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【コンフィデンスマンJP】最終話目前で勢いが増した!三色だんごとスポンサー企業、もう妄想が止まらない!

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いったい今までこんなドラマがあったでしょうか?たった45分の中に笑いがあり、悲しみがあり、友情があり、裏切りがあり、挫折があり、成長があり、怒りがあり、許しがあり、パロディやオマージュからディスりやエロネタまである。こんなお腹いっぱいの45分間を僕は味わったことがないです。もちろんこれは今までの8話分の蓄積があるからこそなんですが、それを差し置いても、この週刊少年ジャンプ的な詰め合わせ感は、このジェネレーションさえグローバル化させてしまう21世紀の新たなエンターテイメントと言うべき作品と断言してもいいのではないでしょうか。

巷では徹平くんサイコーの声も数多く(僕も今回はスゲーと思いました)、巷では五十嵐人気が天文学的な数値で跳ねあがり(ピンクのヘッドバンドはamazonで690円で売ってますゼ)、巷では映画化という話がコンフィデンスマン最大のウソではないかと盛り上がっています(来週、本当に映画化はウソです!なんてテロップが流れたら日本中がズッコケるだろうなぁ。それも一興だけど)。

第9話でパロった作品も『スラムダンク』はもちろん、『スクールウォーズ』『ルーキーズ』とTBSを代表するスポ根ドラマの名作を超ド直球でぶっこんでくるあたり、『半沢直樹』『逃げ恥』と話題作では完全に負けてる他局のフンドシを、なんのてらいもなく「あらよっ」と自分の股ぐらに締め直した感じが潔すぎます。でも、横綱のフンドシ締めたからって、必ず勝てるわけじゃないところが、またいいよね(でも、数字的には1話を超えたみたいだけど...)。

そんなこんなで蓋を開けてみたら第5話といい勝負なくらい最高な回だった第9話。お決まりの小ネタもいつも以上に多めの感じで、まあ、何回見ても楽しめる作りになっています。ざっと第9話の小ネタを挙げると。

 ◆チョビ髭が応援していた "群馬ダイヤモンドペガサス" は実際にある野球チーム

 ◆チョビ髭が応援していた "VONDS市原" は実際にあるサッカーチーム

 ◆卓球チーム "東京ジェッツ" の社長室に『ミックス。』のDVDが飾られている

 ◆五十嵐が「ふじみ屋」の "三色だんご" を食べている

 ◆"熱海チーターズ" の "Cheat" はダマすの意味

 ◆"熱海チーターズ" のマスコットは最強を意味する黒帯を締めている(実際は弱い)

 ◆"熱海チーターズ" のメンバーは『七人の侍』へのオマージュ

   半原敦=島田勘兵衛

   志村庄一=菊千代

   志村庄二=片山五郎兵衛

   志村庄三=岡本勝四郎

   イスマイル=七郎次

   ジェームズ=林田平八

   ケンタ・ヤマグチ・サイモン=久蔵

 ◆"熱海チーターズ" の対戦チームは『スラムダンク』の高校名

   山王コーギョー=秋田県立 山王工業高校

   大阪トヨタマーズ=豊玉高校(大阪)

   カマクラ リョーナンズ=陵南高校(神奈川)

   名古屋コーチンズ=愛知学院高校

   静岡富士サンズ=常誠高校(静岡)

 ◆"熱海チーターズ" のユニフォームに下記2社がスポンサーとして名を連ねている

   俵屋フーズ

   斑井コンサルティング

この他にも『ピンポン』『ブザービート』『がんばれ!ベアーズ』など映画やドラマへのオマージュやパロディがてんこ盛り。これは第1話で『オーシャンズ11』や『ゴッドファーザー』『マルサの女』などを、第5話では『白い巨塔』『ドクターX』などを見事にパロった田中監督の十八番とも言うべき演出で、コンフィデンスマンの真骨頂。

そして、先週、ドラマ世界内の時系列を勝手に妄想してみましたが、あっけなく木っ端微塵になりました(笑)。そりゃそうだ。それでも負けじと、今週明らかになった情報から、もう一度、時系列を整理してみたいと思うのですが、そもそも、先週の妄想のベースである "斑井満が山を購入した時点で会社を辞めた(働くのを辞めた)" というのが大間違いだったようです。斑井満は発掘という名の未来に憑りつかれはしたものの、仕事は仕事と割り切ってビジネスは継続しているのではないかと。そして、ボクちゃんと五十嵐の関係は、やはり第2話からスタートしている。ここを崩してはいけないことに気がつきました。と言って、また一話から順に見ていくのも面倒なので、今回のターゲット桂公彦がどのような交友関係を持っていたのかを探ってみるとします。

 

①幸せの三色だんご

五十嵐がパクパク食べていた "和菓子処 ふじみ屋" の定番商品 "三色だんご"(1本なんと60円!)。商品の梱包を見ると新店舗バージョンであることがわかります。これは赤星栄介の嫌がらせを受け、泣く泣く暖簾を降ろした後、ダー子からの赤星から奪ったお金の寄付で新たにお店を建直したその後ということになります。

となると、桂公彦の素性を調査していた五十嵐は、その足で詰めの甘いチョビ髭の調査も同時に洗い直し、その途上で "ふじみ屋" に辿り着き、お土産に購入していた可能性があります。五十嵐、なかなか仕事のできる男です。

