that passion once again

日々の気づき。ディスク・レビューや映画・読書レビューなどなど。スローペースで更新。

幸福感に包まれた永井真理子の最新アルバム『W』は今を生きる僕らのサウンドトラックだ

f:id:wisteria-valley:20190731225607j:plain

これほどの幸福感に包まれた永井真理子を見たことがあるだろうか。ナガマリファンがTwitterで大興奮したCDジャケットも、例えば『KISS ME KISS ME』や『Sunny Side up』の良ジャケが今まであったにせよ、今回はそれらを軽く凌駕するほどの幸福感に包まれています。さらに全11曲収録されたアルバムの中身も、とっぷりと幸福感いっぱいの内容になっていて、まるで広い公園に出かけた時の解放感というか、愛する人・癒しのペットを腕に抱いた時の温もりというか。樹木の隙間からこぼれ落ちる木洩れ日、光を反射する水のキラメキ、そんな自然の姿を目にした一瞬一瞬に満たされる心の状態、それらを見事に音像化したアルバムなのです(これらのビジュアルがブックレットにもちゃんと反映されているところも見逃せません)。

前作『Life is beautiful』から1年9ヶ月。フルアルバムとしては14thアルバム『Sunny Side up』から実に13年と3ヶ月ぶりの作品になります。永井真理子&廣田コージとしては、1993年発表の7thアルバム『OPEN ZOO』から、ちょうど10枚目のメモリアル・アルバムにもなっています(11thアルバム『ちいさなとびら』を換算に入れていますので、異を唱えたい人の気持ちも十分にわかりますが、それもあっての今があると考えたら抜くこともできないかなと)。

今から2年前、2017年6月に突如として発表された復活宣言。その際にナガマリはスタートラインに立てた気持ちをこんな風に語りました。

「深い海の底に沈めてしまった歌声を自分へと戻す気持ちになれた」

その結実が、この『W』というアルバムだと断言してよいのではないでしょうか。ただ、復活前のナガマリと復活後のナガマリには決定的に違う部分があります。それはファイティング・ポーズをとらなくなったこと。前作の『Life is beautiful』でさえ、海面に浮かび上がるために必死にもがき、挫けそうな自分に対して叱咤激励している部分がありました。復活前なんて、自分と戦いすぎて、いったい自分がなんなのかわからなくなったり、疲弊している自分を弱いと断罪しては、さらに疲弊させていく始末でした。そんなナガマリが「もう戦わないよっ!」とファイティング・ポーズをやめたのです。いや、復活後の2年で戦う必要がないことを悟ったのです。たぶん...。

アルバムタイトルの『W』には、(笑)や、ww や、v (^o^) v などの意味が含まれています。奇しくも笑いを職業としている方々が、ずいぶんと笑えない問題に現在さらされていますが...。人間、笑って生きていれば、やっぱり楽しい人生を過ごせるものです。ファイティング・ポーズを取りながら笑っていたら、それは幸福ではなく、圧倒的な力量への敬服、あきらめ、もしくは強がりや虚栄心であったり。そんなんではなくて、自然とこぼれる笑み、お互いに肩を叩き合いながら喜ぶ笑い。戦ってきたからわかる戦わない幸福、そんな姿を形にしたのがタイトルトラックであり、このアルバムのテーマにもなっているのではないかと。

ではでは、その1曲1曲を細かく見ていきましょうか、姐さん。

1.「Happy Clover

フジテレビ「梅沢富美男のズバッと聞きます!」にゲスト出演した際、この曲のレコーディング風景が紹介されていましたが、曲のタイトルを「ラッキークローバー」と言っていた天然ナガマリ。うん、そりゃ四葉のクローバーを見つけたらラッキーだけどさ...。そもそも、そういう意味の歌詞じゃないじゃん!

