that passion once again

日々の気づき。ディスク・レビューや映画・読書レビューなどなど。スローペースで更新。

永井真理子 ファン感謝祭2020 @ shibuya eggman 第1部

f:id:wisteria-valley:20201227204013j:plain

たぶん、これから2020年という年を振り返った時、誰もがコロナの年としてこの1年を思い出すに違いありません。その象徴として、緊急事態宣言を発令する安倍元首相のニュース画面を思い浮かべるかもしれませんし、横浜大黒ふ頭に停泊するダイヤモンド・プリンセス号の姿を思い浮かべるかもしれません。はたまた、小池都知事のオシャンティなマスク姿や吉村府知事の油汗をかいている姿を思い浮かべる方も中にはいらっしゃるかもしれません。でも、Team Mの方々については、この先ずっと2020年と聞いて思い浮かべるのは、たぶん、こんな姿ではないかと思うのです。

ナガマリ、ピンクのウエポンで撃沈w

f:id:wisteria-valley:20201227210813j:plain

そうなんですよ。今年1年を振り返ってみると、ちょっと不謹慎かもしれませんが、なんだかんだ言って楽しかったなぁと思うのです。そりゃ辛いことも苦しいこともありました。当たり前のようにね。でも、それを遥かに上回る楽しさが多かったなと。それもこれも姐さんのおかげと言いますか。姐さんが楽しませてくれたから、こんな時代でも明るくワチャワチャとわっしょーいな感じで1年を過ごすことができたと思うのです。これって、なにげにスゴイことのような気がしません?なかなかできることじゃないですよね。

姐さん、ありがとーーー!!!

Team Mのみなさま、ありがとーーー!!!

てなわけで、先日の永井真理子ファン感謝祭2020のライブレポなるものを、久々にネタバレ上等でドドンと全26曲、完全に振り返りながら、ついでに今年一年も総括しちまおうかと思います。アーカイブで繰り返し見まくった生粋のTeam Mの方々には到底かなうものではありませんが、とりあえずなにかの助力みたいなものになれれば幸いでございます。

よし、いくぞー! ぁ住み慣れた♬

 

f:id:wisteria-valley:20201227213945j:plain

会場は老舗のライブハウス "shibuya eggman"。どちらかというと "Egg-man" の表記の方がしっくりくるという人が多いかもしれません。大通りの向こうには代々木第一体育館の雄姿と紅白歌合戦の聖地NHKホールが、真向いにはビルに建て替えられて昔の面影なんていっさいなくなってしまった伝説の渋谷公会堂が鎮座する、もう説明不要の音楽ファン御用達の場所ですよね。名だたる数々のアーティストがライブを行ってきた場所でもありますし、聞けば姐さんもデビュー当時以来の場所だというじゃありませんか。

f:id:wisteria-valley:20201227215935j:plain

通常ですと収容人数350人の小さめなライブハウスではありますが、この日は限定人数が各部70人!いやいや、ちょっと待ったぁ!このご時世でも、そこらのスーパーに買い物に行ってみれば、フロアにお客さんが100人くらいは普通にいるじゃないですか!お菓子売り場でワチャワチャしているチビッコだけでも10人くらいはいて、欲しいお菓子を買ってもらえなくて泣きまくっている子が1人か2人必ずいるわけじゃないですか。それを70人って、THANK YOU SOLD OUTとありますが、そりゃチケットも秒で売り切れますさ。

(ちなみにね、看板の右上に "12.22 (mon)" って書いてあって、それを見つけたティームMの方が、今日は火曜日だよねぇとディスってましたよ、姐さん!)

f:id:wisteria-valley:20201227222349j:plain

ライブグッズは速攻で売り切れた2021カレンダーをはじめ、こんな感じで貼り出されておりました。しかし、感慨深いのは2017年の復活からわずか3年の間で4枚ものアルバムが発売されていること。最近の特に若いヤツらなんて、それこそ3年くらいのスパンでアルバムを出してるっていうのに、姐さんのこのアグレッシブさといったら!

昔なんて毎年1枚は必ずオリジナル・アルバムを出して、そのツアーも最低30本くらいはあったんですよね。そう考えるとさ、どうよ、今の若い連中たちよ。チミたちと同いくらいの頃でもうちらはブイブイ楽しめて、今でもワチャワチャ楽しくて仕方がないなんて羨ましいだろ!ヘヘン!

