that passion once again

日々の気づき。ディスク・レビューや映画・読書レビューなどなど。スローペースで更新。

ライフ・イズ・ビューティフル

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「僕たちは夢を見ているのかもな。みんな夢なんだ。朝になると、ママが起こしてくれる。そして、カフェラテとビスケットを用意してくれる。食べ終わったら、パパとママは何度も愛し合うんだ」

このセリフは、映画『ライフ・イズ・ビューティフル』の中の一節です。

 

去年、2020年の2月、私はテレビの中の豪華クルーズ船に隔離されている人たちを、まるで他人事のように眺めていました。WHOにおいて健康観察の対象期間とされている14日間の隔離。まさか、その1か月半後、日本中が家に隔離されなければならなくなるなんて、当時は誰も予想していなかったと思います。

あれから、もうすぐ1年が経とうとしている。

ステイ・ホーム。

withコロナ。

アフターコロナ。

その間にも卒業式や入学式が取りやめになった学校があり、子供たちは長い間、教室に通うことができず、内定取り消しや入社してもテレワークのみだったりする新社会人の人たちがいたりします。職を失い、家族を支えられなくなっている人たちがいる一方で、休みもなく働きづめになって家族と会えずにいる人たちもいますし、そういう方たちの健康状態と精神状態も危惧されています。誰もが他人との距離を図りながら、誰もが他人との距離を縮めたいとも思っている。でも、それが許されない。

この混沌としている状況が、どこか "精神的な強制収容所" の様相を帯びているように感じてしまい、冒頭で記した映画『ライフ・イズ・ビューティフル』の一節を思い浮かべてしまったのです。寝て、目が覚めたら、みんな夢だった。寝て、目が覚めたら、昔の今まで通りの朝を迎えられる。そんなだったら、どんなにいいだろう。でも、映画の主人公グイドの目の前に映し出されるのは、目を覆いたくても覆うことのできない悲惨な現実でした。

そして、私の目の前にも、ここにきて、首都圏で再び緊急事態宣言が発出されようとしている現実があります。

 

2020年12月31日、東京のコロナ感染者数は過去最多の1337人。

コロナ感染者数は累計で249,000人に上りました。

ちなみに2020年に交通事故で負傷された方は累計368,601名。

コロナで亡くなられてしまった方は3,472名。

交通事故で亡くなられた方は2,839名となっています。

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出典:コロナ感染者数 2020年 - Google 検索

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出典:2020年の交通事故死者数は2839人、統計開始以来最小を更新し初めて3000人を下まわる - Car Watch

 

この対比でなにが言いたいかというと、どちらも "安全" という個人個人の意識さえあれば、数を減らしていくことができるということ。世の中のルールを無視すれば、当然、事故も増えるし、それによって引き起こされる悲劇も増えていくのは、ここで説明するまでもないことですよね。

ただ、意識をしていても、どうにもならない世界もあります。それが "がん"。

統計データでは、2017年に新たに "がん" と診断された羅患例は977,393例。

2018年に "がん" で亡くなられた方は373,584名と発表されています。

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出典:最新がん統計:[国立がん研究センター がん登録・統計]

 

単純計算で、COVID-19に感染して亡くなられてしまった方は全体の1%に対して、がんで亡くなられた方は全体の38%にもなります。普段から健康に気を使っている人、もしくは健康そのものと思っていた人が、急にがんに患ってしまったというのを今まで幾度も見てきていますし、私自身もいつそのようになってしまうか、決して例外ではありません。コロナ感染も同様ではありますが、WHOが発表しているように、がんのように特別な治療を必要としていない点では(もちろん人工呼吸器が必要になるような超重症者の方々は別です)、病としては軽度と言えるのかもしれません。

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出典:covid-19 - Google 検索

 

話は緊急事態宣言に戻ります。

今の世界、早急な解決が望まれているのはもちろんコロナ感染の収束です。ただ、思うのです。強制収容所での親衛隊員や監視兵やカポーが、自分たちの価値観だけを押し付けて弱者をいいようになじっていたように、このコロナ禍も同じ構造になってしまってはいないだろうかと。補助や給付金だって、強制労働者たちに与えられていた食事のように微々たるもののように感じてしまいますし、これこれをすれば救われると藁をもつかむ思いで我慢をしてきた学生や社会人や経営者たちも、まるでその我慢をあざ笑われるかのような極端な自粛の風潮は、あまりにも報われなさすぎると思うのです。

コロナ感染の収束=コロナによる死者数をなくすということであれば、先述したようにCOVID-19での死亡率というのは1%でしかありません(もちろん、これは日本での話です)。この1%のために、私たちは経済を停め、他者との接触を避け、個人の価値観から見てルールから外れていると思える人たちを凶弾しなければならないのでしょうか。

ちなみに2020年に自ら命を絶った人の数は19,101名。この数はコロナで亡くなられた方の5.5倍にもなります。

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出典:自殺者数|警察庁Webサイト

 

それでも、やはりコロナが終息しない限り、大規模なイベントは永遠に先送りとされてしまいますし、それよりも何よりも、おじいちゃんやおばあちゃんと気軽に会うことさえ許されず、家族は分断されたままになってしまいます。それも、まるで強制収容所のようだと思ってしまうのです。私たちの周りには、目に見えない鉄条網が張り巡らされ、愛する家族と切り離され、最初のうちは2週間耐え忍べば、1ヵ月耐え忍べばと思っていたものが、半年になり、もうすぐ1年を迎えようとしている。

『夜と霧』の作者であるV.E.フランクルは、ドストエフスキーの言葉を借りて「人間はなにごとにも慣れる存在だ」と心の底から言えると記しています。極限の世界にも人間は慣れてしまう。それが恐怖に支配されている世界だとしても慣れてしまうのです。そして、映画『ライフ・イズ・ビューティフル』の主人公グイドは、慣れてしまうことに対して、息子ジョズエにこう語ります。

さあ、ゲームの始まりだ。

お前は1000ポイント貯めなきゃいけない。

もし1000ポイント貯めたら、

大砲のついた戦車を家に持って帰れるんだよ。 

どんな状況下にあるとしても、それを楽しんでしまおう。楽しんでいる限り、その場に慣れてしまうことはないし、ゲームとなれば、その場その場で頭も使わなければならないし、変な話ですが、いつまでも希望をもつことができる。

このコロナ禍でも同じこと。いろいろな方々が頭をひねり、テクノロジーを駆使して、それぞれの人生をそれぞれのやり方で生き抜いている。だから、私もあきらめないで、悲観的にならずに、生きていることを感じながら、生きていることに感謝しながら、この先の未来をまだまだ歩いて行こうと思うのです。そうしていれば、必ずや解放される日はやってくるはずなのです。映画のように家族と再会できる日が必ずやってくるはずなのです。

youtu.be

 

追記として、スペイン風邪の猛威は1918年~1920年までの2年間であり、なんの対策もできずに翻弄されていた世界であったとしても、1920年の半ばに突如、音もなく忽然と消え去ったと言われています。

出典:第一次大戦史から学ぶ:世界を揺るがしたスペイン風邪の発生源は米国だった=板谷敏彦 | 週刊エコノミスト Online

永井真理子 ファン感謝祭2020 @ shibuya eggman 第2部

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ファン感謝祭2020の第1部については下記のリンクからどうぞ。

 

てなわけで、第1部のレポだけで10,000文字に達しそうでしたので、全部まとめてしまうととんでもない長さになってしまうと記事を2つに分けることといたしました。こうすれば文字数を気にせず、また存分に語り倒せます。

そもそもライブ当日の12月22日は火曜日。年末も押し迫ってきているこの時期ですから、みなさんお仕事が忙しいのは当たり前。ご多分に漏れず、ボクも第1部が始まる16:00ギリギリまで仕事をしておりました。というか、キリがないので15:55でもう限界じゃ~!とたまりまくった業務をほっぽり出してやることにしたわけでして。そこから、さあ渋谷に迎えー!と配信ライブをスマホで見ながら、まずは家路を辿り、どうよどうよとナビを見てみたら早い段階から首都高が渋滞。これから17:00を迎えるとなると、さらに動かなくなるのは目に見えているので、急遽、電車で向かうこととしました。

なので、第1部はほとんどイヤホンで音だけを聴いている状態。それでも会場とリアルタイムで繋がっていられること、時折、画面でステージの様子を楽しむことができるというのが、ひじょうに便利だし、なんか21世紀を生きてる感がしました。

そんなこんなでお昼も食べずに走り回っていたので、渋谷に到着と共にまずはゴハン屋さんに直行。たらふく食べて外に出てみると、なんか肌寒い。移動が電車だし、駅からちょっと歩けば会場だし、上着はどうせ邪魔になるだろうからと着てこなかったら、見事に寒い!着なくてもイケそうだけど、帰りはもっとヤバそうなことになりそうだからと、これまた渋谷のHeart&Mariko、通称 H&M上着を購入。はあ、あったかい。パイセン、この暖かさ、やっぱプライスレスでしたよw

会場に着くと既にみなさん入場済。フンフンフンと階段を降りていき、検温OK!連絡先OK!中に入ると場内はもうワチャワチャしまくり。

暑い!やっぱり、こうなったか。まあ、しゃあない!と思っていたら、人垣の向こうからなんとアニキが忙しそうにワセワセと近づいてくるではないですか。

ウギャァァァァァ。

心では絶叫をしていながら、生アニキに「ちーす」と挨拶するにとどめるという、この余裕ぶった小さな男よ...。しかも、アニキときたら後ろのバーカウンターでずっとステージを見てるんですよ。そのステージには姐さん、後ろにはアニキと。この幸せな空間って、なに?こんなことって、あっていいの?配信組のみなさん、すいません。ボク、幸せでしたっ。

 

まあ、こんなアホはほっときまして。

さて、第2部、全13曲を1曲ずつ見ていくこととします。ちなみに第1部をずっとイヤホンで聴いていたボクが断言します。前回の "OPEN THE NEXT DOOR" は会場と配信の音響にえらい違いがありましたが、今回の "ファン感謝祭" に限っては、どちらも遜色ない音響でした。ということは、大阪・秋の陣、そして、888ライブも33ライブも、ほぼほぼ会場と配信の音的には差がなかったことになります。この辺のバランスをしっかり考えている姐さんとアニキは、やっぱり最高すぎます!最高じゃ~~~!!!

 

2-1.レインボウ

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出典:https://www.marikonagai.com/pages/1059405/page_201706120033

第1部と同じく「Winter song」のオープニングがはじまり、スルスルスルっとプロジェクターの幕が上がっていくと、いきなりの「レインボウ」からスタートです。888ライブでも披露されていましたが、マルセさんをメインに据えた女子バンドの演奏は、とにかくナチュラル。

姐さんも第1部とは違う衣装で登場。いずれにしても全身、真っ白。なにげに思うんですけど、こんなマッチロチロでモフモフな姐さんって、今までありました?白Tにジーパンとか、黒とっくりに黒ジーンズとか、サイケデリックだったり、カジュアルだったり、ライダースだったり、ロケンロールなイメージはあれど、白モフモフなイメージってなかったような気がするんですよね。さすがファッション・リーダーはやることが違うなぁ。

'90年に発売されたアルバム『CATCH BALL』は、名曲だらけの大名盤ではありますが、特にラストを飾る「レインボウ」は思い入れが深い人も多いのではないかと思います。

窓を開けはなしてみてよ

そして大きな伸びをするの

風を吸い込んで

このリリックは、第2部のラストへとつながる重要な伏線となります。

888ライブの時も「虹のふもとに集まろう」とツイッターで呼びかけられていましたが、今年の夏を振り返ってみると、長梅雨に豪雨災害と、あまり穏やかではなかったなぁと感じずにはいられません。そんな季節の果てで、スコールが枕を濡らし、いつしかそれがきらめきに変わる日を待ち望む。姐さんもTeam Mのみなさまも、空の彼方にそんな希望の虹を探し続けてきたのが2020年のような気がします。きっと来年、永井真理子&Team Mの頭上には、大きな大きな虹がかかることをボクは信じています。

 

2-2.幸運の女神よ

TKさんが足を攣り、わっしょーいの神様が降臨されたところで、乾杯のお時間となりました。ここでシャンパ吹き出しすぎ事件が発生。栓がシュポン!シャンパンぶおーっ!見事でした。床をふきふきしているスタッフさん総勢4名ほど。被害の甚大さを物語っておりましたw

からの、乾杯ですが、やっぱり会場だと楽しいっ!いろいろな方と乾杯させて頂きましたが、これも少人数だからできることなんですよね。なんか複雑です。こういうのもありだなと思うんですけど、より多くの方がこうして真理子さんとその仲間たちと楽しい時間を共有できればいいのにとも思いますし、そうなるとたぶんこういった小規模のワチャワチャ感も難しくなるんだろうなと。まあ、姐さんのことです。きっと、めちゃくちゃ楽しい企画を、またぶち上げてくれるものと思いまする。

で、マルセさんです。

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出典:https://twitter.com/nagai_mariko/status/1341726425246703617?s=20

急遽、ダンス・レッスンに付き合わされることとなり、ロボットダンスのようなぎこちない動きで会場を沸かせました。バイオリンが弾けて、絵が描けて、園芸もできて、猫を愛でて、ダンスまで踊れちゃうなんて、マルチだわー。マルチマルセさん。マルマル、モリモリ。...、...、...。ごめんなさいっ。

10月24日の大阪・秋の陣 "KNOCK THE NEXT DOOR" の1st stageでも披露されていた「幸運の女神よ」ですが、その時もTean Mのあちこちから "ダンスがかわいい" みたいな声が上がっていました。楽曲も4月から始まったラジオ『ORANGE ROOM』で頻繁に使用されていたので、耳なじみの方も多いと思います。

ライブ演奏もチエさんとミチさんの息の合ったコンビネーションが抜群で、マルセさんのコーラスがキラキラ女子'Sに華を添えていました。

 

2-3.Lonely クリスマス

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第1部の1曲目にも度肝を抜かされましたが、ここにきての「Lonely クリスマス」も、またまた度肝を抜かされました。

復活以前の'87年から'06年くらいまでを思い返してみても、最新アルバムをメインにしたツアーということもあり、過去の曲を演奏するというのは、お決まりの人気曲以外ではなかなかセレクトされることはありませんでした。『OPEN ZOO』以降になると、その偏りは俄然、セルフプロデュースによる楽曲へウエイトを傾けていくこととなり、根岸さん時代が好きなTeam Mの方々には、正直、物足りない部分もあったと思うんです。

それが復活後の今はどうですか。もう、縦横無尽!それこそデビューの1987年から2020年の今の今までの30数年を一気に蹂躙しまくっています。特に888ライブのカッップリング特集なんて、昔じゃ考えられないセトリでした。

しかも、それが女子バンド、チエさんの穏やかなアコギ、ミチさんの煌びやかな鍵盤、マルセさんの華麗なバイオリン、アキさんのお淑やかなリズム、このフォーピースが揃うことで、ただの懐古趣味に走りそうな過去の楽曲たちを、オトナでヴィンテージでありながらモダンでもあるという不思議で心地よい世界観に作り上げているのです。

ナット・キング・コールの「The Christmas Song」をマルセさんがしっとりと奏で終えると、シャンシャンシャンシャンとアキさんのハイハットが会場一面に心の粉雪を降り注ぎ、チエさんとミチさんが誘ってくれるのは、煌びやかな暖かい燈火がきらめく雪に包まれたあの街の風景。そして、'90年代のあの頃を、'20年代の今を、時を越えて、再び結び合わせてくれる真理子さんのボーカル。

会場でもアーカイブでもうっとりと聞き入ってしまいました。

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出典:https://twitter.com/nagai_mariko/status/1341726425246703617?s=20

 

2-4.年下の男の子 (The Original is by Candies)

第2部のコメント動画コーナーには、ドゥドゥドゥーンとカッチョいいベースを披露したヒロシさん、登場しただけで会場に笑いが起きたジュンさん、そして、サンタクロースに扮したマッシーとwithトナカイ小春ちゃんのM'sサポートメンバーたちが集合。ジュンさんの「ほうれん草...、チャプチェ...、あ、和えてよかった」のくだりはサイコー、マッシーの「ざひ」もよかったなぁw

からの、キャンディーズ・コーナー。第2部は「年下の男の子」でした。

こちらは去年の歌謡ショーのものですが、この時はチエさんも楽しそうにノリノリでやってますけど、感謝祭の時はなんでしょカチコチでしたよ(笑)それが楽しくて、なんかチエさんばっかり見てしまいました。

しかし、この動画の姐さん、全力だなぁw

たった1年前のことなのに、なんか遠い昔に感じてしまいますね。

下にあるのは感謝祭の練習風景です。

後半のチエさんおしりペンペンは必見ですよ。楽しそーーー。

ボタン、取れとるん?

 

2-5.Mariko

第1部と同様、アマチュア時代の「One Step Closer」が紹介されたのですが、ここでちょいと機材トラブルでしょうか、なかなか映像が始まらない事態に。それも数分の出来事でしたが、もしかしたら、シャンパン事件がここに響いていたのかもしれません。とにかくキレイに噴きまくってましたからw

この映像について、今年の7月に前田先生が「One Step Closer」をセルフカバーした際に、姐さんはこんなツイートを返していました。

キレッキレのツーステップ。あの頃は、あれが一番イケてたんですよね。学園祭の女王と呼ばれていた御方が、自分たちの学園祭での姿をお披露目してくれる日がくるなんて、ホントに夢を見ているようです。粗い画質でも、ザラザラした音でも、あの昭和から平成に移行していくニューウェイブを感じられるような、そんな貴重な映像を見ることができるなんて、封印の扉はいったいどこまで開かれていくのでしょうか。

で、当のお二人が登場。この長い歴史の中で「初めて二人でやるんだよね」と言って始めたのが「Mariko」でした。

まだナガマリを聴き始めたばかりの頃。それこそ穴があくぐらいに歌詞カードをにらみ、いろんな楽曲に触れては自分の世界がどんどん広がっていくのを感じていたのですが、その中でも、この曲いいなあ、この曲もいいなあと思って、歌詞カードで確認するたびに書かれていたのは『Music by 前田克樹』という表記でした。

歌詞カードの中だけの、それこそ雲の上の存在だった前田先生が、こうして目の前で演奏をしてくれている。そして、真理子さんが気持ちよさそうに歌っているのは、あの頃、必ずライブの最後に歌っていた曲。

いっぱいいっぱい まちがえてみたいと思う

きっとそこから何か 何かが生まれる 

当時、真理子さんのこの曲を聴いて、間違えてもいいんだ、失敗してもいいんだ、そこからまた始めていけばいいんだ、そう思えたことは、思春期の自分にとって、とてもとても大きな励みになっていました。そして、ステージの上で、もがいてあがいている真理子さんの姿に自分を重ねては、同じようにもがいてあがいている自分の心を救ってもらえているような気もしていました。

あれからウン十年の月日が過ぎ、今、こうして穏やかでない世界の中で、このような穏やかな時間を過ごせることが、とても幸せで、とても感動的でした。

 

2-6.ときめくハートビート (Request 3)

さて、そんな穏やかな時をドドドドッと「ミッドナイト・ウイルス」がなぎ倒し、瞬く間にヒゲが育ってしまったチコ・ロドリゲスさんの登場です。男のパワーがフワ~っとしてるそうですw

リクエストの候補に挙がったのは下記の6曲。

 A.いつもセレナーデ

 B.Bicycle Race

 C.ときめくハートビート

 D.暖かい雪

 E.秘密の宝物

 F.ひとりぼっちのにおい with ピンクのウエポン

チケット番号の抽選で幸運のチョコレートをゲットできたのは「12番」と「35番」のお二方でした。おめでとうございまーす。

気分が乗ってきたチコさまが、情熱の愛の歌をもんのすごい声量で奏でるというサプライズから「ときめくハートビート」がスタート。まるでフラメンコでも踊りだしそうな小気味良いカッティングにのせて、これまた姐さんの歌声が伸びる伸びる。先ほどの「Mariko」もそうでしたが、変な話、'80年代のあの頃よりも今の方が歌がうまいんじゃないかというくらい、聞いていても気持ちがいいし、歌っている本人も気持ちがよさそうな感じ。もう何回も言いますけど、これで10年ブランクの選手ですからね。信じられます?忘れてたでしょ?いやー、最高すぎます。

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出典:https://www.marikonagai.com/pages/1059405/page_201706120033

 

2-7.ひとりぼっちのにおい (Request 4)

暗いと文字が見えにくいということで、姐さん、メガネをかけますが、それだけで拍手とどよめきが起きるという。「メガネをかけただけで拍手が起きるって、ドウイウコトデスカ!」とロドリゲスさんはご立腹w

そして、姐さんを一撃で吹き飛ばしたあの古代兵器 "THE ピンクのウエポン" がとうとう登場です。その破壊力たるは、プッとひと吹きすれば、島一つを簡単に消し去り、ププーーーッと鳴らせば、世界を海に沈めるのも容易いといわれています。恐ろしい。

「なにが起こっても絶対に笑ってはいけない」

そんな掟を前に、姐さん、ピンクのウエポンに立ち向かいます。

緊張の一瞬。

...、...、...、プッ♬

一撃でしたw

秒でしたw

すかさずロドリゲスさんがワンワン攻撃で応戦します。

しかし、マジメな話、この「ひとりぼっちのにおい」の純朴な世界観って、ヤバすぎないですか?微笑ましくて、楽しくて、ちょっぴり切なくて、やっぱり楽しい。約5分ほどの曲の中で、こんなにいろんな感情が縦横無尽に駆け回るなんて、ある意味、これはプログレですよ。

パパの脱いだ靴下集めるの好き

パパは部屋に転がしたまま

3日で6つも集めておいた

見つかって 叱られて

ボクはあたまぶたれた

ひとりぼっちのにおい

キタナイと言われても

ひとりぼっちのときも

パパを感じる...Fuu...