曲のイントロからして幸福感に満ちている楽曲。どこかコールドプレイの "Viva La Vida" や "Clocks" を彷彿させる部分もありますが、彼らの幸福感や高揚感へのリスペクトもあるのかもしれません。ナガマリライブのSEでもコールドプレイが流れているので、結構、影響されていそうな感じもします。いずれにしても、ここまでの垢抜けたハッピーソングはナガマリ史上、初ではないでしょうか。

四葉のクローバーを2つのハートに見立てて、人と人との支え合いを歌っています。ただ単純に幸せを歌っている訳ではなく<誰かを傷つけてたら君を大事に叱るから>や<1枚は悲しみ 3枚は喜び>と語りかけているように成長や幸福には厳しさと優しさが必要だよと、陰と陽の面があるよと、両方があるから今の幸福や幸運がわかるんだよと、だから共に成長して行こうと、そんな風に歌いかけてきます。聴いているだけで、ほんわかと幸せになれる、そんな楽曲。

CDの裏ジャケットでは耳飾りにしていたり、ツアーグッズでもシンボルとしてデザインされている四葉のクローバー。花言葉である「幸運」、もしくは「希望」「愛情」「幸福」「信頼」と一つ一つの葉に意味があるように、願いと感謝のシンボルとしてのメタファーを深読みすることもできてしまう、文句なしのオープニングナンバー。

2.「ROLLER COASTER ~全力笑顔でPeaceしよう~」

最新EP『W』にも収録されていたスタンダードなロックナンバー。とにかくデビューして30年以上のアーティストが、なんのてらいもなく、こんなド直球なロックを自然体で歌えることに感激してしまいました。これがナガマリですよ。

冒頭でファイティング・ポーズを捨てたと語りましたが、じゃあ、立ち向かうスピリットはどうすればいいのかとなるのですが、これが「楽しみゃええやん!」という、非常に楽観的な世界が広がっていたというね。ドキドキ・ワクワクして、さあ、やれることやっていこうぜ!みたいな。ジェットコースターに乗るようにスピードを楽しもう、乱高下を楽しもう。笑って、カメラに向かってピースするみたいに今を生きよう。なんか、実はWANIMAをカバーしましたと言われても不思議じゃないくらい、若さとエネルギーに溢れています。そういう点ではYUIの "Daydreamer" も近いかも。パンクであり、ポップであり、ナガマリでもある。

ローラーコースターと言えば富士急ハイランド富士急ハイランドといえばコニファーフォレスト。欲は言わないけど、ナガマリ in コニファーフォレストが仮にあったとしたら、ライブのテーマ曲は確実にこれでしょ。ヤバッ、なんか想像したらワクワクしてきた!

3.「スイッチ」

必殺のミディアムナンバーがきました。"日曜日が足りない" や "暖かい雪" "きれいになろう" の系譜に連なる楽曲ですが、そのいずれもがシンプルな恋愛ソングだったのに対して、ここでは同じ恋愛ソングでもちょっと内省的といいますか、そういう面では "やさしくなりたい" の21世紀バージョンと見ることもできそうです。

<ハートが硬く>なって、<ひざこぞを抱えて、あごをのせて>いる主人公に歌い手は優しく語りかけています。想いあふれるその人は苦楽を共にできる人なんじゃないの?と。傷ついたその経験も決してムダにはならないでしょと。だから、良いも悪いも分け合いながら生きていこう。そんな風に主人公に語りかけながら、最後には自分自身にも言い聞かせている。

ナガマリ・ボキャブラリーって独特だなぁと思います。この "スイッチ" もそうですが、今までも<大きな木の下に埋めた宝物>であったり、"ポケット" であったり、"タンバリン" であったり、セレクトする単語に、どこか純朴なイメージがあります。まあ、"HELP" や "HYSTERIC GLAMOUR" までいってしまうと、なんかパープルな感じがしてきますが...。でも、根底にそんなケミカルな世界があるからこそ、感情のスイッチを入れるなんていう発想も出てくるのかなと。

それにしても、やっぱアコースティックの響きは癒されますね。YouTubeで公開されているアコースティックver.の "YOU AND I" も最高ですよ。トュル・トュトュ・トュトュチュ~。

