that passion once again

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ツイン・ピークス The Return 考察 第2章 ドッペルゲンガーが暗躍する世界に跪け

ツイン・ピークスの牧歌的な雰囲気を期待し

ドーナツとコーヒーを用意して

テレビの前にスタンバっていたピーカーたちを

ことごとく脳天から打ち砕いた第1章。

そのあまりにも都会的なストーリーと

21世紀型のウルトラ・バイオレンスに、

わたしは新たな快感を覚えてしまいましたゼ、姐さん。

 

というわけで、さらなる謎がメガ盛り状態で届けられる第2章。

当然の如く、ネタバレもメガ盛りなので、その辺ヨロシクです。

 

【あらすじ】

バックホーン警察

  留置所にフィリスが訪れてくる

  ビルはルースの部屋に行っていないと訴える

  しかし、夢の中で行ったんだと打ち明ける

  フィリスはビルの浮気を責める

  ビルもフィリスと弁護士のジョージの浮気を責める

  終身刑になる夫を嘲笑い立ち去るフィリス

  立ち合いに来た弁護士ジョー

  フィリスは全てバレていたと吐き捨てて立ち去る

  絶望に打ちひしがれるビル

  その隣に佇む全身真っ黒な男 宙に消えていく

◆ウィリアム・ヘイスティングスの家

  家に帰るフィリス

  ダギー・ジョーンズが待ち伏せている

  「上出来だ。人間の本性を剥き出しにしている」

  ジョージの銃でフィリスの頭部を撃ち抜く

  フィリスの右目に銃弾の穴が開く

ネバダ州 ラスベガス

  どこかのオフィス

  ダンカン・トッドがロジャーを呼び出す

  ロジャーに20,000ドルを渡し「採用だと伝えろ」

  ロジャーはトッドがなぜ "あの男" の言いなりになるのか尋ねる

  トッド「君の人生には入れるなよ。ああいう男を」

◆どこかの踏切

  BNSF鉄道が走りすぎていく

◆モーテルのレストラン

  テーブルにダギー、レイ、ダーリャ、ジャックの4人

  ジャックが3人前のスパゲティを食べている

  レイはフライドポテト、ダーリャはサラダ、

  ダギーはコーンを食べている

  レイ「ダギー、あさってが心配らしいな」

  ダギー「何も心配はない。オレは情報が欲しい」

  レイ「彼女はヘイスティングスの秘書。情報は全て握っている」

ツイン・ピークスの森

  森の中を捜索しているホークに丸太おばさんから電話

  マーガレット「星々は巡る。あとで家に寄って」

  ブラック・ロッジへの入り口にたどり着くホーク

  赤いカーテンが見え隠れする

 ◆レッド・ルーム(赤い部屋)