2番の歌詞が切なすぎる。と思っていたらロドリゲスさんが楽しませてくれる。そして、ラストで泣けてくる。そう思っていたらピョロロリロロロリと最後の最後でウエポンが大爆発。ヤバイよーーー。姐さん&チコさん、最強すぎるよーーー。この2人が古代兵器だよーーー。

で、質問コーナーのはじまりです(なんのこっちゃ)。

『宝くじ10億円が当たったら何を買う?』

『自分の仕事以外でなってみたい職業は?』

いずれもワンちゃんの話ばかりをする姐さん。それと対照的に独自の世界観を突っ走るチエさん。友達の "さっちゃん" って誰ぇぇぇ!

 

2-8.僕らのBig Power

さて、第2部の燃焼系コーナーのはじまりです。

まずは、33ライブでスタジアムロックを轟かせたアニキが、ここでまた「みんな~、勝利の風に乗れ~」とばかりに高らかなイントロを奏でます。スタンディングOKな会場は、みんなすぐさま立ち上がり、Stand Up!Go for the Top!とばかりに思い思いの手を挙げます。

上記リンクのYouTubeに記載されている真理子さんのコメント欄には「頑張りたい時、自信がない自分や苦しくなった心に向けて書いた曲です」と紹介されています。

胸の中で描いてる姿があっても

止まったままじゃなれるわけない

痛みを乗り越え一歩ずつでも

未来を変えるんだ

このリリックの通り、2020年、数々の逆風の中でも真理子さんとCOZZiさんをはじめ、いろんな方達が、まさにこの想いを体現してきたと言えます。会場に足を運んでみると、ライブハウスのスタッフさんたちが着ていたTシャツの胸には、こんな言葉がプリントされていました。

『ライブハウスは悪くない』

今年の3月にライブハウスでコロナ感染のクラスターが発覚してからというもの、まるでライブハウスが病原菌の発生源のような叩かれ方をし、すべての根源はライブハウスにある、ライブハウスに行くとコロナがうつる、そんな風に世間様から完全に色眼鏡で見られるようになってしまいました。

そこからのエンタメ業界の大打撃は3.11の比ではありません。数々の悲しいニュースに心を痛め、今までいろんな勇気やパワーをもらっていた場所が次々と消えてなくなっていきました。本当に言葉通りに "消えてなくなってしまった" のです。

真理子さんの呼びかけからクラウドファンディングに参加したTeam Mの方々も多いと思います。とくに心斎橋 SUNHALLで有観客のライブが開催されたことは、本当に喜ばしいことでした。そんな奇跡が、ライブ配信であり、ハイブリッドライブだとも思うのです。会場に行けなくても、アーカイブだけでも、ひとりひとりの参加が、大きな大きな "僕らの Big Power" になります。そうなんです。"いつかあの場所に笑顔で立つ" 日まで、みんなが自分自身を信じて、共に上を向いて歩いていこうじゃありませんか!

 

2-9.23才

続けざまに高らかなファンファーレが鳴り響いたのは「23才」のイントロ。この流れはあの33ライブ再びってやつです!7月の配信ライブでも胸アツだった曲を、生で聴ける喜びといったらこの上ない状態なのですが、さらに感動したのが、やっぱりこのスリーピースのバンドが奏でる音がハンパないこと。会場のボルテージもどんどん上がっていきます。

きっと心が きっとひとりじゃ

きっとやせっぽちになってく

耕すことをしなくちゃね

びわかちあい 大声で笑いたい

ひとりのチカラなんてたかが知れてます。みんながいてくれるから、今日を頑張ることができる。みんながいてくれるから、明日を迎えようと思える。みんながいてくれるから、未来は楽しいものだと信じられるのです。

エイトビートのぶっといリズムに身をゆだねながら、できれば大声で歌いたいし、できれば大きな歓声を上げたいけれど、せいいっぱい拳を振り上げるだけでも、姐さんやバンドメンバーたちと "ひとつ" になれるような気がしました。そして、せいいっぱい拳を振り上げていると、まだまだ青かったあの頃の自分さえも、そっと抱きしめられるような気にもなりました。

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出典:https://www.marikonagai.com/pages/1059405/page_201706120033

 

2-10.JUNGLE

燃焼系はさらにヒートアップしていきます。

しかし、キャリア30年以上の御方が、なんでこんなにパワフルなんでしょうか。しかも、途中の休憩があったとしても、第1部から数えて既に20曲を軽く越えちまってるというのに、姐さん、ぜんぜん声が枯れない。というか、さらに張りまで出てきてるという。うちら、カラオケに行っても、せいぜい5曲くらいまでですよ、たぶん、歌えるのは。いや、すいません、サバ読みました。ボクに関しては、たぶん、1曲目の半分くらいで潰れると思います。カスすぎるw

無敵の旗を掲げろ

世界でたったひとつの

喜びのリズムに乗り

勝利のうたを歌おう

ネガティブな想いをズバズバと叩き斬っていくように、みんなでフラッグ・ウェイビングをしていくのがたまらなく気持ちいい!

 

2-11.Ready Steady Go!

うぉぉぉぉぉ、なんか前田先生祭りになってるーーー!!!

リクエストされた曲たちだけで構成されているとは言え、こんなに集中してしまうということは、やっぱりそれだけ票数が集まったということなのだと思うんですけど。それにしても、第2部に関しては、全13曲中5曲が前田先生作曲によるもの。全体の3割8分5厘って、イチローの打率みたいじゃないですか。

しかし、ヒロシさんが動画コメントで語っていましたが、"熟練" とはこのことですよね。アニキとチエさんのブイブイ唸りまくるグルーヴは、ホントに気持ちがいい。フロアも揺れる揺れる。この熱気ですべてのコロナを焼き払いたいくらいです!

 

2-12.ORANGE

さてさて、Team Mのアンセムが鳴り響くと、あちこちでペンライトが掲げられ、一瞬にして会場にオレンジの波が出現しました。

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出典:https://twitter.com/nagai_mariko/status/1330697511850262529?s=20

画像は先月の渋谷ハイブリッド "OPEN THE NEXT DOOR" のものですが、2020年を振り返ってみると、ホント、この曲が全てを物語っているように思えます。

6月の梅酒がうめ~事件からのオレンジのリベンジ

7月の33ライブのラストナンバー

10月の大阪ハイブリッドのオープニング

そして、11月のTeam M参加型オレンジ

この曲と共に2020年を駆け抜け、たぶん、この曲と共にこれからも歩み続けていくのだと思います。コロナで会えなかった日々はもちろん、10年のブランクの期間も含めて、真理子さんが復活の時に宣言したように、自分のスピードで、ただやりたいことを楽しくやり続けていく。その楽しみに集う人たちのことを "Team M" と呼びます。

 

2-13.夜空にのびをして

一昨年、2018年のファン感謝祭でもラストナンバーとなっていた「夜空にのびをして」。ただ、あの時と今では、その意味合いは大きく変わっているように思えます。

扉をあけ 空気を入れかえ

炎に照らして 自分の影 確かめてね

今日は何も言わずにゆっくり

夜空にのびをして 眠ってね

第2部の1曲目で披露されていた「レインボウ」と、この「夜空にのびをして」は、同じテーマと世界観を持っている楽曲だと勝手に思っているのですが、そこでは象徴的に描かれている2つのものがあります。

"虹" と "大樹"

これはボクの浅はかな思い込みです。

2017年に涙の海底から浮上して3年、SNSなどを通じて「永井真理子」という "大樹" のまわりに多くの人が再び集い始めました。扉や窓を開けた先に見えるもの、それは "みんながたよってる街の大きな木" であって、それこそが真理子さんだと。炎に照らして浮かび上がるのは、そんな "大樹" に映る自分の影で、みんながみんな、真理子さんに自分の影を見ながら、ここまで歩いてきたのではないかと。

そして、2020年、今年。世界は全ての扉と窓を閉め切り、外界との接触を完全にシャットダウンしたのです。そんな中、真理子さんは "新たな扉を開けよう" と呼びかけました。窓を開けはなし、空気を入れかえようと。

思うのです。ハイブリッドライブ、アーカイブ配信は、それぞれがそれぞれの形で "大樹" のもとに集う行為なのではないかと。過去と現在を交錯させながら、明日の河をつくり、その果てにそびえる新しいゲートを開いた先に、きっと大きな大きな "虹" が見えるのではないかと。その "虹" を追い求めていくことが人生なのではないかと。

すいません、妄想が甚だしいですが、リクエストで構成されたという第2部のセットリストに、ボクはこんな物語を感じずにはいられませんでした。

いずれにしても'94年の "Love Eater" ツアーの壮大なステージングを思い出しながら、あの時とぜんぜん変わってないじゃないか...、というか、あの時以上の壮大さじゃないか...と感激しまくりのステージでした。

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出典:https://www.marikonagai.com/pages/1059405/page_201706120033

 

エンディング

てな感じで、すいません、思う存分に語り倒しちまいました。

最後に名言を。

『絆とは過去と現在を繋ぐものである』by テッタさん

 

ライブ前やライブ後にいろいろとご挨拶をさせて頂いたTeam Mのみなさま、本当にありがとうございました。めちゃめちゃ楽しかったです。みなさん、すごい素敵でいい人たちばかりで感激でした。そして、ライブハウスの関係者のみなさま、これからもどうぞ頑張ってください!ライブハウスがなければ、ボクたちはこうして音楽を楽しむことができません。一緒にいつまでも戦っていきます。さらに、バンドメンバーのみなさま、本当に素晴らしい演奏をありがとうございました。生で聴けて、とんでもなく感動いたしました。アーカイブでも演奏の素晴らしさはぜんぜん変わりませんでした。

最後に永井真理子さま。

一生、ついていきます。

素敵で最高で感動なライブを本当にありがとうございました。

 

やっぱり、ナガマリは最高じゃ~~~、わっしょーい!

永井真理子 ファン感謝祭2020 @ shibuya eggman 第1部

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たぶん、これから2020年という年を振り返った時、誰もがコロナの年としてこの1年を思い出すに違いありません。その象徴として、緊急事態宣言を発令する安倍元首相のニュース画面を思い浮かべるかもしれませんし、横浜大黒ふ頭に停泊するダイヤモンド・プリンセス号の姿を思い浮かべるかもしれません。はたまた、小池都知事のオシャンティなマスク姿や吉村府知事の油汗をかいている姿を思い浮かべる方も中にはいらっしゃるかもしれません。でも、Team Mの方々については、この先ずっと2020年と聞いて思い浮かべるのは、たぶん、こんな姿ではないかと思うのです。

ナガマリ、ピンクのウエポンで撃沈w

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そうなんですよ。今年1年を振り返ってみると、ちょっと不謹慎かもしれませんが、なんだかんだ言って楽しかったなぁと思うのです。そりゃ辛いことも苦しいこともありました。当たり前のようにね。でも、それを遥かに上回る楽しさが多かったなと。それもこれも姐さんのおかげと言いますか。姐さんが楽しませてくれたから、こんな時代でも明るくワチャワチャとわっしょーいな感じで1年を過ごすことができたと思うのです。これって、なにげにスゴイことのような気がしません?なかなかできることじゃないですよね。

姐さん、ありがとーーー!!!

Team Mのみなさま、ありがとーーー!!!

てなわけで、先日の永井真理子ファン感謝祭2020のライブレポなるものを、久々にネタバレ上等でドドンと全26曲、完全に振り返りながら、ついでに今年一年も総括しちまおうかと思います。アーカイブで繰り返し見まくった生粋のTeam Mの方々には到底かなうものではありませんが、とりあえずなにかの助力みたいなものになれれば幸いでございます。

よし、いくぞー! ぁ住み慣れた♬

 

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会場は老舗のライブハウス "shibuya eggman"。どちらかというと "Egg-man" の表記の方がしっくりくるという人が多いかもしれません。大通りの向こうには代々木第一体育館の雄姿と紅白歌合戦の聖地NHKホールが、真向いにはビルに建て替えられて昔の面影なんていっさいなくなってしまった伝説の渋谷公会堂が鎮座する、もう説明不要の音楽ファン御用達の場所ですよね。名だたる数々のアーティストがライブを行ってきた場所でもありますし、聞けば姐さんもデビュー当時以来の場所だというじゃありませんか。

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通常ですと収容人数350人の小さめなライブハウスではありますが、この日は限定人数が各部70人!いやいや、ちょっと待ったぁ!このご時世でも、そこらのスーパーに買い物に行ってみれば、フロアにお客さんが100人くらいは普通にいるじゃないですか!お菓子売り場でワチャワチャしているチビッコだけでも10人くらいはいて、欲しいお菓子を買ってもらえなくて泣きまくっている子が1人か2人必ずいるわけじゃないですか。それを70人って、THANK YOU SOLD OUTとありますが、そりゃチケットも秒で売り切れますさ。

(ちなみにね、看板の右上に "12.22 (mon)" って書いてあって、それを見つけたティームMの方が、今日は火曜日だよねぇとディスってましたよ、姐さん!)

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ライブグッズは速攻で売り切れた2021カレンダーをはじめ、こんな感じで貼り出されておりました。しかし、感慨深いのは2017年の復活からわずか3年の間で4枚ものアルバムが発売されていること。最近の特に若いヤツらなんて、それこそ3年くらいのスパンでアルバムを出してるっていうのに、姐さんのこのアグレッシブさといったら!

昔なんて毎年1枚は必ずオリジナル・アルバムを出して、そのツアーも最低30本くらいはあったんですよね。そう考えるとさ、どうよ、今の若い連中たちよ。チミたちと同いくらいの頃でもうちらはブイブイ楽しめて、今でもワチャワチャ楽しくて仕方がないなんて羨ましいだろ!ヘヘン!

チケット発売日が休日だったので諦め半分でポチポチと1時間くらいまったりと続けていたら、なんということでしょう、奇跡的に第2部のチケットがピロッと取れたのですが、この辺のシステムもいまいち、なんで取れてしまうのかがわからないんですよね...。昔だったら、電話がつながったー!と思ったら、コールセンターのお姉さんに「もうチケットはありませんね~」と言われておしまいだったのですが、これがIT時代ってヤツなんでしょうか。そういえば、チケットの特別先行販売とか、大きい会場だと専用ダイヤルとか、昔はあったりしましたよねぇ。

 

なんか懐かしがってばかりになってしまったので、会場レポはこれくらいにしまして、肝心のライブ内容へと移ります。

第1部が16:00からスタート、第2部が19:30からスタート。いずれも演奏されたのは13曲ずつ、ナガマリ宣言通りのかぶりなしの全26曲。2時間ずつのライブで、トータル4時間の感謝祭。会場組はもちろん、配信組もアーカイブ組も楽しめる盛りだくさんの内容になっていました。

ライブの構成も3段階になっておりまして、

前半・・・女子バンド is ザ・M'sレンジャー

中盤・・・おうちシリーズ再びのワチャ系

後半・・・燃焼系燃焼系アーミノ式

と、三色アイスの如く、一粒で三度も百度もおいしい、2020年をまるっとひとまとめにしたような総本山で天王山な日本シリーズ戦となっておりました。その辺のセットリストやライブ・フォトなどについてはナガマリ公式サイト、ナガマリ公式ブログに大量にアップされていますので、そちらで十二分にお楽しみください。

ではでは、各楽曲について語り倒していきまっせ~。

 

オープニング

第1部、第2部、どちらもこのオープニング・ムービーでのスタートです。「Winter song」のインストにのせてひとつひとつ紡がれていく言葉は、この2020年を総括した真理子さんの心境であり、新しい扉が開かれた、これから待ち受ける未来への心境を、Team Mのひとりひとりに語りかけるものとなっています。

ていうかさぁ、「Winter song」いいよねぇ。

特にこの時期になると染みるんだよねぇ。

なんて思いながら字幕を見ていると、姐さんが語っていることって、まんまボクらが思っていることでもあるじゃないですか。一蓮托生!まさに姐さんとTeam Mが一丸となって歩いてきた一年だったなぁとしみじみと思ってしまいます。

 

1-1.今日こそは心を着がえて

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マジかぁぁぁぁぁ!!!

第1部の1曲目は、まさかまさかの「今日こそは心を着がえて」でした!ありえへんっ!こんなの夢に決まってる、夢を見てるんだ、夢でなかったらなんなんだ!しかも、姐さんの衣装がザ・感謝祭!ぶふぉぉぉ。飲んでいた牛乳が鼻から噴き出した!

いや、本気でTeam Mのみなさまにお聞きしたいです。こんな日が来ると思ってました?信じられなくないですか?あのナガマリが「今日こそは心を着がえて」を歌ってるんですよ?マジか...、ほんとマジか...。新たな扉の先に、まさかこんなスリットの入っ...、いや、こんな楽曲を歌ってくれる世界が待ち受けていたなんて...。

作曲は前田先生、作詞は真理子さんと亜伊林さんによる、1989年の冬に発売されたオムニバス・アルバムの中の1曲。もう、懐かしいやら、嬉しいやら、マルセさんとミチさんが素敵すぎるやら、もう、なんなんこの感情は...。'89年のあの冬景色がフラッシュバックしながら、目の前では21世紀がもう20年も過ぎてしまった冬景色も広がっていて。なんかクロスオーバーが甚だしいっ!

 

1-2.TIME

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シャンパンで乾杯してからの、ライブで演奏するのに手こずった楽曲はこれじゃ~!と披露されたのが、これまた'89年にシン・グル・カットされた「TIME -Song for GUNHED-」。8月8日に開催された "アコースティックスペシャル M's History"、通称888ライブでは後半のメドレーの中の1曲として、初のハイブリッドライブとなった大阪・秋の陣 "KNOCK THE NEXT DOOR ~Super Acoustic Live~" ではフルセットとして披露されていましたよね。もうここまで来ると、M'sレンジャーのみなさまの団結力も凄まじく、チエさんとミチさんのアンサンブルが素晴らしい!

シャンパンをチビリとしたせいか、姐さんのボーカルが急激に伸びやかになりまして、なんだか梅酒がうめぇ事件の再来にならなければと、妙な心配を起こしてしまったのは内緒です。

 

1-3.ZUTTO~X'mas Version~

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みなさん、感謝祭ですよ。チラ見せ、感謝祭ですよっ、と上機嫌な姐さんに「ねえ、ケガしてるよ」とチエさんに言われ、「犬にひっかかれた」と色気どころか愛犬家な面が浮き彫りになってしまった姐さん。からの、これまたレアな「ZUTTO~X'mas Version~」ですよ。

ビング・クロスビーの「White Christmas」をしっとりとマルセさんが奏でたところで、このクリスマス・ソング。女子バンドの柔らかい世界観も相まって、歌詞違いのこの曲がもんのすごい名曲であったことを再認識できました。亜伊林さんも藤井さんも、やっぱりスゴイよね。それを数十年ぶりに披露するナガマリが一番スゴイんだけどさ。

ぜんぜん話が逸れますが、FUN HOUSEの黄金期って、今、振り返るとJ-POPの礎を確実に築いたアーティストたちがひしめいていたような気がします。そんな時代を潜り抜けて、ここでまた同じ空気を、同じ時間を共有できることって、ホント、幸せなことだなぁとしみじみと思ってしまうんですよねぇ。

 

1-4.春一番 (The Original is by Candies)

会場がしっとりとしたところで、前田先生・マシコさん・ha-jさんら『会えて よかった』制作陣からのコメント動画が流れました。たらればの話をしても仕方がないのですが、本来であれば7月11日、7月24日の2日間は歓喜のコラボ・ライブが開催されているはずでした。みなさん、同じように「来年こそは!」の思いを語られていて、まさに来年2021年の4月には『会えて よかった』と思える振替公演になるのではないかと思います。

からの、なにやら会場からどよめきが...。

去年、2019年12月30日に行われた歌謡ショーで披露されたあの3人娘がっ!

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出典:https://twitter.com/nagai_mariko/status/1211626212805640192?s=20

いやいやいや、ホント、2017年の復活後、とくにエンジンがかかり始めた2018年から、姐さんのやりたい放題は天井知らずになってきてます。オープニングの "出来ないことばかり" って言葉も、どこかにすっ飛んじまうくらい、姐さん、やりたい放題ですよっ。

お約束のように歌詞を間違え、まるで子供のお遊戯会のように嬉々として踊る姿。いったい、ボクらは何を見せられているんだぁぁぁぁぁ!その横で優等生な感じで踊るアキさんと、遠くに目をやり、いっぱいいっぱいで踊るチエさん。いったいどこを見つめているんですかぁぁぁ!