4.「僕らのBig Power」

テレビ東京系「柔道グランドスラム2018」のテーマソングとして、奇跡的なコラボを果たした通算36枚目のシングル。先述した "YOU AND I" や、代表曲 "ミラクル・ガール" が主題歌になった「YAWARA!」つながりで、ナガマリ&柔道にウルウルきちゃうファンも多かったと思います。

「猛烈に応援ソングを歌いたいタイミングに、頑張っている選手達にエールを送れるなんて最高すぎます。これはミラクルだ~。柔道の勉強しなきゃ!」と、当時Twitterでコメントを発表していましたが。え...、今さら柔道の勉強?と、なかなかズッコケてしまったファンも多かったと思います...。アン・ドゥ・トロワ!アン・ドゥ・トロワ!ですよ、姐さん。

ナガマリ応援ソングで思い浮かべる楽曲は、もちろんそれぞれ違うと思いますが、僕の中でのベスト応援ソングは "20才のスピード" です。<チャンスに強くなれ 弱い時にこそ>と、もう完全に昭和な根性論を叩き込まれた感じもするのですが、当時は<逃げてみてもしょうがない。涙をナイフに変えて>でもやるしかないと腹を決めたものでした。あれから30年。思い描くだけでは何も起きない。さあ、大きな力を信じて一歩ずつ未来へ進もう!と。君の努力は知っている。上を向いて進めば上昇気流に乗れるさ!と。さあ、トップをねらえ!と。いいなぁ...。僕も若い頃に、こんな優しい言葉をかけてほしかったです。ただ、逆説的に考えると、これはナガマリ自身への応援ソングという面もあるかと思います。<二度と負けないように>というフレーズは、やはり今までファイティング・ポーズをとり続けた結果、歌声が海の底まで沈んでしまったことへの自戒の念ではないかと。上を向いて立ち上がれば、きっと君も私と同じように笑顔になれるはずだよ。上へ上へと浮上していけば、やっぱり同じように光や風が味方になってくれるはずだよ。私はそれを知ってる。私はそれを忘れない。そんな想いもあるのではないかと。

5.「20時の流星群」

アルバム発売に先駆けて発表されたEPのメイントラック。

この曲の感想は上記のテキストにも書きましたが、かの名曲 "Keep On "Keeping On"" を越えたという思いは、アルバムをフルで聴いた今でも変わりません。

復活後の幸福感の多くは、SNSを通じてのコミュニケーションに尽きるのではないかと思います。もちろんライブでのつながりもそうですが、ライブ以外の場でもつながっていられる、楽しめるという思いが、今の永井真理子というアーティストの存在をキラキラと輝かせているのではないかと。

そのきっかけは2018年12月14日の夜。ふたご座流星群がピークを迎えるらしいよっ!と、みんなで見てみようっ!とナガマリがTwitterで呼びかけたことが始まりでした。流れ星が見えた人もいれば、星じゃなくて雪しか見えない人、降ってはいないけど雲ばかりの人、星はあまり見えないけど三日月はキレイに見えたという人。本当に人それぞれで、だけど、みんな夜空を見上げているというのは一緒で、そのつながりが心を満たしてくれるという。この連帯感に幸福を感じるというのは、10年間も第一線から離れ、ある意味、孤独をヒシヒシと感じた経験があったからこその感謝であったり喜びであったりではないかと。そんなことを想像しながら聴くと、また泣けてきます...。

6.「ORANGE」

通算35枚目のシングル。2017年の復活からちょうど1年を迎え、10年も待ち続けてくれたファンや、さまざまな再会への歓喜を素直に綴った曲。

オレンジという単語にはメタファーがたっぷりと込められていて、柑橘類の甘酸っぱさをそのまま人生の甘酸っぱさに例えたり、丸々としたオレンジ色をサンサンとした太陽に例えたり、映画「時計仕掛けのオレンジ」のように人間と例えたりすることもありますが、これはちょっと深読みしすぎかもしれません。

