を見比べて欲しい。

 ①と②の写真の間に、

 男が「なあ?ビリーを見なかったか?」と慌ててやってくる。

 その一瞬でダイナーの客たちが入れ替わっているのだ。

 しかも、①ではテーブル席にいたハイジが、

 ②になると一瞬にしてカウンター内にいる。

 

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 ③と④では手前の男性客三人組以外は、総入れ替えだ。

 これも海外のサイトで第7章の謎!と騒がれたワンシーン。

 特に手前の三人組だけまったく変わらないのが

 なにか意味がありそう、ということらしい。

 続けてエンドクレジットを見ていると、

 手前の三人組にシェリーはメニューを渡しているが、

 特に何を注文するわけでもなく、コーヒーを飲むだけ。

 んん...、ホントか?

 

 仮に編集ミスだとしても、

 ほんの数秒のシーンのために

 わざわざお客さんの配置まで変えるだろうか?

 これは完全に次元のゆがみ、

 もしくはパラレルの切り替わり点としか思えない。

 「マルホランド・ドライブ」の "シレンシオ" みたいな感じ。

 そのきっかけは "ビリー" だろう。

 ビリーはどこに行ったんだ?

 

というわけで、なんとも濃すぎる第7章!

いろんな情報と謎がありすぎて、たまらなく面白い!

次回は放送時、全世界が騒然となった伝説の第8章!

ああ、明日の21:00が待ちきれない!

ツイン・ピークス The Return 考察 第7章 PART.1 失われたローラ・パーマーの日記を徹底解読!次元のゆがみがハンパないっ!

往年のファンなら失禁間違いなし、

テンション上がりまくりだった第7章!

ローラ・パーマー事件が劇中で語られ、

25年前のロッジ脱出後のクーパーが語られ、

ベンジャミン・ホーンはやっぱりスケベだった!

誰もが待ちわびたツイン・ピークスのその後。

語りたいことがいっぱいありまっセ、姐さん。

ありすぎて前半と後半で語りつくしまっセ!

 

◆森の中

 車を盗まれた!と騒ぐジェリー・ホーン。

 見る限り、車なんてとても入ってこれなさそうな森の奥。

 どうやら昨夜、ジャコビーのネット放送を見ながら、

 "AK47" を吸いすぎてしまったようです。

 

ツイン・ピークス保安官事務所

 ホーク副所長がトイレのドアから見つけたのは、

 破かれたローラ・パーマーの日記だった。

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  〇見つかった日記は3ページ

  〇1枚にはアニーからのクーパーについての伝言

  〇もう1枚にはボブの正体に気づいたことが書かれている

  〇日記は4枚なくなっていた

  〇あと1枚はまだ見つかっていない

 フランクは事件について記憶を思い起こす。

 クーパーは、ローラ事件の捜査のために来たのだから、

 殺されたローラがクーパーを知るわけがないのではないか。

 ホークは言う。「"夢で見た" と書いてある」

  〇25年前、ロッジから脱出したクーパーとアニー

  〇ハリーとヘイワード先生がグレートノーザンホテルに運んだ

  〇その後すぐクーパーは町を出てしまった

  〇その日クーパーを見たのはハリーとヘイワード先生だけ

 ロッジから出てきたクーパーは善い奴じゃない、とホーク。

 25年前に突然 姿を消したクーパーに不信を感じるフランク。

 当時のクーパーの足跡を追いかけ始めます。

 

さてさて、

のっけからローラ・パーマーの日記です!

ヤバイ、ローラの日記が出てくるとテンション上がるじゃん!

というわけで、

ここで徹底的にローラの日記の解読に挑戦したいと思います。

 

往年のピーカーにはまったくもって説明不要だと思いますが、

ローラ・パーマーの日記は2種類あります。

 A.事件後、ローラの部屋から見つかった日記

 B.ハロルド・スミスがローラから預かった日記

Aの日記には「貸金庫の鍵」「コカイン」「Jの頭文字」が。

Bには「ボブ」についての記載が多い。

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これは懐かしのAの日記。全てはこの序章から始まった。

ページを見ても、今回発見されたページとは罫線が違う。

 

今回、ホークが見つけた日記の断片はBの方。

実際にBの日記そのものを見つけたのもホークだった。

その時はハロルド・スミスが日記をビリビリに破き、

4ページどころか、

ハロルドの部屋中がローラの日記の破片だらけだった。

ツイン・ピークス 第14章

 

さらに4ページなくなったうちの3ページが見つかり、

残りの1ページは、まだ見つかっていないと言うが、

既に25年前にその1ページは見つかっている。

 

25年前、ローラの親友ドナ・ヘイワードが、

クーパーにトレモンド婦人を紹介しようとした時だった。

宅配サービスで度々訪れていた婦人宅を共に訪れると、

まったく別人のおばちゃんが出てくる。

これがまた"婦人"とは程遠い、

大阪のおばちゃんみたいだから、おったまげてしまう。

相手がドナだと知ると、大阪のおばちゃん、

ハロルドが自殺した日、

ドナ宛ての手紙がポストに入っていたことを教えてくれます。

受け取ったその手紙に入っていたのがローラの日記だった。

 

2月22日

ゆうべ、奇妙な夢を見た。

私は小さな男と老人とともに赤い部屋にいる。

私はボブの正体を老人に告げようとする。

でも声が変でうまく話せない。

私は老人に近づいて彼に秘密を打ち明けた。

ボブを止めないと。

ボブが恐れるのはただ一人の男。

彼の名はマイク。

あの老人がそうなのか?