ちなみに練習風景では、逆にチエさん、もんのすごく楽しそうw

 

1-5.私の中の勇気 アコースティックバージョン

今日は感謝祭ですよ♥と、もう無礼講を通り越して、ここに来たら最期、なにがなんでも笑かしますからねと、いつになく目がギラギラしまくりの姐さん。次に紹介されたのはアマチュア時代の「One Step Closer」!えぇぇぇぇぇ、前田先生、ジャラジャラしてるーーー!ブラザーな感じじゃないですか。

からの、ご本人登場。去年のファン感謝祭では、突然の登場からの新曲「Restart」の披露と、もうフルアルバム発売からの勢いがスゴすぎることになっていましたが、ここは2020年。コラボ・ライブの延期からの、ツイッターで「Restart」のオリジナル譜面をふるまい、自粛期間中にはリモートでおうちライブに参加。あの時、前田先生は、ツイッターでこんな風に語られていました。

あれから半年、まだまだ完全ではないけど、それでもボクらは笑顔で会うことができました。確実にみんなで少しづつ歩いてきました。そんな困難を乗り越えられてきたこと、今日という日まで一緒に頑張ってこれたこと、そんな日々たちを労うように、前田先生が紡ぐ優しいアコースティックな響きにのせて、真理子さんのすべてを抱擁するようなボーカルが12月の空に響きました。

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出典:https://www.marikonagai.com/pages/1059405/page_201706120033

 

1-6.きれいになろう (Request 1)

ジーンときた感動をかき消すように「ミッドナイト・ウィルス」の爆音が轟き、あのチコ・ロドリゲスさんが緊急来日されました。ここからは感謝祭おなじみのリクエスト・コーナーです。候補に挙がった曲は以下4曲。

 A.いつもセレナーデ

 B.Bicycle Race

 C.きれいになろう

 D.夏のはじまり

チケット番号で選ばれた幸運の持ち主は「23番」と「7番」のお二方でした。

取れかかったヒゲをセロテープでしっかり固定すると、チコさまのこれまた柔らかいストロークアルペジオが会場に響き渡り、それに合わせて手拍子が起こるのですが、真理子さんが歌い始めた途端、その手拍子がピタッと止まります。

33ライブでも、888ライブでもそうでしたが、姐さん、立って歌うよりも、ハイスツールに座って歌う方が、なんかスゴイ抜けのある伸びた歌声になるんですよね。なんなんだろ、歌いやすいのかな。とにかく、会場の方たちも、この歌声はなんじゃ~といった感じで、手拍子なんか耳障りじゃ~、この声に包まれていたいんじゃ~と、姐さん&チコさんの演奏にふんわりと耳を傾けます。

怒涛の『Love Eater』シーズンを迎えた'94年。何度目かのピークを越え、良い意味で、ふっと肩の力を抜いたらポロッと名曲ができちゃいましたみたいな、そんな楽曲が「きれいになろう」だと思うのですが。あれから26年、衰えるどころか、ますます艶と包容力を兼ね備えたボーカルを披露する真理子さんには、本当に脱帽です。

 

1-7.夏のはじまり (Requesst 2)

リクエスト2曲目も、まあ、伸びます。この御方、本当に気持ちよさそうに眉毛をハの字にして歌っています。それをこうして配信であったり、アーカイブであったりで楽しめるなんて、なんか幸せなことですよね。

季節感がまるでないと仰られていましたが、なくてもこれだけ楽しめるって、もう姐さんが歌うならなんでもいいっ!みたいな状態に突入。でも、オーストラリアのクリスマスって夏じゃなかったかなぁなんて思ったり思わなかったり。

歌い終わった後、MCで辛島さんについてお話をされていましたが、姐さん曰く、辛島さんは天然ちゃんだと。スタジオへご挨拶に伺ったら、「ちょっと待って」と引き止められ、なにをされるのだろうと思っていたら、サザエさんを見ていた辛島さんがじっけった!とジャンケンをされて、終わった途端に「あ、おつかれさまです」と打合せが始まったと。「ね、天然でしょ」と。いやいや、いやいや、どちら様もでしょーーー!

からの、質問コーナーのはじまりです。

『今年を漢字一文字で表すとしたら』

無人島にひとつだけ持っていけるとしたら』

アニキのフライパンが最強すぎると都市伝説になりましたが、料理番長さん、ツイッターでいろいろレシピを教えてもらったりして、それも2020年を象徴するような楽しさの一つでしたよね。姐さんがツイートした次の日には、結構な方たちが料理に挑戦していましたもんね。どれもおいしかったーーー♬

 

1-8.ミラクル・ガール

さて、ここからは燃焼系コーナーです。バンドメンバーにアニキが加わり、今年の7月10日に行われた初の無観客配信ライブ "デビュー33周年記念ライブ~I'm happy to meet you~" と同じ布陣となりました。で、このツイン・ギターは、やっぱりスゴすぎです。

33ライブでも披露されていた「ミラクル・ガール」ですが、アニキのアレンジが最高すぎます。マニピュレーターも駆使されていて、トラックの後ろでフィヨフィヨフィヨフィヨと流れているのがオリジナル音源からではないかと思うのですが、それがうまいこと世界観を壊さずに21世紀バージョンへと昇華しているんですよね。

でね、なんか楽しすぎるというか、幸せすぎるというか、なんでしょう、なぜか聞いていて妙に横浜スタジアムのライブを思い出してしまったのです。なんでだろうと思ってみても、なんでなのかさっぱりわからないんですけど、たぶん、ナガマリが本格的にバンド形式のロック・サウンドをぶち上げたのが横浜スタジアム・ライブであって、今、目の前で繰り広げられている音像が、そのロック・スタイルと出会った時の感動を蘇らせているような、そんな気になったのかもしれません。

 

1-9.WHY WHY WHY

続いては先月の渋谷ライブ "OPEN THE NEXT DOOR" の感動再びの「WHY WHY WHY」。こちらもアレンジが最高すぎます。

オリジナルのヴァン・ヘイレン的なハードロックももちろん大好きなんですが(エディ...、長い間、ありがとうございました!)、21世紀型「WHY WHY WHY」は、とにかくエモい!セルフカバーアルバム『Brand-New Door』に収録されている「好奇心」のような、とにかく高揚感に溢れているのです。

天高く突き上げた手のひらで大事なものをギュッとつかみ取れるような感覚、そのトキメキでさらに頭上の空が広大に拓けていくような感覚。そんな身体の芯から溢れ出てくるパワーを、スリーピース・バンドのシンプルな演奏と真理子さんの力強い歌声が無尽蔵に引き出してくれるのです。

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出典:https://twitter.com/nagai_mariko/status/1341726425246703617?s=20

 

1-10.自分についた嘘

さらにアルバム『TOBIKKIRI』からの楽曲が続きます。

あのイントロが流れ出すと、もう無意識で身体が反応してしまいますよね。アレンジを変えていないのに、しっかりとロック・サウンドとして構築されて、かつ熟練の2人のギターリストが絡まりあいながらグルーヴを作り出していく様は圧巻です。アキさんも女子バンドの控え目なリズムはどこへやら、バシバシと会場を煽っていきます。この熱量って、絶対に'89年とかあの頃の熱量の軽く100倍はありますよね。

Team Mのみなさま、まだまだですよ。まだまだ、ボクらは高みを目指して昇り続けていけますよーーー!!!

 

1-11.Tobujikandesu

1部2部を通してもオーストラリア時代からピックアップされたのは、この「Tobujikandesu」だけでした。逆に東芝時代からは1曲も選ばれていないのですが、リクエストがまったくなかったわけではないと思います。ただ、マイノリティーだった。しゃあない。そりゃ、そうでしょ。だって、全曲リクエストの曲で構成されているんですもの。

こちらもシンプルだけど、ロック的なダイナミズムがむちゃくちゃ気持ちがいい1曲。たぶん、会場組のフロアは完全に揺れていたはずです。

 

1-12.キャッチ・ボール

先月の渋谷ライブ "OPEN THE NEXT DOOR" の「White Communication ~新しい絆~」の際に、大量の真っ白な風船と、バンド・メンバーのサイン入りドデカ風船が会場を埋め尽くしたのは記憶に新しいですが、その景色と'92年の横浜スタジアム・ライブがシンクロしたというTeam Mの方々も多かったと思います。

その横浜スタジアムで野球のボールに模したドデカ風船が登場したのが「キャッチ・ボール」でした。あの時、あの場所にいた誰もが隣の人と実際に、もしくは心の中で手をつなぎ、愛とは、もしかしたらこんな繋がりから作り出されるキャッチ・ボールなのかもしれないと、そんな風に会場の一体感にこれ以上ない幸福感を得ていたと思うのです。そこには世界を遮るものなんてなにもありませんでした。

今、ボクたちは普通にマスクを付け、身体が触れ合わないよう2mの間隔をあけることを余儀なくされ、隣の席との間にはアクリル板が立てかけられ、できることなら家の中で過ごすことを推奨されています。海の向こうの国に行くことは許されず、国内でも県境を越えることに抵抗感を持ち、都市部からやってきた訪問者を心から歓迎できず、感染者数が増大している地域をまるで放射能にでも汚染されているかのような目で嫌厭している。世界は完全に断絶されてしまいました。

この一瞬を、求める冒険心を、心に巣くう暗闇を、相手を思いやる花束を。投げて投げ返されて、また投げて投げ返されて、そうやって人と人とがつながっていく。ステージと客席、会場と配信、世界を隔てている壁。その壁を今すぐここでぶち壊したい。真理子さんの思いは、Team Mみんなの思いでもあると信じたい。その想いのすべてが、あのアクリル板の手形につまっていると思います。

そして、この「キャッチ・ボール」が歌われていた時間、それが12月22日の18:00頃だけではなく、アーカイブで見ていた全ての時間も含めて、この時間だけはステージと会場と配信とアーカイブ、すべての人が "ひとつ" になれた時間だとも思うのです。

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出典:https://www.marikonagai.com/pages/1059405/page_201706120033

 

1-13.Winter song

第1部のラスト・ナンバーはオープニングでもあった「Winter song」。12月に生まれた自分への大きな大きな肯定を歌った曲。この時期に行われる感謝祭では必ず歌われる、真理子さんの大事な大事な1曲。

きっと 戸惑うだろう

自分の居場所をなくしてしまう

ずっと 暗い道を歩く毎日は

辛く君を攻めるけれど

どうか負けないでいてね

光目指して進んで 

姐さんが過去の自分へ宛てたこの歌詞は、来年の今頃、このCOVID-19と戦い続けてきた世界のみんなが、今を振り返った時に思うことなのではないかと。光を目指して進み続け、きっと来年の年末、東京オリンピック盛り上がったねぇと、なになにもあったねぇと、海外にも自由に行けるようになったねぇと、2020年の自分、頑張ればその先にはいいことあるぞーーー!と言えるようになっているのではないかと。そう願わずにはいられないのです。

 

エンディング

てなわけで、書きたいことを書きまくっていたら第1部だけで、とんでもない文字数になってしまったので、第2部は別テキストへと続きま~す。

wisteria-valley.hatenablog.com

永井真理子 OPEN THE NEXT DOOR Live @ Veats SHIBUYA

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手前みそな話ですが、11月20日は1か月ぶりの休日でした。その前の休みの日って、考えてみたら「KNOCK THE NEXT DOOR」の日。あんた、働きすぎだよ...。どんだけ仕事が好きなんだよ...。家に帰ってこないで会社で寝泊まりしてろよ...。と、いつも奥さんにチクチクいじられています...。いいじゃんねぇ?ちゃんとその日のうちに家に帰ってるんだから。というか、コロナで散々休んだじゃん。ないものねだりっ。

というわけで、行ってきましたナガマリ・ライブ in 渋谷。

見よっ、この幸せにあふれている渋谷の姿を。

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今月の18日頃からですか、東京都の感染者数が500人越えと、ちょいとヤバめな空気が漂い始め、姐さんのライブもどうかするとどうかしてしまうのではないかとヒヤヒヤしていたのですが、よかったよねぇ、予定通りに開催することができて。

会場側のスタッフの方々、真理子さん側のスタッフの方々、そして、Team Mのみなさん、みんな、みーんな、アフターコロナの新世界を必死に泳ぎ続けていると思います。時に荒波に揉まれ、時に訪れる凪に一息をつき、お互いに支えあいながら、まだまだ見えない岸辺をみんなで目指しています。

今回のライブは、そんな大海原にポツンと佇む小さな島で、やっと日頃の泳ぎから解放されたような、疲弊して冷えきった体に太陽の温かみが染みていくような、そんなひと時だったような気がするのです。

 

ハイブリッド・ライブの恩恵で、このライブは明日、23日いっぱいまで視聴することができます。配信チケットも明日の21:00まで購入が可能ですので、もし、まだ見てないよ~という方がいらっしゃいましたら、なにがなんでも見てください。今まで一度でも永井真理子に触れたことがある方でしたら、あの頃のがむしゃらだった自分を、イケイケだった自分を、人生を120%のチカラで生きていた自分を思い出して、よっしゃ、明日からまた泳ぎまくってやるぜと思わずにはいられないはずです!

配信チケットの購入は下記から

   ↓

https://t.pia.jp/pia/ticketInformation.do?eventCd=2029674&rlsCd=001

 

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去年の9月にオープンしたばかりのライブハウス "Veats SHIBUYA"。

通常ですと700人は入る箱ですが、今回の限定人数での収容数は150人~200人程度だったのかなと思います。さすがに、この人数ではチケット争奪戦が秒で終わるのも仕方がないだろうと。今年、最初で最後のフルバンド・ライブとなれば、なおさらではないだろうかと。次回のファン感謝祭の会場である "渋谷eggman" が通常収容350人なので、その中でもソーシャル・ディスタンスというやつを考慮すると、門はさらに狭くなっていきそうですよね。

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ライブハウス入り口のモニターにはナガマリ・ライブのポスター。以前、Twitterで姐さんが写真をアップしていた場所でもあるので、Team Mの記念撮影スポットにもなっていました(帰り際にちょうどグリコ&きゃのーらさんを見かけたので声をかけました。娘ちゃんとご飯の約束があったから、さっさとお暇してゴメンねっ。ちなみにその時に写真撮影をしていたのは...)。

階段を下りて地下へ向かうとスタッフの方が待ち構えていて、さてさてあなたはどちらの誰なの?ということで問診表に記入を促されました。万が一のことがあった時は速攻で連絡をするから、ちゃんと電話番号も書いてねという感じです。

受付でドリンク代600円を払うといよいよ会場内です。通常営業ですとバーカウンターでいろいろと注文ができそうな感じもするのですが、世はザ・コロナ禍です。あまりよく覚えていないのですけど、サワー系・レッドブル・お茶・ビール(あったかな?)の缶が並んでいるので、好きなのとって勝手に飲んでねの状態です(渋谷まで車で行ったので、ここはレッドブルで翼を授かることにいたしました)。

それでも開演まで時間があったのでラウンジで奥さんとまったりしていると、ん?見かけたことのある方が入り口から入ってきました。

なんと前田先生です!

マジか!

検温やらなにやらひと通りのことを済まされると関係者さんのブースへと消えていかれました。その距離、わずか2mほど。声をかけようかとも思いましたが、もともとがシャイなあんちくしょうで、相手が前田先生ともなると気後れどころか恐れ多くて、それはそれは動物園のパンダを見ている子供の気分でした。

そうこうしているうちに、見るからに優しそうなTeam Mの方が「よろしければお写真を撮りましょうか」とお声をかけてくださいまして、なんでだろう?と思っていたら、奥さんが物販コーナーとかをバシャバシャ写真に撮っていまして...。あなたはパー子さんかっ!てな感じで、すいません、この方、ホント、意味のないものを写真に撮るのがクセでして...。

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話が逸れてしまいますが、上の写真もうちの奥さんが撮影したものなんですけど、まったくどこを撮ったのかわかりません。どうやら地下に下りていく階段のところらしいのですが...、ほとんど記憶にありません...。

そんなこんなで、優しいTeam Mの方のお言葉に甘えることにいたしました。その方が「あちらに真理子さんの直筆サインがあるらしいですよ」とも教えてくれまして、パー子さんな奥さんは、それは写メらなければっ!と、受付の方へと戻りました。

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それがこちら。姐さんを身近に感じる一品です。

撮るものを撮ったら、あとは会場に入るだけです。席は自由席で、最前列は早いもの順であっという間に埋まっています。ボクら夫婦は一番後ろの席で観覧。それでも真理子さんの小さなお顔がちゃんと見えるくらいの近さです。この距離感がライブハウスの醍醐味ですよね。

 

ライブ本編は言わずもがな。生音の迫力はやっぱり配信では味わえないものがありました。とくにヒロシくんのベースがやたらカッチョよすぎて、ホント、あの場に行けてよかったなぁと思いました。これ、配信でもぜひぜひ耳を傾けてほしいところなんですけど、テレビやパソコンで視聴される方には、なかなか届かないところの音でもあるのかなとも思います。手持ちの中でも比較的に低音を拾うイヤフォンで聴いて、さらに音量を大きめにしてやっとこの迫力の半分くらいを体感できるくらいです。

そして、姐さんの声、飛んできたわー。

ボンボン、ボンボン、飛んできたわー。

とくにバラード。ヤバかったわー。

最新アルバム『Brand-New Door』からの楽曲を中心にセットリストが組まれていましたが、うちの奥さん、2曲目で泣いていました。聞けば、懐かしいのと、あの頃は120%の全力で生きていたのに、今は20%の惰性で生きている自分に、なんだか泣けてきたと。100%はどこに消えてしまったんだと。OPEN THE DOOR!

真理子さんが披露してくれた数々の楽曲の中で、若かりし頃の遠い記憶を呼び覚ましてくれるものが、たぶん、あの場にいたTeam Mの方々、そして、配信やアーカイブで参加された方々の脳裏に浮かんでは消えて、浮かんでは消えていったのではないかと思います。この行為って、なんとなくですけど、インナーチャイルドを愛でる行為でもあるのかなと思うんですね。それを歌にしたのが『Brand-New Door』に収録されている2曲目でもあると。

 

そう思うと「少年」の歌詞がまた心に染みてきます。

大人の階段ただ 登ることだけ急ぎ

羽ばたく自由 いつか忘れてた

扉の向こう側 私の中の少年

明日に向かって 走り出して行くよ 

 

今の真理子さんは羽ばたく自由を思い出した鳥のような気がしてなりません。ボクらは、汗をぬぐいながらその鳥を追いかけている少年で、その伸ばした腕の先で、これからも何かを真理子さんから受け取り続けていくのだと思います。

扉は開かれました。その向こう側には未来しか待っていません。その未来の先には、きっと笑いが止まらない真理子さん&Team Mの姿があるはずです。うん、当たり前の言葉しか出てきませんが、やっぱり最高のライブでした。道中はいつでも一緒、We are OK!ってやつです。

Let's Walk!

 

ちなみに来年に振替になったライブ・スケジュールは下記になります。

2月20日(土) 名古屋ハートランド スペードボックス

2月21日(日) 京都・紫明会館

2月27日(土) 仙台 LIVE HOUSE 88

3月6日(土) サモール尾道 ※会場未定

3月7日(日) サモール福岡 ※会場未定

4月3日(土) コラボアルバム記念ライブ ※会場未定

4月4日(日) コラボアルバム記念ライブ ※会場未定

4月10日(土) 心斎橋 SUNHALL

4月17日(土) サモール東京 ※会場未定

 

楽しみは止まらないよぉぉぉ!