深い海の底から浮かび上がった時の、目の前に広がる空の青さ、その突き抜けた高み。それは嫌いだったものさえも受け入れられる心の広さのようで、どこまでも進んでいけるような前向きな気持ちのよう。その時、その先に見えたものが...。

14thシングル "私の中の勇気" では<失くすことを恐れない。痛みさえも越えられる>と歌い、"DON'T GIVE UP HEART" では<あなたの優しさ抱きしめ、悲しみを越えてく>と歌っていましたが、やはり、そんな日々は<泳ぐことさえできない>毎日を生み出してしまいました。深い海の底から、水面を煌めかせる光を眺めていた季節は、何かしらの理由や答えがなければ、そこに浮上してはいけない重しとなっていたのですが、しかし、そんな重しは幻で、ふと流れてきた風に身をゆだねてみれば、理由や答えなんていらない、素直な気持ちのまま一歩を踏み出せばいいんだと教えてくれたのです。それは<錆びた心の観覧車>でもなく、<ジャングルジムの頂上>でもなかった。<真っさらな一歩を踏み出す>先に見えたのは、太陽のようなオレンジだったのです。

ライブグッズのシンボルとして、このオレンジと四葉のクローバーがセットになっています。ナガマリも、僕たちも、このシンボルを胸に、肩肘を張らず、今の幸せと明日の希望を思う存分に吸い込んでいければと思うのです。

※ちなみにフィジカル盤の『ORANGE』には、"Do Not Worry" と "Stay with me" のセルフカバーが収録されています。あとウチワ。

7.「JUNGLE」

これこそ『OPEN ZOO』じゃないか?と思えるほど、ナガマリ語録満載の打ち込み系アッパーチューン。ジャングルとかパラダイスとかいう単語を聞くと、どこかの銃と薔薇なんていうバンドをイメージしちゃいますが、ここでのジャングルは「ジャングルブック」や「ライオンキング」の舞台になっているジャングルです。

ビビリガチTIGER → プーさんのティガー?

ゴマスリスリMONKEY → 豊臣秀吉

キマジメRHINOCEROS → わからない...、サイ=堅物?

ウソツキスギBIRD → トゥイーティー

いや、正解はないと思います。<右手が大きなスプーンの子供>とか<頭に鳥かごかぶった男>とか<針金のケーキを送る女>とかと同じ世界だと思うのですよ(思い返してみたら、こんな曲をリアレンジしてシングルカットしてたんですよねぇ...)。でも、<無敵の旗を掲げろ>とか、めちゃめちゃ好きなフレーズです。否が応でも高揚感が湧き上がってくるじゃないですか。<踊って 騒いで 笑って 叫んで>、うん、やっぱり『OPEN ZOO』だ。動物園開園!

8.「Do Not Worry」

すいません、このアルバムの中で一番好きな曲です。カントリー風というか、エバーグリーンというか、こういうのに弱いんです。<cause I LOVE YOU>のラヴュ~の部分なんかたまらないです。アヴリルとかテイラー・スウィフトとかも、結構、昔はこういう曲歌ってたんだけどなぁ。そういう意味では "I know right?" も大好きです。え?"We Are Never Ever Getting Back Together" じゃないかって?いやいや、それを言うなら "Don't Let! Apple Pie!" が田舎から上京してライザップに通ってオーガニックなカフェをオープンしたみたいな感じですよ(なんのこっちゃ)。しかし、<雨なら休んで、晴れてもゆっくり、自分のスピードで目指そう>なんて、こんな自然体でポジティブなサウンドトラックってあります?例えば、"こんな人生もありよ" では<40年丸々寝ないで生きまくって、残りの20年寝て死ぬ方がいい>と、24時間戦い続けて燃え尽きちまおうと歌っていました。それでも<未来をでんぐり返しして転がれば、ラッタ ラッタ ル~ルルル~>と、楽天的だったのですが、まあ、転がり始めたら二度と止まらなくなりそうです。そんな風に(どんな風?)とにかく「風雲たけし城」の谷隊長の如く「いけ~っ!!!!!」と猪突猛進の号令をかけまくっていたのが復活以前のナガマリでしたが、それも時が過ぎると、「24時間テレビ」のマラソントレーナー坂本さんのように、並走して、苦しみも喜びもすべて分かち合う境地にたどり着いたと。