  クーパーと片腕の男

  片腕の男「これは未来か。それとも過去か」

  「誰かがここに居る」と言い残し片腕の男が消える

  ローラ・パーマーが現れる

  ローラ「あなたは もう行っていい」

  ローラ「わたしの腕はときどき後ろに曲がるの」

  ローラ「わたしは死んだ。でも生きている」

  顔面をマスクのように外すローラ、その奥は光輝いている

  何かをクーパーにささやくローラ

  何者かがローラを上に連れ去っていく

  物凄い雄叫びと共にローラが消滅

  風が吹き、赤いカーテンが消えていく

  カーテンの向こうに際限なく広がる縞模様の床

  そこに白馬が一頭佇んでいる

  闇の果てに消えていく

  片腕の男が戻る

  片腕の男「これは未来か。それとも過去か」

  赤いカーテンの向こうにクーパーを案内する

  別の部屋

  シカモアの木のてっぺんに臓器が付いた異形のもの

  放電している

  片腕の男「あれは腕が進化したものだ」

  腕「覚えているか。お前のドッペルゲンガーを」

  25年前、ドッペルゲンガーに捕まるクーパー

  腕「まず彼が戻らねばならない。そうすればお前が出られる」

◆どこかのガレージ

  ジャックがガレージにベンツを閉まっている

  シャッターのカギと車のキーをダギーに渡す

  ジャックの顎を揉み上げるダギー

◆どこかの森に雷鳴が轟く

◆モーテル 6号室

  電話をしているダーリャ、ダギーが帰ってきて慌てて切る

  誰に電話をしていたと問われジャックと話していたと嘘をつく

  ダギー「今日の午後 レイと会うはずだったが現れなかった」

  ベッドでダーリャを抱き寄せるダギー

  ダギー「ジャックは2時間前に死んだ」

  ダーリャとレイの会話を録音したボイスレコーダーを聴かせる

  レイ「銃を持って州境を超えたらパクられてサウスダコタの連邦刑務所にいる」

  ダーリャ「クーパーはどうすんの?」

  レイ「ジェフリーズから また電話があった。明日の夜、近くに居たら殺せ」

  逃げ出そうとするダーリャを捕まえ殴るダギー

  誰に雇われた?と問われるが、ダーリャは知らない

  ダギー「ゲームは始まった」

  ダギーを殺すと50万ドル山分けだったことを告白するダーリャ

  明日、ダギーはブラック・ロッジに戻される予定だったが

  あと一つの計画のために戻るつもりはないと告げる

  ヘイスティングスの秘書からの情報を求めるダギー

  "座標" を教えろと詰め寄るが、ダーリャは知らない

  ダギーは1枚のカードを取り出しダーリャに見せる

  スペードのAに 黒丸に角が生えた絵柄、カードにはキズがついている

  しかし、ダーリャは知らない

  ダーリャを殴り、45口径で頭を撃ち抜くダギー

  アタッシュケースから通信機を取り出す

  フィリップ・ジェフリーズと通信する

  ジェフリーズ「ニューヨークで会いたかったが、まだバックホーンか」

  ダギー「そっちはまだ行方不明か?」

  ジェフリーズ「ガーランド・ブリックス少佐に会ったんだろ?」

  ダギー「なんで知っている」

  ジェフリーズ「お前が明日戻るなら、またボブと共にいよう」

  ダギー「お前は誰だ?」

  通信が切れる

  司法省 FBIのホームページにアクセスする

  エージェントIDに「kdhgw...」と打ち込む

  サウスダコタ州の地図が表示される

  ヤンクトン連邦刑務所に誰かがいることが示される

  検索窓に「sdl04pcsecprot」と打ち込む

  レベル4のセキュリティーシステムが作動する

  ヤンクトン連邦刑務所のシステムにアクセスする

  連邦刑務所の情報をダウンロードするダギー

◆モーテル 7号室

  シャンタルを呼び出すダギー

  6号室の片づけを頼む

  シャンタルと亭主ハッチに2~3日後にある場所へ行くよう指示

  ベッドにシャンタルを呼び寄せ、股をまさぐる

◆レッド・ルーム(赤い部屋)