永井真理子『Brand-New Door』

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思い返してみると、姐さんが初めてセルフカバー・アルバムの話を切り出したのは5月7日の木曜日、ゴールデンウィーク明けのことでした。その前日、5月6日は緊急事態宣言を全面的に解除する予定だった日なのですが、ご存じの通り、主要都市部の宣言解除は5月31日まで大幅延長されることとなり...、そんな中での突如としたアナウンスでした。

これを希望と言わずしてなんと言いましょう。前月の4月11日にはコラボ・アルバム『会えて よかった』を発売したばかりのタイミングです。さらに "セルフカバー" という初の試みにもワクワクせずにはいられないじゃないですか!姐さんが頑張ってるのなら、こっちも頑張らねばと、不思議なパワーが身体の奥底からグングンとみなぎりまくってくるのはもちろん、コロナなんかに負けてらんないってことっすね!と、誰もが明るい未来に心を躍らせた瞬間でもあったと思うのです。

 

と、書いておきながらなんですが、ボク自身、"セルフカバー" というものにはちょいと懐疑的なところがあります。

そもそもセルフカバーには二通りのパターンがあります。ひとつは、最近で言うと米津玄師さんや竹内まりやさんなどが話題になった "提供曲を自身でカバーする" パターン。ボク自身、この提供曲系についてはとくに懐疑的に思っているわけではないんですね。沢尻エリカさんに提供した「Stay with me」の真理子さんカバーも、ほんわかとした浮遊感が心地よい、淡い恋心に突き動かされていく前向きな気持ちを歌った名曲だと思っているのです。

懐疑的に思うのは、もう一つのパターンです。今まで幾多のアーティストの方々が挑戦して、ほぼ失敗しているのが "過去に発表した楽曲のリメイク作品"。このパターンのセルフカバーで、オリジナルを越えた作品というものに、正直、今まで一度も出会ったことがありません。大抵は「なんか違う...」という印象しか残らず、下手をすると拒絶反応が起こり、最初の1回しか聴かないなんてことが割とザラだったりするのです。それを客観的に捉えてみると下記の3点に集約されるのではないかと。

 ①歌い方が違う

 ②トラックに勢いがない

 ③オリジナルを壊しすぎて訳がわからなくなっている

この中でも①については致命的なところがあります。アーティスト側の制作意図として、リメイク作品を発表する時点での "声・メロディー・想い" などを歌に託しているという経緯は重々わかるのですが、それがどうにもこうにもオリジナルからかけ離れていることが多すぎるのです。この歌い方の違いには今まで何度、もう何度、失望してしまったかわかりません。

さらにはトラックのアレンジも同様です。聴き慣れたオリジナルの世界観を踏襲しすぎるあまり、ただ単に録り直しただけのお手軽トラックになっているものがあります。そういった類の楽曲は、大概にしてオリジナルの制作当時の勢いをなくした、どこか小手先だけのような、音数の少ない簡易的なトラックに聴こえてしまうことが多いのです。逆に世界観を壊しすぎて、いったいこれはなんの曲?と思うようなものも中にはあります。それはそれで実験的な試みであったりして面白いところもあるのですが、では、それがスタンダードになるかと言うと、一時だけの気まぐれで終わることがほとんどです。

なので、ナガマリのセルフカバーと聞いて一抹の不安はありました。

 

がっ!

来たる9月27日にヤバすぎるブツが届きました!

youtu.be

一瞬にしてアドレナリンを最高潮まで上昇させるギターリフ、オリジナルのニュアンスを絶妙なスパイスで放り込んでくるアレンジ、さらにあまりにも自然体、そして、貫禄と歓喜と優しさに溢れる姐さんのボーカル。

歌い方が違う?しゃらくさいこと言わんとって~!

トラックに勢いがない?ありまくりなんですけど~!

オリジナルを壊しすぎてる?耳穴かっぽじいてよく聴きんしゃい!

セルフカバー、最高じゃ~!

はい、すいません、舌の根も乾かないうちに前言撤回です。

 

そうこうしているうちに、今度はこちらが投下されました。

youtu.be

9月27日から二週間後、10月24日の大阪ライブまであと二週間という絶妙なタイミングで、あのハイパー「ハートをWASH!」に乗せて収録曲が発表されたのです。

こんなことってあります?

もう居ても立っても居られなくなって大阪まで走ったTeam Mの大移動ときたら、GoToキャンペーンよろしく、わき目もふらずに猛進していくバッファローの大群のようでした。

 

てなわけで、性懲りもせず、またまたナガマリ全曲レビューをやっちまいます。

で、なんかすいません、気がついたら10,000文字を越えるテキストになっちまいましたので、こんなん付き合ってらんねーよ!と思われる方は、ホント、テキトーに読み飛ばしてください。

 

1.「Brand-New Way」

オリジナル音源は1988年の発売。もう、かれこれ32年も前の楽曲になります。

『Brand-New Door』に収録されている楽曲のすべてに言えることですが、30年前後ものあいだ、何度も何度も繰り返し繰り返し聴き続けてきた楽曲を、ここで新たにリメイクするというのは、かなり挑戦的な試みだと思うのです。下手をすると、先ほどのどこかの誰かさんが滔々と語っていたように、なんか違う...と拒絶されまくっても全然おかしくない、リスクありまくりの試みではないかと。

そんなヤカラを平手でバッチーン!とハタいたのがこの楽曲。とにかく爽快です。

先述したようにアドレナリンが一瞬にして沸点に到達するギターリフは、新しいこと(新しい道、新しい試み、新しいやり方)に取りかかる高揚感を否が応でもかき立ててくれます。これはコロナ禍にあるボクたちが、今、ここで生きているこの世界を、なにがなんでも希望の世界へと変えていくためのファンファーレのように聴こえるのです。

中でもボクのお気に入りはBメロの部分。オリジナルでは、水たまりを駆け抜けていく降ろしたての真っ新なスウェードの靴が、キラキラと輝く水しぶきの中を颯爽と突き進んでいく様を、根岸先生が煌びやかに描いていました。それがブランニュードアver.では、次々と襲いかかってくる "ためらい" を、これでもかと無双でなぎ倒していく様に生まれ変わっているのです。それが痛快でたまらない。

先日、keiZiroさんのラジオ番組に電話ゲストで出演された際に、アルバムの中で最初にレコーディングをしたのが、この「Brand-New Way」だったというお話を真理子さんがされていました。それを聞いてなるほどと思いました。アルバムのタイトル、楽曲のアレンジ、ジャケットのデザイン、これらの大元になる想い・通念みたいなもの。もっと言うと、この "セルフカバー" 制作に踏み切った根幹になるものって、この "ためらい" をなぎ払っていく強靭な意思なのではないかと。で、なければ、ここまでオリジナルを超えるアレンジとボーカルは生まれないのではないかと。

まさに "未来をこの手でつかむ" ためのエナジーソング。やったりましょう!

 

2.「Cherry Revolution」

オリジナルは1994年。大傑作アルバム『Love Eater』の先行シングル。イントロのクラブ・ミックスに度肝を抜かれたTeam Mの方も多かったと思いますが、マジでカッチョよすぎのビービーブーですわ!アニキのセンスに脱帽です。

ここで他のアーティストの話を持ち出して恐縮なのですが、L⇔R黒沢健一さんが逝去される前に発売したラスト・アルバムが、セルフカバー・アルバム『LIFETIME BEST "BEST VALUE"』でした。2015年のことです。

このクロケンさんのアルバムはL⇔R時代からソロ時代までを網羅した選曲になっているのですが、発売された当時のインタビューでこんなことを語っていました。

セルフカバー・アルバムだから、 セルフ・プロデュースはできない。なぜなら、最初にレコーディングした時点で "これがベスト" と思って作っているから、自分でプロデュースしたらまた同じものを作ってしまう。たぶん何度やっても同じです(笑)

学者肌の音楽家だった「L⇔R」黒沢健一。早すぎる死と才能を惜しむ | WHAT's IN? tokyo

今回の『Brand-New Door』の収録曲の中で、『OPEN ZOO』以降の真理子さんセルフ・プロデュースによる楽曲が全部で2曲収録されています。そのうちの1曲が、この「Cherry Revolution」になるのですが、イントロのクラブ・ミックスを除くと、アレンジはほぼオリジナルと変わらないものになっています。

ラジオ番組『ORANGE ROOM』で満太郎さんが教えてくれたところによると、ガラッとアレンジを変えたものと、ほぼ原曲に近いアレンジのものとのバランスをアルバム全体の中で見たとおっしゃられていました。そのバランス感覚が絶妙すぎて、トータルで聴いた時の流れが、まるでライブを見ているような最高の曲順になっているのですが。ただ、その中でもクロケンさんが語っているように、'94年当時のオリジナルがほぼベストなもの、完成されて動かしようがないもの、そんな事実もあるのではないかと思うのです。裏を返すと、それだけ真理子さんが今までリリースされてきた200を超える楽曲たちが、ベストな状態で私たちの耳に届いていたことへの証明にもなると。

そんなトラックを改めて録り直すとなると、テキストの冒頭でどこかのカスが偉そうに語っていたように、小手先だけのお手軽なトラックになってしまうこともあります。'94年の、あの勢いを再現するというのも難しいところもあると思うのです。

が。

ここがまたスゴイところだと思うのです。ギターやベースの演奏はもちろん、シンセサイザーからリズムの打ち込み(実際にドラムを叩いていたりもするのでしょうか?)まで、たぶん姐さん復活後の『Life is beautiful』から、ほぼ全楽曲のトラックはアニキが一人で作り込んでいます。'94年のサザン・ロックを踏襲したバンド・サウンドの季節から、このゴリゴリのグランジとポップ・パンクを融合したサウンドへの変貌は、そんじゃそこらのセルフ・プロデュース能力ではなかなかにマネできない領域ではないかと。己の中に "革命" を起こした者だけが到達できる領域ではないかと。"見せかけ" だけじゃ、ここまでできませんゼ、アニキ!

KEEP MOVING!KEEP MOVING!

 

3.「One Step Closer」

7月10日に無観客で行われた33周年記念ライブ。そこで披露されていたライブ・バージョンでのアレンジです。オリジナルは1987年。前田先生による作詞作曲になります。

そもそも「One Step Closer」は、真理子さんにとって大切な大切な1曲であると共に、ボクらTeam Mにとっても(ボクら?)凄く大切な大切な1曲でもあると思うんです。

1stアルバム『上機嫌』から聴き続けている方もいれば、ベストアルバム『大好き』で知ったというファンの方も多いと思いますし、中には『my foot steps』からの方も、もしかしたらいらっしゃるかもしれません。いずれにしても "1歩ずつでも 近づいていくの" "あきらめない たった1つの夢をつかむまで" という、若かりし頃の姐さんや前田先生の願いというか希望というか、何にも屈しない若さであったり、負けそうになっている自分を鼓舞するための励ましであったり、そんな精神性に満ち溢れた楽曲であると思うのです。そして、それはリスナーにも同じ共有感覚として染みついている。

オリジナルでは煌びやかな80'sシティ・ポップの中に、ディスコ・ミュージック的なベースラインを取り入れた、アレンジャー根岸さんの真骨頂みたいな楽曲になっています。ややもするとバラードになってしまいがちな歌詞とメロディーを4ビートの軽快なリズムに乗せることで、よりメランコリックさが際立つアレンジになっているのです。

それから30年以上の月日が流れ、真理子さんもボクらも、いくつもの悲しいことや苦しいことに出会ってきました。その度に輝きをなくさないようにと自分を奮い立たせ、時に臆病になってしまいふさぎ込むこともあったと思います。そりゃ、いろいろあるよね。それでも、今、こうしてボクらは2020年を楽しく(時にしんどい思いをしながら)生きています。

7月10日の33ライブで披露された「One Step Closer」は、そんな今までの足跡を振り返ると共に、ここまでよくやってきたよねという労い、そして、ここまでこれたんだから、この先もきっと大丈夫だよと、みんなであきらめないで一歩ずつ進んでいこうと、そんな大きな大きなLOVEに包まれた演奏だったと思うのです。

望郷を彷彿させるようなイントロ、AメロBメロを支えるのは根岸さんへのリスペクト、遠からず近からずの絶妙な距離感、その上に真理子さんのすべてを包み込むような優しくて力強いボーカル。この想いは絶対に成し遂げるんだという痛切な願いを込めるように、ラストのサビでグルーヴがたたみかけ、希望に満ちたシンフォニックでエンディングを迎えます。

大丈夫です。この曲がある限り、ボクらはいつでも "一歩ずつ近づいていく" ことができます。なにも不安に怯えることなんてないのです。

 

4.「ZUTTO

1990年の冬、ある等式が日本で発見されました。「永井真理子ZUTTO」。この等式を因数分解すると下記のような解にたどり着きます。

永井真理子やまだかつてないテレビ(バラエティー+音楽番組)

(歌がうまい+女性アーティスト)=(ヒット曲が生まれた番組+高視聴率)

(ボーイッシュ+キュート)=(冬の季節+バラード)

よって、永井真理子ZUTTO になると。

このパブリック・イメージの等式は、一度でも確立してしまうと、なかなかに突き崩すことが難しくなってしまいます。俳優さんが固定されたイメージがつくのを嫌がってシリーズものに出演したがらなかったり、多くのミュージシャンが固定された1曲に縛られるのを嫌がって紅白歌合戦の出演を辞退したりするのは、この恐るべきパブリック・イメージを避けるためだと言われています(他にも理由はあると思いますし、逆の方法もまた然りだとは思いますけどね)。

なので、「ZUTTO」に対する世間様のイメージは、ボクが想像している以上に粘着力が強く、たぶん、想定以上に一発屋臭がプンプンしているはずなのです。んでもって、そんな楽曲をリメイクするとなると、これはかなり無謀な挑戦に近いだろうと。できることなら手をつけない方がいいだろうと。それをリスクヘッジと呼ぶのではないですかと。そう思う訳なんです。

がっ。

このご夫妻、軽々と超えちまいましたよ。

ビックリですわ。

リスクもへったくれもありませんわ。

ホンマ、トビウオみたいな2人ですわ。

ラジオ番組『ORANGE ROOM』にグリコ&きゃのーらさん(略してびんたさん)が投稿していたように、とにかく姐さんのボーカルがふわふわと優しすぎるっ!

なんですか、これは。ヒマワリくんの羽根でも、ここまで軽くないでしょ!トゥルットゥ!

トラックもオリジナルに近いアレンジを施しながら、生音なのかどうか、クレジットがないのではっきりとはわかりませんが、maruseさんのバイオリンやミチさんの伴奏が加わっているような、とっても柔らかいトラックに仕上がっています。ラストのギターソロなんてスラッシュやブライアン・メイよろしく、こんなひと時よ、ずっと続いてぇ~とばかりにキュインキュイン唸っています。好きだわ~。

 

5.「日曜日が足りない」

「Cherry Revolution」と同じく大傑作アルバム『Love Eater』からの1曲。アレンジはほぼオリジナルに近いものとなっていますが、一点だけ違うとすると真理子さんのほんわかコーラスが加わっていること。これによって、たまに過ごせる恋人たちのキラキラ度がかなり増しております。

今回のセルフカバー・アルバム『Brand-New Door』が発売されるにあたって、多くのTeam Mの方々が収録曲の予想をされていたとは思いますが、ほぼほぼその予想って『OPEN ZOO』以前の根岸さん時代を想定されていたのではないかと思うのです。というか、ボクがそうでした。

なので『OPEN ZOO』以降の楽曲がセレクトされていることに、ちょっと予想外だったなと思うところがあるのです。しかも、2曲とも『Love Eater』から選ばれている。『OPEN ZOO』でもなければ『KISS ME KISS ME』でもなく、東芝時代からでもない。ここに何か理由があるのかな?なんて思ったりもするのですが、う~ん、まったくわかりません。

この「Cherry Revolution」と「日曜日が足りない」の2曲から読み取れることは...

①どちらもシングル曲であること

②『Love Eater』発売の前後であること

③どちらもRemix Versionが存在すること

これぐらいしか共通項がありません。

仮に姐さんの思い入れが深いという理由でこの曲たちが選ばれたのだとしたら、他の楽曲も甲乙つけがたいほどだと思うので、それだけで『Love Eater』からセレクトされるのも考えにくい。では、リミックスがあったから手をつけやすかったという理由だとしたら、どうでしょう。それもこのご夫妻に限っては、なかなかそんなお手軽な感じでお話を進めていくというのも考えにくい。

うん、まったくわかりません。

ただ、1994年という年は、たぶん、永井真理子ヒストリーの中で、なにか特別な年であったのではないかという気はします。今後、『Brand-New Door vol.2』『vol.3』が発表されていく中で、もしかしたら、その辺が明らかになるのかもしれません。

 

6.「Say Hello」

オリジナルは1991年発売の『WASHING』。もとは5分半ほどの曲でしたが、今回のブランニュードアverでは6分半の大曲に生まれ変わっています。単純に曲の長さだけで話をするのなら「my sweet days」「wanna be free」「ほんの少し」に次ぐトラック・タイム。姐さんの楽曲群の中でも上から数えて5本指に入ります。

もともとが憂いを帯びたマイナー調の楽曲で、根岸さんのアレンジもどこかプログレッシブ・ロックな感じがあり、ピンク・フロイドキング・クリムゾンなどのように複雑な構成と物語性を孕んだ変調しまくりの楽曲になっています。

そのタイトルが「Say Hello」って、いったいどういうこっちゃねんというのが、当時からのボクの感想なんですけど...。せめて「Say Don't Cry」とか「So Alone」みたいなイメージで、言うても「Change the World」みたいなところじゃない?と。「Hello」ではないでしょうと。「Hello」というのは「やあ、こんにちは」「やっほ~」みたいなことであって、言葉も出てこない別れ際のアベックが求める言葉ではないのではないかと。イヤじゃない?車の中で別れの言葉を模索している中で、急に相手が「やっほ~」なんて手を振り始めたら。なめとんのか、ワレは!って感じになるじゃないですか。

すいません、ふざけすぎました。

でも、今回のアレンジで、その「Say Hello」というのは夜明けの光、言うなれば、希望の光、光のぬくもり、そういった類のものがビルの向こう側、もしくは地平線や水平線の向こうから顔を出してくれるのを待ち望んでいる心象風景のことだということがわかったのです。世界が明るくなっていくさまと言いましょうか。この世界が「Hello」と語りかけてくれるのを待っている。

それもこれも真理子さんの説得力ありまくりのボーカルと、あなた様はドミニク・ミラーですか?と言いたくなるようなアニキのギターリフがあるからわかった感じなのです。ネーバービーザーセィーーーーー!!スゴいですよね。

東の空がほのかに白んでいく時の、あの少しづつ不安が和らいでいくような解放感。2020年の今、誰もが同じように、この世界の夜明けを待ち望んでいるような気がするのです。

 

7.「3D NIGHTへおいで」

オリジナルは1988年に発売された2ndアルバム『元気予報』に収録。フュージョン系のシンセ・ポップが楽しい、シンディ・ローパーとかワム!とかカルチャークラブとか、そんなMTV的な'80sチックがいい感じな密かな人気曲。このディスコテックなリズムって、なんか今聞いても気持ちいいんですよね。

それをなんて言うんでしょ。たぶん絶対にやらないだろうけど、例えばカルチャークラブの「カーマは気まぐれ」をパール・ジャムがカバーしたみたいと言いましょうか。エディ・ヴェダーが「カマカマカマカマカマカミ~リオ~」って歌うのを聞いてみたい気もしますが(笑)

すいません、話がそれました。

でも、それぐらい、それぐらいあのシンセ・ポップがグランジに生まれ変わっているのです。イントロのギターリフなんてR.E.M.ビル・ベリーみたいじゃないですか。なんか、アメリカ映画とかに出てくるおっきな家のガレージで、いい年した方たちが集まってね、若い頃みたいにまた盛り上がろうぜって、軽くジャムっているような感じがするんですよ。バドワイザー片手に持ったり、ジャック・ダニエルをラッパ飲みしながらさ。

カッチョえぇ~。そりゃぁ、姐さん、ライダースも似合いますわな♬

Open the closed door!

 

8.「ハートをWASH!」

さてさて、お次はハイパー「ハートをWASH!」です。

7月10日の33ライブのテキストでも書きましたが、このゴリゴリのカッティングギターだけで、ご飯100杯でも1000杯でもおかわりできちゃう最高のパンクロックです。

そこからの『Brand-New Door』の歌詞カードの話になるんですけど、これパンキッシュですよねぇ。ピストルズとかクラッシュとか、その辺のアティテュードが散りばめられています。自由への疾走ってやつっすね。

「Cherry Revolution」の冒頭の英語、真理子さん、なんて言うてるの?と思われている方がいらっしゃいましたら、P.5をご覧ください。キープムーヴィン、キープムーヴィン。

 

9.「少年」

オリジナルはナガマリ初のベスト・アルバム『大好き』に収録されている人気曲。

この永遠の名曲をリメイクするというのも「ZUTTO」と同じように、かなりのリスクを伴うものだと思うのです。だって、みんな30年近く、それこそCDがキズだらけになって音飛びするくらい聴き続けてきてるんでしょ。時間の長さというものを今一度、確認してみましょうよ。30年ですよ。

それをこんな風に一足飛びでね、スッと人の懐に染み込ませてくれるものですか?

冒頭で、個人的にはセルフカバーには懐疑的なんですと書いたのですが、その中でも歌い方の違い、昔と今との声質の違いに失望してしまうことが多いとも大口叩いて語ったのですが、ホンマ、そんなアホみたいな意見を姐さんは一蹴してくれます。

まるでU2のような、こう、己の中のイノセントを解放していくようなイントロが鳴り響いた途端に、あっ、オリジナルを越えた、と誰もが納得したはずです。それって信じられます?ファン投票をすれば上位10曲の中に必ず選ばれるような名曲が、こうも軽々と越えられるものですか?