夢の男の人は聞こえたかしら。

彼なら信じてくれる。

 

2月23日

今夜、私は死ぬ。

そうすればボブから逃れられる。

あいつを引き離せる。

ボブは私を欲しがってる。

死が私の逃げ道。

ツイン・ピークス 第16章

 

そして、実際に2月23日にローラは殺害され、

翌2月24日の午前11時30分に、

クーパーがツイン・ピークスに到着するのだった。

 

今回、発見された日記には下記の記載があった。

 

【A】

昨日の夜 見た夢に、それは出てきた。

私の名前はアニー、

デイルとローラ(私???!!!)と一緒にいるの。

善いデイルはロッジにいて、

そこから出られない。

あなたの日記にそう書いておいて。

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【B】

午前1時30分

私は今まともに息ができないくらい泣いている

あれはボブじゃないってことがはっきりと分かったから

 

両方とも映画「FIRE WALK WITH ME」で描かれたシーンだ。

 

【A】については、

トレモンド婦人からもらった扉の絵の世界に迷い込み、

ローラのドッペルゲンガーが生まれ、

「緑の指輪」がローラに引き渡されるシークエンスのこと。

ベッドにアニーが現れ日記と同じセリフをつぶやく。

 

【B】のボブが父リーランドだと分かったのは、

ローラが殺害される前日の夜のこと。

窓から忍び込んできたボブの正体に迫るローラは、

ボブが父親だったことを目の当たりにする。

このシーンは、ローラを徹底的に打ちのめし、

正体がバレたリーランドはローラ殺害に及んでしまう。

 

このように、

日記の内容が何を伝えようとしているのかはわかる。

だが、ローラがハロルド・スミスに日記を預けたタイミングは、

驚くことに、上の事柄が起きる前の段階なのだ。

 

ローラがハロルドに日記を預けたきっかけは、

ある日、日記が破られていたことに気づいたからだった。

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ボブが破いたと悟ったローラは、

日記を書くことを勧めたハロルドに、その日記を預けることにする。

あなたが書けと言ったから、こんなことになってしまったんだと言わんばかりに。

そして「もうここに来ることはない」と言い残し、ハロルドのもとを去った。

ローラを呼び止めようと玄関ドアまで追いかけるハロルドの手には、

しっかりと「ローラの日記」が握りしめられていた。

 

仮にそのあと、実はちょいちょいハロルドのもとに通い、

ローラが日記をつけ続けていたとしても、

殺害された2月23日のローラは精神状態が非常に不安定で、

とても、あんなポエティックな日記を書ける状態ではなかった。

 

では、なぜ日記が存在するのだろうか。

身も蓋もないことを言えば、脚本の段階で時系列を誤った。

今みたいに事細かに設定を考えない時代で、

気まぐれなリンチ教授のことでもある。

瞑想で思いついたことに、そんな細かい事をグタグタ言うな!と

ゴードンのようにこっぴどく怒鳴られそうですが、

しかし、ここまでズレていると、

設定ミスと言うよりは、たぶん確信犯である。

 

映画「FIRE WALK WITH ME」で、

ハロルドに日記を渡すタイミングが、

23日の夜、ボビーやジェイムスに会う前なら充分に整合性は取れる。

こんなことは、アッパラパーな僕でさえ気がつくんだから、

リンチ教授が気がつかないわけがない。

ということは、こんな可能性があるのではないだろうか。

「ローラの日記自体が既に次元を超越している」

まるでニューヨークのガラスの箱のように、

わたし達が生きている3次元とは別の次元とつながっているのだと。

 

そうだとすれば、

トイレのドアの隙間にも紛れ込むことができるし、

トレモンド婦人のポストに届けることもできる。

 

破かれた日記の内容は2つに分けることができる。

 1.ローラが見た夢の話

 2.ボブについて

 

2のボブについては、

ローラがいかにボブに虐げられ、

そして逃れようとしているかの苦悩が書き記されている。

 

問題は1の方である。

1について書かれていることは、夢の中と言えども、

現実に出合ったことがない人達とのやりとりだ。

しかも、時間の観念がてんでバラバラで、

タイムスリップしているというよりも、

時間の階層が幾重にも折り重なっている印象を受ける。

まるで「インランド・エンパイア」のように。

 

それはThe Returnの第2章で片腕の男マイクが、

テレビシリーズの最終回では小人が言っていた、

「これは未来か。それとも過去か」というセリフとリンクする。

ユング的に言うなら「集合的無意識」と呼ばれる領域、

人間の意識のとても深い階層でクーパーとローラは出会い、

このようなやり取りをしているように見えるのだ。

それを「あちらの世界」と呼んでいいのか、

はたまた「人間の無意識の観念」と呼んでいいのかはわからない。

いずれにしても時間を超越した場所で二人は出合っている。

映画「君の名は」みたいに。

 

もう、これは本当に個人的な仮説で、

かなりの妄想なのですが、

あえて結論を出すとするなら、

「ローラは自らの観念を日記に記すことができた」

そんな風に定義できるのではないかと思うのです。

そうするとパズルのピースが上手く嵌め込めるのです。

 

はい、

十分、わかっております。

こんなことを言い始めたら、いくらでも日記が造り出せますよね。

はい。

たぶん、造り出されてるんです、ローラの日記は。

ですが、観念を日記に記すためには、

ローラは「集合的無意識」にまで降りていかなければならない。

その引鉄がコカインであり "恐怖" であり "夢" であった。

 

そして、ローラの日記は、いつでも物語の起爆剤になっている。

ローラの日記がボブの存在をあぶり出し、

事件解決の目印になっている。

それはローラの観念がツイン・ピークスのターニング・ポイントであり、

人間の普遍的かつ先天的な、心的エネルギーの根源になっているから。

ヤバイ。

自分でもなにを書いているのかわからなくなってきた。

 

いずれにしても第1章で丸太おばさんから投げかけられた謎は、

ローラの日記の発見で、無事、回収されたことになりそう。

それによってフランクとホークは、

今のところThe Returnの登場人物たちの中では、

いち早く悪クーパーの存在に気づいた。

彼が今どこで何をしているかなんて、

フランクとホークには知る由もないんだけれど、

物語は大きなポイントを迎えたのです。

 

ではでは、ここから再び第7章の続きです。

 

ツイン・ピークス保安官事務所

 ハリーに電話をするフランク。

 どうやらハリーの容態はあまり芳しくないようです。

 

◆どこかの小屋のような家

 リチャードが乗っていたピックアップトラックが庭にある。

 事故を知り、アンディーが職務質問にやってきた。

 持ち主の男は何かに怯えているようで、

 ここでは話せない、あとにしてくれ、とアンディーに懇願。

 優しいアンディーは、

 スパークウッドの先の林道で2時間後に落ち合うことにする。 

 