チケット発売日が休日だったので諦め半分でポチポチと1時間くらいまったりと続けていたら、なんということでしょう、奇跡的に第2部のチケットがピロッと取れたのですが、この辺のシステムもいまいち、なんで取れてしまうのかがわからないんですよね...。昔だったら、電話がつながったー!と思ったら、コールセンターのお姉さんに「もうチケットはありませんね~」と言われておしまいだったのですが、これがIT時代ってヤツなんでしょうか。そういえば、チケットの特別先行販売とか、大きい会場だと専用ダイヤルとか、昔はあったりしましたよねぇ。

 

なんか懐かしがってばかりになってしまったので、会場レポはこれくらいにしまして、肝心のライブ内容へと移ります。

第1部が16:00からスタート、第2部が19:30からスタート。いずれも演奏されたのは13曲ずつ、ナガマリ宣言通りのかぶりなしの全26曲。2時間ずつのライブで、トータル4時間の感謝祭。会場組はもちろん、配信組もアーカイブ組も楽しめる盛りだくさんの内容になっていました。

ライブの構成も3段階になっておりまして、

前半・・・女子バンド is ザ・M'sレンジャー

中盤・・・おうちシリーズ再びのワチャ系

後半・・・燃焼系燃焼系アーミノ式

と、三色アイスの如く、一粒で三度も百度もおいしい、2020年をまるっとひとまとめにしたような総本山で天王山な日本シリーズ戦となっておりました。その辺のセットリストやライブ・フォトなどについてはナガマリ公式サイト、ナガマリ公式ブログに大量にアップされていますので、そちらで十二分にお楽しみください。

ではでは、各楽曲について語り倒していきまっせ~。

 

オープニング

第1部、第2部、どちらもこのオープニング・ムービーでのスタートです。「Winter song」のインストにのせてひとつひとつ紡がれていく言葉は、この2020年を総括した真理子さんの心境であり、新しい扉が開かれた、これから待ち受ける未来への心境を、Team Mのひとりひとりに語りかけるものとなっています。

ていうかさぁ、「Winter song」いいよねぇ。

特にこの時期になると染みるんだよねぇ。

なんて思いながら字幕を見ていると、姐さんが語っていることって、まんまボクらが思っていることでもあるじゃないですか。一蓮托生!まさに姐さんとTeam Mが一丸となって歩いてきた一年だったなぁとしみじみと思ってしまいます。

 

1-1.今日こそは心を着がえて

f:id:wisteria-valley:20201228234908j:plain

マジかぁぁぁぁぁ!!!

第1部の1曲目は、まさかまさかの「今日こそは心を着がえて」でした!ありえへんっ!こんなの夢に決まってる、夢を見てるんだ、夢でなかったらなんなんだ!しかも、姐さんの衣装がザ・感謝祭!ぶふぉぉぉ。飲んでいた牛乳が鼻から噴き出した!

いや、本気でTeam Mのみなさまにお聞きしたいです。こんな日が来ると思ってました?信じられなくないですか?あのナガマリが「今日こそは心を着がえて」を歌ってるんですよ?マジか...、ほんとマジか...。新たな扉の先に、まさかこんなスリットの入っ...、いや、こんな楽曲を歌ってくれる世界が待ち受けていたなんて...。

作曲は前田先生、作詞は真理子さんと亜伊林さんによる、1989年の冬に発売されたオムニバス・アルバムの中の1曲。もう、懐かしいやら、嬉しいやら、マルセさんとミチさんが素敵すぎるやら、もう、なんなんこの感情は...。'89年のあの冬景色がフラッシュバックしながら、目の前では21世紀がもう20年も過ぎてしまった冬景色も広がっていて。なんかクロスオーバーが甚だしいっ!

 

1-2.TIME

f:id:wisteria-valley:20201229123809j:plain

シャンパンで乾杯してからの、ライブで演奏するのに手こずった楽曲はこれじゃ~!と披露されたのが、これまた'89年にシン・グル・カットされた「TIME -Song for GUNHED-」。8月8日に開催された "アコースティックスペシャル M's History"、通称888ライブでは後半のメドレーの中の1曲として、初のハイブリッドライブとなった大阪・秋の陣 "KNOCK THE NEXT DOOR ~Super Acoustic Live~" ではフルセットとして披露されていましたよね。もうここまで来ると、M'sレンジャーのみなさまの団結力も凄まじく、チエさんとミチさんのアンサンブルが素晴らしい!