さらに "深夜の~" と真理子さんのボーカルが始まった途端に、なんでしょ、変な話ですけど、「少年」を初めて聴いたような感動に包まれるんですよね。

で、それに輪をかけるようにね、言葉の一つ一つを本当にかみしめるように丁寧に歌ってらっしゃるんですよ。本当に丁寧なんですわ。丁寧。

来たる11月20日の渋谷ライブで、一度は閉じられたドアが、新しい扉となってとうとう開きます。その扉の向こう側には、明日に向かって走り出して行く "私の中の少年" が、誰の心の中にも必ず蘇るはずです。

 

10.「好奇心」

オリジナルは、こちらも大傑作アルバム『Catch Ball』に収録されている、陣内大蔵さん提供による楽曲。時は1990年です。

先日のラジオ番組『ORANGE ROOM』で、COZZiさんが満太郎さんに乗り移って教えてくれたところによると、今回の『Brand-New Door』のアレンジで、よっしゃ!こりゃうまくいったぜぇ~と喝采を上げたのが、この「好奇心」。そして、先ほどの「少年」だったそうです(教えて頂き、本当にありがとうございました!)。

このアレンジも、7月10日の33ライブで披露されていたものですが、その当時、ボクはこんな風に語っています。

アレンジも、なんか埃っぽい感じのいい塩梅なミディアム調になっていて、R.E.M.とかパール・ジャムとかソニック・ユースとか、頭脳警察とかシナロケとか少年ナイフとか。なんかそんな系譜の人たちが思い浮かんでくるような、パンクでグランジオルタナティブなんだけど、ポップでもあるというこのバランス感覚が素晴らしいなと思いました。

https://wisteria-valley.hatenablog.com/entry/2020/07/13/181614

この感想は変わるどころか、より強くなったと言いますか。アルバムの中で10曲目、実質、ラストナンバーに構成されているところからも、この『Brand-New Door』という "新しい扉" をめぐる物語の結末は、さらにその先を見据えた To be continued になっていると教えてくれています。

 

11.「私の中の勇気 アコースティックバージョン」

こちらは、どちらかというとボーナス・トラック的な位置づけになる楽曲ではないかと思います。

コロナ禍の自粛期間中の5月17日(日)、みんなでワチャワチャできることを楽しもう!と『おうちでトーク4』を生配信。そのラストに披露されたのが、前田先生とのこのバージョンでした。

今年の2月、横浜の大黒ふ頭にダイヤモンド・プリンセス号が入港してから、あれよあれよという間にコロナの侵食が拡がり、4月の頭には緊急事態宣言が発令、学校や職場などが一度に完全閉鎖されてしまいました。誰もが引きこもるしか対策を講じることができないもどかしさの中で、自粛期間は徐々に長引いていき、お互いに協力しあう中でも疲弊感に苛まれていくような状況でした。

真理子さんは、それでも「がんばれ」と歌いかけてくれました。

この「がんばれ」に、どれだけ元気づけられたTeam Mの方々がいたでしょう。

 

そして、あれから時は流れ、今、こうして新たなアルバムを手にできる喜びがあります。おうちシリーズから無観客ライブ、先日の大阪ハイブリッドを経て、11月20日には渋谷ハイブリッドが開催されます。

この間、姐さんは毎晩、一日も休むことなくおやすみツイートをしてくれています。

もう、ホント、ナガマリは最高だぁぁぁ!!!!!

さあ、みんなで新たな扉を開け放ち、明日に向かって走っていきましょ~!

 

www.mse-store.com

永井真理子 KNOCK THE NEXT DOOR に寄せて

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本当によかった...。

こんな日を迎えることができて、本当によかった...。

心の底からそう思えた10月24日でした。

 

例え、自分たちが大丈夫だとしても、100%の状態でライブなどのエンターテインメントを楽しむには、まだまだ医療的な面もそうだし、世間様の空気も許さない状況ではあります。それは姐さんに限らず、いろんなアーティストの方たちが四苦八苦していることであり、ボクたちのような音楽ファンもフラストレーションを抱える問題にもなっています。できることなら、みんなで盛大に大騒ぎしたいよねぇ。

でね、こんな状況って、なんか昔々にあったような気がするのです。

こう...、やりたいことができないっ!という状況...。

なんて言うんでしょ、なんか思うようにいかないなぁ...という状況。

それは、なんだろう?と思っていたのですが、わかりました。

今回のナガマリ・ライブでわかったのですよ、姐さん。

学生時代じゃん!多感な思春期の時代じゃん!

アオハルじゃ~ん!

 

将来に対するぼんやりとした不安。

それでも自分の中で膨らみ続ける夢や希望。

そんなん言いながらもやらなければならないことは日々あって。

目の前にある新たなドアを開ける気持ちの余裕もない。

 

わかります?

こんなことをしたい、あんなことをしたいと思っていた10代のあの頃。

それを諫めるのは親であったり、先生であったり、自分自身であったり。

もどかしかったり、思い悩んでいたりしていたあの頃と、今、この2020年という時代が、なんだかオーバーラップするんです。

 

我らの永井真理子は、その扉をノックしようと訴えかけました。

まずは目の前に見えている "新たな扉" の存在を認めよう、と。

その結果が10月24日でした。

 

まるで小学校や高校時代の夏休み明けの全校集会かっ!というくらいに、会場組の再会の熱さといったら、もう扉をノックするどころか、完全に「OPEN ZOO」状態でした。教頭先生が「お前ら、静まれぇぇぇ!」と声を上げても、みんなワチャワチャして誰も見向きもしなくて、登壇した校長先生がいつまでも話を始められないでオタオタしているような状況といいましょうか。

そこに産休明けのマドンナ先生が挨拶に現れたら、もうみんな歓喜の涙みたいな。

(校長先生の立場がないよね...)

さらにはZOOMで参加していた生徒たちも涙・涙・涙みたいな。

これが "新しい扉" ですよ!(なんのこっちゃ!)

さあ、ノックしたれぇぇぇ!

 

とにもかくにも第一部の感動といったら、やっとここまで来たという思いしかないです。やっと...、やっとです(なんかZUTTOみたいやなぁ...)。

そもそも音楽ってコミュニケーションじゃないですか。

パイセンもツイッターでリプってたけど、ボクたちは画面を通して姐さんを拝むことはできるけど、姐さんはいつもスマホかカメラに向かって、顔の見えないボクたちに向けてメッセージを届けてくれてはるんですよね。

それってさ、結構な孤独の作業のような気がするんです。

まるで宇宙船で地球と交信しているような、といいますか。

無観客ライブもそうです。

スタッフの方たちがそばにいて、チャットで声援をしていたとしても、やはり無機質といいますか、ビビッドにダイレクトに届くものがない。そんなもどかしさがありました。

それがやっと、お互いに空間を共有することができた。

「30年ぐらい会っていなかったような気持ちになるの」という真理子さんの言葉も、やはり、10か月間のこのコロナ禍の苦労を物語っているのではないかと思うのです。もちろん、ボクら側の苦労も然りですけどね。

だから、よかった。

本当によかったよ~。

 

もちろん大きな声で声援を送ったり、飛んだり拳を振り上げたり手をつないだり肩を組んだり抱き合ったりということはできないですが、会場組の大きな拍手とメヂカラ、配信組の大きな大きなラブ・パワーで、とてつもなくハッピーだった10月24日のライブでした。

16:00からの第一部、19:30からの第二部、それぞれ違うセットリストでの演目。

今回のライブ、見どころはなんといってもmaruseさんのヴァイオリンでしょ!

ナガマリ&maruseのジョイント・ライブかっ!というくらいに、まあ、全編にわたってmaruseさんが弾きまくっていました。maruseさん好きにはたまらないライブでしたよね。中にはギター・ソロか?みたいなところもあり、とにかくヴァイオリンの音色が、今回の "KNOCK THE NEXT DOOR" の雰囲気を形作っていました。

もちろんミチさんのキーボードも大活躍でしたが、前回よりは控え目、チエさんやアキさんと一緒になって真理子さんやmaruseさんを支えているような印象を受けました。

詳しいセットリストは、たぶん、27日のアーカイブ配信が終わったと同時に怒涛のようにツイートされるはずなので、まあ、そちらをご参照ください。

ナガマリ公式ホームページでは、27日の23:00までアーカイブ配信のチケットが購入できますよと記載されていますが、これはいつもの姐さんやらかし。実際は26日の18:00の時点で販売は終了しています。たぶん、買い忘れているTeam Mの方などいらっしゃるはずがないので、みなさん、ギリギリまでアーカイブ配信を楽しみましょう~。

ちなみにですけど、というか、いつものことなんですけど、アーカイブ配信はヘッドフォンで視聴されることを強くおススメいたします(欲を言うと、ちょいと音のいいヘッドフォンだと最高です)。もちろんテレビにつないで大画面の姐さんを拝むのもありですが、会場の雰囲気、さらには細かな演奏の音もヘッドフォンで聴くと、よりリアルに楽しむことができます。特に今回の演奏、チエさんアキさんミチさんトリオが凄まじく素晴らしいです。

個人的には、第二部が初っ端から後半までグッときまくりでした。選曲も良ければ、姐さんのボーカルも最高でした(特にあのバラードが♬)。特にラスト3曲はヤバイです。こんなん演られたら絶対にムリやん。明日からまたがんばろう!って思うしかないやん。あの頃の自分に笑われないように、しっかりと生きていこうって思うしかないやん。そんな感じでした。そうでしょ?

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そして、次回はとうとう新たな扉を開け放つ瞬間が訪れます。

題して『OPEN THE NEXT DOOR』。

その先には "新しい道" というものが見えてくるはずです。

 

将来に対するぼんやりとした不安。

若い頃、それを払拭できたのは、いろいろなロック・ミュージックが弱虫な自分の背中を後押ししてくれたからでした。そのおかげで自由を味わうことができて、自分の限界を押し広げることができた。

そんなボクらも、あの頃から、もう二巡も三巡も回りまわってきて、ここにきてまた不自由さを味わっています。カゴの中に押し込められようとしている。

"1歩ずつでも近づいていく" と意気込み、"羽ばたく自由" を思い出し、"傷ついてもかまわない" と半ば自暴自棄に近い気持ちで世界に飛び出し、"決まりきった毎日に少しづつ変化をつける"。

そうなんです、ボクたちには永井真理子がいます。

その昔、そうだったように、もう一度、ここからですよ。

みんなで "錆びついた心の観覧車" をゆっくりと回していきましょう!

そして、あの頃に感じた "自由" を、もう一度、取り戻しましょう!

永井真理子 アコースティックスペシャル M's History

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永井真理子、配信ライブ第二弾。その名も『M's History』!
前回の配信ライブ『I'm happy to meet you』で、ここで歌いきれなかった曲たちをアタシは歌いたいんだぁ~!という姐さんの思いから、アコースティックセッションでの開催が発表されたわけですが。カブリは一切なし!久しぶりに歌う曲もいっぱいあるよぉ~!と。これはまた、いったいどれだけの曲が演奏されるんじゃ~!と、楽しみがすぎてしまい、鼻水は出るわ、えづきは止まらないわ、とち狂ったようにシングルヒストリーなんていう無謀なことまでやっちまうわ...。睡眠不足の睡眠負債で、ある一日だけ24時間も寝ちまいましたよ。わたしの歴史の一日だけ、どっかに吹っ飛んじまいました。グッドラック、私の中の24時間。
で、アコースティックセッションと聞いたらですよ、誰だってナガマリ&チエさんがメインのライブになるのかなぁ~と、フツーに想像するじゃないですか。それしかないと思うじゃないですか。セトリの予想も1曲目の予想も、そこが土台になってくるわけじゃないですか。プラス、マルセさんをどう絡ませる?みたいな。チッチッチッ。甘かったね。ソーダストリームのメロンソーダ味よりも、ぜんぜん甘すぎでしたね。
正解を言うとですね、今回のライブのメインはミチさんです!
葛岡みちさんです!(大事なことは2回言えっとアニキに教わりました)

てなわけで、すいません。また、どこかのニワカなヤツがですね、なんだか知ったような顔をしてライブレポをするみたいです。
ナガマリ、またまた最高だったねぇぇぇ!
ナガマリ、またまた感動したねぇぇぇ!
そんなことしか書いてないブログですが、ご興味のある方は、ぜひぜひ一緒に楽しんでいただければと思います。m(_ _)m

 

1.Keep On Running

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(作詞:陣内大蔵 作曲:北野誠 編曲:根岸貴幸

前回の配信ライブのようなオープニングは今回はなく、20時17分頃に "ナインスパイス" のロゴがプッと消えると、ステージには既にナガマリ含めバンドメンバー全員がステージ上にスタンバっていました。
「いよっ♬」の掛け声から始まったイントロは、なんと「Keep On Running」!しかも音がめちゃめちゃマイルド!マルセさんのヴァイオリンが入ることで、とても素朴で優しい雰囲気が醸し出され、ミチさんの鍵盤が楽曲のベースになる音をすべてまかなっています。これがスゴイ!チエさんのアコギも、アキさんのドラムも、どこか控え目な感じ。すべては姐さんの声をミチさんの伴奏が支え、マルセさんが横からそっと華を添えるような感じなのです。
「カっモ~ン♬」と初っ端からフルスロットルの姐さんも気合いが入りすぎたのか、拳を振りかざして「まだまだゴールじゃな~い!」の時にマイドリンクをすっ飛ばし、足でボーン蹴っ飛ばすという。そりゃ、チエさんも楽しそうにピョンピョン跳ね上がりますわな。

 

2.20才のスピード

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(作詞:亜伊林 作曲:辛島美登里 編曲:根岸貴幸

続いて披露されたのは、これまた涙がチョチョぎれる選曲!マルセさんが奏でるイントロもさることながら、ここでもミチさんの伴奏がとにかく素晴らしすぎます。いったい、ここはニューヨークのジャズバーですか?というくらいにアダルティな雰囲気がありながら、しっかりとポップソングとしてのメジャー感も出しているという。まるでレッド・ガーランドじゃないですかっ!
間奏でのシンセサイザーは、かつてのアレンジャー根岸さんへの敬意とも受け取れますし、「チャンスに強くなれ」と歌う姐さんは、この30年以上前の楽曲に、今、改めてパワーをもらっているようにも感じました。もちろん、聴いているボクたちも同じ気持ちです。一日一日、日々状況が変化していく現実で、気持ちや身体が弱くなりがちですが、無理をしない無理をさせない精神でチャンスをつかみ取っていきましょう!

 

3.My Champion

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(作詞:只野菜摘 作曲:谷口守 編曲:根岸貴幸

MCでは「シン・グル・カット」のお話をされ(「チャン・リン・シャン」みたいですね...、というか、世代感が...)、捨て曲じゃないんだよぉ~、だから、このライブでは「カッップリング」にスポットを当てるよぉ~ということで披露されたのが、これまた神選曲の「マイ・チャンピオン」!
わたくしごとになりますが、姐さんを初めて知ったのは『YAWARA!』からでした。なので、このシングル盤がわたしの初・永井真理子だったわけなんですが、見ての通り、ジャケットはシルエットになっているし、収録されている2曲はロックというよりは、どちらかというとコンテンポラリーな感じの楽曲。そんなわけですから、そうか、この人はあまり表に出てこない、ちょっと大人な感じの謎めいたアーティストさんなんだなぁと勝手に思っていたんです。それが永井真理子の第一印象でした。
で、他の曲も聴いてみたいと思ってCD屋さんでアルバム『Miracle girl』を手にした時の衝撃!聴いてみた時の衝撃!どこが謎めいていたんじゃ~!ですよ。
そんな思い出深い「マイ・チャンピオン」のあのイントロを聴くと、一気にあの頃の時代にフラッシュバックします。ここでチエさんのアコギがいい感じで前に出てくるようになり、このライブのために新調したというニュー・マイクも、エコーが素晴らしく、姐さんのボーカルがまた響いてくるんですよねぇ。Haaa~♬というコーラスも良き!

 

4.EVERYTHING

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(作詞:亜伊林 作曲:前田克樹 編曲:根岸貴幸

さらに "報われない" カップリング曲の代表選手「エヴリシング」が登場。この曲こそ、かつてのシングル候補でありながら、大ヒット曲の影に隠されてしまったベスト・オブ・B-Side。当然のように楽曲自体のポテンシャルはめちゃめちゃ高いので、ライブでも跳ねたリズムがチョー気持ちいい、とっても楽しい、ちょいとカントリー風な名曲に生まれ変わっていました。
しかし、ミチさん。というか、女性だけで編成されているというところもあるとは思うのですが、音がとっても軽やかでしなやかなんですよね。んでもって、永井真理子パワーポップのイメージを抱いているファンからすると、このちょいとアングラ感がある雰囲気って、今までにない新たなステージのような気もします。

 

5.Oh, ムーンライト

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(作詞:亜伊林 作曲:谷口守 編曲:根岸貴幸

18才の時に上京してから運命の先輩に出会い、そこからチエさんに茶化されていたようにトントン拍子でデビューしたというお話からのコレです!まさに "M's History"!
セトリ予想や1曲目予想をされていたチームMのみなさんは、たぶん「Oh, ムーンライト」か「ときめくハートビート」のどちらかで大いに悩まれたと思うのですが、ここはやはり1987年7月22日に軍配が上がったようです。そりゃ、そうですよね。
で、演奏が始まったと思ったら、ここでまさかのMVとのシンクロ!ひゃぁぁぁぁぁ!しかも、鍵盤のズダ・ダン・ダン、ダ・ダン・ダン♬がまたいい感じで、なんかスゴイ面白い世界観になっていました。アキさんの16ビートも小気味よくて、姐さんのボーカルもサビの伸びが健在!マジっすか。33年ですよ。もう、あっぱれ!

 

6.my sweet days

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(作詞:永井真理子 作曲:永井真理子&廣田コージ 編曲:廣田コージ&林真史)

1993年7月31日に横浜スタジアムで行われた二度目のスタジアムライブ『BIG OPEN ZOO』のラスト、突然に「アタシ、この人と結婚するでぇ~!」とWOWOWの生放送もお構いなしにぶちかました姐さんでしたが、この大胆さ、今思うと末恐ろしいくらいの肝っ玉です。そりゃスタンドやアリーナや日本全国のお茶の間で白目を向いてアワを吹くファンが続出するのもしゃあない。ただ「ええい、全部の人に言ったれ!」というのが、なんともナガマリ!とも思うのです。
そんなアニバーサリーソングな「my sweet days」ですが、この曲は詞が先に出来上がり後からメロディーをのせたという、そんな制作秘話までMCで披露されていました。
からの、チエさんのアルペジオがまた染みるんだぁ...。しかも、横浜スタジアムの映像までかぶさってきて、もう、あの夏のさわやかな港街の風を思い出さずにはいられません。
「瞳の中をかけ抜けた 大切な日々達」あの日から27年...、当たり前のようにいいことも悪いこともありました。なのに、ボクたちは笑いあっていた楽しい幸せな日々はカンタンに忘れてしまい、辛くて悲しいことだけを鮮明に覚えていたりします。そんなメランコリックな気持ちを、そのままでもいいんだよ、これからまた、ここからまた、みんなで歩いていけばいいんだよ。そんな風にそっと寄り添ってくれる姐さんの歌声。そして、辛かったこと、悲しかったこと、嬉しかったこと、幸せだったこと、そんな気持ちたちをやさしく包み込んでくれるマルセさんのヴァイオリン。
このライブに参加されたすべての人の "歴史" に癒しを添える抒情的な名演でした。

 

7.揺れているのは

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(作詞:亜伊林 作曲:辛島美登里 編曲:萩田光男)

「Keep On "Keeping On"」「今、君が涙を見せた」のピアノバラードは、ナガマリファンから絶大な人気を獲得している名曲たちですが、ここで披露されたのは「揺れているのは」!
先ほどの「my sweet days」に呼応する部分が多いのですが、やりそこなった若かりし頃のあんなことやこんなことに向けて、"あの時から少しだけ 大人になった"と、過去の自分を俯瞰してみせる姐さんに、もう涙腺が崩壊です。
グランドピアノの伴奏だけというシンプルなスタイルも、ミチさんの包み込むような気持ちがあたたかく、その安心感も手伝ってか、姐さんのボーカルも30年前のCD音源とほぼ変わらないという。聴く人それぞれの心に、レースを揺らす夏の風、真っ赤に染まったあの日の黄昏、それぞれの道へ進むと決めたあの決断、そんな「なつかしくなる」風景が蘇ってきたのではないでしょうか。

 

8.泣きたい日もある

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(作詞・作曲:遠藤京子 編曲:根岸貴幸

続けざまに披露されたのは遠藤響子さんの名曲「泣きたい日もある」。辛島さんのメランコリックなメロディーとは打って変わり、響子さんのメロディーはどこかアダルティーなところがあり、ミチさんの伴奏もまるでジャズボーカルのような色合いに変わります。まるでダイアナ・クラールみたい。なんかオシャンティ~。
アーカイブが終わってから『1992 Live in Yokohama Studium』バージョンを聴いたのですが、もう、ぜんぜん今の方がいい!姐さんのやさしさもそうですが、器の大きさというか、芯の強さみたいなものが、あの頃とはケタ違いです。そのうち本気でジャズ・ボーカリストにでもなっちゃいそうな勢い。

 