ツイン・ピークス保安官事務所

 ヘイワード先生に連絡を取るフランク。

   〇ヘイワード先生はスカイプが使える

   〇この前もミューラーさんの奥方の湿疹を診察した

   〇ハンドルネームは「ミドルベリードク」

   〇25年前のあの朝、クーパーの様子は奇妙だった

   〇クーパーを病院に連れて行った

   〇ヘイワード先生が回診をしている間に検査を受けさせた

   〇検査の1時間後、集中治療室からこっそりクーパーが出てきた

   〇パジャマだったクーパーは、その時服も着替えていた

   〇振り返った彼は、やはり奇妙な顔だった

   〇呼びかけても何も言わず立ち去って行った

   〇当時、その集中治療室にはオードリー・ホーンがいた

   〇銀行の爆破事件の後、オードリーは昏睡状態だった

 どうやら、オードリーは生きていたようです。

 

バックホーン警察

 国防総省のシンディ・ノックス大尉がやってくる。

 胴体だけの遺体を確認する。

   〇頭部がない状態

   〇遺体の年齢は40代後半

   〇死亡推定日時は5日から6日以内

   〇指紋は確かにこの遺体から採取した

 それを確認するとシンディはデイヴィス大佐に連絡を取る。

 25年の間に16回も指紋のヒットがあったが、

 いずれも手掛かりになるものはなかった。

 しかし、今回は遺体が出てきた。

 その報告を聞きデイヴィス大佐はFBIに連絡をしようとする。

 シンディは「頭部がない」「遺体は40代後半」であることを報告。

 ここ数日で死んでいるのなら、

 ブリッグス少佐は70代になっているという。

 その時、シンディの背後から全身真っ黒な男が歩いてくる。

 気配に気づくシンディだが、特に用はなさそう。

 真っ黒な男も、何事もなく通り過ぎていく。

 

 さて、また次元のゆがみです。

 前回、第6章でルース・ダヴェンポートと共に発見された、

 首のない死体の身元はブリッグス少佐だったことが判明。

 少佐の胃からは元ダギー・ジョーンズの結婚指輪が出てきました。

 そして、生きていれば少佐は70代らしいですが、

 目の前にある死体は40代後半。

 どうやら、25年前、基地の火事で死亡したままの状態らしい。

 しかし、遺体の死亡推定日時はこの一週間以内のことだという。

 

 ブリッグス少佐は、もともとアメリカ空軍の軍人であり、

 宇宙人やUFOを調査する「ブルーブック計画」にも参加していた。

 そして、彼は2日間も行方をくらまし、

 その間にホワイト・ロッジに行っていたという経緯もある。

 あと忘れてはならない。

 こう見えて、ボビーの父親である。

 そんな謎だらけのブリッグス少佐の遺体。

 もう次元の彼方で冷凍保存されていたとか、

 次元の狭間から運ばれてきたとか、

 ホワイトロッジに行くと年を取らないとか、

 妄想が膨らんで、どれが現実かわからなくなってきた!

 

そんなこんなで、かなりのボリュームになってしまったので、

第7章の後半はPART.2に続きます!

ツイン・ピークス The Return 考察 第6章 実在していたダイアン!そして、世界は喪失感に苛まれている

ふぅ。

やっとWOWOW放送に追いつきました。

今後はタイムリーに更新していければ、いいなぁ...。

 

本国アメリカでは残すところあと17章と18章のみ。

しかも2話連続で放送するみたいなので、

今週末、怒涛のフィナーレが海の向こうで迎えられます。

どうなるんだろうなぁ。ドキドキです。

まあ、ここ日本では、

まだまだこれから3ヶ月は毎週楽しめますので、

1話1話、存分に味わいながら、

リンチ・ワールドを咀嚼したいと思います。

 

ラッキー7保険

 オフィスビルの前。辺りはすっかり日が暮れている。

 未だに銅像の前に佇んでいるクーパー。

 警官が見かねて家まで送ることに。

 しかし、このクーパー。

 「レインマン」のダスティン・ホフマンみたいだよなぁ...。

 

◆ダギー・ジョーンズの家

 警官が家まで送ってくれました。

 クーパーは警察バッジが気になるようです。

 この辺もレインマンみたい...。

 

 ジェイニーEの得意料理はサンドウィッチの模様。

 食べ終えたクーパーは、サニージムを寝かしつけに2階へ。

 おやすみと、サニージムが手を叩くと照明が点く。

 それが不思議でクーパーも手を叩く。

 手のたたき合い。

 微笑ましい親子のふれ合いです。

 そこにジェイニーEの怒声が!

 下に降りるクーパー、首根っこをつかまれる!

 首根っこ!

 ヤバイ、悪さした猫みたいじゃないか。

 

 クーパー帰宅時に玄関先に落ちていた封筒。

 中身はダギーとジェイドがフライデーされた写真。

 ジェイニーEは、このゲス・ダギーにカンカンです。

 奴らに連絡をしてさっさと5万ドルを返せと言ったのに、

 いったいなんでこんな写真がうちに届くのよ!

 クーパーには、さっぱりです。

 そこへ借金取りから電話がかかってくる。

 電話に出るのはジェイニーE。

 5万ドルの借金なんて今知ったとばかりに、

 臆すことなく借金取りとのアポイントを取り付けます。

 電話を切ると、なぜか得意げなジェイニーE。

 これは、またまた「マルホランド・ドライブ」です。

 リタが被った事故を調べるため、

 公衆電話で随分と下手な演技で事を聞き出すベティと一緒。

 違いはジェイニーEの方が演技がうまい!