シャンパンをチビリとしたせいか、姐さんのボーカルが急激に伸びやかになりまして、なんだか梅酒がうめぇ事件の再来にならなければと、妙な心配を起こしてしまったのは内緒です。

 

1-3.ZUTTO~X'mas Version~

f:id:wisteria-valley:20201229132354j:plain

みなさん、感謝祭ですよ。チラ見せ、感謝祭ですよっ、と上機嫌な姐さんに「ねえ、ケガしてるよ」とチエさんに言われ、「犬にひっかかれた」と色気どころか愛犬家な面が浮き彫りになってしまった姐さん。からの、これまたレアな「ZUTTO~X'mas Version~」ですよ。

ビング・クロスビーの「White Christmas」をしっとりとマルセさんが奏でたところで、このクリスマス・ソング。女子バンドの柔らかい世界観も相まって、歌詞違いのこの曲がもんのすごい名曲であったことを再認識できました。亜伊林さんも藤井さんも、やっぱりスゴイよね。それを数十年ぶりに披露するナガマリが一番スゴイんだけどさ。

ぜんぜん話が逸れますが、FUN HOUSEの黄金期って、今、振り返るとJ-POPの礎を確実に築いたアーティストたちがひしめいていたような気がします。そんな時代を潜り抜けて、ここでまた同じ空気を、同じ時間を共有できることって、ホント、幸せなことだなぁとしみじみと思ってしまうんですよねぇ。

 

1-4.春一番 (The Original is by Candies)

会場がしっとりとしたところで、前田先生・マシコさん・ha-jさんら『会えて よかった』制作陣からのコメント動画が流れました。たらればの話をしても仕方がないのですが、本来であれば7月11日、7月24日の2日間は歓喜のコラボ・ライブが開催されているはずでした。みなさん、同じように「来年こそは!」の思いを語られていて、まさに来年2021年の4月には『会えて よかった』と思える振替公演になるのではないかと思います。

からの、なにやら会場からどよめきが...。

去年、2019年12月30日に行われた歌謡ショーで披露されたあの3人娘がっ!

f:id:wisteria-valley:20201229145413j:plain

出典:https://twitter.com/nagai_mariko/status/1211626212805640192?s=20

いやいやいや、ホント、2017年の復活後、とくにエンジンがかかり始めた2018年から、姐さんのやりたい放題は天井知らずになってきてます。オープニングの "出来ないことばかり" って言葉も、どこかにすっ飛んじまうくらい、姐さん、やりたい放題ですよっ。

お約束のように歌詞を間違え、まるで子供のお遊戯会のように嬉々として踊る姿。いったい、ボクらは何を見せられているんだぁぁぁぁぁ!その横で優等生な感じで踊るアキさんと、遠くに目をやり、いっぱいいっぱいで踊るチエさん。いったいどこを見つめているんですかぁぁぁ!

ちなみに練習風景では、逆にチエさん、もんのすごく楽しそうw

 

1-5.私の中の勇気 アコースティックバージョン

今日は感謝祭ですよ♥と、もう無礼講を通り越して、ここに来たら最期、なにがなんでも笑かしますからねと、いつになく目がギラギラしまくりの姐さん。次に紹介されたのはアマチュア時代の「One Step Closer」!えぇぇぇぇぇ、前田先生、ジャラジャラしてるーーー!ブラザーな感じじゃないですか。

からの、ご本人登場。去年のファン感謝祭では、突然の登場からの新曲「Restart」の披露と、もうフルアルバム発売からの勢いがスゴすぎることになっていましたが、ここは2020年。コラボ・ライブの延期からの、ツイッターで「Restart」のオリジナル譜面をふるまい、自粛期間中にはリモートでおうちライブに参加。あの時、前田先生は、ツイッターでこんな風に語られていました。

あれから半年、まだまだ完全ではないけど、それでもボクらは笑顔で会うことができました。確実にみんなで少しづつ歩いてきました。そんな困難を乗り越えられてきたこと、今日という日まで一緒に頑張ってこれたこと、そんな日々たちを労うように、前田先生が紡ぐ優しいアコースティックな響きにのせて、真理子さんのすべてを抱擁するようなボーカルが12月の空に響きました。

f:id:wisteria-valley:20201229205507j:plain

出典:https://www.marikonagai.com/pages/1059405/page_201706120033

 

1-6.きれいになろう (Request 1)

ジーンときた感動をかき消すように「ミッドナイト・ウィルス」の爆音が轟き、あのチコ・ロドリゲスさんが緊急来日されました。ここからは感謝祭おなじみのリクエスト・コーナーです。候補に挙がった曲は以下4曲。

 A.いつもセレナーデ

 B.Bicycle Race

 C.きれいになろう

 D.夏のはじまり

チケット番号で選ばれた幸運の持ち主は「23番」と「7番」のお二方でした。

取れかかったヒゲをセロテープでしっかり固定すると、チコさまのこれまた柔らかいストロークアルペジオが会場に響き渡り、それに合わせて手拍子が起こるのですが、真理子さんが歌い始めた途端、その手拍子がピタッと止まります。