穿った見方をすると、この時点で五十嵐はチョビ髭をあまり信用していないのではないかと読み取ることもできます。もしくはダー子と仲良くやってるチョビ髭に嫉妬心を抱き、三色だんごをさりげなく食べながら、「ダー子ちゃん、こいつのヘマぶりを少し思い出したらどうだい?」と密かに訴えているのかもしれません。それが後のジェスチャーにつながり、4人の仲良さげな姿につながると。

また、第7話の鎌倉花火大会の協賛に「公益財団あかぼし/モスモス/桜田リゾート/斑井コンサルティング」の4社が名を連ねていることから、桂公彦は赤星栄介とつながり、数々のスポーツチームを買収していた可能性もあります(さらにはスポンサーとして赤星主催のスポーツ興行にモスモスが名を連ねていた可能性もあります)。ここから読み取れるのは、第1話でなぜ可愛がっていたボクサーを赤星が締上げたのか?につながるのです。その陰に桂公彦の存在があった。もしくは "モスモス" のオフィスは、もともと "ふじみ屋" があった土地に建てられたものと妄想することもできます。となると、先ほどの三色だんごの意味により深みが増すのですが、まあ、とは言っても結局は僕の妄想です。

いずれにしても、桂公彦の物語は赤星栄介の後ということになります。

 

②俵屋フーズと斑井コンサルティング

ドラマのエンディングで、プロチームとして初の勝利を納めた "熱海チーターズ" のユニフォームに、"うなぎのカレー煮" で有名な俵屋フーズ、そして、あちこちに顔を出している斑井コンサルティングの名があります。

まずは "斑井コンサルティング" 。先述したように斑井満はダー子から山を買い取り、遺跡発掘の喜びに溢れた人生を送ることになりましたが、父である万吉のように何もかもを投げ打って遺跡発掘に勤しんでいるわけではないことがわかりました。その証拠が今回の "熱海チーターズ" へのスポンサー。ここから読み取れるのは、改心した桂公彦が経営や社員のコンサルティングを斑井満に依頼していることです。そして、斑井も年寄りばかりを狙っていた悪行を改め、スマホのアプリという若い世代の会社に対しても真摯にコンサルティング業務を行い、あろうことかスポーツを通して地域の活性化にも貢献しているという事実です。

もう一つ名を連ねているのが "俵屋フーズ" 。第3話で映画への投資をしていた俵屋勤ですが、ダー子たちによって偽装が明るみになり、五十嵐曰く「俵屋は逮捕されるだろう」ということでした。結果、逮捕されたのか、もしくは謝罪で済ましたのかは明らかになっていないのと、俵屋フーズが存続しているのかどうかも同様で、"うなぎのカレー煮" の行方はわからないままになっています。

ここで注目したいのは "熱海チーターズ" が初勝利を納めたのは、実は来年になるということです。なぜ、そう言い切れるかというと、ドラマ冒頭のシーンでボクちゃんとリチャードがサッカーの試合をテレビで見ているのですが、そこに映っていたのが2017年8月に行われた日本 VS オーストラリアの試合だからです。この試合でワールドカップへの出場を日本は決めたのですが、となると、そこから2年後に "熱海チーターズ" が初勝利したとなると、これはちょっとした近未来のお話ということになるのです。

そんな来年のシーンに俵屋フーズの名があるということは、会社も "うなぎのカレー煮" も存続していると読み取ることが可能です。そして、自分が大好きな映画への資金提供でさえなかなか渋っていた俵屋勤が、なんのつながりもない "熱海チーターズ" のスポンサーに名乗り出るとは到底思えません。となると、俵屋勤は社長の座から失脚し、その後釜についた誰かが "熱海チーターズ" のスポンサーに名乗り出たということになります。それは誰か。たぶん、工場長であった宮下さんではなかろうかと思います。

宮下さんにはキレイな奥さんと小学生くらいの息子くんがいました。嘘をついちゃいけない、一生懸命に仕事をすれば報われる、そんなポリシーで家族とも向き合っていた宮下さんは、社長の座に着いても変わらない精神で人気商品 "うなぎのカレー煮" を国産にこだわって作り続けた。そして、"うなぎ" と言えば "静岡" です。今思うと、卓球チーム "東京ジェッツ" の社長に、リチャードは「おいしいウナギの店を知ってますんで、そこで話をしませんか?」と、まんまと外に誘い出すことに成功しています。この辺りも、"うなぎ" つながりの軽い伏線になっていそうです。さらには、もしかしたら息子くんがバスケを始めた為、それに影響されて宮下さんがスポンサーに名乗り出たという親子話で膨らませることも可能かもしれません。

いずれにしても、先週の妄想で展開した "斑井コンサルティング" と "俵屋フーズ" は、ダー子との対決で倒産、もしくは廃業した訳では決してなく、その経営方針を改め、逆にダー子たちと出会ったことにより、その人生がより有意義になったのだと解釈することが可能なのです。そして、その時期は赤星栄介が鳥取砂丘に降り立ってから、"熱海チーターズ" が初勝利するまでの2年間の間に起きたことであると定義することができるのです。

 

さて、今週『ルーキーズ』をパクられた佐藤隆太さんが、来週ダー子たちのラスボスとして登場します。既にワンシチュエーションの作品であると騒がれていますが、これは第7話の与論要蔵邸以上のヒッチコックばりの傑作になるんでしょうか。そして、ボクちゃんが何度も言っていた "過去" というキーワードは何を指しているのでしょうか。さらに映画は本当に作られるのでしょうか。来週の最終話、今から楽しみです。