 

◆信号機が赤に変わる

 とうとう危険信号に明かりがつきました。

 微かに電気の音が聞こえます。

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◆ダギー・ジョーンズの家

 片腕の男が赤い部屋で気を探っている。

 ダイニングにいるクーパーのもとに現れる。

 「目覚めろ。死ぬな。」と、

 なにやら念のような気のようなものを

 一生懸命クーパーに送っております。

 

 ブッシュネル社長から渡された事件資料。

  〇強盗 ラスベガスのホテル

  〇不放棄協約

  〇死亡リスト

 そんな書類たちの上に現れる光の粒。

 鉛筆で光をなぞっていくクーパー。

 ただ、なぞるだけではなく

 時に梯子のような階段のようなものも書きます。

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 それが何を意味するのか、さっぱりわかりませんが、

 なんだろう、クーパーがどことなく悲しげです。

 

◆マックス・フォン・バー

 雨の中、車を走らせているアルバート

 スピーカーホン越しのゴードン。

 電話の向こうで女性からボルドーワインを受け取る。

 ゴードン・コール、お盛んです。

 そんな中、どしゃ降りの中を歩くアルバート

 「雨に唄えば」なんてクソだ!と吐き捨てます。

 あいかわらず口が悪いです。

 バーの奥。

 カウンターに座る銀髪の女性。

 アルバートが声をかけます。「ダイアン」

 振り向いたのは、なんとローラ・ダーン

 ていうか、

 なに、ダイアンって実在してたん?

 この25年間、ダイアン = ボイスレコーダーだと、

 何も疑わずに生きてきましたが、違うのね。

 マジか。

 ひっくり返ったよ。

 今まで、なんで電話とかで連絡しなかったん?

 なんでボイスレコーダーだったん?

 そもそも、アルバートはなんでダイアンの居場所を知ってるの?

 アルバート!あんた、ダイアンのなんなのさっ!

 

◆製材所の倉庫

 リチャードとレッドとその取り巻き。

 レッドは第2章のBANG BANG BARで、

 シェリーに色目を使っておりました。

 後ろに構える黒人の取り巻き、

 顔は穏やかですが、

 持っているマシンガンが物騒すぎます。

 

 レッドが語るには、

   〇すごい効くコカイン

   〇欲しければメリーアンの所に行け

   〇「手」について学んだことはあるか?

   〇ツイン・ピークスが気に入った

   〇カナダから上物を持ち込める

   〇肝臓に問題を抱えている

   〇「王様と私」って映画を知っているか?

   〇気に入ったんだろ?

   〇やりすぎるな

   〇お前をまだ信用していない

   〇よく監視しておくから肝に銘じろ

 またまた、おっかない人が出てきました。

 先ほどの片腕の男のように、

 波動というか気功というか、そんな類を扱うようです。

 そして、今回2作目のミュージカル映画王様と私」。

 「雨に唄えば」と「王様と私

 ミュージカル以外の共通項が見つかりません。

 

 レッドは10セント硬貨を宙に弾く。

 コインはいつまでも宙を回転し、

 そして、リチャードの口へ。

 わけわかんないと思っていたら、

 コインは普通にレッドの手の内に戻ってくる。

 「表はオレの勝ち。裏はお前の負け」

 なんだろう、このジャイアン的思考回路は...。

 どう転んでもリチャードの負けは確定のようです。

 レッド、圧倒的。

 

◆ニュー・ファット・トラウト・トレイラーパーク

 映画「FIRE WALK WITH ME」で、

 絶対に9時まで起こすな!とイキってたカールも、

 今では朝早くに町に繰り出すようになったようです。

 しかも、"ニュー" って看板に書いてある。

 トレイラーパークの場所を移し替えたようです。

 

 カールと相乗りするミッキー。

 リンダの郵便物を取りに行きたいらしい。

 おおっ、きた、リンダ!

 第1章で巨人が言っていた「リチャードとリンダ」

 投げかけられた謎が少しずつ解けていきます。

 しかし、まだリンダの姿は出てきません。

 カールとミッキーの会話から、

  〇リンダの調子はだいぶ良くなってる

  〇政府の機関が電動車椅子を支給してくれた

  〇戦争はクソだなと、ボヤくカール

  〇政府は大したことをしてくれない

  〇車椅子をもらうのに半年かかった

  〇政府はクソだなと、ボヤくカール

 どうやらリンダは車椅子の生活を余儀なくされている。

 そして、その原因は "戦争" らしい。

 

◆ダブルRダイナー

 ハイジが地味に復活。

 相変わらずククククククッと笑ってます。

 保育園に努めているミリアム・サリヴァン

 チェリーパイを2皿たいらげている。

 普通に食べすぎでしょ。

 お金がないのにチップをはずむ。

 よくわからない。

 ただ、ハイジとミリアム。

 体型が近いせいか親子のようにも見えますが、

 普通にお客とウェイトレスのようです。

 

◆公園

 ベンチでダブルRダイナーのコーヒーを飲んでいるカール。

 少年と母親が目の前を追いかけっこしていく。

 微笑ましい親子のふれ合いです。

 

◆トラック

 レッドにコケにされたリチャードが、

 腹いせにトップギアでトラックを走らせている。

 目の前、信号もないのに止まっている車の列。

 邪魔くせぇと反対車線から追い越すと、

 目の前に追いかけっこをしていた少年が飛び出してくる。

 少年を轢き殺し、そのまま突っ走るリチャード。

 ふとダブルRダイナー帰りのミリアムと目が合う。

 

 目の前で我が子を失う母親。

 少年は勝手に飛び出したわけではなく、

 優しいトラックの運ちゃんがゆずってくれたから、

 追いかけっこの続きで母親の手を離れただけだった。

 ちょっとした善意が、

 なぜ最悪の事態を招いてしまったのだろう。

 

 母親の悲鳴を聞き、駆けつけるカール。

 少年から魂が抜け、天に召されていくのを目撃する。

 どうやらカールにも不思議な力があるようです。

 トレーラーパークの "6" の電信柱が見えます。

 頭上の変圧器から、微かに電気の音が聞こえます。

 誰かがどこかで悪さをしているのでしょうか。

 

◆ラスベガスのオフィス

 仕事をしているトッド。

 ラップトップの画面に真っ赤なスクエアが表示される。

 どうやらそれは何かの合図のようです。

 金庫から白い紙封筒を取り出すトッド。

 

◆ランチョ・ロッサ地所

 爆破した元ダギーの車のナンバープレートが、

 向かいの家の屋根まで吹っ飛んでいる。

 警官が屋根に上ってナンバーを確認する。

  D デヴィッド

  U ユニオン

  G ジョー

  E エドワード

  L リンカーン

  V ビクター

 屋根の足音に怯え119と叫ぶヤク中の母親。

 爆破で無残になった元ダギーの車がレッカーされる。

 

