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映画「ミッション:インポッシブル/フォールアウト」を観た

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【作品情報】

タイトル:MISSION:IMPOSSIBLE - FALLOUT

監督:クリストファー・マッカリー

脚本:クリストファー・マッカリー

日本公開:2018年8月3日

上映時間:147分

 

たぶん、前作の『ローグ・ネイション』以来の映画館での鑑賞です。早いものです。あれからあっという間に3年が経ってしまいました。その間、映画館で観たい!という作品になかなか出会えないのも残念な感じでもあります。

2011年のリブート作『ゴースト・プロトコル』からずっと感じていることではありますが、ダニエル・クレイグ版『007』との類似がありすぎて、いっそのこと『007』にしてしまったらいいんじゃないかと...。そう思っていたら、海外のファンも同じようなことを感じていたようで...。

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『スペクター』だよ。まさしくって感じですわ。こう見るとダニエル・クレイグの方がかっこいいなぁ、なんて思ってしまいますが...。

しかし!今回の『フォールアウト』は違いましたよ。トムクル好き、M:Iシリーズ好きは必見!ほとばしるセルフ・オマージュがたまらない作品になっていました。もしかしたら年齢も年齢なので、無理なスタントが厳しくなってくるとすると、M:Iシリーズもこの『フォールアウト』が最期なのかもしれません。いや、わからないですけどね。でも、そんなニュアンスを感じるくらいに、まとめに入ってる感をバリバリ感じますので、映画館の大画面で観れるのはこの夏休み中だけ!ってことで、見逃し厳禁な作品になっていました。

 

そもそもトム・クルーズ制作の『ミッション:インポッシブル』シリーズというのは、いろんな映画へのオマージュを込めた作品シリーズで、その最たるものが前作の『ローグ・ネイション』だったわけです。第1作目から振り返ってみると、

1.『ミッション:インポッシブル』1996年

基盤は人気テレビシリーズだった『スパイ大作戦』のリメイクですが、ブライアン・デ・パルマの『アンタッチャブル』、『ダイハード』のアクション、そして、当時飛ぶ鳥を落とす勢いだったヨーロッパ系の俳優、エマニュエル・ベアールジャン・レノを揃え、さらにはサントラがイギリス勢のアーティストばかりという、トムクル渾身のオシャレ・アクション・スパイ映画。

2.『M:I-2』2000年

アイズ・ワイド・シャット』の出演で溜まりに溜まった鬱憤を晴らすため、スパイなんて知ったことか!と、思いっきり『男たちの挽歌』を地で行ったハイテンション映画。知的さは『羊たちの沈黙』のレクター博士に任せ、『ターミネーター2』よろしく悲劇のヒロインを救うため超ハイセキュリティな施設へ乗り込み、最後は『燃えよドラゴン』なみにドドン!と海辺のバトル。この知能指数ゼロがウケて興行成績No.1。ゴリゴリのハードロックばかりを集めたサントラもバカ売れ。

3.『M:i:3』2006年

ソファの上でピョンピョン跳ねちゃったものだから一気に人気が低迷。前作『M:I-2』のやりすぎも反省して『スパイ大作戦』の原点回帰と言いながら、同じテレビシリーズの『24 -TWENTY FOUR-』や『CSI』を拝借、監督もテレビドラマ出身のJ・J・エイブラムス。完全に映画がテレビドラマに抜かれてしまったことを如実に表していました。そんな中、映画畑の同士として『マグノリア』で共演したフィリップ・シーモア・ホフマンがトムクルを応援。この人がいなければ終わっていました。

4.『ゴースト・プロトコル』2011年

テレビでは味わえない体験を映画館で!ということで開発されたのがIMAXシアター。ソファ事件から5年の歳月をかけてじっくりと再起を狙っていたトムクルは『ダークナイト』や『カジノ・ロワイヤル』のリブートブームに便乗。M:Iシリーズも生まれ変わるぜ!と、とことん『007』の世界観を拝借した結果、奇跡の復活、シリーズ最高収益となりました。

5.『ローグ・ネイション』2015年

もうなんでもありになったトムクルは往年の名作映画をとことんオマージュ。引き続き基盤にしている『007』はMI6の登場でいよいよ区別がつかなくなり、コメディ要素は『リーサル・ウェポン』のバディムービーを、『第三の男』や『市民ケーン』などオーソン・ウェルズを彷彿させるシーンが何度も登場、これは "嫌われ者" を逆手に取ったトムクルなりの皮肉かもしれません。極めつけは映画のポスター。

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往年のアクション映画を彷彿させるこのデザイン!カッコええ!

と、こんな感じで、良く言うとオマージュ、悪く言うとパ〇リまくっているシリーズが『ミッション:インポッシブル』になるわけです。前5作がそんななので、当然第6作目もそうなんだろうと思って久々に映画館に行ってみた訳なのですが...。

 

とにかく『フォールアウト』はこの前5作を総括しています。今までいろんな映画を吸収してきたシリーズが、ここに来てまさかのセルフ・オマージュ。それがいい感じでまとまっているのです。第1作目の "マックス" や、2作目のアクション、3作目の "ジュリア" に、4作目の "重要建造物の爆破"、5作目の "CIAとMI6" そして "ソロモン・レーン"。あまり列挙してしまうと、映画館での楽しみが半減してしまうので、あとはご自分の目でお確かめください!予習も忘れずに!『フォールアウト』を観た後は、復習でまた過去シリーズを観たくなること請け合いですぞ、姐さん。