9.市場へ行こう

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(作詞:浅田有理 作曲:北野誠 編曲:根岸貴幸

しっとりタイムが過ぎたところで、事前にチームMに募集をかけていた「ナガマリと愉快な仲間たち」への質問コーナーが始まります。アタシはぬか漬け、あなたは低い話、バラの苗、薬に老後と楽しいご婦人女子トークが炸裂。ここのコーナーが盛り上がりすぎて時間が押してしまうという。それにしても長洲小力に織田無道はツボりました。
からの、楽しいヤツを一発いきましょう♬が、この「市場へ行こう」!まるで「A列車で行こう」のような、おもちゃ箱をひっくり返したようなにぎやかさ!アガる~♬
ミチさんのキーボードも、アキさんのドラムも、マルセさんのヴァイオリンも、チエさんのジャカジャカなアコギも、どこかの音楽隊のようなワチャワチャ感で、フュージョンというか、見世物小屋の中でヒャッホ~と楽しんでいるような、姐さんも「フ~♬」と超ご機嫌な1曲でした。

 

10.boy

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(作詞:永井真理子 作曲:COZZi 編曲:中村哲

1996年に息子さんを出産されたというお話から、生まれたての子はみんなガッツ石松さんに似てるというチエさんのツッコミが笑いをとったところで、この愛おしいまでのバラードがお披露目されました。
先日アップした『M's "SINGLES" History』でも語ったばかりなのですが、姐さんの母性がこれでもかとあふれ出ている楽曲で、ライブではオリジナル音源と遜色のない演奏になっていたのが素晴らしかったです。
また、こちらでもチームMのみなさんにあらかじめ募集をかけていた "子供たちの写真" が使用され、いろんな方たちのあの頃の思い出が蘇る、とっても素敵なシーンになっていました。ちょっと手違いがあったようで、再度、編集し直したものを後日、Youtubeにアップしてくださるようですが、それでも、こうしてみんなでライブを作っていこう!ライブで繋がっていこう!という気持ちが嬉しすぎます。

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11.真夏のイヴ

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(作詞:永井真理子 作曲:中村正人 編曲:中村正人

さらに "M's History" は続きます。出産後の復活時にDREAMS COME TRUE中村正人さんから曲をプレゼントされたということで、この世紀のコラボ・シングルがライブでお披露目されました!
ことあるごとに、わたくし、この曲をいじっているので、好きな方には本当に申し訳ないなぁと思うのですが、でも、今回のライブ・バージョンを聴いて思ったことがあります。というのも、今までも佐野元春さんや陣内大蔵さん、もちろん辛島美登里さんもそうですけど、提供されてきた曲というのは、全部ナガマリになっていたんですよね。当たり前なんですけど...。
で、この曲に関しては正人さん色が強くて、どうもナガマリの曲と思えないところがあったんです。それまでの経緯というのもあったし、活動をお休みされていたというのもありましたし、その期間に聞きまくるのって、やはり今までの永井真理子なわけですし。
からの、今回のライブ・バージョンなんですが、これ、わかったんです。オリジナル音源よりはぜんぜんナガマリの歌になってはいたんですけど、やっぱり正人さんが出てくるんですよ。ヒャッホ~って手を振ってくるんです。これは何かなって思ったら、ビッグネーム同士だから、勝負がつかないということなんだなと。1+1=2じゃなくて、どこまでも1+1=1+1だと。この1が、どっちも強ぇぇぇみたいな。譲り合わねぇみたいな。そんなバチバチなライブ・バージョンでした。

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12.Good Luckが目にしみる

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(作詞:亜伊林 作曲:井上ヨシマサ 編曲:根岸貴幸

ここから3曲はメドレーになるのですが、その一発目がこれですよ!シンセサイザーとドラム、アコギのグルーヴが奏でるイントロを聴いた時に「おぉぉぉぉぉ!」と狂喜乱舞したチームMの方々も多かったのではないでしょうか。これがポップソングの威力です!
チチチチとハイハットを刻むアキさんも良ければ、Haaa~♬という姐さんの高音もまた艶やか!なんだかんだ小難しいことを語っても、結局、こんなメジャーな楽曲を目の前にしてしまうと無条件で心が躍ってしまいます。

 

13.未来

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(作詞:遠藤響子 作曲:小林俊太郎 編曲:西川進、小林俊太郎、長井ちえこ

やっとここまで来たぁ。今回の配信ライブの個人的なハイライトは、この「未来」でした。もう、マルセさんのヴァイオリンにエフェクトをかけると、こんなにカッチョよくなっちまうのぉ~!すげぇぇぇ!と感動しまくりでした。
この曲だけはチエさんもアキさんもロックバンドの顔になっていたのがめっちゃ印象的だったし、「後悔をしても やりたいことがあふれてくるのは 止められやしない」というリリックに込められた思いが、なんかビンビン響いてきました。さらに「歩いてく」と、ここでも前進あるのみ!の姿勢が貫かれていたのも刺さりました。

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14.Time

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(作詞:亜伊林 作曲:馬場孝幸 編曲:根岸貴幸

さらにメドレーは続きます。というか、なんなんでしょ。ライブ前にツイッターで「女性のすごさを見せてやるぅ~」と息巻いていた姐さんですが、ホントにスゴイです。ここにきてピアノロックです!エモい!
いやいや、ベン・フォールズ・ファイブかっ!ていうくらいにミチさんが土台になったナンバーは、ヒゲダンとかSHE'Sとか聴いてエモっと騒いでいる若い子たちにも充分に訴求できますよ。さらに姐さんの「はっ!」の掛け声からのラストのグルーヴといったら、おお、エモっ!

 

15.Let's Walk

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(作詞:永井真理子 作曲:廣田コージ 編曲:廣田コージ)

ここで9月19日に予定していた渋谷O-Eastでのライブが来年に延期になってしまったことが報告されました。しかし!その日にリリース予定だったセルフカバーアルバム『Brand-New Door』は予定通りに発売しますと、さらには来年、ライブができる頃には『Brand-New Door vol.2』もリリースしますと!!!!! 「私たちは進みます!」宣言が出されました。うきゃぁぁぁぁぁ!もう、改めて思いました。一生ついていきまっせ、姐さん!
ここからアニキがベーシストとして参加、自粛生活のエナジーソングだった「Let's Walk」が披露されます。これが、またミチさんですよ。今までベース的な音はすべてミチさんが紡いでいたのに、アニキが登場するというからには、何かしらの理由があるのだろうと思っていたら、ハモンド・オルガンからホーンセクションまで、すべてキーボードが担うという。こんなんあります?
しかもスキップするようなチエさんとアキさんとアニキのリズム隊が、これまたいい塩梅で、「いくぞぉ~!」「カっモ~ン♬」の姐さんの掛け声でテンション爆上がり。
(『おうちでライブ・バージョン』は4分55秒から)

www.youtube.com

 

16.レインボウ

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(作詞:永井真理子、浅田有理 作曲:藤井宏一 編曲:根岸貴幸

アニキが加わったことで俄然、音の厚みが増えたわけなんですが、そこから披露されたのは大名曲「レインボウ」!
ツイッターでは「未来への大きな虹を描こう」と呼びかけられていましたが、このマルセさんの繊細で純朴なヴァイオリンがあることで、よりメランコリックではあるけれど、明日へ歩いていこうという強い気持ちも育まれていく、めちゃくちゃハートにメロディーがビシビシこだましていく演奏とボーカルでした。

 

17.W

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(作詞:永井真理子 作曲:COZZi 編曲:COZZi)

ラストはこの曲。
ライブ直前のツイッター動画では「W」に合わせてナガマリ・MVヒストリーがアップされていましたが、それだけでテンションが上がりまくったチームMの方々も多かったと思います。というか、フツーにアガりますよね。
そんなチームMの声を聴かせてぇ!とばかりに、ラストのNaNaNaの部分で耳を傾ける姐さんを見ていると、もんのすごく込み上げてくるものがありました。たぶん、日本全国で夜の10時近くにも関わらず、姐さんに声よ届けぇ!とばかりにコーラスを歌った方も多いのではないかと思いますが、ここなんですよねぇ。もう、もどかしい!
早く、下記の動画のような状況が許される状態になってほしいと、ライブの最後の最後に切に願ってしまいました。

www.youtube.com

 

エンディング (エピローグ of my sweet days)

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(作曲:永井真理子&廣田コージ 編曲:林真史)

本編終了後のSEは「オレンジ」。前回同様、手は繋がないでの「ありがとうございました」のお辞儀から、マッシーがアレンジした「エピローグ of my sweet days」に合わせてナガマリ・ヒストリーがエンドロールとして流れました。
初々しいデビュー曲、ヒット曲のMV、'92年・'93年の横浜スタジアム、見ているだけで目頭が熱くなってきました。特に横浜スタジアムの映像が...、姐さんが今、どれだけライブに対して思いを募らせているか、なんかヒシヒシと感じてしまいました。

これからもたくさん思い出を作ろうね...。

ラストのメッセージが心に響きます。
今までの "歴史" は振り返りました。そして、ここからです。ここから、新しい "歴史" を作っていきましょう。実際に全員集合するには、まだまだ許されない状況ではありますが、必ずや、みんなで未来への大きな虹を架けて、今から少しずつ少しずつ、共に歩いていきましょう!

最後までお読みいただき、ありがとうございました m(_ _)m

永井真理子『M's "SINGLES" History』

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まずは宣伝です。
8月8日(土)の夜8時からナガマリ配信ライブ第二弾!『M's History』が開催されます。チケットは8月8日の23:00まで購入可能。リアルタイムで参加できなくても、アーカイブで存分にライブを体験することができますので、今すぐイープラスへGO!!!!!!

というわけで、いよいよ一週間後に迫ってきましたナガマリ・アコースティック・スペシャルライブ『M's History』!いったいどんな888(はちはちはち)クロニクルが展開されるんだ~!と期待が高まりすぎてしまいまして、いつものごとくやっちまいます。ザッツ・シングル・ヒストリー!
前々から思ってはいたんですけど、公式ホームページのディスコグラフィーを見てもアルバムだけがピックアップされていて、なかなかシングル盤って羅列されていないんですよね。そもそもナガマリの名曲となると、シングルよりもアルバム曲の方が圧倒的に比率が高いわけで、どうしてもアルバム中心にモノを語ってしまうのは致し方ないところでもあるのかなと。さらにシングルカットというものも数多く存在するわけで、アルバム販売のプロモーション的な役割を担わされている部分もあるわけでして。
でね、そんなナガマリ・シングルのジャケットをズラズラっと並べてみました。
全36枚。
これがものの見事に壮観です。

最初は1987-1992の金子さん時代、1993-1995のセルフプロデュース時代、1997-2002の東芝時代と区切っていこうかと思ったのですが、枚数のバランスがあまりよくないなぁと思ったのと、今の永井真理子に区切られた時代は必要ないっ!全部ひっくるめてアタシなんじゃ~!ではないだろうかとも思った次第でして、ハイ。
ツイッターのMVシリーズと一緒にですね、ここは888へ向けて、姐さんヒストリーを辿りながら大いに盛り上がっていきましょう!

 

1st single 「Oh, ムーンライト」

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1.Oh, ムーンライト
(作詞:亜伊林 作曲:谷口守 編曲:根岸貴幸)
2.ときめくハートビート
(作詞:亜伊林、前田克樹 作曲:前田克樹 編曲:根岸貴幸)
【1987年7月22日】

デビュー曲の#1は、サビの伸びやかなボーカルが心地よい1曲。歌い手さんとしての初名刺になるということで、制作陣の方々も姐さんの良き部分を最大限に引き出そうとしているのがうかがえます。しかも、Kさんの「あなたをデビューさせるわっ!」の連絡からプロデビューまで、じっくりと一年かけて製作されていたということもあり、その完成度もかなり高いものになっています(下記のリンクは20周年の時にデビュー当時をつづった姐さんブログ。もう12年も経っているなんてビックリ)。

 

2nd single 「瞳・元気」

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1.瞳・元気
(作詞:只野菜摘 作曲:辛島美登里 編曲:根岸貴幸)
2.いつもセレナーデ
(作詞:亜伊林 作曲:谷口守 編曲:根岸貴幸)
【1987年11月25日】

#1はイントロからして辛島節が炸裂、サビの転調が独特な一曲。志村けんさんが演じる "ひとみばあさん" のテーマ曲としてもおなじみの人がいるかもしれません。只野さんのリリックは、どこか少年期の心象風景を描いたものが多く、その根源はやはり永井真理子という人物像に直結するような気がします。
一転してアメリカンハードロック的な#2。デビューしてまだ半年しか経っていない姐さんですが、既にスタジアムで歌っていてもおかしくないようなパワフルさを発揮しています。それにしても、只野さんの「瞳はいつも元気」に相対するように亜伊林さんは「君の瞳はいつもセレナーデ」と綴っているところが面白いですよね。

 

3rd single 「Brand-New Way」

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1.Brand-New Way
(作詞:川田多摩喜 作曲:藤井宏一 編曲:根岸貴幸)
2.Mind Your Step
(作詞:亜伊林 作曲:谷口守 編曲:根岸貴幸)
【1988年4月1日】

2ndアルバム『元気予報』からのシングルカット盤。#1は、この後に前田先生と肩を並べてナガマリ代表曲を量産していく藤井さんの初提供曲です。ツインギターで疾走していく80年代ハードロックの名曲です。最近では『おうちでライブ2』でも披露されていましたね(すぐに聞きたい人は19分35秒までスクロールしてください)。


 

4th single 「ロンリイザウルス」

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1.ロンリイザウルス
(作詞:亜伊林 作曲:北野誠 編曲:根岸貴幸)
2.20才のスピード
(作詞:亜伊林 作曲:辛島美登里 編曲:根岸貴幸)
【1988年7月1日】

この曲からファンを始めましたというチームMの方々をよくお見かけいたしますが、ある世代にとっては永井真理子といえば断然この曲と思われていそうです。CMソングとして耳に残っている方もいらっしゃるかもしれません。そんな#1を提供している北野さん(北野誠人さん)もナガマリ人気曲を量産されている方で、このさわやかでポピュラーなメロディーが心地よいです。
#2はとんねるずの『ねるとん紅鯨団』のエンディング曲としてご存じの方も多いかもしれません。人それぞれ永井真理子を知るきっかけというのは違うと思いますが、その中でもこの「20才のスピード」はいろいろな場面でパワーを与えてもらえる不変の楽曲ですよね。

https://www.youtube.com/watch?v=lZk-eTQ0oPc

 

5th single 「自分についた嘘」

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1.自分についた嘘
(作詞:亜伊林 作曲:谷口守 編曲:根岸貴幸)
2.Papper And Salt
(作詞:亜伊林 作曲:谷口守 編曲:根岸貴幸)
【1988年9月27日】

3rdアルバム『Tobikkiri』と同時発売だった5枚目のシングル。とにもかくにもこの#1のヴァン・ヘイレン的なハードロックは、当時のロックキッズ達をまぁ夢中にさせましたよね。亜伊林さんのリリックも、ちょうど自分探しの旅に出発する人たちへの応援歌となりましたし、誰もが "心のままに" 生きていこうと思った楽曲ではないでしょうか。

6th single 「Fight!」

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1.Fight!
(作詞:亜伊林 作曲:辛島美登里 編曲:根岸貴幸)
2.御飯食べてる?
(作詞:永井真理子 作曲:谷口守 編曲:根岸貴幸)
【1988年12月21日】

初のトップ5入りのヒット作となった3rdアルバム『Tobikkiri』からのシングルカット盤。#1は辛島さん提供曲としては珍しいアップテンポな楽曲。なんの根拠もない憶測ですが、完全にナガマリを意識して作曲した作品なのではないかと思ったりもします。辛島さんなりのパワフルさを表現すると、これになるみたいな。
#2は永井真理子作詞によるブラス・ロック。横浜スタジアムのライブバージョンでもおなじみですが、オリジナルはつんのめり気味なリズムでこれでもかとたたみかけてきます。「ピントは~」「ヒントは~」「ホントは~」 と、この頃から独特な韻の踏み方をしています。

 

7th single 「Ready Steady Go!

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1.Ready Steady Go!
(作詞:亜伊林 作曲:前田克樹 編曲:根岸貴幸)
2.悲しまないで
(作詞:亜伊林 作曲:谷口守 編曲:根岸貴幸)
【1989年4月7日】

日本エアシステムのCMソングとして懐かしむ方も多いかもしれませんが、#1はナガマリソングの中でも圧倒的な人気を誇るポップロック。姐さんのボーカルの特徴として、コブシを利かすというか、こう地べたから湧き上がってくるような図太さが、聴くものにパワーを与えるというか、そんなエナジーソングの結晶がこの曲だと思うんです。
#2はテレビドラマ『おいしいのが好き!』の主題歌。聴いていると松下由樹さんがステップを踏んでいる姿を思い浮かべてしまいますよね。ザッツ・トレンディ~!ホーンセクションや鍵盤など、とにかくいろんな音が入っているゴージャスな楽曲。こちらも『おうちでライブ2』で披露、アコースティックなアンプラグドバージョンもナチュラルで良き!(7分ぴったりまでスクロールすると「カウントしてくれないと入れな~い」から見ることができます)

 

8th single 「TIME -Song for GUNHED」

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1.TIME -Song for GUNHED
(作詞:亜伊林 作曲:馬場孝幸 編曲:根岸貴幸)
2.あなたを見てると
(作詞:亜伊林 作曲:本多俊之 編曲:根岸貴幸)
【1989年7月1日】

週間売上トップ3まで昇りつめた4thアルバム『Miracle Girl』からのシングルカット盤。とはいえ、映画『ガンヘッド』の主題歌に起用された#1は、それも納得の特大スケールを誇り、ツインギターが唸りまくるポップロック。サビの左から右へとスィィィィィツキュン!というSEをヘッドフォンで初めて聴いた時は感動モノでした。
#2はバラードベスト『yasashikunaritai』に収録されるまでは隠れた名曲としてファンに親しまれていた逸品。数多くの映画音楽を手掛けられている本多さんの壮大なメロディーを伸びやかに歌い上げるボーカルは、永井真理子という歌い手さんのどえらい懐の深さを露呈しています。

https://www.youtube.com/watch?v=momtIiyPmis

 

9th single 「ミラクル・ガール

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1.ミラクル・ガール
(作詞:亜伊林 作曲:藤井宏一 編曲:根岸貴幸)
2.My Champion
(作詞:只野菜摘 作曲:谷口守 編曲:根岸貴幸)
【1989年10月1日】

問答無用の代表曲。シングルとしては初のトップ10ヒットとなり、瞬く間にお茶の間にその人気が浸透、永井真理子ミラクル・ガールが定着していきます。テレビアニメ『YAWARA!』の主題歌としても、もう説明不要ですよね(『おうちでライブ』のヴァージョンは5分50秒からスタートです)。

#2はアルバム未収録のミディアムナンバー。只野さんのリリックは、やっぱりどこか郷愁を誘うものがあります。この詩世界の根源は、やはり永井真理子という小さくて大きなアーティストの心象風景を綴っているのかなと勘ぐってしまいます。

 

10th single 「White Communication ~新しい絆~」

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1.White Communication ~新しい絆~
(作詞・作曲:佐野元春 編曲:根岸貴幸)
2.キャッチ・ボール
(作詞:亜伊林 作曲:北野誠 編曲:根岸貴幸)
【1990年3月1日】

ノンタイアップにも関わらずオリコンチャート6位を記録した10thシングル。佐野元春大先生提供の#1は、めちゃくちゃライブ映えする楽曲。横浜スタジアムでのホーンセクションによるファンファーレは最高の痛快さ。下記は復活後のライブ『www』から。


#2はナガマリファンなら外すことができない、これまた極上の名曲。亜伊林さんのリリックもここまで来ると文学の香りさえ漂ってきます。#1も#2も、どこかアメリカ的なスケールの大きな世界観を表現している作品で、永井真理子というブランドをまた一段と格上げしたシングルと言えます。

 

11th single 「23才」

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1.23才
(作詞:永井真理子、浅田有理 作曲:前田克樹 編曲:根岸貴幸)
2.ありがとうを言わせて…
(作詞:永井真理子 作曲:吉川忠英 編曲:根岸貴幸)
【1990年6月20日

デビューして3年足らずで貫禄さえ漂わせている姐さんですが、ファンからも音楽評論家の先生たちからも大絶賛された5thアルバム『Catch Ball』からのシングルカット盤は、いよいよアーティスト永井真理子を全面に押し出してきた内容になっています。
#1、#2、いずれも作詞はナガマリが担当。当時の思いのたけを私小説のように書き綴り、この2曲があることで『Catch Ball』というアルバムは、非常にパーソナルでありながらポピュラーでもあるという、どこかボブ・ディラン的な側面を持っているのではないかと思うのです。

https://www.youtube.com/watch?v=pmm51AGQRLU

 

12th single 「ZUTTO / EVERYTHING」

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1.ZUTTO
(作詞:亜伊林 作曲:藤井宏一 編曲:根岸貴幸)
2.EVERYTHING
(作詞:亜伊林 作曲:前田克樹 編曲:根岸貴幸)
【1990年10月24日】

#1は説明不要の大ヒット曲。#2はその影に隠れてしまい不遇の扱いとなってしまった佳曲。あれから30年経った今、あの頃を振り返ってみると、バラエティー番組『邦ちゃんのやまだかつてないテレビ』というのは、ある種のお祭り騒ぎだったような気もします。"やまかつバンド" で楽しそうにしている姐さんをはじめ、その他のアーティストさんたちも純粋にお祭りをエンジョイしていただけ。でも、音楽、もしくはポップソングというのはそれが醍醐味なわけで。そんな雰囲気は下記の動画にも表れています。

https://www.youtube.com/watch?v=LxD0kpglZEU

 

13th single 「ハートをWASH!」

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1.ハートをWASH!
(作詞:浅田有理 作曲:北野誠 編曲:根岸貴幸)
2."OK!"
(作詞:亜伊林 作曲:佐藤健 編曲:根岸貴幸)
【1991年4月24日】

#1は人気バラエティー番組『邦ちゃんのやまだかつてないテレビ』のオープニングナンバー。#2は地味に人気が強いアルバム未収録曲。先日の配信ライブでも大盛り上がりを見せた#1ですが、30年の時を経て、今この曲が別の意味を持つなんて誰も予想できなかったですよね。これだから人生はおもしろい!ほろ酔い加減のハッピー「ハートをWASH!」は『おうちでライブ3』の35分10秒から。ヒザ、ポキっを刮目せよっ!