◆モーテル

 スパイク がサイコロの出目をメモしている。

 手帳にびっしり細かく数字を羅列しています。

 トッドが取り出した白い紙封筒が部屋に届けられる。

 中には、ロレインと元ダギー・ジョーンズの写真。

 アイスピックで写真を一突きするスパイク。

 

ラッキー7保険

 クリーニングが済んだのか、

 身体にフィットした黒いスーツで出社してくるクーパー。

 既にコーヒーを飲んでいる。

 さっそくブッシュネル社長に呼び出される。

 アンソニーはそれが気になってしょうがない。

 事件資料をチェックするブッシュネル。

 「ガラス損失通知」の書類でふと手が止まる。

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 「損害査定人報告書」になると何かに気づく。

 「不放棄協約」と「ガラス損失通知」を見比べる。

 「損害査定人報告書」も確認すると完全に理解したようで、

 クーパーに礼を言うまでになる。

 なんで?

 アンソニーの名前が書いてあるから?

 まあ、窮地を脱したなら、とりあえず良しですか。

 若き日のボクサーって、今後、何かつながりがあるのかなぁ。

 

◆グイネヴィアとマーリンの角の公園

 ジェイニーE、鬼のように貧乏ゆすりしています。

 現金を受け取りに来たトミー&ジミー。

 元ダギーが抱えていた借金は、

  〇フットボール賭博に使った

  〇負けた2万ドルと3週間分の利息で5万2千ドル

  〇元ダギーはギャンブル好き

 さあ払えと迫るトミー&ジミーに、

 いつものごとく雄弁とまくしたてるジェイニーE!

 半額の2万5千ドルを渡し圧勝。

 強い...。

 

◆どこかのオフィス

 ロレインが元ダギー暗殺を電話で確認している。

 車は爆破したが、死体は3つ。

 そこへスパイクがアイスピックを構えて乱入!

 無残に刺し殺されるロレイン。

 それを目撃した女性スタッフまでが毒牙にかかる。

 しかし、アイスピックの先が折れ曲がってしまう。

 かなりショックを受けているスパイク。

 

◆どこかの森の奥

 トラックについた血を拭き落とすリチャード。

 

ツイン・ピークス保安官事務所

 ホーク副所長、トイレでコインを落とす。

 転がったバッファロー・ニッケルを拾い、はたと気づく。

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 トイレのドアを見ると、

 メーカープレートに "ネズ・パース加工" とある。

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 インディアンに導かれ、

 ドアの右上、スチール板の端がめくれていることに気づく。

 板を剥がし、隙間に手を伸ばすと紙切れが落ちていた。

 丸太おばさん、ホークは探し物を見つけ出しました。

 ていうか、チャドがうざい。

 

 チャドとジェシーに書類仕事を指示しているフランク保安官。

 フランクの奥さんドリーが怒鳴り込んでくる。

 それを見て、ああはなりたくないと茶化すチャド。

 マギーが呆れて言い返す。

 「息子さんが自殺した話、聞いてない?」

 さらにチャドが茶化す。

 「知ってるよ。兵隊さんやるの、つらかったって...」

 チャド...。

 クソ野郎加減がハンパないです。

 そして、宙を見つめているジェシー

 お前は意味が分からない。何を想像しているんだ。

 

◆BANG BANG BAR

 バンドの演奏 "TARIFA" by Sharon Van Etten

 

てなわけで、ダイアンが出てきました。

未公開集「TWIN PEAKS : The Missing Pieces」で、

クーパーがダイアンと会話しているシーンがあったので、

なんとなく実在してるっぽい感じはありましたが、

それでもダイアン=ボイスレコーダーな私は、

出たっ!と素直に喜べない感じではあります。

 

そして、会話の中だけですがリンダが登場。

車椅子と戦争、なんか穏やかではなさそうな感じです。

戦争つながりでフランク保安官の息子も、

兵隊が辛くて自殺してしまっているらしい。

これは湾岸戦争を指しているのか、

はたまたイラク戦争を指しているのか。

たぶん、後者のような気がします。

 

トレイラーパークの管理人カールも登場。

こう見るとテレビ・シリーズより、

映画「FIRE WALK WITH ME」の方がかなり重要です。

もともと、とてつもない大作になってしまった本編を、

ギュギュギュッと凝縮したのが公開版なので、

ここぞとばかりに蔵出し状態なのかもしれません。

 

しかし、リチャード。

胸くそ悪い感じですなぁ。

 

あとスパイク!あんた、超怖ぇよ!

ジェイニーEといい勝負だよ!

ツイン・ピークス The Return 考察 第5章 動き始めた現実世界。さあ、ロックしようぜ!

第1章から第4章までは、

クーパーが現実世界に帰ってくる顛末が語られ、

映像としても観念的なアプローチが多く、

クーパー以外のドラマも断片的でした。

そう、4時間かけて、やっと序章が終わったような感じです。

リンチ教授、スゴすぎです。

映画「FIRE WALK WITH ME」でやりきれなかった、

ツイン・ピークス愛をここぞとばかりに吐き出してます。

ヤバいぜ、姐さん。

まだ全体の約4分の1しか進んでないけど、

デイヴィッド・リンチの集大成感がハンパないです。

 

ネバダ州、ラスベガス市、ランチョ・ロッサ地所

 元ダギーの暗殺を謀るジーン&ジェイクが依頼主に連絡。

 予定ではこの暗殺は昨日終わっているはずだった。

 BluntedBeatzの「I Am (Old School Hip Hop Beat)」が、

 大音量で流れているどこかのオフィス。

        ※この音楽がまたカッコいいんだ

 元ダギー暗殺の依頼主:ロレイン

 「殺される...」と慄いている。

 BLACKBERRYのモバイル端末で「ARGENT 2」に連絡する。

 裸電球がぶら下がるどこかの薄汚い部屋。

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 木のお皿に載ったブラック・ボックスが点滅する。

 

 オープニングからフルスロットルです。

 第3章で出てきたジーン&ジェイクが、

 依頼人にまさかの進捗報告!

