003 AMAZING STORY 姫乃樹リカ (1989)
とにかく聴くと切なくなるアルバムです。
中2でひきこもりのような鬱状態になり、
誰とも口を利きたくない時期がありました。
その頃にカセットプレイヤーから常に流れていたのがこのアルバム。
学校をふけて遠出した時も、イヤになって家出をした時も、
どこに行くのもこのアルバムが僕のお供でした。
エヴァンゲリオンで例えるなら、シンジのS-DATの中身が、
僕の場合、姫乃樹リカの「AMAZING STORY」だったわけです。
アイドルのアルバムとは思えないほど、
今聴いても遜色のないクオリティーです。
特に「HERE WE GO! -片想いからはじめよう-」は突出の出来。
伸びのある透き通った歌声が十二分に発揮されています。
他にも「EMPTY HEART」「碧いプラネット」の極上バラード。
「時間を止めて」「不思議な彼」では本人が作詞をしている。
もう少しデビューが早ければとか、遅ければという声もあるが、
"姫乃樹リカ"といういかにもアイドルらしい名前とルックス、
その内に秘めたアーティスティックな部分のギャップ、
それがなければ成り立たないのがこのアルバムの魅力だと思う。
80年代最後のアイドルが最後に放った極上の名盤ではないだろうか。