それにしても、やっぱ、この曲いいわぁ。たまんない。

9.「涙よ頑張れ」

アルバムの中では比較的ネガティブでシリアスな楽曲ですが、その心の機敏の描写を追いかけていくと、最終的に明るい未来のためへの決断をするまでの物語になっています。その物語を追いかけていくことで、リスナーにも明るい未来への決断を促している、そんな楽曲。

自己中でわがまま、こんな状況を抜けるには妄想に走って気分をよくするしかない。だけど、なんの解決にもならないし、なんの行動もしていない。そんなところから主人公の物語は始まり、未練や自己顕示欲、それらが自分の弱さだと、こぼれ落ちる涙のたびに徐々に受け入れ、最後には感謝で終わる。マイナスだったエネルギーが涙によって浄化され、感謝にたどり着くことでプラスに変換される。

"ピンクの魚よ" では、水槽の中の魚を外の世界に放してあげたいと願いながら、外はもっと危険だし、そもそも水槽の外はもっと大きな水槽で、結局は決まった水槽の中で生きていくしかない、いつまでも自由にはなれないんだと諦めていました。でも、水槽の中で生きていけること、水槽の中だから守られているということに感謝ができたら。それでも、やはり<エメラルド色の波>にたどり着きたいという想いがあれば、大丈夫、きっとたどり着ける。愛着のある世界から離れないといけないのは寂しいけど、涙をナイフではなく温かなパワーに変えて進んでいこう。そうして、ピンクの魚は水槽の外の世界に踏み出したのです。

10.「Fine day Sunny day」

ぜんぜん違いますけど、最初にイントロを聞いた時に "卒業しても サヨナラしても 遠くでも" みたいで、おっっ!と思いました。こういう小品な曲があるかないかで、アルバム全体のバランスってだいぶ変わるんですよね。もちろん、そのバランスは抜群です。アルバムの雰囲気がこれでギュッと締まっています。

たぶん、Twitterで「めちゃめちゃ頑張って、アルバムの新曲が1曲増えたぁ!」と報告していた最後のレコーディング曲がこの曲じゃないかと想像。もしかしたら "スイッチ" かもしれないけど、アルバムの曲順からすると、たぶんこっちでしょ!どうだ。

ああ...、あくびが出た。

11.「W」

"Mariko" で<自分になる旅に出ようと思う>と所信表明し、"La-La-La" で<何のために生まれたのか>と自問自答、"タンバリンをたたこう" で<感動するために生まれたんだ>とアンサーを導き出していました。他にも "私の中の勇気" や "DON'T GIVE UP HEART" など、永井真理子というアーティスト人生のシーズンごとに核になる楽曲が存在していたのですが、その系譜に連なる最新楽曲が、この "W" になります。

うろ覚えですが、18thシングル "chu-chu" のカプリングとして収録された "La-La-La" のシングルver.、もしくは『OPEN ZOO』に収録されているアルバムver.、どちらかで横浜スタジアムでのオーディエンスの歌声を曲に取り込もうとしたらしいのですが、うまくいかず断念した経緯があったと思います。あの頃の想いをもう一度と、ここに再現したのがTeam Mであり、この曲がなければ、このアルバムの意味もないのです。

曲の最後の歓声は、まるでオアシスの "Whatever" みたいで、そのうち誰かがナンバーワ~ン!と叫びだすんじゃないかと思ってしまいましたが、まあ、この歓声が、この一体感が、この幸福感が、今のナガマリなのです。

 

てなわけで、全曲レビューでした。

通販でCDが届いてからというもの、とにかく聴きまくっています。これだけヘビロテして飽きないのは、本当に久しぶりな感じです。CDジャケットも曲順も作品としてのバランスも全て申し分なし。明日も『W』を聞いて、この人生を励みます。