  腕「253。何度も何度も繰り返す」

  ボブ、ボブと繰り返し、さあ行けと促す腕

  赤いカーテンの向こうに行くクーパー

  先に行こうとするがカーテンには電気が走り開かない

  もとの部屋に戻ると腕の姿はない

  さらに違う部屋に行くとリーランド・パーマーがいる

  リーランド「ローラを探せ」

  他の部屋へ行くクーパー

  蓄音機から聞こえた "何かがこすれる音" が部屋に響く

  縞模様の床が乖離していく

  別の部屋に片腕の男と腕

  片腕の男「なにかがおかしい」

  腕「我がドッペルゲンガー

  クーパー、さらに奥まで進み赤いカーテンを開く

  その先には山間のハイウェイが広がっている

  ダギーが運転している車がこちらに向かってくる

  ビーナスの像が腕に変わる

  咆哮を上げる腕 縞模様の床が崩れる

  腕「存在しない!」

◆ニューヨーク ガラス張りの箱がある倉庫

  ガラスの箱に落ちるクーパー

  ガラスを擦り抜け、箱の中に浮かび上がる

  ちょうどその頃、

  サムとトレイシーはいなくなった警備員を探している

  ガラスの箱が幾重もの次元に重なり合う

  さらに別次元へと落ちていくクーパー

◆リーランド・パーマーの家

  リビングでテレビを見ているローラの母 サラ

  テレビではライオンが水牛を襲っている

◆BANG BANG BAR

  バンドの演奏 "SHADOW" by Chromatics

  ボックス席で友達とテキーラを一気飲みするシェリ

  ジェームズがフレディーを連れてやってくる

  シェリー「うちの娘ベッキー 変な男にひっかかっちゃって」

  レネー「スティーヴン 人気者じゃない」

  ハナ「娘の人生よ」

  レネーを見つめるジェームズ

  バーにやってきた男がシェリーを見つめる

 

さてさて、かなりのツイン・ピークスらしい展開になってきました。

浮気した者同士の罵り合いから始まり、

とうとうクーパーのその後が説明され、

赤い部屋を縦横無尽に歩き回った今回。

クーパーそっくりの長髪男ダギー・ジョーンズは

25年前に生み出されたクーパーのドッペルゲンガーだったことが判明!

この25年間、お前はいったいどんだけの悪事をしてたんだってくらい

非情っぷりと最強っぷりを見せています。

哀れな校長先生ビルも、ダギーの罠にハマった様子です。

でも一番ショッキングだったのは、

進化した腕でも、クーパーのしゃくれた顎でもなく、

ローラとシェリーの熟女っぷり!

ヤベェよ、幻が消えていくよぉ...

その方面の趣味がある人には堪らないのかもしれないけど、

時間って、なんて残酷なんだ!姐さん!

 

前回はリンチらしからぬスタイリッシュな映像のオンパレードでしたが、

この第2章では端々にリンチ・テイストが満載。

進化した腕は、もうまんま「イレイザーヘッド」だし、

わけのわかんない真っ黒なおっさんまで現れる。

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これが後々にどう絡んでくるのかはわからないけど、

こういう不吉な存在って、今までのリンチ映画にも出てたよね。

「ローラ・パーマー最期の7日間」のトレーラーハウスに現れたおばちゃん。

ロスト・ハイウェイ」のミステリーマン(趣向は違うけど)

マルホランド・ドライブ」でダンをショック死させたホームレス。

マルホではブルーボックスに絡む重要な存在でもあった。

絶望に打ちひしがれたビルのもとに現れたこのおっさん。

意味があるのかないのか、この放置プレイがたまらなくリンチです。

 

マルホのショック死したダンと言えば、

ダン役だったパトリック・フィッシュラーがツイン・ピークスにも登場!

何かに怯えていたダン同様に、何かに怯えているトッドさん。

この怯え具合、いいなぁ。

誰に逆らえず、誰を雇ったのか、今後の展開が気になります。

 

謎と言えば、悪クーパーことダギーが出したカード

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さっぱり意味がわかりません。

スペードのエースは、トランプの中で最高ランクのカードであり、

死のカードという意味もあるらしいけど、

黒丸に角って、いったいなんなのさ、悪魔?デビル?鬼?

幼稚な発想しか出てこないよ、考察も何もあったもんじゃないよ。

角なのかどうかもわからないし、耳?足?触覚?

ピッコロ大魔王的な?

しかも、カードにキズがついているのが、また意味深だし、

これも今後、謎の伏線が回収されるのでしょうか。

 

このカードを差し出したシーンの会話から、

前回の悪クーパー初登場時の小屋にいたキャラたちは、

どうやらブラック・ロッジ系の人たちのように思えてくる。

ダギーをクーパーと呼び、

なんとフィリップ・ジェフリーズともつながっている。

悪クーパー暗殺を企む、その背後に誰がいるのか。

そして、悪クーパーもジェフリーズとつながっていた。

ブラック・ロッジには戻らないと言い放った計画とは一体?

そもそも「FIRE WALK WITH ME」でさえ謎の存在だった

デイヴィッド・ボウイ演じるジェフリーズ。

コンビニエンスストアの上に潜入し、ジュディを探す彼。

ニューヨークのガラスの箱に現れたのは彼だったのか?

それとも、あれはジェフリーズでもないのか。

謎は深まるばかり!