33ライブでも、888ライブでもそうでしたが、姐さん、立って歌うよりも、ハイスツールに座って歌う方が、なんかスゴイ抜けのある伸びた歌声になるんですよね。なんなんだろ、歌いやすいのかな。とにかく、会場の方たちも、この歌声はなんじゃ~といった感じで、手拍子なんか耳障りじゃ~、この声に包まれていたいんじゃ~と、姐さん&チコさんの演奏にふんわりと耳を傾けます。

怒涛の『Love Eater』シーズンを迎えた'94年。何度目かのピークを越え、良い意味で、ふっと肩の力を抜いたらポロッと名曲ができちゃいましたみたいな、そんな楽曲が「きれいになろう」だと思うのですが。あれから26年、衰えるどころか、ますます艶と包容力を兼ね備えたボーカルを披露する真理子さんには、本当に脱帽です。

 

1-7.夏のはじまり (Requesst 2)

リクエスト2曲目も、まあ、伸びます。この御方、本当に気持ちよさそうに眉毛をハの字にして歌っています。それをこうして配信であったり、アーカイブであったりで楽しめるなんて、なんか幸せなことですよね。

季節感がまるでないと仰られていましたが、なくてもこれだけ楽しめるって、もう姐さんが歌うならなんでもいいっ!みたいな状態に突入。でも、オーストラリアのクリスマスって夏じゃなかったかなぁなんて思ったり思わなかったり。

歌い終わった後、MCで辛島さんについてお話をされていましたが、姐さん曰く、辛島さんは天然ちゃんだと。スタジオへご挨拶に伺ったら、「ちょっと待って」と引き止められ、なにをされるのだろうと思っていたら、サザエさんを見ていた辛島さんがじっけった!とジャンケンをされて、終わった途端に「あ、おつかれさまです」と打合せが始まったと。「ね、天然でしょ」と。いやいや、いやいや、どちら様もでしょーーー!

からの、質問コーナーのはじまりです。

『今年を漢字一文字で表すとしたら』

無人島にひとつだけ持っていけるとしたら』

アニキのフライパンが最強すぎると都市伝説になりましたが、料理番長さん、ツイッターでいろいろレシピを教えてもらったりして、それも2020年を象徴するような楽しさの一つでしたよね。姐さんがツイートした次の日には、結構な方たちが料理に挑戦していましたもんね。どれもおいしかったーーー♬

 

1-8.ミラクル・ガール

さて、ここからは燃焼系コーナーです。バンドメンバーにアニキが加わり、今年の7月10日に行われた初の無観客配信ライブ "デビュー33周年記念ライブ~I'm happy to meet you~" と同じ布陣となりました。で、このツイン・ギターは、やっぱりスゴすぎです。

33ライブでも披露されていた「ミラクル・ガール」ですが、アニキのアレンジが最高すぎます。マニピュレーターも駆使されていて、トラックの後ろでフィヨフィヨフィヨフィヨと流れているのがオリジナル音源からではないかと思うのですが、それがうまいこと世界観を壊さずに21世紀バージョンへと昇華しているんですよね。

でね、なんか楽しすぎるというか、幸せすぎるというか、なんでしょう、なぜか聞いていて妙に横浜スタジアムのライブを思い出してしまったのです。なんでだろうと思ってみても、なんでなのかさっぱりわからないんですけど、たぶん、ナガマリが本格的にバンド形式のロック・サウンドをぶち上げたのが横浜スタジアム・ライブであって、今、目の前で繰り広げられている音像が、そのロック・スタイルと出会った時の感動を蘇らせているような、そんな気になったのかもしれません。

 

1-9.WHY WHY WHY

続いては先月の渋谷ライブ "OPEN THE NEXT DOOR" の感動再びの「WHY WHY WHY」。こちらもアレンジが最高すぎます。

オリジナルのヴァン・ヘイレン的なハードロックももちろん大好きなんですが(エディ...、長い間、ありがとうございました!)、21世紀型「WHY WHY WHY」は、とにかくエモい!セルフカバーアルバム『Brand-New Door』に収録されている「好奇心」のような、とにかく高揚感に溢れているのです。

天高く突き上げた手のひらで大事なものをギュッとつかみ取れるような感覚、そのトキメキでさらに頭上の空が広大に拓けていくような感覚。そんな身体の芯から溢れ出てくるパワーを、スリーピース・バンドのシンプルな演奏と真理子さんの力強い歌声が無尽蔵に引き出してくれるのです。

f:id:wisteria-valley:20201229182053j:plain

出典:https://twitter.com/nagai_mariko/status/1341726425246703617?s=20

 

1-10.自分についた嘘

さらにアルバム『TOBIKKIRI』からの楽曲が続きます。

あのイントロが流れ出すと、もう無意識で身体が反応してしまいますよね。アレンジを変えていないのに、しっかりとロック・サウンドとして構築されて、かつ熟練の2人のギターリストが絡まりあいながらグルーヴを作り出していく様は圧巻です。アキさんも女子バンドの控え目なリズムはどこへやら、バシバシと会場を煽っていきます。この熱量って、絶対に'89年とかあの頃の熱量の軽く100倍はありますよね。

Team Mのみなさま、まだまだですよ。まだまだ、ボクらは高みを目指して昇り続けていけますよーーー!!!