 マルホランド・ドライブの殺し屋のように、

 思わせぶりな、ちょい役キャラで終わると思っていたので、

 なに?ちゃんと報告するのかっ!とビックリです。

 お金と時間をたっぷり与えると、

 リンチ教授は、ここまで丁寧に物語を語るみたいです。

 それを決断したSHOWTIMEに大感謝ですな!

 

バックホーン警察

 ルース・ダヴェンポートの頭部と一緒に発見された、

 身元不明の胴体をガッツリと解剖している。

 被害者は数日間、食事をしていなかった。

 からっぽの胃から出てきたのは「結婚指輪」

 そこには「ダギーへ 愛を込めて ジェイニーE」と

 刻印がされていた。

 意味がわからないでいるデイブ警部とハリソン警視。

 

 ここでもダギー・ジョーンズです。

 そもそも悪クーパーがダギーを名乗っているのも謎ですが、

 クーパーがなぜダギーに転送されてしまったのかも謎です。

 さらに元ダギー・ジョーンズの左薬指には、

 テレサ・バンクスから綿々と受け継がれてきた

 あの「緑色の指輪」が嵌められていました。

 これらのことから浮かび上がってくるのは、

 元ダギー・ジョーンズは「結婚指輪」と「緑色の指輪」を

 どこかのタイミングで交換したということです。

  A.意識的に誰かと交換した

  B.無意識のうちに、いつの間にか変わっていた

  C.もともと結婚指輪は嵌めていなかった

 上記のどれに当てはまるのかは、さっぱりわかりませんが、

 胃から発見された指輪が、後々に絡んでくることは確実。

 しかも、現在、クーパーは指輪をしてないし、

 ジェイニーEはちゃんと結婚指輪をしている!

 ヤバイ、これがバレたら、またジェイニーEの怒声が!

 

サウスダコタ州、ヤンクトン連邦刑務所

 牢屋の中の悪クーパー。

 どうやら未来予知の能力まで持っているようです。

 「ここで食事が運ばれてくる」と呟くと、

 ちゃんと看守が食事を運んできます。

 どこまで最強なんだろ、この人は...。

 手を洗い、鏡を見つめる悪クーパー。

 ドッペルゲンガー誕生の瞬間がフラッシュバック。

 鏡の中の悪クーパーの口元にボブが浮かび上がる。

 「今も俺と一緒か。いいぞ」

 自分の中にボブを確認し、ほくそ笑む。

 

◆ベンドのシボレー販売店

 面接に来ているスティーヴン。

 経営しているのはマイク・"スネーク"・ネルソン!

 ボビーは巡査で、マイクは車屋の経営者か。

 25年の月日ってスゴイなぁ。

 

 第2章でシェリーがママ友たちに、

 「ウチの娘、変な男に引っかかっちゃって」と

 ボヤいていたウワサの変な男、スティーヴンが登場。

 面接後に部屋に呼ばれたもんだから、

 「ヤベェ、一発合格じゃん、オレ。才能あんじゃね」

 ぐらいで椅子にどっかりと座り込みますが、

 「お前は何様のつもりだ!」とマイクに秒殺されます。

 こっちからしたら、お前も何様だよっ!とマイクに言いたいですが、

 まあ、経営者ですから、ボビーよりは大人になったんでしょう。

 「もっと人を敬え」と説教しておりますが、

 いやいや、自分を棚に上げてはいけないのではないでしょうかねぇ。

 若気の至りとは怖いものです。

 

ツイン・ピークス保安官事務所

 フランクがハリーに電話をしています。

 「検査結果はいつ出る?」

 どうやら、ちょいちょい連絡を取り合っているようです。

 

 そこに フランクの奥さん:ドリー が登場。

 第1章に出てきた

 アローヘッドのアパートに住んでいたマージョリーのような

 またまた強烈なおばさんの登場です。

   〇ドワイトが下痢

   〇週末に双子が来る

   〇パイプが水漏れしたまんま

   〇床が水浸しで黒カビだらけになってしまう

   〇バケツの見張りなんかしたくない

   〇お気に入りの絨毯が欲しい

   〇その代わりに大きなバケツを買うなんてイヤ

   〇パパの車の調子が悪い

   〇頼んだ点検はいつしてくれるんだ

   〇したならしたと連絡をしろ

   〇そのためにパパを送ろうとずっと家に居た

   〇もう役立たず!

 こんな内容を1分半の間に全部まくしたてます!

 すさまじいです。

 怖いです。

 

◆ダギー・ジョーンズの家

 サニージムと共に家を出てくるクーパーとジェイニーE。

 前章でネクタイは巻けないと言っていたジェイニーEですが、

 さらっとクーパーのネクタイを巻いています。

 まったく、女という生き物は、よくわからない存在だ。

   〇例のお金は隠した

   〇総額42万5000ドルもあった

   〇あそこなら見つからない

   〇会社から、あの連中に連絡をして

   〇借金5万ドルを返せば全てがキレイになる

   〇サニージムを見て涙するダギーはおかしい

   〇お酒とギャンブルはやめて

 まだまだ断片的ですが、

 元ダギー・ジョーンズの姿が徐々に見えてきました。

 

 しかし、「あそこなら見つからない」と言うジェイニーE。

 「マルホランド・ドライブ」で、

 リタが持っていた大金を帽子の箱に隠して、

 「あそこなら見つからない」と、

 得意げに言っていたベティと被ります。

 

ネバダ州、ラスベガス市、ランチョ・ロッサ地所

 空き家の前に停まっている元ダギーの車。

 それを確認に来るジーン&ジェイク。

 そのあと、今度は黒塗りのスポーツカーが来て、

 同じように元ダギーの車を確認していく。

 車のナンバーには「NEVADA   DUGE  LV」とある。

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ラッキー7保険

 元ダギーが務めていた会社に到着するクーパー。

 保険会社が入っているオフィスビル前の広場に銅像がある。

 銃を構えた男の銅像

 真似をして、空に向かって銃を構えるクーパー。

 

 この銅像が何を意味しているのか。

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 アメリカのツイッターとかでは、

 ほぼほぼ、これは映画「戦場のメリークリスマス」時の、

 デヴィッド・ボウイの姿ではないかと噂されているみたいです。

 軍服姿や帽子が、確かにそれっぽい。

 リンチ教授からボウイへのオマージュだとしたら、素敵な話です。

 