 

14th single 「愛こそみんなの仕事 / 私の中の勇気」

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1.愛こそみんなの仕事
(作詞:亜伊林 作曲:前田克樹 編曲:根岸貴幸)
2.私の中の勇気
(作詞:永井真理子 作曲:前田克樹 編曲:根岸貴幸)
【1991年8月21日】

オリジナルアルバムで唯一のオリコンチャート1位を記録している6thアルバム『WASHING』からのシングルカット盤。#1は当時の湾岸戦争への思いを込めたピースソング、#2はアルバムの中核となる楽曲。通常であれば#2をメインにして、#1はカップリング扱いになりそうなところを、あえて両A面シングルにしているところに姐さんの強いこだわりを感じます。

 

15th single 「やさしくなりたい」

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1.やさしくなりたい
(作詞:亜伊林 作曲:北野誠 編曲:根岸貴幸)
2.Keep On Running
(作詞:陣内大蔵 作曲:北野誠 編曲:根岸貴幸)
【1991年11月25日】

本人出演のテレビCM『明治ブルガリアヨーグルト』のCMソングだった#1。ミディアム調のエバーグリーンなメロディーは、この頃、乗りに乗っていた北野さんの一つの到達点といえるかもしれません。それをまた伸びやかに朗々と歌い上げる姐さんのボーカルも素晴らしく、曲のタイトル同様、心がホッコリする名曲。そんな曲がコロナ禍の自粛生活の清涼剤になったことは記憶に新しいですよね。

 

16th single 「YOU AND I」

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1.YOU AND I
(作詞・作曲:陣内大蔵 編曲:根岸貴幸)
2.いつも いつでも
(作詞:永井真理子 作曲:永井真理子&廣田コージ 編曲:M's Power)
【1992年4月22日】

人気テレビアニメ『YAWARA!』の二度目のオープニングナンバーになった#1は、人方ならない文学的で複雑なメロディーを要する難曲で、よくもまあ、こんなプログレ的な楽曲を国民的アニメの主題歌にしたものだと。しかも、それをまた軽々と歌い上げてしまう姐さんは(もちろん、そんな簡単なものではないと思いますが...)、いったいどれだけポテンシャルが高いんだと思ってしまうわけでして。


さらに#2は『1992 Live in Yokohama Stadium』に収録されている楽曲ですが、オリジナルとしてはアルバム未収録になります。デビューしてからずっと作家さんたちの提供曲をこなしてきた歌い手さんとしての永井真理子が、ここでシンガーソングライターのアーティストとして産声を上げた第一声になります。それらの意味で、この16枚目のシングルは、ナガマリ・ヒストリーの中でもとても重要な位置にある特別な1枚と言えるのではないかと思うのです。

 

17th single 「泣きたい日もある」

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1.泣きたい日もある
(作詞・作曲:遠藤京子 編曲:根岸貴幸)
2.Keep On "Keeping On"
(作詞:永野椎菜 作曲:辛島美登里 編曲:根岸貴幸)
【1992年7月17日】

テレビドラマ『あの日の僕をさがして』の出演など、アーティストというよりはどこかタレント的な活動が目立っていた頃。ドラマのオンエア終了後にバラード・ベスト『yasashikunaritai』からのシングルカットとして発売された17枚目のシングル。#1は言わずもがな、ここは#2がブッキングされたということにナガマリ・バラードの神髄を見ることができます。

 

18th single 「Chu-Chu♥」

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1.Chu-Chu♥
(作詞:永井真理子 作曲:永井真理子&廣田コージ 編曲:廣田コージ)
2.La-La-La
(作詞:永井真理子 作曲:廣田コージ 編曲:廣田コージ)
【1992年10月14日】

金子さんプロデュース最後のシングル。ジャケットデザインから楽曲の音質まで、これまでの5年間に渡る永井真理子を総括したうえで、さらにアーティストとしての成長を全力でバックアップした作品になります。
ずっとやりたかったことをやっとできる!そんな幸福感が爆発しているロックンロールな#1、今までにないスケール感で人生という荒野を駆け抜ける決意表明を歌にしたブルースロックな#2。とくに往年のナガマリ・ファンなら、#2のリリックで思春期の慟哭を乗り越えた方も多いのではないでしょうか。
ちなみに#2の『おうちでライブ』バージョンは38分25秒から。

 

19th single 「大きなキリンになって」

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1.大きなキリンになって
(作詞:永井真理子 作曲:永井真理子&廣田コージ 編曲:廣田コージ)
2.卒業してもサヨナラしても遠くでも
(作詞:永井真理子 作曲:永井真理子&廣田コージ 編曲:廣田コージ)
【1993年2月10日】

初のセルフプロデュース作品は、なんともパンキッシュなスタイルへと生まれ変わり、今までの永井真理子を大鉈で切り捨て、大胆な方向転換を成し遂げた超ターニングポイントになるシングル。
予定調和をつんざく稲妻ギターリフと、過去の栄光を叩き潰していくスネアの号砲がとにかく気持ちがいい#1。根岸さんのアレンジではまず聴くことができなかったベースソロから始まる#2は卒業シーズンにドンピシャで、今でも聴けば甘酸っぱい想い出が蘇るナガマリ・ファンも多いのではないでしょうか。

https://www.youtube.com/watch?v=3irRcXs839s

 

20th single 「HYSTERIC GLAMOUR 2」

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1.HYSTERIC GLAMOUR 2
(作詞:永井真理子 作曲:永井真理子&廣田コージ 編曲:廣田コージ)
2.南へ
(作詞:永井真理子 作曲:廣田コージ 編曲:林真史&廣田コージ)
【1993年4月28日】

発売予定日が二週間延期になり、ちょいとザワザワな感じだった7thアルバム『OPEN ZOO』からのシングルカットは、これまたパープルな感じの#1をオルタナティブ・バージョンでリリース。この頃のナガマリは完全にあっち側へ行ってしまった感がありました。ライブ会場にマーガレットの花を持ち寄った#2は、十数年後のオーストラリア移住を予言していたかのようなリリックです。

 

21th single 「We are OK!」

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1.We are OK!
(作詞:永井真理子 作曲:永井真理子&廣田コージ 編曲:廣田コージ)
2.ルーシータクシー
(作詞:永井真理子 作曲:永井真理子&廣田コージ 編曲:廣田コージ)
【1993年7月21日】

1993年7月31日に横浜スタジアムで開催された『BIG OPEN ZOO』に先駆けて発売された21枚目のシングル。Hysteric Mamaとのバンド活動もノリにノっていた頃で、#1のグルーヴといったらUKの "セカンド・サマー・オブ・ラブ" ですか?というくらいマンチェスター臭がプンプンの楽曲。続く#2はタクシーに乗り込むSEから始まるファンキービーツ!間奏の「ガッチャマ~ン、ガッチャマン」が懐かしいです。
ただ、リリックを見ると#1の「サヨナラするものには背中を向けたまま大きく手を振って」や、#2の「十字切り 上を向く でも神さまは来ないよ」など、どこかセルフプロデュース後の心苦しい心境も見え隠れしているように感じるのは、少し穿った見方でしょうか。

 

22th single 「my sweet days」

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1.my sweet days
(作詞:永井真理子 作曲:永井真理子&廣田コージ 編曲:廣田コージ&林真史)
2.DUNK! DUNK!
(作詞:永井真理子 作曲:永井真理子&廣田コージ 編曲:廣田コージ)
【1993年10月27日】

先の『BIG OPEN ZOO』で発表された結婚報告のあとに演奏された#1は、夏の涼しい風に吹かれながら、なんとも言えない幸福感に包まれた空間でした。今までの痛みや苦しみへの浄化というか鎮魂歌的なメロディー、短いながらも半生を綴ったリリック。ウェディング・ソングというよりは、インナーチャイルドへの子守歌のような、そんなヒーリング的要素が強い気がします。
変わって#2はレッド・ツェッペリンの「Rock and Roll」へのリスペクトが半端ない超ハードロック。8thアルバム『Love Eater』収録のRemix versionも絶妙なミキシングで素晴らしいのですが、個人的には粗削りなB-Sideバージョンが好きです。

 

23th single 「Cherry Revolution」

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1.Cherry Revolution
(作詞:永井真理子 作曲:永井真理子&廣田コージ 編曲:廣田コージ)
2.Katcho Bee-Bee-Boo
(作詞:永井真理子 作曲:永井真理子&廣田コージ 編曲:廣田コージ、Jerry Hey)
【1994年4月27日】

個人的には大名盤だと思っている8thアルバム『Love Eater』の先行シングル。ビートルズの「Revolution」へのリスペクトがこれでもかと詰まっているわけなんですが、それを抜きにしても邦楽アーティストの楽曲がここまでグルーヴを作るか?という感動がしこたま大きかったです。つい3年前には「ハートをWASH!」を歌っていたんですよ。
#2のアルバム・バージョンでは冒頭に「ク~、ビ~ビィブゥ」のかわいい掛け声が入りますが、B-SideではシンプルにAC/DC並みのギターリフからスタートのまさにカッチョビービーブーなブラス・ロック。音源的にはどちらも同じミキシングになるみたいですが、それにしてもシャンプーって5回もするもんかなぁ。

 

24th single 「日曜日が足りない」

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1.日曜日が足りない
(作詞:永井真理子 作曲:永井真理子&廣田コージ 編曲:廣田コージ)
2.LOVE MEAL
(作詞:永井真理子 作曲:永井真理子&廣田コージ 編曲:廣田コージ)
【1994年7月6日】

8thアルバム『Love Eater』からのシングルカット盤。特に表記はされていませんがアルバムとはミックス違いの#1です。久々のタイアップもあってか、シングルのジャケットも落ち着いたものになり、MVも見るものすべてをメロメロにしてしまうメロメロパンチな逸品。SONY MUSICさん、ナガマリMV全曲解禁にならないかなぁ。

 

25th single 「きれいになろう」

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1.きれいになろう
(作詞:永井真理子 作曲:永井真理子&廣田コージ 編曲:廣田コージ)
2.GO! GO!
(作詞:永井真理子 作曲:永井真理子&廣田コージ 編曲:廣田コージ)
【1994年11月9日】

怒涛の『Love Eater』シーズンを越え、フッと一息ついたようなミディアムナンバーの#1。翌月にはシングルコレクション『Birth to the Future ~25 Singles~』が発売されていますが、ここにきて金子さんプロデュースもセルフプロデュースも一緒くたにできる余裕が生まれたような印象を受けます。
それは#2のブラス・ロックにも表れていて、特にサビのグルーヴは1994年という邦楽シーンの成熟さを如実に表しているものではないかと思うのです。シンセサイザーを駆使した80年代ポップの反動からバンド・グルーヴへの転換期が90年代の前半であり、ここから再度、時代はダンスミュージックへと傾倒していくわけで。ロック好きの人間からすると、とても幸福な時代だったと言えるかもしれません。

 

26th single 「おいでよ Smile World」

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1.おいでよ Smile World
(作詞:永井真理子 作曲:永井真理子&廣田コージ 編曲:廣田コージ)
2.Let's Walk
(作詞:永井真理子 作曲:廣田コージ 編曲:廣田コージ)
【1995年2月1日】

久々のテレビ番組とのタイアップに歓喜の雄叫びをあげたファンも多かったのではないでしょうか。意固地なまでに自分の世界観を貫き続けた季節を越えて、ワンステージもツーステージも昇りつめた先に見えたのはとても自由な楽園だったという。そんな#1はもうお得意のファンキーなブラス・ロック、しかもかなりファンクなドラミングまで入っているというスマイリー・ソング。
#2はアルバム未収録の楽曲。個人的には「La-La-La」「タンバリンをたたこう」に続く自分探しソング3部作の最終章だと思っております。これはドアーズですか?ってな感じのハモンド・オルガンに南部的なブラスが素晴らしいサザンロック。『おうちでライブ2』でめちゃくちゃ久しぶりに披露されたコロナ禍を突き進むエナジーソングは4分55秒からです。

 

27th single 「KISS ME」

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1.KISS ME
(作詞:永井真理子 作曲:永井真理子&廣田コージ 編曲:廣田コージ)
2.HAPPY アンバランス
(作詞:永井真理子 作曲:廣田コージ 編曲:林真史)
【1995年3月25日】

セルフプロデュース作品の到達点になる9thアルバム『KISS ME KISS ME』の先行シングル。リバプールサウンドを踏襲しながらポップスでもあるという#1は、シンガーソングライターとしての腕前がとんでもない領域にまできてしまったことを証明しています。時期的にもチームMの方々の結婚披露宴に使用されているウェディング・ソングにもなっているようです。
続いて#2は、こちらもアルバム未収録の作品。アレンジをマッシーが手掛けている珍しい楽曲で、ちょいとスペーシーでグラムなんだけどフラワーでもあるような面白い構造になっています。

 

28th single 「飛べない Big Bird」

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1.飛べない Big Bird
(作詞:永井真理子 作曲:永井真理子&廣田コージ 編曲:廣田コージ)
2.DON'T GIVE UP HEART
(作詞:永井真理子 作曲:永井真理子&廣田コージ 編曲:廣田コージ)
【1995年7月21日】

9thアルバム『KISS ME KISS ME』からのシングルカット盤。結果的に古巣ファンハウスから発売された最後のシングルになります。スタジアムロックな#1は「GONG!」や「夜空にのびをして」の系譜を辿るダイナミズムに溢れた楽曲。グランジ・ムーブメントが下火になり始めた頃で、巷ではアメリカン・ハードロックが再度見直されてもいました。そんなブルース・スプリングスティーン的な疾走感にあふれた#2は、往年のナガマリ・ファンなら泣いて喜んだ、ライブでも大盛り上がりな逸品。終末感に苛まれた時代を21世紀の未来に向けて無理やりこじ開けたパワーソングですよね。

 

29th single 「真夏のイヴ」

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1.真夏のイヴ
(作詞:永井真理子 作曲:中村正人 編曲:中村正人)
2.真夏のイヴ ~DOCTOR MASA MIX~
(作詞:永井真理子 作曲:中村正人 編曲:中村正人)
【1997年7月9日】

一年半の活動休止を経て、レコード会社も東芝EMIに移籍しての第一弾シングルは、ドリカムの正人さんプロデュースのコラボシングル。#1は、アニメ『天地無用』の主題歌として親しまれている方も多いかと思います。逆に往年のナガマリ・ファンからすると、MVのワンピース姿、シンセサイザーを駆使した正人節のトラックに違和感を覚えた方もまた多かったと思います。また享楽的なクラブ・ムーブメントも手伝い、#2のようなユーロ・ミックスも大流行していた頃でもありました。

 

30th single 「私を探しにゆこう」

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1.私を探しにゆこう
(作詞:永井真理子 作曲:廣田コージ 編曲:成田忍)
2.あと1mm傘が小さければ…
(作詞:永井真理子 作曲:廣田コージ 編曲:斎藤誠)
【1997年12月10日】

こうしてシングル盤のディスコグラフィーを辿ってくると、どうも7月と12月に発売日が偏っているようにも思うのですが、ナガマリ10周年の姐さん誕生月に発売された30枚目のシングルは、これぞ永井真理子!といえるアニキ節炸裂なギターリフとメロディーが響き渡る#1が秀逸です。成田さんのちょいとドライなアレンジもオルタナティブな感じで良き。
アルバム未収録の#2は、ネオアコ風なポップソングが冴えわたる小品。アレンジの斎藤誠さんはサザンオールスターズのサポートギターとしても有名な方で、どこか桑田さん的な雰囲気も漂ってくる楽曲です。

 

31th single 「うた」

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1.うた
(作詞:永井真理子、村野耕治 作曲:COZZi 編曲:中村哲)
2.boy
(作詞:永井真理子 作曲:COZZi 編曲:中村哲)
【1998年7月8日】

デビュー11年目の新たなスタートを切った10thアルバム『You're...』の先行シングル。特筆すべきは、この10年後に発売されたオールタイムベスト『my foot steps -20th anniversary memorial collection-』にも、この2曲が収録されているということです。そういう意味でも、#1のどんな時でも "うたってあげるよ" というリリックに込められた思いは相当なはずです。また、#2のマザーラヴな世界観は他に類を見ない穏やかさに包まれていて、ジョン・レノンが「Happy Xmas (War is Over)」で世界の穏やかさを求めたように、ナガマリも小さな命に世界の穏やかさを求めていたように感じます。

32th single 「かたちのないものが好き」

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1.かたちのないものが好き
(作詞:松本隆 作曲:小林孝至西川進 編曲:西川進)
2.愛が醒めるとき
(作詞:松本隆 作曲:bice 編曲:西川進)
3.かたちのないものが好き ~with A.guitar (16:00,Apr.7,'00) version~
(作詞:松本隆 作曲:小林孝至西川進 編曲:西川進)
【2000年7月19日】

時代もミレニアムを迎え、8cmシングルの需要が激減していた頃。ナガマリ初のマキシシングルは、デビューシングル「Oh, ムーンライト」のジャケットを再現したかのようなビジュアルになっています。しかも、シングルとしては「泣きたい日もある」以来の作家さん提供曲。ビートルズの「Strawberry Fields Forever」のような純朴な#1、一転してエレクトリックな#2。#3はアコースティックバージョンという情報はありますが、現状、絶盤状態でなかなか手に入れることが難しいアイテムなため、なかなか音源を確認することができない状態です。

33th single 「あなたのそばにいて」

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1.あなたのそばにいて
(作詞・作曲:遠藤響子 編曲:重実徹)
2.行間の天使
(作詞:かせきさいだぁ≡ 作曲:小林孝至 編曲:西川進)
3.あなたのそばにいて ~with A.Guitar (16:00,Aug,31.'00) version~
(作詞・作曲:遠藤響子 編曲:西川進)
【2000年11月8日】

11thアルバム『ちいさなとびら』の先行マキシシングル。「泣きたい日もある」以来の遠藤響子さん提供によるバラードの#1は聴くことができますが、アルバム未収録の#2、アコースティックバージョンの#3は、前作の「かたちのないものが好き」同様、絶盤状態のため、なかなか耳にすることが難しい状態です。

 

34th single 「同じ時代」

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1.同じ時代
(作詞・作曲:遠藤響子 編曲:十川知司)
2.最後の観覧車
(作詞:永井真理子 作曲:松下真司 編曲:西川進)
3.ほんの少し (シングル・ヴァージョン)
(作詞・作曲:遠藤響子 編曲:西川進)
【2002年1月30日】

12thアルバム『そんな場所へ』と同時発売だった34枚目のシングル。2017年までは、ちょいとコアなナガマリ・ファンがラスト・シングルとして胸に抱きしめていたアイテムではないでしょうか。また、『my foot steps -20th anniversary memorial collection-』でも、ナガマリの足跡を辿る重要な1曲として収録されていた#1ですので、自粛禍の『おうちシリーズ』で披露された時にはその感動もひとしおでした。アルバム未収録の#2は某動画サイトで聴くことができますが、#3の別バージョンは、こちらも音源の確認が難しい季節になってしまいました。


35th single 「ORANGE」

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1.ORANGE
(作詞:永井真理子 作曲:COZZi 編曲:COZZi)
2.Do Not Worry
(作詞:永井真理子 作曲:COZZi 編曲:COZZi)
3.Stay with me
(作詞:永井真理子 作曲:COZZi 編曲:COZZi)
【2018年7月26日】

前作の「同じ時代」から実に16年ぶりに発売された35枚目のマキシシングル。というか、限定フィジカル盤。なので通算に入れてよいものかどうか微妙な感じもするのですが、まあ、ナガマリ・ヒストリーなのでシレっと入れておきます。
復活後の心境を綴った#1、軽快なポップソングが心地よい#2。ここで押さえておきたいのは、なんといっても#3です。なかなか表立った活動がなかったオーストラリア時代、YUIちゃんのサポートをしていたアニキに派生的な感じで舞い込んできたのが2006年に放送されたテレビドラマ『タイヨウのうた』でした。その挿入歌の作詞を永井真理子が担当!というニュースを見た時には、おおっ、姐さんが表舞台に帰ってくるのか?とワクワクしたのですが、まあ、そこから10年間のことはあまり触れないでおきます。そんなエンタメ的な楽曲をセルフカバーしたものが#3、こちらはフィジカル盤を購入したファンだけが楽しめる限定曲になっています。


36th single 「僕らのBig Power」

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1.僕らのBig Power
(作詞:永井真理子 作曲:COZZi 編曲:COZZi)
【2018年12月1日】

一応、CDになっているものを通算として数えているので、今のところの最新シングルはこの『YAWARA!』再びの#1になります。ナガマリ・グッズ、ナガマリCDを購入できる唯一の場所 "MSE Store" では、今でも購入が可能。特典としてラバーバンドがもれなくついてきますよ!