 

1-11.Tobujikandesu

1部2部を通してもオーストラリア時代からピックアップされたのは、この「Tobujikandesu」だけでした。逆に東芝時代からは1曲も選ばれていないのですが、リクエストがまったくなかったわけではないと思います。ただ、マイノリティーだった。しゃあない。そりゃ、そうでしょ。だって、全曲リクエストの曲で構成されているんですもの。

こちらもシンプルだけど、ロック的なダイナミズムがむちゃくちゃ気持ちがいい1曲。たぶん、会場組のフロアは完全に揺れていたはずです。

 

1-12.キャッチ・ボール

先月の渋谷ライブ "OPEN THE NEXT DOOR" の「White Communication ~新しい絆~」の際に、大量の真っ白な風船と、バンド・メンバーのサイン入りドデカ風船が会場を埋め尽くしたのは記憶に新しいですが、その景色と'92年の横浜スタジアム・ライブがシンクロしたというTeam Mの方々も多かったと思います。

その横浜スタジアムで野球のボールに模したドデカ風船が登場したのが「キャッチ・ボール」でした。あの時、あの場所にいた誰もが隣の人と実際に、もしくは心の中で手をつなぎ、愛とは、もしかしたらこんな繋がりから作り出されるキャッチ・ボールなのかもしれないと、そんな風に会場の一体感にこれ以上ない幸福感を得ていたと思うのです。そこには世界を遮るものなんてなにもありませんでした。

今、ボクたちは普通にマスクを付け、身体が触れ合わないよう2mの間隔をあけることを余儀なくされ、隣の席との間にはアクリル板が立てかけられ、できることなら家の中で過ごすことを推奨されています。海の向こうの国に行くことは許されず、国内でも県境を越えることに抵抗感を持ち、都市部からやってきた訪問者を心から歓迎できず、感染者数が増大している地域をまるで放射能にでも汚染されているかのような目で嫌厭している。世界は完全に断絶されてしまいました。

この一瞬を、求める冒険心を、心に巣くう暗闇を、相手を思いやる花束を。投げて投げ返されて、また投げて投げ返されて、そうやって人と人とがつながっていく。ステージと客席、会場と配信、世界を隔てている壁。その壁を今すぐここでぶち壊したい。真理子さんの思いは、Team Mみんなの思いでもあると信じたい。その想いのすべてが、あのアクリル板の手形につまっていると思います。

そして、この「キャッチ・ボール」が歌われていた時間、それが12月22日の18:00頃だけではなく、アーカイブで見ていた全ての時間も含めて、この時間だけはステージと会場と配信とアーカイブ、すべての人が "ひとつ" になれた時間だとも思うのです。

f:id:wisteria-valley:20201229205921j:plain

出典:https://www.marikonagai.com/pages/1059405/page_201706120033

 

1-13.Winter song

第1部のラスト・ナンバーはオープニングでもあった「Winter song」。12月に生まれた自分への大きな大きな肯定を歌った曲。この時期に行われる感謝祭では必ず歌われる、真理子さんの大事な大事な1曲。

きっと 戸惑うだろう

自分の居場所をなくしてしまう

ずっと 暗い道を歩く毎日は

辛く君を攻めるけれど

どうか負けないでいてね

光目指して進んで 

姐さんが過去の自分へ宛てたこの歌詞は、来年の今頃、このCOVID-19と戦い続けてきた世界のみんなが、今を振り返った時に思うことなのではないかと。光を目指して進み続け、きっと来年の年末、東京オリンピック盛り上がったねぇと、なになにもあったねぇと、海外にも自由に行けるようになったねぇと、2020年の自分、頑張ればその先にはいいことあるぞーーー!と言えるようになっているのではないかと。そう願わずにはいられないのです。

 

エンディング

てなわけで、書きたいことを書きまくっていたら第1部だけで、とんでもない文字数になってしまったので、第2部は別テキストへと続きま~す。

wisteria-valley.hatenablog.com