 どうしたものかとエレベーター前でオロオロしているクーパー。

 コーヒーの買い出し帰りの同僚フィルがやってくる。

 コーヒーの匂いにつられて、フィルについていくクーパー。

 前章で、

 コーヒーを飲んだ途端にぶわっと吐き出していたクーパーですが、

 今回は「すげぇ美味い」とばかりにゴクゴク飲んでいます。

 ということは、ですよ。

 ジェイニーEが煎れたコーヒーは、めっちゃマズかったと。

 だから、あんな、なんとも言えない表情をしていたと。

 ヤバいよ、ジェイニーE。

 あんなにルンルンで朝食を作ってたのに、

 マズくちゃ、台無しだよ。

 

 ラッキー7保険の元ダギーの周りはこんな人たち

   〇ブッシュネル ----- ラッキー7保険の社長

   〇アンソニー ----- ラッキー7保険ナンバーワン調査員

   〇ダレン ----- ロンダと不倫中

   〇ロンダ ----- 美女 ダレンとの不倫に飽きている

   〇フィル ----- コーヒー買い出し係 世話役

   〇フランク ----- 緑茶ラテをえらい気に入る

 

 アンソニーの会話から直近の元ダギーの動きが見えます。

 「ベンダーズビルから戻ったのか」

 「髪型 変えたな」

 「お前のフォローはしておいた。デカい貸しだ」

 「痩せたな」

 「酒を飲みながらサウナに入ったな」

 

 会議が始まりアンソニーが結果を報告します。

   〇今週の新規請求は16件

   〇先週の2件は承認され支払い決定

   〇ビーカー案件とリトルフィールド案件

   〇リトルフィールド案件は放火ではなかった

   〇調査結果はシロ

   〇合法である

 その報告をするアンソニーの顔に緑色の光が点滅する。

 それはクーパーにしか見えない。

 そして「嘘をついている」とアンソニーに喧嘩を売ります。

 ヤベェよ。会議の雰囲気が最悪です。

 だけど、アンソニー、あんた真っ黒な感じがまんま出てるよ。

 

 会議後に社長室に呼びだされるクーパー。

 社長室にはボクサーのポスターが貼られている。

 どうやらブッシュネルは若い頃、ボクサーだったらしい。

 2日間、無断欠勤していたクーパーに、

 大量の事件資料を渡し、明日までに仕上げろと突きつける。

 

 コーヒーの利尿作用でトイレを我慢しているクーパー。

 ロンダが女子トイレに案内する。

 「今ならキスしてもいいわよ」とクーパーを誘うロンダ。

 元ダギー・ジョーンズと何か関係があったのでしょうか。

 

◆シルバー・マスタング・カジノ

 カジノの経営者ミッチャム兄弟がやってくる。

  ミッチャム兄弟の兄:ブラッドリー

  ミッチャム兄弟の弟:ロドニー

 支配人バーンズをボコボコにしてクビにする。

 おっかない人たちです。

 「マルホランド・ドライブ」でのカスティリアーニ兄弟ですな。

 彼らは自ら手を出したりはしませんでしたが...。

 まあ、エスプレッソも極上でないとクビになるでしょう。

 

ネバダ州、ラスベガス市、ランチョ・ロッサ地所

 空き家の向かいに住んでいる少年。

 元ダギーの車に仕掛けられた爆弾がどうしても気になる。

 見に行くと、さっきの黒いスポーツカーがやってくる。

 チンピラらしき奴らが3人降りてきて、

 元ダギーの車を持ち去ろうとエンジンをかける。

 車が大爆発。チンピラ3人は焼け焦げてしまう。

 少年は慌てて家に戻り、炎上する車を窓から眺めている。

 火に魅力を感じていそうな恍惚な表情を浮かべている。

 寝ていた母親がのっそりと起き上がる。

 

◆洗車場

 車を洗車に出しているジェイド。

 クーパーが落としていった

 グレート・ノーザン・ホテルのカギが出てくる。

 ホテルに届けようとカギをポストに入れる。

 これでクーパー生存が、

 どこかのタイミングでツイン・ピークスに明らかになるはず。

 

◆ダブルRダイナー

 ノーマ・ジェニングスが登場!

 すげぇ、変わらない美しさ!ヤバすぎる。

 ちょい厚化粧が気になるけど、25年経ってこれは奇跡だ!

 そして、シェリーの娘:ベッキーも登場。

 ダブルRダイナーにパンを届ける仕事をしてるみたい。

 スティーヴンのためにお金の無心をします。

 完全にハマってます。

 72ドルをもらって「メシをおごるよ」とスティーヴン。

 アホんだら!てめぇの金じゃねぇだろ!

 スティーブンのダメさ加減に、マジ、ぶち切れます。

 コカインをキメて、走り去る二人。

 The Paris Sistersの「I Love How You Love Me」

 ラジオから流れる歌が素晴らしすぎます。

    私はあなたが好き

    私はあなたが好き

    好き

    好き

    好き

 ああ、ベッキー

 世界が素晴らしく素敵なところに見えてそうだけど、

 それは幻なんだ、現実じゃないんだよ。

 

ラッキー7保険

 家への帰り方がわからないクーパー。

 銅像の前で立ち呆けています。

 

ツイン・ピークス保安官事務所

 ホークとアンディーが資料を探している。

 先住民に関する資料は見つからない。

 

◆ジャコビーの小屋

 夜7時になりジャコビーのネット放送が始まる。

 放送内では "ドクター・アンプ" と名乗っているみたい。

 第1章で出てきた山小屋は、

 てっきりツイン・ピークスのどこかだと思ってましたが、

 ホワイトテイル・ピークから放送中!ということは、

 どうやらジャコビーは隣のモンタナ州に移り住んだ模様。

 もしくは居所がバレないように、

 わざと隣の州を大々的に言っているのだろうか。

 

 「ここはアメリカのヒンドゥークシュ山脈の頂き!」

 意味が分かりません。

 ヒンドゥークシュ山脈は、

 パキスタンアフガニスタンの国境にある山脈です。

 自由を叫ぶタリバンだらけの地だとか...。

 

 世界はクソだらけで、

 オレたちはクソにまみれて毒されている。

 だから、クソから這い出て自由になろう。

 その為には金色のシャベルが必要だ。

 29ドル99セントで手に入る!(約3,270円 ※送料別)

 さあ、シャベルを手に取り、自由になろう!

