that passion once again

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【連続テレビ小説「なつぞら」】第7週 やってみたいのさ。挑戦してみたいのさ。

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なっちゃんはアニメに魂を吹き込みたい。

天陽くんはキャンバスに魂を吹き込みたい。

そんな若い二人の姿を見ていると、

「何かをやりたい!」なんて気持ち、

いったい、いつの頃から消えたんだろう...?

そんな風に思ってしまいました。

 

まるでミケランジェロの如く、

木の中から魂を掘り出している弥市郎さん。

その達観した人生観なんて到底、辿り着けない。

 

一目で砂良さんに恋に落ちた照男兄ちゃん。

夕見子ちゃん好き好き雪次郎くん。

よっちゃんに乗り換えた番長。

いずれにしても、

そんな情熱もトキメキもとんと昔に消え失せた。

 

なっちゃんを想いビンタした富士子さん。

諦めることが思いやることと腹を括ったおんじ。

気まずい食事。

気まずい暮らし。

そんな居ても立ってもいられないような、

なんとも もどかしい気持ちなんて...。

 

大志を抱け!

夢をつかめ!

そんなセリフが昔はごまんとありましたが、

この『なつぞら』では、そのキーワードが出てきません。

出てくるのは「魂」と「挑戦」、そして「家族」です。

 

毎回毎回なっちゃんの涙につられて涙腺崩壊。

同じように泣いている日本中の視聴者たち。

がんばれ、なっちゃん

みんな、そう思ってるんじゃないかと。

でも、それと同義語なセリフがあります。

それは「がんばれ、自分!」

 

会社勤めで仕事をしている人、

育児や家事に精を出している人、

勉強に追われている人、

もしくはそんな季節もとうに過ぎて、

今日もやることがなくて途方に暮れている人、

代り映えのない普通の暮らしをしている人、

そばに誰もいない人。

 

ドラマのような「魂」とか「挑戦」はないけど、

みんな「生きること」をがんばってるんではないかと。

「生きること」をがんばらなきゃいけない時代なんだと。

だから、がんばれ、なっちゃん!と思いながら、

がんばれ、自分!って思ってる。

そう思える素敵なドラマが毎朝放送されている。

 

夢はない。

大志もない。

だけど、生きている。

感情移入できる心がある。

それだけで充分だと思う。

 

がんばれ、なっちゃん

明日も陽が昇る。