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【連続テレビ小説「なつぞら」】第25週 また…、家族になってくれる?

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いよいよ最終週を迎えている『なつぞら』。現時点で残りあと2話です。

先週は奥原兄妹の再会から始まり、千遥ちゃんの身辺整理で幕を閉じました。

さらにウッチャン背中だけ登場からの奥原ママまで登場と、物語は一気に王道のホームドラマっぽい感じに。

戦争でバラバラになってしまった "本当の家族" が、最後に奇跡の再会を果たしたのでした(まあ、再会と言っても、想い出しただけですが...)。

 

まだ、ラストを迎えていないので、語るには時期尚早とは思いますが。

この半年を振り返ってみると、初期の北海道編は良しとして、アニメーターを目指し始めた東京編から、ホームドラマというよりサクセスストーリーに物語が変貌し、『ヘンゼルとグレーテル』を頂点にすると、強制的に恋愛ストーリーに移行。

あっという間にプロポーズの話になり、気がつけば優ちゃんが産まれてる。

この辺りの駆け足具合に戸惑い、はてさて、なっちゃんの物語はどこにベクトルを向けているのだろう?と思う時期がありました。

 

なっちゃんを取り巻く出来事は、全てアニメーションという表現にシンクロ、もしくは昇華されているので、ドラマとしての光と影の "影" の部分が見えにくくなっています。

前回の『なつぞら』ブログで、鬱になるようなヘビーな展開は見たくないと書きましたが、それと "影" は違いまして。

まんぷく』で例えるなら、即席ラーメンの開発に何度も試行錯誤を繰り返している状態が "影"、やっとの思いで完成し大ヒットする「まんぷくラーメン」が "光" になります。

この流れはサクセスストーリーなので、成功することがゴールです。

同じ流れとしては、劇中アニメ『神をつかんだ少年クリフ』の制作期間が "影" 、この映画が大ヒットしたら "光" ということになるのですが、御存じのようにプロポーズ話でベクトルが完全にブレてしまいました。

その挙句、「無職の男と結婚する」という、あまり共感できない展開に。

この流れをホームドラマの "影" とするなら、安心して優ちゃんを育てられる環境を生み出すことが "光" になるのですが、ここでまたベクトルがブレてしまいます。

というのも、なっちゃん作画監督として出世してしまいます。

これはサクセスストーリーになってしまい、視聴者はなっちゃんが成功者であり、出産を理由に職を失いベビーシッターになった茜さんが負け組と認識してしまいます。

そうすると "影" であったはずの枷が、どうにも活きてこないのです。

 

現在、最終回に向けて『なつぞら』が盛り上がりを見せ始めた理由の一つに、千遥ちゃん千夏ちゃん親子の登場を上げられます。

この2人が画面に登場した時の吸引力といったら、ダイソンの掃除機以上です。

天陽くんロスなんて、あっという間に雲散霧消。

 

戦争で孤独になり、開拓者魂で未来を切り開いてきたなっちゃんのゴールは、たぶん "家族" に戻ること。

その絆と幸せのエンドロールまで、あと30分。

最後まで楽しみます。