008 The Soul Cages Sting (1991)
高校生になってから、周りの友達はみんな洋楽を聴いていた。
邦楽なんてダサくて聴いてらんないよと。
確かに言われてみると、洋楽のジャケットはカッコいい。
歌っている人の写真ではなくて、
アルバムのテーマを絵や写真でデザインしている。
だったら何かいいの教えてよと言って渡されたのが、
「イングリッシュマン・イン・ニューヨーク」を聴けよと。
今思えば、随分なヒット曲を押し付けてきたもんだと思う。
でも当時の僕には右も左もわからず、
英語の歌詞カードを追っていくことさえままならなかった。
初めて洋楽に触れた僕は、最新作を聴き込もうと決めた。
そして手にしたのが「ソウル・ケージ」だった。
ジャケットは船の絵だ。大人っぽくてカッコいい。
歌詞カードの中身も洗練されたデザインで夢中になった。
アルバム冒頭のティン・ホイッスルの音色に心を奪われた。
中川五郎氏の解説も何度も読み返した。
英語の歌詞と日本語訳を何度も見比べて頭に叩きつけた。
その中でも歌詞が秀逸だったのが「Why Should I Cry For You?」
"天狼星のもと"
"月の光の珊瑚礁の上空を"
"秋の空のもと"
"北北西にフェローの石が飛ぶ"
なんてファンタジックな歌詞なんだと驚嘆した。
すっかりスティングに夢中になった僕は、
初ライブにも参戦、途中のバラードが続く辺りで寝落ち。
来日記念のボックスセットまで購入してしまった。