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 こんなアホみたいな放送を楽しんで観ているのが、

 大麻を吸っているジェリーと、

 うっとりしているネイディーン!

 完全に金のシャベルを買う気満々です。

 25年前、自殺未遂で一命を取り留めた際に、

 ジャコビーの助言でハイスクールに入学した経緯もあり、

 彼の言うことは無条件で受け入れてしまいそうです。

 

バージニア州、アーリントン、国防総省ペンタゴン

  国防総省上官:コーネル・デイヴィス

  デイヴィスの部下:サンディー

 ガーランド・ブリッグス少佐の指紋がまたヒットした。

 この25年の間に、これで16回目だという。

 今まで手がかりは何もなかったが、

 仮に今度こそ、何かの手かがりになるなら、

 FBIに連絡をしなければいけないという。

 

 第4章のバックホーン警察で、

 身元不明の胴体の指紋が一致したが、

 軍の規制がかかっていて

 身元がまったくわからないというエピソードがあった。

 

 と、なるとだ、

 ルース・ダヴェンポートと共に発見された死体は、

 ガーランド・ブリッグス少佐の死体ということになる!

 であるなら、ブリッグス少佐の胃から、

 ダギー・ジョーンズの結婚指輪まで出てきたことになる。

 なんなんだ、これは!

 今まであまり絡みのなかったバックホーンのエピソードが、

 ブリッグス少佐ひとつで、一気にツイン・ピークス絡みに!

 しかも、ダギーまで絡んできた!

 

◆BANG BANG BAR

 バンドの演奏 "SNAKE EYES" by Trouble

 Troubleは、リンチ教授の息子ライリーのバンド。

 もう「ロスト・ハイウェイ」まんまな感じがヤバすぎです。

 

 リチャード・ホーンが禁煙席でタバコを吸っている。

 注意しにくる店主に反抗的な態度。

 そこに「オレに任せろ」と出てきたのはチャド!

 ツイン・ピークス保安官事務所の巡査で、

 丸太おばさんをからかった、あのチャド!

 チャドはリチャードとグルで、

 タバコを受け取る振りをして取引の金を受け取る。

 えらいこっちゃです。

 映画「FIRE WALK WITH ME」で、

 デズモンド捜査官をコケにしたら鼻をつままれ、

 ボビーに麻薬と偽り下剤を渡して撃たれてしまった、

 あのディア・メドウの町の憎ったらしいクリフ保安官補のようです。

 チャドかぁ。

 チャドなのかぁ。

 

 隣のボックス席の女子4人組の一人、

 シャーロットが火を貸してとリチャードに近寄る。

 オレと一発ヤろうぜとシャーロットを離さない。

 そんなリチャード、完全にサイコです。

 

 第1章のオープニングで、

 巨人が「リチャードとリンダ」と言っていましたが、

 その一人が、ほぼこのリチャードで確定でしょう。

 今後のキーパーソンの登場です。

 サイコで無軌道な感じが、悪の象徴にまで発展するのか?

 

フィラデルフィア、FBI本部

 タミーがクーパーのことを調べている。

 指紋を照合しているが、何かがおかしい。

 よく見ると指の肉が削ぎ落とされている?

 

サウスダコタ州、ヤンクトン連邦刑務所

 悪クーパーに電話を与える。

 「誰にかけようか」

 「ミスター・ストロベリーにするか」

 「でも、彼は電話に出ない」

 ミスター・ストロベリーと聞いて、

 なぜ、それを知っていると言わんばかりのマーフィー所長。

 電話に出ないということは、

 ミスター・ストロベリーは既に死亡しているようです。

 その事とマーフィー所長とは、いったいどんな関係があるのでしょう。

 

 さらにプッシュホンをピポパポ・ピポパポ早打ちする悪クーパー。

 何かのコードを打ち込むと、

 警備が緊急警報を発報し、モニターには料理番組が映りだす。

 「牛が月を跳び越えた」

 一言つぶやき、受話器を置くと警報も収まります。

 第2章でヤンクトン刑務所のことは全てハッキングしていたので、

 脱獄、もしくは刑務所内をとことん混乱させるのも時間の問題。

 

◆アルゼンチン、ブエノスアイレス

 オープニングに出てきたブラック・ボックス。

 二度点滅すると小さな屑になってしまう。

 それよりも、ブエノスアイレス

 前章に引き続き、またもやフィリップです!

 ということは、

 AGENT 2 = フィリップ?

 

ラッキー7保険

 暗くなっても銅像の前に立ち呆けているクーパー。

 警備員が早く帰れと促します。

 エンドクレジットで流れる

 哀愁を帯びたスウィングがたまらなく素敵すぎます。

 アンジェロ・バダラメンティ、衰え知らずです。

 

はぁ...。

第5章もおなかいっぱい状態です。

進展てんこ盛り、そして、音楽もサイコー。

こうして毎週毎週リンチの最新作が観れるなんて、

やばい、こんな幸福なことってあっていいのかなぁ。

 

今回の章でちょっと気になったのは、

リンチ教授は "9.11" 以降のアメリカを、

実はこのThe Returnで描こうとしているのではないか、ということ。

なんで、そう思えたかというと、

 ①ダギーの職場が保険会社

 ②ジャコビーが語ったヒンドゥークシュ山脈

 ③ペンタゴン

 ④ニューヨークの舞台設定

特に誰もが目を疑ったのがニューヨークでしょう。

第1章で、なんでツイン・ピークスでニューヨーク?と、

脳天からハンマーを落とされた衝撃も、

リンチ教授が9.11の謎に挑んでいるからと思えば、

妙に納得してしまいます。

 

ワールドトレードセンタービルに支払われた膨大な額の保険金、

今回のアンソニーのリトルフィールド案件の裏工作、

9.11にまつわる陰謀説をも描き出そうとしていそうな、

そんなニュアンスが見え隠れしないでしょうか。