 

てなわけで、なんだか適当な解説付きのシングル・ヒストリー全36枚でした!

永井真理子デビュー33周年記念ライブ ~I'm happy to meet you~

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永井真理子、デビュー33周年記念ライブ。人それぞれ、さまざまな想いを抱えながら、このライブを迎えられた方が多かったのではないでしょうか。北は北海道、南は九州(沖縄の方もいらっしゃったのかな)日本全国のチームMが、7月10日の20:00にテレビやパソコンやタブレットスマホの前に陣取り、今か今かと姐さんの登場を待ちわびていました。

アフターコロナ、活発な梅雨前線による豪雨被害、さらに地震と、自然に翻弄される日々が続く中での無観客配信ライブ。エッセンシャルワーカーの方たちは、宣言が解除されようがお構いなし、相変わらず仕事に追われる毎日でしょうし、逆に久々の仕事再開にナマった身体やタルんだ気持ちを奮い立たせるのに精いっぱいになっている方もいたでしょう。もちろんさまざまな事情でリアルタイムでライブに参加できなかったナガマリ・ファンの方も大勢いらっしゃったと思います。

でも、どんな境遇にいたとしても、このライブに参加された方々の感想はたった一つしかありませんよね。

ナガマリは最高だぁぁぁぁぁ!

思い返してみると、予定されていたライブスケジュールが次々と延期されていく中で、もう待ってらんないよっ!アタシはやるよっ!と、突如「おうちでライブ3」で発表されたこの配信ライブ。本来であれば、この日の夜にウォォォ!となるところが、梅酒はウメぇ~事件が勃発、ピンクウエポンに撃沈され、まさかのオレンジのリベンジ翌日配信へとなだれ込んでいきました。

youtu.be

その数日後、配信ライブの詳細が発表されるわけなのですが、そこでちょっと気になるところがありました。それはバンドメンバーにベースがいない!これはいったいどういうことだ?と思ったわけなんです。

でも、なんとなく想像はつきました。配信ライブとなるとその視聴環境はさまざまです。ホームシアターばりのステレオ環境でライブを鑑賞する方もいれば、通常のテレビ、もしくはパソコンなど、あまり音響環境がよくない状態で鑑賞される方も当然のようにいます。というか、ほとんどの方が後者ではないかと思うのです。そういう環境ではなかなか低音を表現することは難しい。そこを配慮してのバンド編成ではなかろうかと。

そうすると、ちょっとスカスカなギターがギャンギャン鳴り響く高音多めの演奏になっちまうのかなぁと。そんな風にも思っていたんです。まあ、しょうがないよねと。ライブ会場さながらの音響なんて、よっぽどの音響マニアな人じゃないと作れないよねと。

で。

で!ですよ。

結果的には、それが大正解なライブでした!

アニキのマニピュレーターと、チエさんアキさんのリズム隊が、まあ、ここまでグルーヴを作り出すかっ!というくらいに気持ちのいいライブでした。

セットリストも、そんなステレオ環境を配慮しての特別選曲になっていて、ナガマリ33年の歴史を振り返るというよりは、かつて永井真理子が好きだった人、もしくは最近になって、おっ、永井真理子って活動してるんや、へぇ~、と思っている方。もちろん毎日おやすみツイートにリプしているチームMのみなさん、リプはしなくてもいいねを押しまくっている方々、そんな全方向のナガマリファンに向けたセットリストになっていました。

てなわけで、にわかファンのわたくしめが、記憶が古びないうちにチョイとここで各曲のライブレポなんてものを語ってみようかなと思います(語りたがり屋ですいません)。

ライブ配信見てないよぉ~。参加してないよぉ~。羨ましくなるだけだからネタバレはヤダよぉ~という方は、ここから下はスルーしてください。

オープニング

20:15のスタートから7分ほど遅れての配信ライブ開幕。アーカイブで初参戦した方は、なかなかライブハウス "ナインスパイス" のロゴが消えないなぁ...、ていうか、ちゃんと配信ライブ見れてるのかなぁ?と不安になって、でも、ランタイムを見てみるとちゃんと動いてる、まだかな?まだかな?とじれったい思いをしたかもしれません。はい、わたくし、じれったすぎてアーカイブではすっ飛ばしました。0:22くらいに合わせると始まるんですけど、ああっ、いきすぎた!ああっ、戻りすぎた!と、何度、ライブハウスのロゴとドロ仕合を繰り返したことでしょう。

まあ、そんなことはどうでもいいとして、そうこうしているうちにライブがスタート。荘厳なシンフォニックとキュイーンキュイーンと高揚していくエレキギターに否が応でも気分は高まり、アキさん登場、チエさん登場、アニキ登場。さあ、スタンバイOKです。

1.White Communication ~新しい絆~

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さて1曲目は何だろう?と期待されていた方も多かったと思います。どんなイントロが流れてくるんだろ?とワクワクしていた方も多かったと思います。33年を振り返るんでしょ?ナガマリ・ヒストリーの幕開けでしょ?だとしたら、あの曲のイントロ、この曲のイントロ、やっぱ1stアルバムからじゃない?いやいや、ここはブレイクのきっかけになったあの曲じゃない。そもそもナガマリのブレイクって、どこをスタート地点にするのさっ。ああ、なんでもいいや。とりあえず、あれ歌ってぇぇぇっ!と思っていたところに。

「ホワ~~イ、コミュニケっショ~~ン」

ベシャリか~~~い!!!!!

そんなツッコミをかき消すように高らかにあのファンファーレが鳴り響き、姐さん登場です!

いやいやいや、順当に考えたらそうだよね。

消去法でいってもそうだよね。

「きみに会いたい」ですよ。

その想いが全てですよ。

どれだけのライブが延期になっているんですか。

全部ですよ、全部。

て、考えたら、これしかないですよね。

冒頭でベースがいない!と書きましたが、マニピュレーターでその辺りは調整されながらも、感激したのはチエさんとアニキのストロークやカッティングです!そうか、ベースさんがいなくても、ツインギターでここまで音が作り出せるのねっ!しかも、シンプルなスリーピースだからこそ、いつもよりギターの音がはっきりと聴こえます。なんか、スゲーっ!さすがアニキっ!

ていうか、なんだろ、この画面の向こうからビシビシ伝わってくる姐さんのオーラは。おうちシリーズのナチュラルさとはまったく別の、アーティスト永井真理子、ミュージシャン永井真理子、ロックシンガー永井真理子、そんなパワーがドヒュンドヒュン飛ばされてきます。ザ・貫禄!

2.自分についた嘘

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続いて、披露されたのは「自分についた嘘」!復活後の姐さんは、本当に封印されていた扉をどんどん解放してきます。往年のナガマリ・ファンなら、あの『miracle girl tour '89』のライブビデオを否が応でも思い出してしまいますよね。若かったなぁ...。いや、今でも若いさっ!コアなチームMのおじさんたちは男祭りで大賑わいでしたよね。

それよりもちょいちょい気になってくるのがトゥルットゥ・アップリケ。カメラがアニキを映すたびにトゥルットゥ♩トゥルットゥ♩と聴こえてしまいますっ!

3.LOVE MEAL

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「ようこそぉ~!」というちょっとしたMCを挟み、唸るグルーヴでスタートしたのが「LOVE MEAL」!男祭りでも披露されたこのアレンジは最高にロックンロールです。BPMも原曲よりちょい早で、とにかくアニキとチエさんがブイブイ言わせてます。アキさんも激しめ♬めちゃめちゃカッチョいい~。なんなんだ、このバンドはっっっ!

姐さんのボーカルも緊張がほぐれてきたのか、とにかく伸びるっ!

ホーンセクション部隊はいなくても「レッツ、サックス!」なのもいいですわぁ。なにかの拍子で間奏のソロがオカリナとかウクレレになっても、ここは「レッツ、サックス!」なのでしょうね。さあ、行けっ!さあ、来いっ!そんな掛け声です。

4.One Step Closer

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手作り衣装でやってまいりましたぁ~!のMCから、大切な大切な一曲のお話。デビュー前、アマチュアバンド時代からの曲ということで披露されたのが「One Step Closer」。

デビュー20周年の時に発売されたオールタイムベストアルバム『my foot steps -20th anniversary memorial collection-』の1曲目がこの曲だったのも、やはりナガマリの足跡を辿る大事なスタートになる1曲だったからなのだと改めて実感。

このエバーグリーンなJ-POPの名曲も、アメリカンロック的なダイナミズムに溢れたパワーバラードなアレンジになっていて、特に後半のたたみかけてくるグルーヴに胸が震えました。一歩ずつでも近づいていくんだ!そんな願いに溢れた演奏がたまらない。

5.好奇心

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続いて、5thアルバム『Catch Ball』から陣内大蔵さんの楽曲「好奇心」。今からちょうど30年前のアルバムになりますが、ビックリしたのは当時のCDのまんまなボーカルだったということ。30年前ですよっ!ホゲ~~...っとなってしまいます。

アレンジも、なんか埃っぽい感じのいい塩梅なミディアム調になっていて、R.E.M.とかパール・ジャムとかソニック・ユースとか、頭脳警察とかシナロケとか少年ナイフとか。なんかそんな系譜の人たちが思い浮かんでくるような、パンクでグランジオルタナティブなんだけど、ポップでもあるというこのバランス感覚が素晴らしいなと思いました。ハイスタとか10-FEETとか聴いている三つ四つ下の世代の子たちにも、ぜんぜん通用するんじゃないかなぁ。

6.HYSTERIC GLAMOUR

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ガレージだなぁ~の余韻に浸っていたら、今度はグラムロックですよ!T-Rexですか、デヴィッド・ボウイですかっていうくらいにアニキのリフがカッコよすぎる!

姐さんもノリノリで、グルーヴに身をゆだねています。

否が応でも『OPEN ZOO』から『Love Eater』の季節を思い出す楽曲ですよね。これでもかっ!というくらいにサイケデリックに染まっていたのも、なんか懐かしいです。ある意味、この季節を象徴する一曲。

7.ロンリイザウルス

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ここからしっとり系タイムに突入です。たぶん、次回について何かしらの発表があるのかな?と少し期待してはいたのですが、さらっとここで8月8日(土)にアコースティック配信ライブを開催することが告げられました。今から楽しみですねぇ。

そこから紡ぎだされたのは「ロンリイザウルス」。ニッポン全国の往年のナガマリ・ファンがあっちこっちで歓喜の涙を流しているのが目に浮かぶようなセットリスト。こうして披露されるなんて、いったい何十年ぶりなんでしょう?夜のヒットスタジオで歌ったのが夢のようだったんだから、ライブで聴けるなんて夢を通り越して無我の境地までいっちまうんでしょうか。

チエさんのアコギがまたいい感じで、姐さんのボーカルも伸びやかで艶があり、まあ、聞き入ってしまいます。最後のプン♫と弦をはじく終わり方がよすぎです。

8.ZUTTO

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永井真理子といえば「ZUTTO」になると思うのですが、正直に言うと、わたしは他のファンの方と比べると、そこまでこの曲にリスペクトはしていないんですね。

バラードだったら他にもくさるほどいっぱい名曲があるし、変な話ですけど、この曲に背中を押されたとか、勇気づけられたとか、そういう経験がなくはないけど、他の曲に比べると極端に少ないんです。

どちらかというと、ナガマリファンって話をすると「ZUTTO」やろ?って言われるのがイヤだったというか。それだけじゃないわい!「マイ・チャンピオン」を知らんのか、ワレはっ!って感じだったんです。

それがですよ。

初めてです。

初めて「ZUTTO」で泣きました。

こんなに心に響いてきた「ZUTTO」は今までありませんでした。

なんだろ。チエさんのアコギもいいんですけど、やっぱり姐さんのボーカルかなぁ。染みたわぁ...。ホント、染みたわぁ...。

9.20時の流星群

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その流れからの「20時の流星群」は反則です。やっちゃいけません。もう、あふれ出てきて止まらないですよ、願いが。

コロナ禍という未曽有の事態に誰もが途方に暮れて、不安と恐ろしさに身をすくませているところに自然の猛威がさらに追い打ちをかけています。令和だ、オリンピックだと騒いでいたのが遠い昔に感じるほど、世界は一変してしまった。

それでもチームMの皆さんをはじめ、みんな、なんとか今を生きようとがんばっています。希望を見出そうとして、いろんな人たちが光あふれる未来に向かって手を伸ばしています。そう、この広い空はどこまでも続いているんです。誰もひとりじゃない。

この空の下で、みんなで笑えるようになろう。

こうして今、配信ライブでみんなが繋がっているように、これからもお互いに勇気づけていこう。

そんな願いにあふれたライブパフォーマンスのように感じました。

10.ミラクル・ガール

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さて、ここからは後半戦。

 「ZUTTO」と同じように姐さんの代表曲である「ミラクル・ガール」ですが、このライブ・アレンジも、ずいぶんと瑞々しいキラキラ・ナンバーに生まれ変わっていました。とくにイエイ・イエイ・イエイ・イエー♬のコーラスが、どこのガールズ・バンド?っていうくらいにキュンキュンな感じ。SCANDALとかSILENT SIRENにも引けを取らないキュートさですよ。

9月にリリース予定のセルフカバーアルバム「Brand-New Door」に収録されるヴァージョンがこんな感じだとすると、俄然、ワクワクが止まらない感じです!

11.僕らのBig Power

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続いて、柔道つながりで「僕らのBig Power」が登場。オリジナルでは壮大なシンフォニックでアスリート魂に火をつけていましたが、今回のバンド編成では、アニキ、今度はエッジですかっ!というくらいU2ばりのスタジアムロックが炸裂。

キーボードやピアノ、ホーンセクションなど大所帯のバンド編成も豪華で楽しいんですけど、こういうシンプルなロックバンド編成の方が、偉そうなことを言ってしまいますが、アーティストの本質が剥き出しになるのでボクは大好きです。そして、その本質を10年ものブランクがあったアーティストがヒョイと軽々とこなしてしまうところが(実際は大変なご苦労があるかと思いますが...、こちらからはそう見えます)、なんて言うんでしょう、やっぱりプロフェッショナルだなぁと感動してしまいます。

12.23才

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さてさて、アクセルはさらに踏み込まれていきます。お次は「23才」。なんだか『Catch Ball』率が高いような気もしますが、いいじゃないですかっ!

ここらあたりからアニキがサイドギターの役割を担い、チエさんが前に出てきます。キュインキュインとソロを弾きまくり!

それにしても4人が4人とも実に楽しそうに演奏しています。

こうしてエイトビートのシンプルなロックナンバーを聞いていると、本当にあの頃にタイムスリップしたような気持ちになります。10才の頃、17才の頃、23才の頃。それから10年。さらに10年。あんなことも、こんなこともありましたが、それがあっての今。でもでも、これもどこかへ向かう途中なんですよね。だからこそ、喜びをわかちあい、大声で笑いあっていきましょう。

13.大きなキリンになって

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さらにヒートアップしていきます。記念すべきセルフプロデュースシングル「大きなキリンになって」の登場です!アキさんのハイハットアバンギャルドでありながら、パンキッシュでもあり、気分がどんどん高揚していきます!ギターロックの神髄を見ているような気分。

ピンチに強いボクらは今こそ大きなキリンになり、大きなマツゲをあおいで世界中の空気を戻す時ですっ!コロナ、吹き飛べぇぇぇ!

14.ハートをWASH!

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人それぞれライブのハイライトは違うと思いますけど、ボクにとってのハイライトは、このハイパー「ハートをWASH!」でした!最速のBPMにカッティングギター、めちゃめちゃ最高なパンクロックです!

ていうか「ハートをWASH!」って、普通にJ-POPですよねぇ。しかも、姐さんディスコグラフィーの中では、比較的アイドル的歌謡曲な側面も併せ持っているナンバー。それがこんなにカッチョよくなるものですか?探偵はネコにだってなれちゃうんですよ?

躍動感にあふれるステージングと演奏!アングルによってはスリーピースのガールズバンドにも見えてしまいます!いやいやいや、やっぱりナガマリは最高だぁぁぁ!

15.ORANGE

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ラストは「ORANGE」。ここまで来ると姐さんのボーカルも天井知らずになってきます。なんか普通にスゴイよねぇ。33周年ですよ。10年ブランクですよ。

さらに思うのは、こうして最新のアルバムから3曲もセットリストに加わっているのに、過去のヒット曲となんの違和感もなく、ほぼ同等のレベルで聞けること。ファンにも普通に受け入れられているということ。

活動が長くなれば長くなるほど、どうしても懐メロチックな後ろ向きなアーティストが増えていく中で、我らの永井真理子は常に現在進行形で前しか見てないというこの奇跡(ミラクル)。この「ORANGE」だって、今やチームMのテーマ曲となる存在じゃないですか。なかなか、こんな幸福なことってないですよね。

エンディング

本編終了後は「La-La-La」で締めです。

いやぁ、めちゃめちゃ最高なライブでした。

ライブが終わってホッとしたのかおちゃらけるチエさんに、さりげなくマイクスタンドを避けてあげるアニキのやさしさっ!

「ORANGE」のリピートに合わせてディスコグラフィーを振り返り、

【出逢ってくれてありがとう。これからもよろしくね。】

というメッセージがラストに表示されました。

てなわけで、永井真理子33周年記念ライブ ~I'm happy to meet you~のライブレポになります。次は8月8日(土)のアコースティック配信ライブ、そして、9月19日(土)の渋谷O-Eastは是が非でもライブ会場で大騒ぎをしたいっ!そのためには一日でも早く、先の見えないアフターコロナを撃破せねば!

日本全国でつながれる配信ライブは、これはこれでありだとは思います。でも、やっぱりライブは会場で味わいたいとも思ってしまいました。

これから先、新しい暮らし方というものの中で、生ライブと配信ライブのハイブリット公演というものが実現されていくのかもしれません。それはそれでありだとも思いますが、やっぱりライブは特別なもの。その辺の価値観も、これから考えていかなければいけないのかもしれませんね。

拝啓、坂井泉水さま

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拝啓、坂井泉水さま

あの日から、もう13年も経ちました。
時の流れというのは恐ろしいほどに早いものですね。
お変わりなく穏やかな時の中でお過ごしでしょうか。

今でも、あの日のことが大きな嘘であればと思っています。
今でも、あの日に戻ることができればとも思います。
戻ったところでボクに何ができるわけでもないし、
そんな後ろ向きな気持ちでいることはよくないこともわかるのですが、
今日だけは、
そんな願いとも祈りとも言えない気持ちをそっと抱きしめてみます。

気がつけば、いつのまにか貴女の年齢を超えてしまいました。
遠い存在であったはずなのに、
常に追いかける存在であったはずなのに、
それを超えてしまうというのは、とても不思議な感覚です。

15年前に発売されたベストアルバム『Golden Best ~15th Anniversary~』

もしかしたら、これが最期かもしれないと、
そんな予感じみたインスピレーションに突き動かされて、
貴女は集大成的なアルバムを編集されたりしていたのですか?

もしくは、ここから新たな世界に旅立つため、
『ハートに火をつけて』のジャケットで、
貴女は旅行カバンの準備をしていたりされたのですか?

あれからいくつもの編集盤がリリースされました。
いろいろな情報がボクたちに知れるようになりました。
長戸さん、寺尾さん、
他にもいろいろな方々の想いに溢れてもいます。
でも、思うのです。
本当は見られたくなかったものもあるのではないですか?
そっとしておいて欲しかったものもあるのではないですか?

差し支えなければ、泉水さまと呼ばさせて頂きますが、
ボクは泉水さまが感じた "音" や "感覚" が好きです。
泉水さまの耳が判断したものを共有し続けたかった。
泉水さまが紡ぎだす言葉を聞き続けたかった。
あの日から、それは叶わぬ想いとなりました。

ご自身が納得されたものしか世に出さなかった方です。
そのこだわりがとても魅力的で、時にじれったく、今では儚い。

世界は日々、変化し続けています。
『永遠』と名付けられたアルバムがリリースされる際、
泉水さまは「永遠のスタンダードになれれば」という思いで、
タイトルをつけられたと記憶しています。

今、それは現実になっています。

世界が変わり続けても、
メロディーやリズムや言葉は、
そして、透き通った歌声は、
今も変わらずにボクの心を勇気づけ、元気づけ、慰めてくれます。
今を共有できないことが、とても残念で、とても寂しいです。

それでもボクは幸せに生きています。

いつもそばにいてくださり、ありがとうございます。
これからも、どうぞお力添えをお願いいたします。

敬具