that passion once again

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永井真理子 KNOCK THE NEXT DOOR に寄せて

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本当によかった...。

こんな日を迎えることができて、本当によかった...。

心の底からそう思えた10月24日でした。

 

例え、自分たちが大丈夫だとしても、100%の状態でライブなどのエンターテインメントを楽しむには、まだまだ医療的な面もそうだし、世間様の空気も許さない状況ではあります。それは姐さんに限らず、いろんなアーティストの方たちが四苦八苦していることであり、ボクたちのような音楽ファンもフラストレーションを抱える問題にもなっています。できることなら、みんなで盛大に大騒ぎしたいよねぇ。

でね、こんな状況って、なんか昔々にあったような気がするのです。

こう...、やりたいことができないっ!という状況...。

なんて言うんでしょ、なんか思うようにいかないなぁ...という状況。

それは、なんだろう?と思っていたのですが、わかりました。

今回のナガマリ・ライブでわかったのですよ、姐さん。

学生時代じゃん!多感な思春期の時代じゃん!

アオハルじゃ~ん!

 

将来に対するぼんやりとした不安。

それでも自分の中で膨らみ続ける夢や希望。

そんなん言いながらもやらなければならないことは日々あって。

目の前にある新たなドアを開ける気持ちの余裕もない。

 

わかります?

こんなことをしたい、あんなことをしたいと思っていた10代のあの頃。

それを諫めるのは親であったり、先生であったり、自分自身であったり。

もどかしかったり、思い悩んでいたりしていたあの頃と、今、この2020年という時代が、なんだかオーバーラップするんです。

 

我らの永井真理子は、その扉をノックしようと訴えかけました。

まずは目の前に見えている "新たな扉" の存在を認めよう、と。

その結果が10月24日でした。

 

まるで小学校や高校時代の夏休み明けの全校集会かっ!というくらいに、会場組の再会の熱さといったら、もう扉をノックするどころか、完全に「OPEN ZOO」状態でした。教頭先生が「お前ら、静まれぇぇぇ!」と声を上げても、みんなワチャワチャして誰も見向きもしなくて、登壇した校長先生がいつまでも話を始められないでオタオタしているような状況といいましょうか。

そこに産休明けのマドンナ先生が挨拶に現れたら、もうみんな歓喜の涙みたいな。

(校長先生の立場がないよね...)

さらにはZOOMで参加していた生徒たちも涙・涙・涙みたいな。

これが "新しい扉" ですよ!(なんのこっちゃ!)

さあ、ノックしたれぇぇぇ!

 

とにもかくにも第一部の感動といったら、やっとここまで来たという思いしかないです。やっと...、やっとです(なんかZUTTOみたいやなぁ...)。

そもそも音楽ってコミュニケーションじゃないですか。

パイセンもツイッターでリプってたけど、ボクたちは画面を通して姐さんを拝むことはできるけど、姐さんはいつもスマホかカメラに向かって、顔の見えないボクたちに向けてメッセージを届けてくれてはるんですよね。

それってさ、結構な孤独の作業のような気がするんです。

まるで宇宙船で地球と交信しているような、といいますか。

無観客ライブもそうです。

スタッフの方たちがそばにいて、チャットで声援をしていたとしても、やはり無機質といいますか、ビビッドにダイレクトに届くものがない。そんなもどかしさがありました。

それがやっと、お互いに空間を共有することができた。

「30年ぐらい会っていなかったような気持ちになるの」という真理子さんの言葉も、やはり、10か月間のこのコロナ禍の苦労を物語っているのではないかと思うのです。もちろん、ボクら側の苦労も然りですけどね。

だから、よかった。

本当によかったよ~。

 

もちろん大きな声で声援を送ったり、飛んだり拳を振り上げたり手をつないだり肩を組んだり抱き合ったりということはできないですが、会場組の大きな拍手とメヂカラ、配信組の大きな大きなラブ・パワーで、とてつもなくハッピーだった10月24日のライブでした。

16:00からの第一部、19:30からの第二部、それぞれ違うセットリストでの演目。

今回のライブ、見どころはなんといってもmaruseさんのヴァイオリンでしょ!

ナガマリ&maruseのジョイント・ライブかっ!というくらいに、まあ、全編にわたってmaruseさんが弾きまくっていました。maruseさん好きにはたまらないライブでしたよね。中にはギター・ソロか?みたいなところもあり、とにかくヴァイオリンの音色が、今回の "KNOCK THE NEXT DOOR" の雰囲気を形作っていました。

もちろんミチさんのキーボードも大活躍でしたが、前回よりは控え目、チエさんやアキさんと一緒になって真理子さんやmaruseさんを支えているような印象を受けました。

詳しいセットリストは、たぶん、27日のアーカイブ配信が終わったと同時に怒涛のようにツイートされるはずなので、まあ、そちらをご参照ください。

ナガマリ公式ホームページでは、27日の23:00までアーカイブ配信のチケットが購入できますよと記載されていますが、これはいつもの姐さんやらかし。実際は26日の18:00の時点で販売は終了しています。たぶん、買い忘れているTeam Mの方などいらっしゃるはずがないので、みなさん、ギリギリまでアーカイブ配信を楽しみましょう~。

ちなみにですけど、というか、いつものことなんですけど、アーカイブ配信はヘッドフォンで視聴されることを強くおススメいたします(欲を言うと、ちょいと音のいいヘッドフォンだと最高です)。もちろんテレビにつないで大画面の姐さんを拝むのもありですが、会場の雰囲気、さらには細かな演奏の音もヘッドフォンで聴くと、よりリアルに楽しむことができます。特に今回の演奏、チエさんアキさんミチさんトリオが凄まじく素晴らしいです。

個人的には、第二部が初っ端から後半までグッときまくりでした。選曲も良ければ、姐さんのボーカルも最高でした(特にあのバラードが♬)。特にラスト3曲はヤバイです。こんなん演られたら絶対にムリやん。明日からまたがんばろう!って思うしかないやん。あの頃の自分に笑われないように、しっかりと生きていこうって思うしかないやん。そんな感じでした。そうでしょ?

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そして、次回はとうとう新たな扉を開け放つ瞬間が訪れます。

題して『OPEN THE NEXT DOOR』。

その先には "新しい道" というものが見えてくるはずです。

 

将来に対するぼんやりとした不安。

若い頃、それを払拭できたのは、いろいろなロック・ミュージックが弱虫な自分の背中を後押ししてくれたからでした。そのおかげで自由を味わうことができて、自分の限界を押し広げることができた。

そんなボクらも、あの頃から、もう二巡も三巡も回りまわってきて、ここにきてまた不自由さを味わっています。カゴの中に押し込められようとしている。

"1歩ずつでも近づいていく" と意気込み、"羽ばたく自由" を思い出し、"傷ついてもかまわない" と半ば自暴自棄に近い気持ちで世界に飛び出し、"決まりきった毎日に少しづつ変化をつける"。

そうなんです、ボクたちには永井真理子がいます。

その昔、そうだったように、もう一度、ここからですよ。

みんなで "錆びついた心の観覧車" をゆっくりと回していきましょう!

そして、あの頃に感じた "自由" を、もう一度、取り戻しましょう!